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不動産一括査定サイト大手3社を徹底比較! 失敗しない不動産売却ができるのはどこ?

2024年1月30日公開(2024年4月8日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

不動産売却では不動産一括査定サイトの利用がおすすめだが、どれを選べばいいのか? 実際の利用者にアンケートを実施、評判や満足度などを調査しランキングにしたほか、サービス内容などを徹底比較した。また、おすすめの一括査定サイトの選び方も紹介する。本記事を読めば不動産一括査定サイト選びで失敗することはないだろう。

比較する不動産一括査定サイト大手3社

一括査定サイト名 リビンマッチ home4u マンションナビ
提携社数 1700以上 1800以上 2500
対応エリア 全国 全国 全国
対応不動産 マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル/区分所有ビル(ビル1室)、店舗・工場・倉庫、農地、その他 マンション、一戸建て、土地、ビル一室、店舗・事務所・倉庫、マンション一棟、アパート一棟、ビル一棟  マンション
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公式サイト
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不動産価格の高騰で、売却を考えている人が増えている

 日本の不動産価格は年々高騰している。国土交通省による令和5年11月の調査では以下のとおり、2010年平均を100とした場合、令和5年11月の住宅地は114.5、戸建住宅は113.6、マンション(区分所有)は193.4となっている。

不動産価格指数(住宅)(令和5年11月分・季節調整値)
画像引用元:国土交通省「不動産価格指数(令和5年11月・令和5年第3四半期分)」

 このような不動産価格上昇により「今が売り時」と考えている人も少なくないだろう。

 不動産売却を検討する際、まずは所有する不動産がいくらで売れるのか、相場を調べるようにしたい。

 そこで、「不動産一括査定サイト」の利用がおすすめ。不動産一括査定サイトは、不動産の売却価格の目安を知ることができる便利なサービスだ。

 不動産一括査定サイトは、簡単な不動産の情報や個人情報を入力すれば、無料で6社程度の不動産仲介会社に対してまとめて価格査定を依頼できる。

 いちいち不動産会社を探す手間がいらないだけでなく、売却価格の相場がわかり、複数の不動産会社からさまざまなアドバイスを得られ、自分に最適な不動産仲介会社を選ぶのに便利というわけだ。

 ただし、不動産一括査定サービスを提供している会社は複数あるため、自分に合った不動産一括査定サイトを選ぶことが重要だ。

不動産一括査定サイト大手3社を徹底比較

 では、どの不動産一括査定サイトを選べばいいのか。ここでは、不動産一括査定サイト大手の「リビンマッチ」「HOME4U」「マンションナビ」を紹介しよう。

 下表で、3社の特徴や提携する不動産会社数、紹介してくれる最大不動産会社数、対応エリア、対応不動産などを比較した。
※表のプライバシーマークとは、個人情報管理ができていることを第三者機関が証明し、要件を満たした事業者に認められる登録商標のこと

不動産一括査定サイト大手3社を比較

一括査定サイト 特徴 提携社数 紹介会社数 対応エリア 主な対応物件 運営会社 上場の有無 運営開始 プライバシー
マーク※
公式サイト
リビンマッチ
リビンマッチ
大手だけでなく地方の不動産会社も充実。査定可能な不動産の種類が多い 1700以上 6社 全国 マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル/区分所有ビル(ビル1室)、店舗・工場・倉庫、農地、その他 リビン・テクノロジーズ 東証グロース 2006年 公式サイトを見る
(無料査定も可能)
HOME4U
HOME4U
NTTデータの運営で安心感がある 2100 6社 全国 マンション、一戸建て、土地、ビル一室、店舗・事務所・倉庫、マンション一棟、アパート一棟、ビル一棟 NTTデータ・スマートソーシング 親会社が東証プライム上場 2001年 公式サイトを見る
(無料査定も可能)
マンションナビ
マンションナビ
マンションに特化し、賃料査定も可能 2500 9社 全国 マンション マンションリサーチ 非上場 2011年 公式サイトを見る
(無料査定も可能)

 次からは、それぞれの一括査定サイトの特徴などを詳しく見ていこう。

大手だけでなく地方の不動産会社も充実する「リビンマッチ」

不動産一括査定サイトのリビンマッチ公式サイト
画像「リビンマッチ公式サイト」から

 

リビンマッチの特徴、口コミ・評判、評価は?
 

