新築マンションの契約率は70%を超えて、好調をキープ! 首都圏のマンション市場動向を不動産アナリストが解説!【2022年6月版】

2022年6月8日公開(2022年6月8日更新)
岡本郁雄

最新の市場動向を見ながら、マンション市場の動向を紹介したい。2022年4月度の新築マンション供給戸数は、前年同月比16.1%増加の2,426戸。契約率は79.6%と3カ月連続70%超えとなり、需要・供給ともに堅調だ。また、中古マンション市場も好調をキープしている。(不動産アナリスト:岡本郁雄)

コロナ禍の長期化とともに、目立つ郊外の好調物件

 東京都中央区の人気マンション「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」のように、都心のゆとりある広さのマンションの売れ行きが堅調な一方で、住環境の良好な郊外エリアのマンションも好調だ。その一つが、都内最大級の大型団地であった旧石神井公園団地の建て替え事業「Brillia City 石神井公園 ATLAS」だ。

「Brillia City 石神井公園 ATLAS」の完成予想模型
「Brillia City 石神井公園 ATLAS」の完成予想模型

 2022年4月から第一期1次、第一期2次計175戸の販売をスタートし、160戸に計216件の登録申し込みが入った。総戸数844戸で販売総戸数は543戸となるので、約3割近くの住戸に第1期スタートから販売のめどが立ったことになる。

 総反響件数 は2,700件超、モデルルーム来場者数が延べ1,300件を超え、来場からの申込率も16%超と高い(2022年4月末時点)。

 石神井公園や石神井川などの豊かな自然に恵まれた環境に加え、全戸南方位向きによる日照の良さと豊富な間取りプランが人気となっている。また、キッズルームやスタディールーム、パーティールームなど共用施設も充実していて、ミニスーパーも開業予定。

 西武池袋線「石神井公園」駅から徒歩20~25分、西武新宿線「上石神井」駅徒歩12~16分と、駅からは距離があるものの、居心地の良い暮らしが実現できる。

 登録申込者の約55%を30代が占め、世帯人数3人が約43%、4人が15%と子供のいる家庭が多い。将来子供を持つことを考えている夫婦などプレファミリー層も目立つ一方で、50代以上も約22%と幅広い世代から評価されている。会社員が約80%と圧倒的に多く、練馬区と周辺区で48%。東京都外から約16%と広域な層からの申し込みも目立っている。

アンケート結果「新しい住まいに求めるもの」

表:住まい探しにあたって求めた暮らし方のイメージ
 住まい探しにあたって求めた暮らし方のイメージ 出典:リクルート「2021年首都圏新築マンション契約者動向調査」(青字は、前年よりも回答が増えた項目、5つまで選択可能)

住まいに求める暮らしのイメージは?

 一方、リクルートが実施した2021年首都圏新築マンション契約者動向調査によれば、住まい探しにあたって求めた暮らし方のイメージでは、「居住空間のゆとりや日当たりの良い生活」、「心のゆとりや見晴らしや眺望の良さ」の項目が前年よりも伸びた。自然が身近で、全戸南向きで日当たりや見晴らしの良い「Brillia City 石神井公園 ATLAS」のプランニングは、この要素に合致する。

 また、「仕事や通勤に便利」、「各方面にアクセスが良い」、「都心に近い」といった項目も上位にランクインしている。駅距離にはこだわらないが、通勤利便やアクセスの良さは求めている人は変わらず多い。物件価格を含め、バランスのとれたマンションに支持が集まっている。中でも、住戸内の居心地は自宅の滞在時間が増える中で、大切な要素になっている。

 ほかにも平均専有面積が90㎡を超える「ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ」や開発面積約17.5haの首都圏最大級プロジェクト「幕張ベイパーク ミッドスクエアタワー」など居心地の良い住環境と住空間を実現しているプロジェクトは、売れ行きが堅調だ。

 コロナ禍が長期化する中で、テレワークも普及しつつあり駅近立地にこだわらず環境重視でマンションを選ぶ人が増えてきているのだろう。

 続いて、2022年4月度の首都圏新築マンション市場を見てみよう。

最新の首都圏新築マンション市況は?

