再開発マンションが人気! 首都圏のマンション市場動向を不動産アナリストが解説!【2022年8月版】

2022年8月6日公開(2022年8月5日更新)
岡本郁雄

最新の市場動向を見ながら、マンション市場の動向を紹介したい。首都圏新築マンションの2022年6月度の契約率は、67.7%となり、好不調の目安となる70%を5カ月ぶりに下回った。供給戸数は前年同月比1.1%減少の1,917戸。好立地でのマンション供給が限られる中、再開発マンションに注目が集まっている。(不動産アナリスト:岡本郁雄)

好調な地方都市の再開発マンション 

 日本銀行発表の資金循環統計2022年第1四半期(速報値)によれば、2022年3月末の家計が保有する金融資産の総額は、2005兆円。軟調な株式市場もあり四半期前よりも減少したものの、1年前よりも46兆円の増加となっている。こうした家計の金融資産の増加は、東京都心のみならず地方中心市街地のマンションの販売を後押ししている。

 「ライオンズタワー岡山千日前」(大京・穴吹工務店)は、岡山県岡山市の「岡山市表町三丁目地区第一種市街地再開発事業」によって誕生する地上20階建て総戸数84戸のタワーレジデンス。

 2022年1月のモデルルーム公開から、わずか半年間という短期間で販売対象の69戸が完売した。資料請求件数は、900件超で総来場は300組を上回り、県内の経営者層など地元富裕層から支持を集めた。岡山駅周辺では都市再生の動きが活発化しており、フラッグシップとなる物件を地元の富裕層が評価するのも理解できる。

 ほかのエリアでも、再開発人気は見られる。その一つが札幌だ。札幌市では、札幌駅周辺部をはじめ中心市街地での再開発が活発に行われている。その要因になっているのが、2030年度を予定している北海道新幹線新駅の開業だ。

 2016年に新青森―新函館北斗間で開業した北海道新幹線を札幌まで延伸。今まで空路が中心だった札幌へのアクセスが新幹線によって東京方面からダイレクトに結ばれることになる。2022年3月に、JR北海道から駅全体の計画概要が発表されるなど、開発の機運は高まっている。

 札幌の中心市街地で販売されている再開発タワーレジデンスの販売は、好調だ。代表的な物件が、「ライオンズタワー札幌」。JR「札幌」駅から地下街で直結し、札幌最大級のアーケード商店街「狸小路商店街」に隣接するなど、通勤・通学やショッピングなどでの高い利便性を有する。評価ポイントは、駅前通り沿い、地下街直結、商業エリアの中心にあることで、プロジェクトの希少性に魅力を感じる人も多い。

 また、市営地下鉄「さっぽろ」駅直結の「ONE札幌ステーションタワー」も人気だ。2021年12月に行われた第1期244戸の販売では、最高価格5億円という価格にもかかわらず人気を集め、既に6割を超える住戸が成約している(2022年7月末時点)。

 企業オーナーなどの富裕層の購入が目立ち、セカンドハウスや投資目的の購入も。駅直結1分(予定)の便利なロケーションに加え、北海道最高層の地上48階・最大戸数624戸を誇るタワーマンションといったブランド価値が評価されている。

「ONE札幌ステーションタワー」の完成予想模型
「ONE札幌ステーションタワー」の完成予想模型(筆者撮影)

 2030年に新幹線が開業すれば、外国人旅行客の評価が高いニセコなどへのアクセスも良くなる。将来性が期待できるこれだけの材料があるのだから、富裕層が資産として注目しているのは十分理解できる。

 札幌以外にも、うめきた2期の工事が進み2025年に大阪万博の開催が予定されている大阪や博多ビッグバンとして大規模な市街地再開発が進む福岡など将来性を感じる地方都市は多い。資産ポートフォリオを踏まえて、富裕層が納得できる地方都市のフラッグシップマンションを購入する動きは、今後も続きそうだ。

  続いて、2022年6月度の首都圏新築マンション市場を見てみよう。

最新の首都圏新築マンション市況は?

 2022年6月の首都圏新築マンションの新規発売戸数は、対前年同月比1.1%減少の1,917戸となった(参考:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向 2022年6月度」)。

首都圏の新築マンション市場動向(出典:不動産経済研究所発表「首都圏の新築分譲マンション市場動向 2022年6月」)

 新築マンションの1戸当たりの平均価格は6,450万円、前年同月(6,211万円)比で3.8%のアップ。1㎡当たりの単価は99.7万円、前年同月(94.2万円)比で5.8%のアップ。契約率は67.7%で、前年同月(72.5%)比では4.8ポイントダウンした。

 2022年6月度の契約率は、好不調の目安とされる70%を5カ月ぶりに下回った。ただ、1戸当たりの平均価格が上昇しているように、マンション価格の引き上げの動きも一因であり、市場は好調さを維持していると考えてよいだろう。

 また、新築マンションの地域別の新規発売戸数は下表のようになっている。

首都圏の新築マンション新規発売戸数および契約率
都区部……702戸(前年同月比-18.5%) 60.5%
都下………61戸(前年同月比-59.3%) 37.7%
神奈川県…620戸(前年同月比+48.3%) 73.7%
埼玉県……355戸(前年同月比+61.1%) 77.0%
千葉県……199戸(前年同月比-34.1%) 67.8%

 埼玉県の契約率が77.0%と好調だが、「大宮スカイ&スクエア ザ・タワー」のほかにも「プラウドタワー川口クロス」や「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」「ザ・パークハウス 川越タワー」など駅前立地の注目プロジェクトが多い。魅力的なマンションの供給が多いことも好調な理由だろう。

 次に中古マンション市場を見てみたい。

首都圏の中古マンション市況は?

