不動産売却[2024年]

2024年6月24日更新
ダイヤモンド不動産研究所
監修者 高橋正典:価値住宅株式会社 代表取締役

マンション、戸建て、土地などの不動産売却を検討することになったものの、「どうやって売ればいい?」「何から始めればいい?」「不動産会社はどこがいい?」と悩んでいる人は少なくないだろう。そこで、高値で売るための手続きの流れ、相場がわかる査定方法、売却の費用、売却する際の注意点などの基礎知識を紹介する。不動産業界には個人の売主をカモにして儲けようとする不動産業者も多いので、騙されないように気をつけよう。

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1. 高く売るためのノウハウ

 不動産を売却しようとしても、多くの人は不動産の売買は一生のうちに一度か二度くらいしかなく、ノウハウを持っている人は少ない。一方で不動産仲介会社の中には、自分の利益を優先し、「売主を損させても気にしない」という不動産仲介会社も少なからず存在する。売主が損してしまう金額は数百万円になることすらある。

 そのため、不動産を「高く売却する」には、工夫が必要だ。以下、不動産仲介会社が話したがらないことも含めて、高く売るためのノウハウを紹介していこう。

不正行為を行なっている不動産仲介会社が存在する

 実は不動産業界では、手数料を荒稼ぎするために、売主をカモにして不正行為を行なっている不動産仲介会社がいまだに存在する。大手でも、中小でも、規模に関係なく、不正行為を行なっている不動産仲介会社がある。それを知っているだけでも、高値売却の可能性が高まるだろう。

 この不正行為は、「囲い込み」という。図を見ながら説明しよう。

両手取引の構造。不動産仲介会社が両手取引をしたがる理由

 あなたが不動産売却をする場合を考えてみる。その不動産仲介会社は、他の不動産仲介会社から「物件を内覧させてもらえませんか?」という問い合わせがあっても、「先客がいます」などと嘘をついて断ってしまうのだ。

 なぜなら、あなたが売却を依頼した不動産仲介会社が、自分で買主顧客を見つけた場合、手数料は、売主からもらう手数料「売却価格×3%+6万円+消費税」だけでなく、買主からもらう手数料「売却価格×3%+6万円+消費税」もあるので、収入が倍に増えるからだ。

 こうした「両手取引」に強引に持ち込むことを「囲い込み」といい、法律で禁じているが、売主は気が付きづらいため、いまだに現場では散見される。

「囲い込み」されると、売主としてはせっかくの売却のチャンスをフイにしてしまう。結果として値下げせざるを得なくなり、数百万円も損してしまうというケースもあるので、「囲い込み」は非常に悪質な行為と言える。

【関連記事】>> 大手不動産は両手取引が蔓延?!「両手比率」が高い会社に注意

業者間システム「レインズ」に正しく登録してもらう

 対策として考えられるのが、不動産仲介会社がきちんと営業をしているかチェックすること。具体的には、業者間物件情報ネットワーク「レインズ」に、きちんと情報を登録しているかどうかチェックすることだ。不動産仲介会社の中には、レインズへの登録を忘れていたり、間違った登録をしていることもあるので確認しよう。

 またレインズの登録内容の中でも気をつけなければいけないのが、「広告転載区分」という項目。多くの不動産仲介会社は、先ほどの「囲い込み」をするために、物件情報が勝手に拡散しないよう、この「広告転載区分」を「不可」にしている。

 「広告転載区分」を「広告可」にすれば、他の不動仲介産会社が勝手に広告して顧客を集めてくれるので、不動産仲介会社には「広告転載区分は、必ず『広告可』にしてください」と言おう。それだけでも、「この売主は知識を持っているので、カモにすることはできない」と思われるだろう。

【関連記事】>> 家を高値で売りたいのなら知っておきたい「物件情報を拡散させる方法」

 なお、「SRE不動産」のように、囲い込みを行わないと明言している不動産会社もあるので、こういった不動産会社に査定・売却を依頼するのもおすすめだ。

ソニーグループの「SREリアルティ(旧SRE不動産)」売却査定
60秒で入力可能! 囲い込みのない不動産会社
特徴 ・両手仲介、囲い込みを行わない
・上場企業のソニーグループが運営
・売却専門の担当者がマンツーマンで高値売却を追求
対応物件 マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、収益用不動産
対応エリア 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県
運営会社 SREホールディングス株式会社(ソニーグループ)
>>SREリアルティの詳細記事はこちら

一般媒介か、専任媒介か?