リビンマッチの評価点数

入力フォーム サービス内容 紹介社数など
4.0
★★★★
3.1
★★★★★
3.1
★★★★★
不動産会社の対応 営業姿勢 また利用したい
3.3
★★★★★
2.9
★★★★★
2.7
★★★★★

評価ポイント:不動産一括査定サイトとしての知名度の高さもあり、アンケート調査ではリビンマッチを利用したという人が全21社中で2番目に多かった。ただ、不動産会社の営業活動の頻度が多くしつこかったという口コミが散見されたほか、不動産会社の質のばらつきが指摘され、評価を下げる結果となった。

特徴:「リビンマッチ」についても、掲載する不動産仲介会社が1,700社以上と多い。投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫など幅広い種類の不動産にも対応しているだけでなく、地方の不動産仲介会社ネットワークも充実しているため、あらゆるエリアや物件を査定しようとした時でも対応できるのがメリットだろう。

 運営会社は東証グロースに上場しており、サービス開始も2006年と、10年以上のサービス歴を持っている。不動産に関する様々なサービスを幅広く手掛けており、知名度が高い。 


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NTTデータが運営しており安心感ある「HOME4U」

一括査定サイトのHOME4U
HOME4Uトップページ


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HOME4Uの特徴、口コミ・評判、評価は?
 

HOME4Uの評価点数

入力フォーム サービス内容 紹介社数など
3.6
★★★★
3.2
★★★★★
3.3
★★★★★
不動産会社の対応 営業姿勢 また利用したい
3.2
★★★★★
3.1
★★★★★
3.9
★★★★

評価ポイント:アンケート調査では、提携する不動産会社数が多くかつ、大手にも依頼できるという理由でHOME4Uが選ばれている。利用者の約半数が「また利用したい」と回答しており満足度が高い。調査対象21社の中で3番目にユーザー満足度が高いサイトとなった。

特徴:「HOME4U」は、NTTデータ(東証プライム上場)グループが運営しているので安心感がある。

 提携している不動産仲介会社数はトップクラスであり社名もすべて記載。悪質な不動産会社はパトロールにより排除するなど、誠実なサイト運営を心掛けており、信頼できる不動産一括査定サイトの一つと言えるだろう。 

HOME4U利用者の口コミ・評判


評価:4★★★★

真摯に取り組んでくれたところがよかった
(男性/30代/福岡県/一括査定後、SRE不動産で売却)


評価:2.8★★★★★

結局、具体的な査定には訪問を受けなければならないのでどうなんだろう。車の一括査定よりも立地や築年数など価格の振れ幅が大きいので 金額を知るというよりも、不動産屋を紹介してくれるぐらいに考えて使うべきか。決して簡単に簡易査定金額を教えてくれると思わない方がいいし、実際そうだった
(男性/50代/東京都/)


評価:2.6★★★★★

住友不動産販売、三井リテール、みずほ不動産 内覧査定後連絡ない
(男性/60代/兵庫県/)


評価:2★★★★★

しつこいというか、連絡は頻繁だった
(男性/60代/東京都/一括査定後、その他中小で売却)


評価:3★★★★★

最終的に5社に絞込み最終査定をお願いしたが、対応が早く丁寧でマナーは最高評価できる内容であった
(男性/60代/神奈川県/一括査定後、大成有楽不動産で売却)