 2022年6月度の首都圏中古マンションの成約件数は、下記の表の通り3,003件となっており、前年同月(3,262件)比で7.9%減少した(参考:東日本不動産流通機構「2022年6月度の中古マンション月例速報」)。

首都圏の中古マンション市場動向(出典:東日本不動産流通機構発表「2022年6月度の中古マンション月例速報」)

 首都圏中古マンションの平均成約価格は、前年同月比で9.2%上昇の4,231万円。平均成約㎡単価は、66.99万円で+12.8%となっている。成約㎡単価が前年同月を上回るのは、26カ月連続だ。

 成約価格、成約㎡単価ともに上昇が続いており、中古マンション市場は堅調さを維持しているとみて良いだろう。また、新たな売り出し物件を示す新規登録件数は、対前年度比および前月比で大きな伸び。14,461件は、直近では2021年10月度の14,842件に次ぐ水準だ。

 また、地域別では、以下の通りとなっている。

首都圏の中古マンション成約㎡単価

都区部……………98.10万円(前年同月比+8.0%)
都下(多摩)……50.52万円(前年同月比+17.5%)
横浜・川崎市……59.75万円(前年同月比+17.7%)
神奈川県(横浜・川崎市をのぞく)…37.12万円(前年同月比+5.8%)
埼玉県……………39.78万円(前年同月比+13.8%)
千葉県……………33.97万円(前年同月比+3.2%)

 地域別の成約㎡単価は、今月も高い伸びを示した。東京都区部の成約㎡単価98.10万円は、2022年4月度の99.73万円に次ぐ水準で、中心市街地のマンション価格が依然として上昇局面にあると考えていいだろう。

注目マンション「THE TOWER JUJO(ザ・タワー十条)」

 再開発プロジェクトが注目されているのは、首都圏も同様だ。「十条駅西口地区市街地再開発事業」として開発が進む「THE TOWER JUJO(ザ・タワー十条)」は、JR埼京線「十条」駅徒歩1分の住宅・商業・公益が一体となった39階建て全578邸のタワーレジデンス。筆者が2022年7月上旬にモデルルームを見学した時点での総反響件数(メールや電話による問い合わせ)は、6000件を超えており、注目を集めている。

「THE TOWER JUJO(ザ・タワー十条)」の完成予想模型(筆者撮影)
「THE TOWER JUJO(ザ・タワー十条)」の完成予想模型(筆者撮影)

 周囲に高層の建物がない立地だけに、中層階でも眺望が良い。モデルルームは、スッキリしたつくりでリビング・ダイニングの天井高が約2.6mあるなどゆとりがある。

 「THE TOWER JUJO(ザ・タワー十条)」の38階・39階部分は、プレミアムフロアとなっており、38階の最高天井高は、約2.8m、39階の最高天井高は、約2.95mもの高さがある。

 プレミアムフロアのリビング・ダイニングは、天井カセット型エアコンを装備したスッキリとしたつくり。廊下や洗面室の床は、上質なタイル貼りだ。キッチンの天板は、フィオレストーンと天然石カウンターからセレクト可能。

 また、プレミアムフロアはセキュリティーラインをもう一段階設けた、4重のセキュリティになっている。駐車場優先権をつけるなど、富裕層に配慮した企画だ。販売開始は9月以降の予定だが、プレミアムフロアの検討者も多いようだ。

 希少性の高い駅前再開発タワーレジデンスということもあり、中央線沿線や品川区、湾岸エリアとも比較検討する人がいるとのこと。それだけ「THE TOWER JUJO(ザ・タワー十条)」に魅力を感じる人が多いということだろう。

【関連記事はこちら】>>北区の「新築マンション人気ランキング」赤羽、王子、王子神谷、十条など、注目エリアのおすすめ物件は?

 コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻など想定外の出来事は、世界的なインフレや急速な円安などを引き起こし、ドルベースで見た円資産の下落など資産保有のあり方を考えさせられるようになった。

 長期的に見て価格が上昇トレンドにある区分マンションの中で、希少性の高い再開発マンションは、今後も注目を集めるだろう。岡山や札幌の例が示すように、希少立地の複合再開発マンションは、早々出会えない。魅力を感じるマンションに出会えたなら、第1期販売開始前からアプローチすることをおすすめしたい。

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