 不動産会社に仲介してもらう場合、一番悩むのが、契約形態を「一般媒介にするか、専任媒介にするか」という問題だ。

 「一般媒介」は、複数の不動産仲介会社に販売を依頼できる契約方法。売主にとっては買主との接点が増えるだけでなく、不動産仲介会社同士を競わせることで早期に売れる可能性がある。

 「専任媒介(専属専任媒介も含む)」は、1社の不動産仲介会社に販売を依頼する契約方法だ。売主にとっては販売の間口が狭まるがその分、不動産仲介会社が本気で売却をサポートしてくれる可能性もある。

 ともにメリット・デメリットがあるが、基本的には「一般媒介」を選択するようにしたい。不動産仲介会社は「ぜひ専任媒介で契約しましょう」と言ってくるが、それは手数料を確実に1社で独占したいから。実際には38%の売主が売却時に「一般媒介」を選んでいるので、なるべく「一般媒介」を選ぼう。

不動産仲介では、どの媒介契約が多い?
一般媒介 38%
専任媒介 44%
専属専任媒介 17%
※出所:不動産流通推進センター「指定流通機構の活用状況」(新規登録件数、2018年9月)。売り物件の媒介契約における媒介形態別の比率を計算。

 「一般媒介」は、複数の不動産仲介会社に売却してもらうことになるので管理が大変だが、売れるチャンスが増えるというメリットは非常に大きい。基本的にはこちらを選ぶのが正解だ。

 しかし、「一般媒介」では気をつけたいポイントが2つある。

① 田舎の不人気物件や、単価が安い物件は専任媒介で

 販売するときに競争力がなかったり、単価が低い物件は、不動産仲介会社としては取り扱いたくない物件だ。売れない可能性が高く、また売れても手数料が安いからだ。そのため、まともに取り合ってくれなかったり、営業もしてくれなかったりするので、売れ残ってしまう可能性がある。

 こうした「不人気物件」は、「専任媒介」が適している。専任媒介にすることで、不動産仲介会社が本気で取り扱ってくれるようになる。

 また地方では、一般媒介自体が非常に少ないので、一般媒介を依頼する際は、不動産仲介会社の反応を見ながら頼む方がいいだろう。

② 無理な高値での売り出しは禁物

 売り出し価格は売主が決めるものだが、あまりにも高くつけると、不動産仲介会社が「どうせこんな高値では売れない」とそっぽを向いてしまうことがある。特に一般媒介だと、どの不動産仲介会社も真面目に扱ってくれず、放置されることがあるので、欲張った売り出し価格は付けないほうがいい。

 以上2点に気をつけて、「一般媒介」で不動産を売却しよう。

【関連記事】>>「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」でメリットが大きいのはどれ?

2. 不動産売却の流れ

 高値で売却するためには、不動産売却の方法や査定のノウハウなどの「不動産売却の基礎知識」を知っておくことが不可欠だ。次に、不動産売却の流れを解説する。

1)相場を調べる

 不動産売却を検討するにあたり、最初に取り組むのが「相場を調べる」こと。例えば住み替えのための売却であれば、売却によって次の物件を購入するのに十分な資金を手に入れられなければ住み替えはできないので、相場を調べることは重要だ。

 相場の調べ方は後述するが、これを知っておかなければ、相場より安く売却してしまったりしかねないので、最初に取り組むべきポイントだ。

不動産売却・買取のチラシは大量にポスティングされるが、実際にどうやって売却すればいいのか、知識を持っている人は少ない(本文とは関係ありません)

2)不動産売却の方法を検討する

 次に、「不動産売却の方法を検討」しよう。親戚や隣人に売却するのではない限り、全く知らない他人に売ることになる。基本的な売却方法は次の2つである。

・不動産仲介会社を通じて、誰かに売却する(仲介)
・不動産会社に買い取ってもらう(買取)

 おすすめは「不動産会社に仲介」してもらう方法。特別、売却しにくい不動産でなければ、2〜6カ月程度をかければ、相場に近い価格で売却できることが多い。ただし、最終的な売却価格は買主と相談の上で決まるので、いくらで売却されるかは保証されていないのがデメリットだ。

 一方で、「買取」は急いでいる人向けの方法。不動産会社が買い取ってくれるので、1カ月もあれば現金化できる。しかし、不動産会社はその後、転売して利益を手に入れなければならないので、買取価格は相場よりかなり安くなる。だいたい、相場の2〜3割引で取引されるケースが多い。少しでも高く売るために、最低でも2、3社に買取価格を査定するようにしたい。

【関連記事】>>「仲介」ではなく、「買取」を選ぶメリット・デメリットは?

