絶好調だったマンションの売れ行きに、陰りが!
首都圏のマンション市場動向を不動産アナリストが解説!【2022年10月版】

2022年10月8日公開(2022年10月7日更新)
岡本郁雄:不動産アナリスト

新築・中古マンションの市場動向を見ながら、首都圏のマンション市況を紹介したい。現時点の最新データとなる2022年8月度の新築マンション供給戸数は、前年同月比40.1%減少の1,162戸。契約率は62.0%となり、好不調の目安となる70%を3カ月連続で下回った。売れ行きには、やや陰りが出てきている。(不動産アナリスト:岡本郁雄)

2022年地価調査発表 全国住宅地は31年ぶりに上昇

 2022年9月20日に発表された令和4年都道府県地価調査結果によれば、全国の全用途平均地価が3年ぶりに上昇。また、全国の住宅地地価は+0.1%となり、31年ぶりに上昇に転じた。2021年7月1日以降の1年間の動きを示したもので、コロナ禍から地価が回復しつつあることを示している

 住宅地で堅調なのは、札幌、仙台、広島、福岡といった地方中核都市。4市の住宅地平均上昇率は6.6%で10年連続の上昇。東京圏の平均変動率1.2%、名古屋圏の平均変動率1.6%、大阪圏の平均変動率0.4%を大きく上回る。

 商業地も回復傾向だ。東京圏の平均変動率は 2.0%で10年連続の上昇。上昇率も拡大している。大阪圏も2年ぶりに上昇に転じる平均変動率1.5%。名古屋圏は、平均変動率2.3%と上昇幅が拡大し、2年連続の上昇となった。

 東京23区の住宅地における地価上昇率の高い上位3地点は、「中野区新井2-8-10」変動率5.6%、「中央区晴海5-1-9」変動率4.7%、「新宿区戸山1-7-4」変動率4.5%。大規模な再開発が進む中野駅周辺や「HARUMI FLAG」が立地する中央区晴海5丁目などが伸び率上位となった。

再開発がすすむ中野駅周辺
再開発がすすむ中野駅周辺(出典:PIXTA)

 また、商業地では、足立区千住や中野区中野、荒川区東日暮里など再開発などで魅力が増している都心近郊の場所が上位に入った。商業地における都心5区の伸びが1.0%に対しその他の区の変動率は2.8%。商業地に関しては、都心よりもその外周部の伸びが大きい。

 2022年4月1日から2022年7月1日までの地価の動向を示す地価LOOKレポート(国土交通省、2022年第2四半期)によれば、首都圏の上昇地点の割合は、2022年第1四半期の54.3%から74.3%に。これまで下落していた上野も上昇に転じ、調査している35地点のうち下落地点は、六本木の1地点のみだ。

 政府は、10月11日から新型コロナ感染対策として実施していた水際対策の緩和を発表した。個人旅行やビザなし渡航が再開され、外国人旅行客の増加が見込まれる。今年に入って、円は外国通貨に対して大幅に下落しており、外国人旅行客のメリットは大きい。コロナ禍拡大で、減少していたホテル用地取得の動きも出始めており、商業地の用地取得競争は今まで以上に激しくなるかもしれない。

 一方、2022年8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)の伸びは、前年同月比2.8%上昇の高い伸びを示した。電気代などエネルギー価格も上昇しており、家計の負担がさらに増えれば、住宅の売れ行きに影響が出るかもしれない。

 続いて、2022年8月度の首都圏新築マンション市場を見てみよう。

最新の首都圏新築マンション市況は?

 2022年8月の首都圏新築分譲マンションの供給戸数は、対前年同月比40.1%減少の1,162戸。対前年同月より778戸減少した(参考:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向 2022年8月度」)。

首都圏の新築マンション市場動向
(出典:不動産経済研究所発表「首都圏の新築分譲マンション市場動向 2022年8月」)

 新築マンションの1戸当たりの平均価格は6,102万円、前年同月(7,452万円)比で18.1%のダウン。㎡当たりの単価は96.3万円、前年同月(117.8万円)比で18.3%のダウンとなった。なお、価格が前年比で大きく下落したのは、前年は290戸も1億円超えの住戸の供給があったためで、相場が下がったわけではない。

 契約率は62.0%となり、好不調の目安となる70%を下回った。販売在庫は、4,762戸で前月よりも364戸の減少。契約率は高くはないが、販売在庫は、低水準のままだ。

 また、新築マンションの地域別の新規発売戸数は下表のようになっている。

首都圏新築マンション新規発売戸数および契約率(2022年8月度)

都区部……494戸(前年同月比-41.1%) 65.4%
都下………70戸(前年同月比-70.1%) 64.3%
神奈川県…157戸(前年同月比-75.1%) 53.5%
埼玉県……329戸(前年同月比+103.1%) 68.7%
千葉県……112戸(前年同月比+51.4%) 38.4%

 一方、新築マンションの来場数は、物価上昇を受けてのものか、やや陰りが出始めているようだ。影響の少ない富裕層向けマンションに比べ、ファミリー向けの物件には影響が出始めているのかもしれない。

 次に中古マンション市場を見てみたい。

首都圏の中古マンション市況は?