評価:4★★★★

大手の不動産屋ばかりで6社ほど、連絡があったので、よかった
(男性/60代/愛知県/一括査定後、その他中小で売却)

不動産に詳しい筆者の評価

 不動産一括査定サイトには、それぞれ数百社から一千社超の不動産会社が登録しており、対応が悪い不動産会社も一部時混じっている可能性があります。

 そのため、しっかりと査定したいのであればなるべく多くの不動産会社から査定を受けた方がいいでしょう。

 その点、HOME4Uであれば、売却を得意とする不動産会社について、最大6社程度まで一気に査定を依頼できます。

 また、大手の不動産仲介会社も比較的多い。他サイトではあまり提携していない「野村不動産グループ」「三菱UFJ不動産販売」「東京建物不動産販売」なども提携しているので、大手にも価格査定を依頼したいという人に適しています

 査定は無料なので、「まずは不動産の相場を調べてみようか」という気持ちの人でも気軽に依頼できるので、是非、査定を検討してみるとよいでしょう。

HOME4Uの概要

提携社数 2100社
紹介社数 6社
対応エリア 全国
対応不動産 マンション、一戸建て、土地、ビル一室、店舗・事務所・倉庫、マンション一棟、アパート一棟、ビル一棟
メリット ・日本初の不動産一括査定サイトであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある
・提携会社数は業界トップではないが、社名を全て記載している
・悪質な不動産会社はパトロールにより排除している
デメリット 推定制約価格の価格差が大きい
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング
運営開始年 2001年


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マンションを売りたい人におすすめ「マンションナビ」

不動産一括査定サイトのマンションナビ
「マンションナビ 」トップページ


マンションに特化、賃料査定も可能!

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マンションナビの特徴、口コミ・評判、評価は?
 

マンションナビの評価点数

入力フォーム サービス内容 紹介社数など
3.1
★★★★★
2.7
★★★★★
3.0
★★★★★
不動産会社の対応 営業姿勢 また利用したい
2.9
★★★★★
2.9
★★★★★
2.0
★★★★★

評価ポイント:アンケート調査※の結果によると、マンションナビから紹介された不動産会社に売却を依頼したという人の割合が35.7%と低めになっているが、マンションナビは賃料査定も可能なので、売却か賃貸かを比較するために利用したという人が多いことも考えられる。

特徴:「マンションナビ」は、マンションに特化しており、マンション売却査定なら6社、賃貸に出す場合は3社まで一括で査定することができる。提携社数も2500以上あるので十分だろう。

 また、入力フォームがユーザーフレンドリーになっている。物件情報を入れただけで、候補となる不動産会社が表示されるのだ。気に入った不動産会社があれば、それをチェックしてから、最後に個人情報を入力するという流れになっている。

 他の多くの不動産一括査定サイトは、物件情報、個人情報をすべて入れてからしか不動産仲介会社名が表示されない。それだと、「せっかくすべての情報を入れたけど、対応してくれる不動産会社がなかった」とイライラする可能性があるのだ。

マンションナビ利用者の口コミ・評判


評価:2★★★★★

質の悪い不動産会社がいくつかあった連絡さえこないところもあったから
(女性/40代/埼玉県/一括査定後、センチュリー21で売却)


評価:5★★★★★

メールでと依頼していたが、東急リバブルだけ電話がすぐ来た
(男性/50代/神奈川県/一括査定後、東急リバブルで売却)


評価:3★★★★★

フォーム自体は分かりやすいが入力項目が多くウンザリした
(女性/40代/大阪府/)


評価:3★★★★★

提示内容や量にバラツキはあるも、金額は概ね揃っていた
(男性/60代/東京都/一括査定後、京急不動産で売却)


評価:5★★★★★

必要以上の営業行為が無かったから
(男性/50代/北海道/)


評価:3★★★★★

全てメールで済むと思っていたら、電話が立て続けに鳴りだし驚いた
(男性/60代/東京都/一括査定後、京急不動産で売却)