3. 査定などで物件の相場を調べる

 不動産の相場を調べる方法は、主に以下の2つの方法がある。

・不動産の相場を自分で調べる方法
・売却相場を不動産会社に査定してもらう

 それぞれ解説していこう。

不動産の相場を自分で調べる方法

 「自分で調べる」のであれば、インターネットのサイトが便利だ。スーモ、ライフルホームズといった不動産物件サイトで、現在売り出し中の物件の価格を見ることができる。また、都心の分譲マンションであれば、マンション・レビューなど、個別のマンションごとの相場を提示しているサービスがいくつも登場しているので参考になる。

不動産情報ライブラリ(国土交通省)

 「実際に売却された価格が見たい」ということであれば、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」にアクセスすれば、「不動産取引価格情報検索」のページで、過去の類似物件の取引価格を調べられる。

 土地、戸建て、中古マンション、農地、林について、近隣エリアの実際の取引価格が検索できるようになっている。全取引が網羅されているわけではないが、目安を知るのには十分だ。

 さらに公的な指標である固定資産税の路線価、相続税の路線価、公示地価を見るのなら、一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」が便利だ。ただし、公示地価は銀座などの一等地などでは、相場と公示地価が乖離していることがあるので、あくまで目安として使いたい。

【関連記事】>>不動産の売却相場を自分で調べる方法は? 簡単な調べ方、マンションと一戸建てで異なる計算方法も解説!

売却相場を不動産会社に査定してもらう

 一方で簡単なのが、「不動産仲介会社に査定してもらう」という方法。不動産仲介会社は売却見込み客に対して、基本的に「無料」で査定をしてくれる。不動産仲介会社によっては、物件の査定価格だけでなく、地域の価格推移、ライバル物件の売り出し状況などまで教えてくれることもあるので気軽に活用したい。

 ここで忘れてはいけないのが、「複数の不動産会仲介社に査定を依頼する」こと。「タダで査定してくれるなんて申し訳ないので、1社だけに査定を依頼すればいいや」と考える人もいるようだが、それは大きな間違い。

 不動産仲介会社によって、査定価格にはかなりばらつきがある。複数の不動産仲介会社に査定を依頼して見比べたり、話を聞いたりしなければ、本当の相場が見えてこないので、複数の不動産仲介会社に査定を依頼するようにしたい。

 なお、査定価格はあくまでも査定価格であり、売却できる価格とは違う。最終的にいくらで売却できるかは、相手があることなので実際に売却してみないと分からない。査定価格が予想よりも高かったからといって、売却できることが保証されているわけではないので、勘違いしないように注意しよう。

【関連記事】>>不動産売却の「査定価格」は本当に信用できるのか?

4. 不動産会社を探す

 査定・売却を依頼する不動産会社はどうやって見つければいいのだろうか。

査定サイトを利用する

 先ほども書いたように、複数の不動産仲介会社に査定を依頼するべきなのだが、いちいち不動産の情報、個人の情報を登録するのは大変な作業だ。

 そこで便利なのが「不動産一括査定サイト」の存在。不動産一括査定サイトは、住所と不動産の種類などを入力すれば、そのエリアで営業しており、査定対象となっている不動産の売却を得意とする不動産仲介会社を紹介してくれるサービスだ。最大6社程度の不動産仲介会社を紹介してくれる。利用は無料だ。

 6社にまとめて査定を依頼できるワンストップサービスなので、パソコンが苦手という人でも簡単に利用できる。

 大手不動産ポータルサイトのSUUMO内で展開されている「SUUMO不動産売却」やNTTデータグループが運営している「HOME4U(ホームフォーユー)」など、信頼感のあるサイトも増加している。

不動産一括査定サイトのHOME4U(ホームフォーユー)

 不動産一括査定サービスを利用する際は、売りたい不動産の種類に注意する必要がある。マンション・戸建て・土地であればどの不動産仲介会社も取り扱っているが、投資用不動産・ビル・店舗・工場・農地などを取り扱っている不動産仲介会社は数が少ないため、一括査定サイト経由で探すという活用法もある。

 不動産売却を考えている人はぜひ、一括査定サイトを活用しよう。

不動産一括査定サイト主要13社比較表を見る >>

不動産一括査定のデメリットは?