 2022年8月度の首都圏中古マンションの成約件数は、下記の表の通り2,346件となっており、前年同月(2,615件)比で10.3%減少した(参考:東日本不動産流通機構「2022年8月度の中古マンション月例速報」)。

 首都圏中古マンションの平均成約価格は、前年同月比で13.4%上昇の4,280万円。平均成約㎡単価は、67.29万円で+13.7%となっている。成約㎡単価が前年同月を上回るのは、28カ月連続だ。

 また、新規登録件数は、前年同月比で伸びており在庫もやや増加傾向。供給を需要が上回り販売在庫は低水準だったが、1年前よりも1割以上在庫が増えており、価格上昇にマッチしない物件が増えてきているようだ

 また、地域別の平均成約㎡単価は、以下の通りとなっている。

首都圏の中古マンション成約㎡単価

都区部……………100.63万円(前年同月比+12.6%)
都下(多摩)……52.55万円(前年同月比+13.5%)
神奈川県
横浜・川崎市……57.36万円(前年同月比+9.4%)
神奈川県その他…36.26万円(前年同月比+5.8%)
埼玉県……………39.91万円(前年同月比+10.3%)
千葉県……………37.46万円(前年同月比+12.7%)

 地域別の成約㎡単価は今月も高い伸びで、東京都区部は直近で初めて㎡当たり100万円を超えた。また、東京都区部、都下、千葉県、埼玉県が10%を上回る伸びを示しており、2022年8月も中古マンション価格の上昇は続いている。

注目マンション「ザ・パークハウス グラン三番町26」

 三菱地所レジデンスは、三菱倉庫とともに都心のフラッグマンションシリーズ「ザ・パークハウスグラン」の8番目となる「ザ・ パークハウス グラン 三番町 26」の公開を2022年9月からスタートした。

 都心の希少立地、ザ・パークハウスの最高水準、最高品質の住まい、ザ・パークハウス最高水準の暮らしのサポートを約束する「ザ・パークハウスグラン」シリーズ。注目度も高く、2022年9月中旬時点で2,700件もの資料請求があるという。

【関連記事はこちら】 >>三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス」はなぜ人気があるのか?マンションシリーズの「格付け」と立地にこだわった開発がカギ!

「ザ・パークハウス グラン三番町26」の完成予想模型
「ザ・パークハウス グラン三番町26」の完成予想模型(筆者撮影)

 「ザ・ パークハウス グラン 三番町 26」のアドレスは、千鳥ヶ淵に程近い千代田区三番町26番1。大妻通りに面する4方向角地立地で、敷地面積は1700㎡超と広い。4方向道路に面することで、周囲の建物から一定の距離を確保できるとともに採光や風通しなども確保できる。街区の大きい番町・麹町エリアにおいて、4方向道路に面した敷地は、早々出会えないだろう。

 商品企画も高級レジデンスにふさわしいつくりだ。「ザ・ パークハウス グラン 三番町 26」では、公開空地を設け総合設計制度を活用することで、建物の高さを地区計画の50メートル制限より10メートル高い約60mに。階数を17階建てとすることで、階高を十分確保している。

 17階建てとするメリットは、階高(床面から、上の階の床面までの高さ)を十分確保できることだ。そのことで専有部の天井高を確保し居心地よい空間が創れる。14階までのリビング・ダイニングの天井高約2.73~約2.8メートル。15階・16階が約2.85メートル、最上階の17階は約3メートルと開放的だ。

 また、4方向道路を活かし、四方に住戸を配し全戸ワイドスパンプランを実現。15階・16階は、1フロア4住戸、17階は1フロア3住戸で広々としている。筆者は、コンセプトルームを見学したが、逆張り工法を採用した室内は、リビング・ダイニングの天井高も十分あり、窓面が高く開放的だった。

「ザ・パークハウス-グラン-三番町26」のコンセプトルームのリビング・ダイニング
「ザ・パークハウス-グラン-三番町26」コンセプトルームのリビング・ダイニング(筆者撮影)

 建物やランドスケープのデザインも素晴らしい。「ザ・ パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」などを手掛けた三菱地所設計のシニアアーキテクトである石井邦彦氏をデザインに起用している。16本の柱が印象的なシンメトリーなつくりで、ロートアイアン(錬鉄を使った家具)を使用したエントランスの特注品の門扉など気品ある空間を届ける。

 敷地北側にはカスケードガーデンを設け、早咲きの桜をシンボルツリーとし、共用部の借景ともなっている。高級レジデンスにふさわしいつくりで、立地・ランドスケープ・専有部ともに魅力的だ。今後の動向に注目したい。

 2022年秋以降は、「三田ガーデンヒルズ」など好立地の高級レジデンスの販売が続く。ウクライナ情勢やインフレに対応した欧米諸国の政策金利引き上げ、株価の下落など先行きの不透明感は増している。高価格帯のマンションの動きは、マーケット全体にも影響する。こうした高級マンションの売れ行きもウオッチしていただきたい。

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