不動産に詳しい筆者の評価

 「マンションナビ」は、売却を得意とする不動産会社について、最大6社程度まで一気に査定を依頼でき、掲載している不動産仲介会社は900社超、2500店舗もあり、規模としては十分でしょう。

 大手の不動産仲介会社では、「大京穴吹不動産」「住友林業ホームサービス」なども提携しているので、大手にも価格査定を依頼したいという人に適しています

 査定は無料なので、「まずは不動産の相場を調べてみようか」という気持ちの人でも気軽に依頼できるので、是非、査定を検討してみるとよいでしょう。

 

マンションナビの概要

提携社数 2500社
紹介社数 9社
対応エリア 全国
対応不動産 マンション
メリット マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の賃料査定3社まで対応している
デメリット マンションの査定にしか対応していない
運営会社 マンションリサーチ
運営開始年 2011年


マンションに特化、賃料査定も可能!

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※アンケート調査の詳細を見る

不動産一括査定サイトの選び方

 大手不動産一括査定サイト3社の特徴について解説した、ここで、不動産一括査定サイトの基本的な選び方を紹介しよう。

①運営会社が信頼できるかどうかで選ぶ
②査定に対応している不動産の種類で選ぶ
③提携している不動産仲介会社の数で選ぶ

①運営会社が信頼できるかどうかで選ぶ

 不動産一括査定サイトを運営する会社の信頼度は重要だ。上場企業が運営しているなら安心できるだろう。

 主要な不動産一括査定サイト3サービスのうち、運営会社または親会社が上場しているのは、「リビンマッチ」「HOME4U」だ。

 「HOME4U(ホームフォーユー)」はNTTデータ(東証プライム上場)の子会社であるNTTデータスマートソーシングが運営。NTTデータは、言わずと知れたNTTグループの主要企業であり、信頼性がある。HOME4Uでは、不動産一括査定以外にも、不動産の購入、土地活用や賃貸経営の支援サービスも行なっている。

 「リビンマッチ」は2019年6月28日に、東京証券取引所マザーズ(現:東証グロース)市場へ上場している。

 一方で、「マンションナビ」はいわゆるベンチャー企業が運営している。都内に本社を持ち、不動産一括査定サイトには運営会社の資本金、住所などを記載している。

 ただし、運営がベンチャー企業だからといって信頼できないわけではない。

 運営歴が長くてノウハウを持っていたり、個人情報保護のために「プライバシーマーク認定」を取っている不動産一括査定サイトなら、信頼感がある。

 「HOME4U」は2001年にはじめて不動産一括査定を開始したサイト。すでに20年以上の実績がある。また、不動産一括査定サイトの運営歴が10年以上あるのは「リビンマッチ」だ。

 個人情報保護のために「プライバシーマーク認定」を取っているのは「リビンマッチ」「HOME4U」の2社。大切な個人情報を入力するだけに、きちんと管理されているかどうかを知る指標の一つと言えるだろう。

②査定に対応している不動産の種類で選ぶ

  不動産一括査定サイトには、それぞれ対応している不動産が異なる。売却するのがマンションであれば基本的にどのサイトも対応しているが、農地や倉庫を査定してほしい場合は対応していないサイトがあるので注意が必要だ。

 大手3社の対応物件は以下のとおり。

不動産一括査定サイト大手3社の査定対応可能不動産

一括査定サイト名 リビンマッチ home4u マンションナビ
マンション
戸建て ×
土地 ×
投資用物件 ×
店舗・工場・倉庫 ×
農地 × ×
  公式サイト
(無料査定も可能)
公式サイト
(無料査定も可能)
公式サイト
(無料査定も可能)
○:記載あり、×:記載なし。ただし、HOME4Uは、「その他不動産」の査定が可能