 不動産一括査定サービスのデメリットのひとつは、不動産仲介会社に個人情報を提供するため、電話やメールで営業をかけてくることだ。しかし、電話に出なくても、メールだけのやり取りで価格査定は可能となっている。

【関連記事】>>不動産一括査定のデメリットや注意点を解説! しつこい電話営業などのトラブル事例も紹介

5.不動産が売れるまでの期間

 ここで、「売却の期間」について解説しておこう。

「買取」で売れるまでの期間

 「買取」してもらうのであれば、複数の不動産会社に依頼して、最も高く買い取ってくれる不動産会社に売却しよう。1カ月もあれば、売却して現金を手に入れられる。

「不動産会社の仲介」で売れるまでの期間

 「不動産会社に仲介」するケースは、相手があることなので明言できないが、通常に流通している不動産なら、2〜6カ月程度で売却できることが多い。通常、マンションの方が売れやすく、戸建て・土地の方が売れにくい。戸建て・土地だと、3カ月〜1年近くかかることもある。

 なお、売主が欲を出して、高い価格で売り出した場合、なかなか売れないのは当然だ。1〜2カ月様子を見て、あまりにも反応がなければ、価格を引き下げて売却するようにしたい。

 また、特殊な物件も売れにくい。1億円を超えるような物件が数カ月で売れることは稀だ。買主が少ない物件がなかなか売却できないのは当然だ。

 競合物件が多数ある場合も、なかなか売れない。例えば、同じマンション内で複数の部屋が売りに出されている場合、スペックはほぼ一緒なので、価格が低いものから売れることが多く、高値で売却しようとすると時間がかかってしまうのだ。

【関連記事】>>マンションの売却期間が半減し、売却価格も高くなる方法とは? 家具や生活雑貨をレンタルしてできるホームステージングがおすすめ

6. 売却にかかる費用

 「不動産売却の費用」はどうなっているのか。

手数料を計算する

 不動産仲介会社に支払う「仲介手数料」は上限が決まっており、次の計算で求めることができる。

800万円未満=30万円+消費税
800万円以上=3%+6万円+消費税

 やや難しいので、実際に計算してみよう。例えば、4000万円の不動産で売却が成立した場合、

4000万円×3%+6万円=126万円+消費税

 が上限額となる。大半の不動産仲介会社はこの上限いっぱいの手数料を売主と買主に請求している。最近は一部で手数料を割り引く業者が登場し始めているので、交渉してみてもいいだろう。

 それ以外にも費用が発生する。以下が主な費用だ。

不動産売却にかかる費用
・印紙税
・抵当権抹消登記費用(およびローン完済費用)
・測量費
・ハウスクリーニング・補修費用
・インスペクション費用
・瑕疵保険の検査料・保険料
・税金

 全ての項目が必要になるわけではないが、不動産売却の費用の相場は、売値の3~10%もかかるので、注意しよう。

【関連記事】>>不動産売却にかかる仲介手数料や費用の相場はいくら?早見表による計算方法や印紙税、司法書士報酬、測量費など多数の項目があるので注意

売却益にかかる税金と対策

 家やマンションなどの不動産売却で得た利益(売却益)には、税金が発生する。不動産売却で得た利益は「譲渡所得」にあたり、個人であれば所得税と住民税がかかる。ただし、不動産売却で得た「譲渡所得」には、さまざまな特別控除があり、自宅であれば、ほぼ税金がかかることはないので心配しなくていい。

 もっとも代表的な特別控除が「居住用財産の3000万円控除」というもの。自宅(マイホーム)として住んでいた不動産を売却した場合、売却益から最高3000万円が差し引かれる。この控除を利用するためには5つほど要件があるが、ハードルは低いのでほとんどの人が利用できる。メリットが大きいので、この控除は忘れずに利用したい。

 なお、売却益が3000万円を超える場合は、超えた部分について「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」のどちらの区分になるかに応じて、一定の税率で所得税・住民税がかけられる。税率は、物件の所有期間で決まる。

■短期譲渡所得…物件の所有期間が5年以下だった場合。所得税30.63%+住民税9%
■長期譲渡所得…物件の所有期間が5年を超えていた場合。所得税15.315%+住民税5%

