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東京よりも住宅地が上昇している埼玉!資産価値重視の住まい選びは、地価上昇するエリアの見極めが重要

2022年7月19日公開(2022年7月19日更新)
山下和之

2020年からのコロナ禍で、一時期は地価が低下したものの、その年の後半には上がり始め、最近では上昇幅が大きくなりつつある。しかし、地価が上がるエリア、上がらないエリアの二極化も進んでいるので、地域選びからマイホーム探しを始めるのであれば、ピンポイントでエリアを選別する必要がある。

全国の地価上昇率が高まりつつある

 マイホームの場所選びでは、ライフスタイルやライフステージによって重視する項目は異なる。仕事重視の世帯なら、交通アクセスや生活利便施設の充実度が大切だろうし、子育て世帯なら、教育環境や自然環境も重要だ。

 ただ、どの世帯にも共通するのが、できれば資産価値が高まりそうなエリアを選びたいということではないだろうか。

 その際の評価基準のベースになるのがエリアの地価の動向だろう。取得後にエリアの地価が上がれば、中古住宅としての取引価格も上昇、買い換えなどが有利になる

 その地価だが、2020年からの新型コロナウイルス感染症拡大における景気後退によって低下したが、その年のうちに回復傾向が明らかになり、市場の実勢に比べて若干変化が遅いといわれる公的指標でも、2021年から上昇傾向が明確になった。

 2022年1月1日現在の地価動向を示す「令和4年地価公示」では、全国の住宅地の対前年変動率は0.6%で、前年のマイナス0.5%からプラスに転じている。

2021年の地価は、前半より後半に上昇率が加速している

 国土交通省がまとめる地価の公的指標としては、1月1日現在の「地価公示」と、7月1日現在の「基準地価」がある。

 この両調査に共通する調査地点を比較すると、2021年前半の全国住宅の上昇率は0.4%で、後半は0.6%と後半のほうが高くなっている。ジワジワとではあるが、地価上昇率が高まっているわけだ。

 それでも、公的な指標は実勢価格に対して半年から1年程度遅れるといわれ、上昇率の数値なども控えめの結果が出される傾向が強いといわれる。公的指標で地価上昇率が高まっているといっても、市場の実態としてはそれより早くから回復し、上昇率はもっと高いのが現実だ。

 たとえば、野村不動産ソリューションズでは、野村不動産の仲介店舗である「野村の仲介+(プラス)」各店舗の営業エリアにおいて、調査地点を定めて通常取引を想定した実勢価格を査定して要約した結果を、「住宅地価格」の動向として公表している。

首都圏のなかでも、埼玉県は年率12.0%の上昇

 「住宅地価格」の調査は四半期ごとに行われているが、最新の2022年4月の首都圏エリアの調査結果は図表1にあるように、平均で前期比1.9%の上昇率だった。年率にすると7.0%の高い上昇率になる。

図表1 住宅地価格変動率の地域平均推移

資料:野村不動産ソリューションズ「2022年4月1日時点首都圏『住宅地価格』の動向」

 「地価公示」などの公的指標の調査地点は、土地取引がほとんどないようなエリアも含んでいるため、上昇率がかなり低くなっている。一方、「住宅地価格」の調査は仲介店舗のあるエリアの調査地点の要約だから、店舗を出店するほど取引が活発なエリアが対象だ。

 実際にマンションや建売住宅などが分譲され、中古住宅の取引が活発なエリアであり、市場の実勢を反映しやすいといっていいのではないだろうか。

 「住宅地価格」によると、年間の変動率では首都圏平均が7.0%の上昇で、首都圏のなかでも最も上昇率が高い埼玉県は、12.0%と二けた台のアップになっている。

 それに対して神奈川県は3.9%の上昇で、東京23区や都下、千葉県なども一けた台にとどまっている。

 首都圏という広域で見れば、上昇率は神奈川県の3.9%、埼玉県の12.0%と8.1ポイントの差がある。どこに住まいを求めるかによって、将来の地価上昇率が大きく異なってくる可能性があるということだ。

さいたま市への人口転入超過数は日本一

 なぜ、埼玉県がこんなに上がっているのか。さまざまな要因が挙げられるだろうが、最大のポイントは、東京都や神奈川県に比べて地価水準が低いレベルにとどまっている一方で、消費者の注目度が高まっているからではないだろうか。

 実際、SUUMOやLIFULL HOME’Sなどが発表する「住みたい街ランキング」でも、さいたま市の浦和駅や大宮駅が上位にランクされ、いまやベスト10の常連となっている。

 首都圏のなかでは、同じように地価水準が比較的低い千葉県と比べると、内陸部である埼玉県は、千葉県に比べて交通アクセスに恵まれている点も見逃せない。特に大宮駅は、JR京浜東北線、宇都宮線、高崎線、川越線、東北・上越・北陸・山形・秋田新幹線のほか、東武アーバンパークラインもある。

 こうした点から埼玉県への注目度が高まり、人口も増えている。総務省統計局の『住民基本台帳人口移動報告(2021年)』によると、2021年の人口転入超過数が全国で最も多かったのは、さいたま市の1万527人だった。

 コロナ禍もあって、東京都の都心などから周辺に移動する人が増加、埼玉県、さいたま市などがその有力な受け皿になっているのだろう。

埼玉県の中でも、横ばい地点から年率22.4%の上昇地点もある

 しかし、一口に埼玉県といっても広いし、さいたま市のなかでもエリアによる違いが小さくない。それを見極めて、住まいの場所選びは、ピンポイントでの選択が重要になってくる。

 図表2にあるように、野村不動産ソリューションズの調査では、埼玉県では13の調査地点が設定されている。

 年間変動率を見ると、さいたま市浦和区上木崎2丁目が22.4%戸田市本町5丁目が21.1%さいたま市南区鹿手袋4丁目が20.0%と、3地点が20%台の高い上昇率になっている。

図表2 埼玉県の調査地点の実勢価格と年間変動率

資料:野村不動産ソリューションズ「2022年4月1日時点首都圏『住宅地価格』の動向」

 その一方、さいたま市北区植竹、さいたま市大宮区桜木町4丁目、所沢市大字久米字東の年間変動率は0.0%の横ばいにとどまっている。

 同じ埼玉県でも、場所によって大きな上昇を期待できる地点があれば、上昇を期待しにくい場所もある。県庁所在地であるさいたま市に限ってみても、やはり大きな差があるのが現実だ。

資産価値の上昇を狙うなら、長い目で見た住まい選びがポイント

 埼玉県で最も上昇率が高かった、さいたま市浦和区上木崎2丁目は、浦和区といっても最寄り駅はJR京浜東北線の与野駅。アドレスは浦和区ながら、駅前の飲食店などは「与野店」などと表示しているケースも多い。

 JR京浜東北線のなかでも、与野駅はやや開発の遅れているエリアで、3.3㎡当たりの坪単価は120万円と、最寄り駅が浦和駅などの調査地点に比べるとかなり安くなっている。

 与野駅の西口はある程度再開発が進み、オフィスビルやマンションが増えつつあるが、上木崎につながる東口エリアはほとんど再開発が進んでいないため、逆にいえば今後の発展の可能性が高いという見方もできる。

 しかも、駅前から少し東に進むと産業道路があって、その先には一戸建て中心の閑静な住宅街が広がっている。与野駅と産業道路の間の再開発が進めば、より利便性が高まり、地価上昇に弾みがつく可能性もある

 このように長い目でマイホームの場所選びを行えば、将来的には大きな資産価値の上昇を期待できるかもしれない。

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