新築マンション価格は、ドルベースでは上昇していない!?
首都圏のマンション市場動向を不動産アナリストが解説!【2021年11月版】

2021年11月9日公開(2021年11月8日更新)
岡本郁雄

今回は、2021年9月度の新築・中古マンションの市場動向を見ながら、マンション市場の動向を紹介したい。2021年不動産マーケットは変わらず堅調だが、円安の進行や原油など資源価格の高騰など不安定要素も大きい。2021年10月31日に行われた衆議院選挙では、与党が安定多数を確保した。コロナ禍で落ち込んだ日本経済の活性化に向けた効果的な施策が望まれる。(不動産アナリスト:岡本郁雄)

ドルベースで見た首都圏新築マンション価格の上昇は、限定的

 不動産経済研究所発表の2021年度上半期首都圏新築マンション市場動向によれば、2021年度上半期(2021年4月~9月)の供給戸数は12,809戸。平均価格は6,702万円で昨年度の上半期との比較で10.1%上昇している。価格は、長らく上昇トレンドが続いていることになる。2011年の首都圏新築マンションの平均価格は4,578万円なので、約1.46倍になったことになる。

 しかし、世界の基軸通貨とされるドルに換算すると違う見方もできる。日本銀行が公表している為替相場(東京インターバンク月末)とドルベースの首都圏新築マンション平均価格(不動産経済研究所発表。便宜上、同じ年の月次価格を平均価格としてみなす)を掛け合わせてグラフにしてみた。

ドルベースで見た首都圏新築マンション価格の推移

写真為替相場の単位は円、マンション価格の単位は万ドル。2021年のマンション価格は、1月~6月は2021年上半期平均の6,414万円、7月~9月は2021年度上半期平均の6,702万円で試算。

 2011年は、急激な円高で1ドルは、80円を割れていた時期もあった。2011年8月は59.78万ドルでほぼ60万ドルをつけている。その後、日本銀行の金融緩和もあり円安トレンドに。ドルベースの価格は、大きく下げて最も低くなったのは、2014年12月の42.24万ドルだ。その後、新築マンション価格の上昇トレンドが続き、かつての最高値を上回ったのは、2021年1月度。その後円安が進んだことで、2021年9月は59.90万ドル。2021年8月とほぼ同額だ。

 2011年頃とドルベースで比較してみると、首都圏のマンション価格はそれほど上がっていないとも言える。また、2014年頃と比べると40%超も上がったという見方もできる。当然、供給エリアや商品企画は異なるため単純に比較することはできない。しかし、経済がグローバル化しボーダーレスな投資市場が形成されつつある中、ドルから見たマンション価格も留意したほうがよいだろう。

 通常、インフレ傾向だと通貨が弱くなり、デフレ傾向だと通貨は強くなると言われる。円が今、ドルをはじめ諸外国の通貨に対し弱くなっていることは、インフレが進行する兆しなのかもしれない。

 続いて、2021年9月度の首都圏新築マンション市場を見てみよう。

最新の首都圏新築マンション市況は?

 2021年9月の首都圏新築マンションの供給戸数は、昨年同期比6.7%減少の2,311戸。2カ月ぶりに昨年同月比で減少した(参考:不動産経済研究所が発表した「首都圏の新築分譲マンション市場動向2021年9月度」)。

首都圏の新築マンション市場動向
首都圏の新築マンション市場動向(出典:不動産経済研究所発表「首都圏の新築分譲マンション市場動向 2021年9月」)

 新築マンションの1戸当たりの平均価格は6,584万円、前年同月(5,812万円)比で13.3%アップ。1㎡当たりの単価は98.9万円、前年同月(87.7万円)比で12.8%のアップ。

 契約率は67.7%で、前年同月(73.4%)比では5.7ポイントのダウン、前月(73.0%)比では5.3ポイントダウン。販売在庫は、5,614戸で前月よりも275戸の減少。前年同月の6,447戸よりも833戸少なくなっている。

 また、新築マンションの地域別の新規発売戸数と契約率は下表のようになっている。

首都圏の新築マンション新規発売戸数と契約率
都区部……975戸(前年同月比-3.1%) 60.3%
都下………261戸(前年同月比+49.1%) 69.7%
神奈川県…493戸(前年同月比+4.0%) 67.5%
埼玉県……277戸(前年同月比+5.7%) 69.7%
千葉県……305戸(前年同月比-45.5%) 88.2%

 契約率では、千葉県が88.2%と堅調で、都区部が60.3%と最も低くなっている。

 次に中古マンション市場を見てみたい。

中古マンション成約件数は、前年同月よりも減少

 2021年9月度の首都圏中古マンションの成約件数は、3,176件で、前年同月(3,328件)比で4.6%減少した(参考:東日本不動産流通機構発表の「2021年9月度の中古マンション月例速報」)。

首都圏の中古マンション市場動向
首都圏の中古マンション市場動向(出典:東日本不動産流通機構発表「2021年9月度の中古マンション月例速報」)

 首都圏中古マンションの平均成約価格は、前年同月比で+7.9%の3,985万円。平均成約㎡単価は、62.13万円で+11.0%と昨年同月比で上昇トレンドが続く。地域別では、以下の通りとなっている。