 マンションについては3社すべてが対応しているので、どこに依頼しても大丈夫だ。

 戸建てや土地のほか、投資用物件、店舗・工場・倉庫については、「リビンマッチ」「HOME4U」が査定可能となっている。

③提携している不動産仲介会社の数で選ぶ

 不動産一括査定サービスに提携している不動産会社もサイトによってさまざまだ。できれば、1000社以上が提携している一括査定サイトを選ぶようにしたい。

 というのも、掲載会社数は時期によって増減するだけでなく、ほとんど稼働していない不動産会社もあるからだ。

 比較している大手3社は一定数の掲載会社・店舗数を確保しているので、規模の面では最低限のレベルはクリアしている

不動産一括査定サイト大手3社の掲載社数と主な掲載企業を比較

一括査定サイト名 リビンマッチ home4u マンションナビ
掲載している主な
大手不動産会社
センチュリー21グループ/みずほ不動産販売/大京グループ/大成有楽不動産販売グループ/住友林業ホームサービス/近鉄不動産/東京建物不動産販売/長谷工リアルエステート/ポラスグループ・中央住宅/朝日住宅 三菱UFJ不動産販売/センチュリー21グループ/三井住友トラスト不動産/みずほ不動産販売/大成有楽不動産販売グループ/住友林業ホームサービス/スターツグループ/東京建物不動産販売/ナイス/京王不動産 三菱UFJ不動産販売/センチュリー21グループ/みずほ不動産販売/大京グループ/大成有楽不動産販売グループ/近鉄不動産/日本住宅流通/ポラスグループ・中央住宅/朝日住宅
提携社数 1700以上 1800以上 2500
対応エリア 全国 全国 全国
  公式サイト
(無料査定も可能)
公式サイト
(無料査定も可能)
公式サイト
(無料査定も可能)

不動産一括査定のメリット・デメリット

 不動産売却の際に便利な一括査定サイトだが、ここでメリット・デメリットを整理しておこう。

メリット

 主なメリットは以下の2つだ。

①売りたい不動産に対応した会社を簡単に探せること

 不動産一括査定サイトのメリットは、なんといっても売りたい不動産の種類や地域に対応した不動産仲介会社を簡単に探せること。

 売りたい不動産の種類と地域を入力すれば、対応できる複数の会社を紹介してくれるので、その中から、査定額を依頼したい会社を選択するだけでいい。

②信頼できる不動産会社が見つかりやすい

 複数の不動産会社に査定を依頼できるため、各社の査定額や担当者の対応などをじっくり比較検討することができる。

 そのため、1社のみに査定を依頼した場合よりも、信頼できる不動産会社が見つかりやすいのもメリットと言える。

デメリット

 一方、デメリットとしては以下の2点があげられる。

①営業電話がかかってくること

 一方でデメリットとしてよく指摘されるのは、査定を依頼した不動産仲介会社から、すぐに営業電話がかかってくること。

 ただ、これは仕方がないともいえる。物件の販売活動を任せるための媒介契約を結ぶには、どのみち不動産仲介会社の営業担当者と実際に会うしかない。営業担当者としても物件を見てその価値を吟味する訪問査定をしないと、具体的な販売計画を立てられない。

 一括査定サイトを利用した人が、「すぐに売却する気はないので、机上査定を頼んだのにすぐに営業電話がかかってきた」と不満をこぼすケースもある。

 しかし、売る気がなくて査定価格を知りたいだけなら、不動産情報サイトや折り込みチラシなどで相場を把握するだけでも十分だろう。

 また、登録している不動産仲介会社の質は必ずしも一定ではない。例えば、HOME4Uは「悪質な不動産仲介会社がいないか常にパトロール」しており、一定の品質を確保するよう努力している。ただし、会社によって得意・不得意があり、また担当者の質も千差万別だ。

②すべての不動産仲介会社が登録しているわけではない

 デメリットをもう一つ挙げるとすれば、各サイトにすべての大手不動産仲介会社が登録しているわけではないこと。特定の不動産会社と契約したいのであれば直接、不動産仲介会社に問い合わせるほうがいいだろう。