 さらに、土地・建物それぞれの所有期間が10年を超えていた場合は、「居住用財産の軽減税率の特例」が利用でき、税率はさらに低い14.21%(課税長期譲渡所得金額6000万円以下)が適用されるのでお得だ。

 なお、上記の特例を利用する場合、税金がかからくても、譲渡があった年の翌年に確定申告が必要なので、忘れないようにしよう。

【関連記事】>>不動産売却にかかる「税金」を安くする方法は? 自宅、賃貸、相続した空き家などで異なる控除など節税方法や税金の計算式を解説

7. 不動産売却の注意点

 不動産売却の際に特に注意したいのが、先に述べた「囲い込み」だ。不動産売買は金額が大きいだけに、囲い込みをされてしまうと百万円単位で損することもある。そのため、悪徳不動産会社が行う「囲い込みテクニック」や「囲い込み対策」を知っておくことが大切。

 悪質化する、最新の「囲い込み」手法として、以下の行為がある。

1. あえて一般媒介契約にして、レインズへの登録義務を外す
2. レインズに図面を登録せず、他社から連絡があっても渡さない
3. 他社から内覧の問い合わせがあっても、理由をつけて断る

【詳細はこちら】>>悪徳不動産会社が行う「一般媒介にしてレインズに登録しない」囲い込みの方法とは? 売却時には要注意!

 そのほか、マンションや土地の売却でもそれぞれ注意点があるので、よく確認しておこう。

マンション売却の注意点

 「マンション売却」の際に最も気をつける点は、ライバル物件がいるかどうか確認すること。同じマンション内に販売中物件がある場合、スペックは大きく変わらないので、どうしても売出価格に左右されてしまう。まずは、不動産仲介会社にライバル物件の売り出し状況を調べてもらおう。もし、ライバル物件がある場合は、その物件と差別化するための戦略を練る必要がある。

 さらに、売却予定のマンションが老朽化している場合は、「最低限のリフォーム」はしておきたい。内覧した際に、水回りが老朽化していたり、水漏れしていたりすると、それだけで印象が悪くなり、売れにくくなる。売れたとしても、値引き依頼も多くなりがちなので、最低限のリフォームだけは取り組むべきだ。

 最近増えている「ホームステージング」に挑戦してもいいだろう。ホームステージングは、きれいな家具や雑貨で、売却する部屋をモデルルームのように見せることで、内覧に来た買主に好印象を与える手法のことだ。人間は第一印象を重視する傾向があるので、ホームステージングを取り入れるのもいいだろう。不動産仲介会社が紹介してくれたり、ホームステージングを請け負う専門の業者がいるので、問い合わせよう。

【関連記事はこちら】>>マンションを高く売る方法

戸建て・土地を売る時の注意点

 戸建てや土地を売却する際に最初に調べたいのは、「境界が確定されているかどうか」ということ。親から相続した土地などの場合、境界だと思っていた壁の位置が測量図と違うケースや、境界を示す「境界標識」「境界杭」がないなど、様々なパターンがある。最近の商慣行では、境界が確定していなければ売れないことが多いので、最初に確認しよう。隣人との関係がこじれて裁判になるケースだと、判決が出るまでに1年以上かかることもある。

 では、境界が確定されているかはどう確認すればいいのか。簡単に確認できるのが、境界に「境界標識」があるか確認すること。四角形の金属やコンクリートでできた柱を地面に埋めたものだ。

 表面には赤色で矢印、十字マークを刻んでいることが多い。この境界標識は、隣人と境界を確定したときなどに設置することが多い。しかし、これだけでは不十分だ。境界を確定したときに設置したものであるかどうかわからず、道路工事の時などの移動してしまうこともあるからだ。

境界標識

 そこで確認したいのが、「地積測量図」だ。地積測量図は土地の面積を測量した結果を記したもので、長さ、面積、境界標識の位置などが記されている。土地情報を管理している法務局に登録してあり、だれでも閲覧できる。なお、地積測量図は、土地を「分筆登記」「地積更正登記」「表題登記」する際に添付する書面なので、一定の根拠がある書類だ。

 また、「境界確認書」があれば、問題はない。これは境界の位置について測量し、隣人と合意した文書だ。署名・押印した上で、お互いに書類を取り交わすもので、証拠能力もかなり高い重要な書類だ。書面として自宅に保存している場合が多いので、確認しよう。

【関連記事】>>「境界未確定」など"不動産の売却"でよくあるトラブルの解決法とは?