首都圏の中古マンション成約㎡単価
都区部……………92.85万円(前年同月比+12.4%)
都下(多摩)……45.10万円(前年同月比+4.5%)
神奈川県
横浜・川崎市……55.91万円(前年同月比+13.9%)
神奈川県その他…37.30万円(前年同月比+12.7%)
埼玉県……………37.60万円(前年同月比+11.6%)
千葉県……………34.27万円(前年同月比+10.7%)

 地域別の成約㎡単価を見ると、全域で対前年比で上昇し、東京都区部をはじめ、コロナ禍以降の月次最高値を更新したエリアが大半だ。2021年9月の首都圏中古マンション新規登録件数は、13,637件となっており、前年同月(14,656件)比で7.0%の減少。2021年9月末時点の在庫件数は、34,742件となっており、前年同月(41,137件)比で15.5%の減少だ。

 在庫は、2カ月連続で増えてきている。価格上昇の影響もあり、成約件数の伸びは鈍化しているものの、価格上昇トレンドは続いている。

 次に、新築マンション市場の注目物件を紹介したい。

「Four Seasons Hotel」との複合開発「Brillia Tower 堂島」に注目

 東京五輪に次ぐ注目のイベントは、2025年に開催される大阪・関西万博だ。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025年4月13日(日)〜10月13日(月) の184日間、大阪夢洲(ゆめしま)で開催され、想定来場者数は約2820万人、経済波及効果は約2兆円を見込んでいる(大阪・関西万博公式ホームページより)。

「Brillia Tower 堂島」 の完成予想CG

 こうした背景から、大阪の中心市街地での再開発の機運も高まりマンションの供給も相次いでいる。その中で、注目プロジェクトとして挙げたいのが「Four Seasons Hotel」との複合開発「Brillia Tower 堂島」だ。

「Brillia Tower 堂島」の外観全体完成予想CG

 「Brillia Tower 堂島」は、江戸時代から経済の中心として発展した堂島に誕生する地上49階建て、高さ約195m、全463邸の超高層複合タワーレジデンスだ。JR「大阪」駅から徒歩9分。徒歩圏には、16駅・14路線が集積し、大阪エリアの中でも高いアクセス性を誇る。

 商品企画の注目点は、Four Seasons Hotels & Resortsが運営する世界有数のラグジュアリーホテルブランド「Four Seasons Hotel」との複合レジデンスであること。住戸部分は、4階から27階と38階~49階。ホテル部分は、1階~2階、28階~37階となる。

 「宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度」の適用による、大阪市による特定街区の都市計画決定を受けた開発であり、容積率は、従前の600%から1200%に。「Four Seasons Hotel」としては、大阪市内に初進出。建物は「帆」をイメージさせる優美なデザインで高さ約195m(49階建て)、延べ床面積は約8.2万㎡と大阪市内でも有数の規模となり、大阪のシンボルとなる開発を目指したプロジェクトだ。

「Brillia Tower 堂島」の最上階には、豪華なラウンジがある

 共用空間のインテリアデザインは、日本初進出のオランダのデザイナー、Piet Boon(ピエト・ブーン)氏がコーディネート。アート監修には、日本を代表するキュレーター兼美術評論家である南條史生氏を起用し、約50点を超えるアート作品を共用部各所に設置する。1階は、美術館のような天井高約12mの空間。最上階のペントハウスには、居住者全員が利用できるラウンジ・パーティールーム、屋上にはスカイデッキが用意されている。

 また、専有部の最高天井高約2.7m~約4.0mの開放的な住空間も注目ポイントだ。モデルルームでは、洋館を思わせるような圧倒的な開放感を実感できる。資料請求件数は、関西エリアでトップクラスの5,500件超。総来場件数も既に1,500件を超えている(2021年10月20日時点)。「Brillia Tower 堂島」は、2021年を代表するマンションと言えるだろう。

 コロナ禍によって大きく落ち込んだ世界旅行の需要も、将来的には伸びることが予想されている。東京、京都、福岡、大阪といった訪日外国人の多い街の注目度は、さらに高まるに違いない。国内だけではなく、海外から見た都市の魅力度も不動産市場の大きな要素となる。冒頭で紹介したように、ドルベースで見たマンション価格の動向も注視すべきだろう。

【関連記事はこちら】>>大阪市の「新築マンション人気ランキング」は?

 

◆Brillia Tower 堂島
価格

5,280万円~10億8,000万円

入居時期 2024年5月下旬予定
交通 JR「大阪」駅徒歩9分 他 所在地 大阪府大阪市北区堂島二丁目17番5(地番)
間取り 1LDK~3LDK 専有面積 38.71㎡ ~ 236.06㎡
総戸数 463戸 (募集対象外住戸53戸含む。住宅フロア:4階~27階、38階~49階、ホテルフロア28階~37階、一部住戸にて住戸連結の分譲の可能性があるため、総戸数が変更となる場合がある) 資料請求 2536件
売主 東京建物 施工会社 竹中工務店
詳細はこちら
※データは2021年10月31日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
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