不動産一括査定サイトを活用した、売却の流れ7ステップ

 ここからは、「一括査定サイトを活用した不動産売却の流れ」を紹介しよう。

(1)最低でも3社は訪問査定してもらい、話を聞く
(2)査定価格が一番高い不動産仲介会社を、安易に選ばない
(3)他社の査定価格ばかりきにする会社は除外
(4)提案書があるのは当然だが、それだけでは判断しない
(5)売却のロードマップを聞いて判断する
(6)「専任媒介契約」を選ぶのが無難
(7)不動産会社と信頼関係を築く

(1)最低でも3社は訪問査定してもらい、話を聞く

 まず、「最低でも3社は呼んで『訪問査定』してもらい話を聞く」、というのが基本だ。不動産一括査定サイトだと6社程度紹介してくれることが多く、なかには「机上査定」といって、訪問しないで提案書を送ってくれるところもある。

 机上査定の段階でも単に査定価格を示すだけでなく、周辺の類似物件の売却実績などの情報を盛り込んだ提案書を出してくる不動産仲介会社もある。

 しかし、机上査定だけでは物件の状態や周辺環境などわからないことが多く、正しい提案はできない。あまり多くの会社と会うのも大変だが、3社以上は「訪問査定」してもらうのがいいだろう。

(2)査定価格が一番高い不動産仲介会社を安易に選ばない

 「査定価格が一番高い不動産仲介会社を安易に選ばない」ことも重要だ。利用者側は不動産を売却するために、一括査定サイトを通じて複数の不動産仲介会社に査定を依頼する。

 一方で、依頼を受けた不動産仲介会社側からすると、客は他の不動産仲介会社にも査定依頼をしていることがわかっているので、他社に負けないように高めの査定価格を出しがちだ。なにしろ、低い査定価格を出したのでは、客が会ってもくれない可能性がある。

 そのため、一括査定だと高めの価格が出やすいことを知ったうえで、高い査定を出した会社も、安い査定を出した会社も、実際に会って査定理由を確かめたほうがいいだろう。

(3)他社の査定価格ばかり気にする会社は除外

 そして、「他社の査定価格ばかり気にする会社は除外」すること。査定金額以外の情報をなにも示さず、「他の会社はいくらの査定価格を出していますか。うちは、もっと高い金額を出しますよ」などと、査定価格ばかりにこだわっている会社は避けたほうがいい。

 もちろん他社の最低価格を聞かれても、言わなくていい。

 そういう会社は、媒介契約を取ることだけが目的で、そのあとの細かい販売計画やフォローを軽視していることが多いからだ。

 高い査定価格につられて媒介契約を結んでも、物件がなかなか売れずに泣きを見ることになりかねない。

(4)提案書があるのは当然だが、それだけでは判断しない

 なお、「提案書があるのは当然だが、それだけでは判断しない」ことだ。地場の中小の不動産仲介会社になると、査定価格しか示さず、提案書もないというケースもある。

 しかし、自社で作成するのが難しくても、東京カンテイなどの情報サービス会社が提案書を作成するサービスを提供しており、不動産仲介会社も一定の費用をかければ提案書は簡単に手に入れられる。少なくとも、提案書がある不動産仲介会社を選びたい。

 ちなみに大手不動産仲介会社の場合、提案書作成などの事務作業を担当する専門の職員がいることも多く、机上査定の段階でも一般的に中小不動産仲介会社に比べて充実した内容の提案書を出してくることが多いようだ。

(5)売却のロードマップを聞いて判断

 そして最も重要なのが、「売却のロードマップを聞いて判断」することだ。不動産仲介会社を選ぶには、訪問査定のあと、具体的な提案書を出してもらい、その内容についてじっくりと話を聞いたうえで判断することだ。