 2022年4月の首都圏新築マンションの供給戸数は、対前年同月比16.1%増加の2,426戸。対前年同月よりも337戸も増加した(参考:不動産経済研究所発表「首都圏新築分譲マンション市場動向 2022年4月度」)。

首都圏の新築マンション市場動向
首都圏の新築マンション市場動向(出典:不動産経済研究所発表「首都圏新築分譲マンション市場動向 2022年4月」)

 新築マンションの1戸当たりの平均価格は6,291万円、前年同月(7,764万円)比で19.0%のダウン。㎡当たりの単価は93.7万円、前年同月(112.5万円)比で16.7%ダウンしている。

 地域別で見ると 東京23区の平均価格が27.9%の下落の7,344万円、㎡当たりの単価が27.6%下落の108.4万円と前年からの下落率が大きい。これは、平均価格6,398 万円 、㎡当たりの単価が85.3 万円だった「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」SUN VILLAGE 1期2次の販売が大きく影響している。

 契約率は79.6%で、前年同月(73.6%)比では6.0ポイントのアップ、前月(75.2%)比では4.4ポイントのアップとなった。2022年4月度の契約率は、好不調の目安とされる70%を3カ月連続で上回った。ウクライナ情勢やエネルギー価格の上昇などさまざまな不安要素がある中でも、マンション市場の堅調さを示している。

 また、新築マンションの地域別の新規発売戸数は下表のようになっている。

首都圏の新築マンション新規発売戸数および契約率
都区部……1,305戸(前年同月比+22.2%) 82.3%
都下………69戸(前年同月比-75.4%) 47.8%
神奈川県…492戸(前年同月比+16.0%) 78.7%
埼玉県……207戸(前年同月比+51.1%) 68.1%
千葉県……353戸(前年同月比+96.1%) 83.9%

 東京都区部の契約率が82.3%となっているが、これは、1,000戸を超える供給戸数があり、即日完売した「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の販売があったことが大きい。千葉県や神奈川県の契約率も高く、マンション市場全体が堅調であることを示していると言えるだろう。

 次に中古マンション市場を見てみたい。

中古マンション成約件数は、前年同月比9.7%減少

 2022年4月度の首都圏中古マンションの成約件数は3,094件となっており、前年同月(3,428件)比で9.7%減少した(東日本不動産流通機構発表「2022年4月度の中古マンション月例速報」)。

首都圏の中古マンション市場動向
首都圏の中古マンション市場動向(出典:東日本不動産流通機構発表「2022年4月度の中古マンション月例速報」)

 一方で、首都圏中古マンションの平均成約価格は、前年同月比で+14.0%の4,363万円。平均成約㎡単価は、68.72万円で前年同月比+16.3%となっている。この伸びは、直近1年間で最も高い数値となっている。

 また、2022年4月の首都圏中古マンション新規登録件数は、14,226件となっており、前月よりも増加したが、在庫件数は、前月よりも減少した。在庫件数が減少するのは10カ月ぶりだ。需給面では、需要超過の傾向が続いており、価格はさらに上昇する可能性が高いと考える。

 また、地域別では、以下の通りとなっている。

首都圏の中古マンション成約㎡単価
都区部……………99.73万円(前年同月比+11.7%)
都下(多摩)……53.59万円(前年同月比+20.6%)
神奈川県
横浜・川崎市……58.24万円(前年同月比+16.6%)
神奈川県その他…39.29万円(前年同月比+23.1%)
埼玉県……………39.98万円(前年同月比+12.9%)
千葉県……………34.81万円(前年同月比+9.8%)