8. マンション売却法

 マンションを高く売るには売却の流れはもちろん、相場価格について確認しておく必要がある。不動産会社の中には、契約を自社にとって有利に進めるために、わざと相場より高い査定価格を提示してくることがあるからだ。

 事前に相場価格を把握しておけば、そのような不動産会社と契約してしまうリスクを大きく減らすことができる。実際のマンションの売却法については、こちらの記事を参照してほしい。

9. 一戸建て売却法

 一戸建てを高く売却したいのなら、売却期間に余裕を持たせることが大事なポイントだ。首都圏における過去10年間の売却に要する日数は、一戸建ては99.3日、マンションは81.8日となっており、一戸建てはマンションよりも売却に多くの時間を要しているためである。

 また、木造の戸建て住宅は築年数20年以内に売却することをおすすめする。築20年を超えると、住宅ローン控除を利用できなくなり、売却が難しくなることが大きな理由だ。実際の一戸建ての売却法については、こちらの記事を参照してほしい。

一戸建て売却の記事一覧
一戸建てを高く売却する方法

10. 土地売却法

 土地を売却する場合は、境界を確定しておくことをおすすめする。境界が未確定の土地を積極的に買いたいという人は少なく、相場よりも安くなりやすいからだ。

 また、境界を確定するうえで越境の問題が生じることがある。枝の越境程度なら、隣地所有者と話し合い問題を解消しておくのが良いだろう。実際の土地の売却法については、こちらの記事を参照してほしい。

11. 不動産査定の方法

 不動産会社の査定には、次の2つの方法がある。

・簡易査定(机上査定)
・訪問査定

 簡易査定(机上査定)とは、類似物件の売却事例を参考に物件を見ないで行う大まかな査定のことだ。一方で、訪問査定とは、不動産仲介会社の担当者が現地訪問し、実際に物件を見て査定を行う。不動産査定の方法については、こちらの記事を参照してほしい。

不動産査定の記事一覧
不動産査定の方法

まとめ〜「不動産一括査定サイト」で、気軽に査定しよう

 以上が「不動産売却の基礎知識」だ。「不動産をすぐに売る気は無いけれど、相場だけは知っておきたい」という人は多いだろうが、そういう人でも気軽に不動産一括査定サイトを利用して査定するのをおすすめする。

 自分でも不動産の相場を調べることはできるが、プロの不動産仲介会社であれば過去の売買事例など豊富な情報を持っており、より正確に相場を把握できる。

 不動産一括査定サイトは、住所と不動産の種類などを入力すれば、そのエリアで営業する不動産仲介会社を6社程度紹介してくれる。不動産仲介会社を探したり、いちいち情報を入力したりしなくてすむので、非常に便利だ。

 最近はマンション・戸建て・土地だけでなく、投資用不動産・ビル・店舗・工場・農地などを取り扱っている不動産仲介会社も登録しており、幅広い不動産の売却に対応可能だ。

 以下は、不動産一括査定サイトの主要13社の特徴を比較した表なので、参考にしてほしい。

 

不動産一括査定サイト主要13社を比較

サイトロゴ suumo売却査定 home4u マンションナビ おうちクラベル イエウール ライフルホームズ リビンマッチ いえカツLIFE HowMa RE-Guide マイスミEX イエイ すまいValue
サイト名 suumo売却査定 HOME4U マンションナビ おうちクラベル イエウール ライフルホームズ リビンマッチ いえカツLIFE HowMa RE-Guide マイスミEX イエイ すまいValue
提携社数 2000以上 1800以上 2500 不明 1900以上 3691以上 1700以上 500以上 30以上 29 800以上 1000以上 6
最大紹介社数 10
※物件所在地によって異なる
9 6 6 6 6 6 6 6 6 10 6 6
主な対応物件 マンション、戸建て、土地 マンション、戸建て、土地 マンション マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など
対応エリア 全国 全国 全国 全国 全国 全国 全国 東京、千葉、神奈川、埼玉 東京23区、神奈川県:横浜市(西区・中区・港北区・神奈川区)、川崎市(幸区・中原区) 全国 全国 全国 全国
記事を読む 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら

【関連記事】>>不動産一括査定サイト&査定業者33社で比較! 売却におすすめのサービスや特徴などを徹底解説

【不動産仲介会社の評判を徹底調査!】
・「SRE不動産(ソニーグループ)」の評判
・「三井のリハウス」の評判
・「住友不動産販売」の評判
・「東急リバブル」の評判
・「野村の仲介+」の評判
・「明和地所」の評判
・「京王不動産」の評判
・「オークラヤ住宅」の評判
・「小田急不動産」の評判

不動産売却の基礎知識FAQ

Q不動産売却の流れは?
A

最初に取り組むのが「相場を調べる」こと。次に、「不動産売却の方法を検討」するのが基本的な流れとなる。
詳しくはこちら。

Q不動産会社の選び方は?
A

「不動産一括査定サイト」を使うことで、複数の不動産仲介会社を紹介してくれる。もちろん、査定は無料で便利なのでぜひ利用しよう。
詳しくはこちら。

Q不動産を高く売るには?
A

不動産を高く売るための基本的なノウハウとして、まずは業者間システム「レインズ」に正しく登録してもらおう。そして仲介の際、基本的には「一般媒介」を選択するのがおすすめだ。
詳しくはこちら。

Q不動産一括査定サイトの選び方は?
A

不動産一括査定サイトごとに、対応できる不動産の種類や、使いやすさが異なる。また、信頼感も選ぶ際の重要なポイントだ。リクルートのSUUMONTTデータ子会社が運営する不動産一括査定サイトもある。

最新記事はこちら

不動産一括査定サイト比較 囲い込み、両手取引に注意
↓おすすめ不動産一括査定サイトはこちら↓
◆SUUMO(スーモ)売却査定
SUUMO(スーモ)
 無料査定はこちら >>
 
特徴 圧倒的な知名度を誇るSUUMOによる一括査定サービス
・主要大手不動産会社から地元に強い不動産会社まで2000社以上が登録
対応物件 マンション、戸建て、土地
紹介会社数 10社(主要一括査定サイトで最多)※査定可能会社数は物件所在地によって異なります
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証プライム子会社)
>>SUUMO(スーモ)の詳細記事はこちら
◆リビンマッチ
特徴

・マンション、戸建、土地のほか、工場、倉庫、農地の査定にも対応可能

1700社の不動産会社と提携

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
運営会社 リビン・テクノロジーズ(東証グロース上場企業)

◆HOME4U(ホームフォーユー)
HOME4U
 無料査定はこちら >>
 
特徴 悪質な不動産会社はパトロールにより排除している
・20年以上の運営歴があり信頼性が高い
・1800社の登録会社から最大6社の査定が無料で受け取れる
対応物件 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
紹介会社数 最大6社
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証プライム子会社)
>>HOME4Uの詳細記事はこちら
◆マンションナビ
マンションナビ
 無料査定はこちら >>
 
特徴

マンションの売却に特化
・マンションを賃貸に出したい人の賃料査定にも対応
900社以上の不動産会社と提携

対応物件 マンション
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
運営会社 マンションリサーチ
>>マンションナビの詳細記事はこちら
◆いえカツLIFE
いえカツLIFE
 無料査定はこちら >>
 
特徴

・対応可能な不動産の種類がトップクラス
共有持ち分でも相談可能
訳あり物件(再建築不可物件、借地権、底地権など)の査定も対応可能

対応物件 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・マンション・ビル、投資マンション、区分所有ビル(1室)、店舗、工場、倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
運営会社 サムライ・アドウェイズ(上場子会社)
>>いえカツLIFEの詳細記事はこちら
◆おうちクラベル
おうちクラベル
 無料査定はこちら >>
 
特徴

・AI査定で、査定依頼後すぐに結果が分かる
・SREホールディングスが運営する一括査定サイト

対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート
紹介会社数 最大15社
運営会社 SREホールディングス株式会社(東証プライム上場企業)
>>おうちクラベルの詳細記事はこちら
◆イエウール
イエウール
 無料査定はこちら >>
 
特徴

掲載企業一覧を掲載、各社のアピールポイントも閲覧可能
2000社以上の不動産会社と提携
・対応可能な不動産の種類が多い

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
紹介会社数 最大6社
運営会社 Speee
>>イエウールの詳細記事はこちら
◆LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)
LIFULL HOME'S
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特徴

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対応物件 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
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9 6 6 6 6 6 6 6 6 10 6 6
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