 たとえば、「3000万円で売り出して、最初は不動産ポータルサイトに情報を登録し、折込チラシも5000枚配布します。2週間の初動期間の間に内覧者の反応や問い合わせ件数などを見て、価格の引き下げも検討しましょう」といった販売活動のロードマップを明確に説明できる会社を選んだほうが安心だ。

 ロードマップがはっきりしていれば、あとになって慌てることもないし、早めに対策を打つこともできる。

 ほかにも、同じマンションや周辺マンションで似たような物件が売りに出されていると価格競争になりがちなので、「売り出しのタイミングをずらしましょう」などと、経験と実績、さらには市場環境の分析に基づいて的確な提案をしてくれる不動産仲介会社を選びたい。

(6)「専任媒介契約」を選ぶ

 なお、不動産仲介会社と契約する際には、「専任媒介契約」を選ぶ」のが無難だ。一人の売り主が複数の不動産仲介会社と契約できる「一般媒介契約」という契約形態もあるが、不動産仲介会社としては、ライバルの不動産仲介会社が買い手を見つけてきたら仲介手数料を得られない。

 そのため、不動産仲介会社は販売活動や物件広告に十分な時間と資金をかけられないことが多い。そのため「専任媒介契約」で締結しておくのが無難だ。

 ただし、すぐに買い手が見つかりそうな「人気物件」であれば、「一般媒介契約」で不動産仲介会社を競争させて、なるべく高値で売却するというストーリーも描けるだろう。

 複数の不動産仲介会社と契約すると、それぞれの営業担当者と連絡を取り合うことになるので、不動産取引に慣れており、時間的な余裕がある人に向いているだろう。

(7)不動産仲介会社と信頼関係を築く

 そして最後に、不動産売却を成功させるためには、「不動産仲介会社と信頼関係を築く」ことが重要だ。

 不動産売却では、売り主と不動産仲介会社がうまくタッグを組まないと、希望通りの価格で売るのは難しい。

 その点をよく理解した上で、不動産一括査定サイトを上手に活用して、信頼関係を築ける不動産仲介会社を選んで、上手に不動産を売却させたいものだ。

不動産売却の成功のポイントは、一括査定サイトをうまく活用すること!

 以上、不動産一括査定サイトの徹底比較やメリット・デメリット、選び方などを解説してきた。

 不動産一括査定サイトは「自分にとって最適な不動産仲介会社を探すため」はもちろんのこと、気になる不動産仲介会社がある人でも「売却価格の相場を知るため」などに役立てることができる。

 査定は無料なので、不動産売却を考えている人は、不動産一括査定サイトを上手に使いこなしてみてほしい。

不動産一括査定サイト大手3社はこちら
◆リビンマッチ
特徴

・マンション、戸建、土地のほか、工場、倉庫、農地の査定にも対応可能

1700社の不動産会社と提携

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
運営会社 リビン・テクノロジーズ(東証グロース)

最短45秒の入力で最大6社の査定額がわかる!

◆HOME4U(ホームフォーユー)
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特徴 悪質な不動産会社はパトロールにより排除している
・20年以上の運営歴があり信頼性が高い
・1800社の登録会社から最大6社の査定が無料で受け取れる
対応物件 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
紹介会社数 最大6社
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証プライム子会社)
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特徴

マンションの売却に特化
・マンションを賃貸に出したい人の賃料査定にも対応
900社以上の不動産会社と提携

対応物件 マンション
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
運営会社 マンションリサーチ
一括査定サイトと合わせて利用したい不動産会社
ソニーグループの「SRE不動産」売却査定
60秒で入力可能! 囲い込みのない不動産会社
特徴 ・両手仲介、囲い込みを行わない
・上場企業のソニーグループが運営
・売却専門の担当者がマンツーマンで高値売却を追求
対応物件 マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、収益用不動産
対応エリア 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県
運営会社 SREホールディングス株式会社(ソニーグループ)
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