 地域別の成約㎡単価は、千葉県を除き前年同月比10%以上の高い伸びを示した。前月比では、埼玉県、千葉県を除く地域がプラスとなっている。

 高い伸びを示している要因は、需給面が相変わらず逼迫(ひっぱく)していること。とくに築年数の比較的浅い物件は、売れ行きが堅調で、価格設定も強気になりやすい。

 次に、今月の注目物件を紹介したい。

注目物件 大型商業施設と直結「プラウドタワー亀戸クロス」

 コロナ禍で生活様式が変化する中、売れ行きが好調なのが都心アクセス良好かつ商業施設併設の大規模マンション。30代の共働き層が住宅購入層の中心となる中、仕事帰りの買い物や家族の食事に気軽に利用でき時間を有効に使えるからだ。

 大型商業施設「KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)」にデッキで結ばれる「プラウドタワー亀戸クロス」(売主:野村不動産)もその一つである。総戸数934戸の「プラウドタワー亀戸クロス」は、2020年3月の販売当初から注目を集め、2022年4月末時点で770戸程度が成約済みだ。商業施設と竣工した建物を訪ねると、人気の理由がよく理解できる。

「KAMEIDO CLOCK」と「プラウドタワー亀戸クロス」
「KAMEIDO CLOCK」と「プラウドタワー亀戸クロス」

 2022年4月28日にオープンした「KAMEIDO CLOCK」には、衣食住を包括的にサポートする全136店舗が出店する。

 「KAMEIDO CLOCK」は、エリア最大の面積を誇るスーパーマーケット「ライフ」に加え、青果店、鮮魚店、精肉店、総合グロッサリー等を誘致。総菜などの多彩なお店がそろい、仕事帰りの買い物に便利だ。

「KAMEIDO CLOCK」地下1階のスーパー「ライフ」
「KAMEIDO CLOCK」地下1階のスーパー「ライフ」

 また、「Seria」「カルディコーヒーファーム」「ココカラファイン」「ABC-MART」といったデイリーユースのテナントも充実。屋外のキッズパークであるアソビバを併設した約540席のフードコート、さまざまなクリニックが入るドクターズスクエアやクリーニング店など日常生活に欠かせない店がそろっている。

 一方、「プラウドタワー亀戸クロス」の間取りはワイドスパンが中心。二重床を利用して、住戸全体にエアコンの風を送るセントラル方式の空調システム「床快full(ゆかいふる)」を採用し、居住性の高いつくりとなっている。

 日当たりも良好で、小学校も近接しており、前述の「住まい探しにあたって求めた暮らし方」の上位10項目すべてに当てはまり、好調な売れ行きもうなずける。

 また、1階には、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と野村不動産が提携した「SHARE LOUNGE 亀戸 with H¹T」がオープン。高速Wi-Fiを採用し、個別ブースも設けている。座席数は70席あり、ワークスペースとして利用するなど自由に使い方を選べる。

 コロナ禍が長期化する中で、ライフスタイルも変化し、住まい選びも多様化しつつある。家族にあった住まいのカタチを見極めることが、マンション選びで成功する秘訣(ひけつ)なのかもしれない。

  • RSS最新記事

注目記事>>新築マンションで気になる「音」のトラブル! 壁や床の遮音性は、厚さと工法を確認
注目記事>>最新の新築マンション最新市況は? 価格動向、人気物件を解説
注目記事>>新築マンションを値引きする会社はどこ?デベロッパーごとに解説

【注目の大規模物件】 【新築マンションの基礎】
パークタワー勝どきミッド/サウス
シティテラス新小岩
名古屋ザ・タワー
レ・ジェイドつくば Station Front
パークホームズ千葉
Brillia Tower 聖蹟桜ヶ丘
最新の市況は?
首都圏の新築・中古マンション市況?
値引きをする会社はどこ?
壁や床の工法の違い
管理のチェックポイント
住み心地を決める「階高」
◆新築マンション人気ランキング
住宅ローン返済額シミュレーション 借入可能額シミュレーション
TOP