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不動産屋さんに本当に必要な「資格」とは?
実務や転職で有利な、おすすめの資格を考える

【第41回】2020年7月9日公開(2020年7月9日更新)
梶本幸治

梶本幸治(かじもと・こうじ)氏:不動産売買の業界の裏の裏まで知りつくした不動産業専門コンサルタント。株式会社レコ 取締役・コンサルティング本部長。普段は不動産会社向けの集客&教育のコンサルティングを中心としていますが、ダイヤモンド不動産研究所では売主の側に立った「不動産を売却するときの注意点」シリーズなど、さまざまな読者に向けて解説します!

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不動産業の資格といえば、宅地建物取引士(通称「宅建」「宅建士」)がよく知られていますが、他にも業務と関連する資格はたくさんあります。「実務に役立つ」「転職に有利」、そんな資格はあるのでしょうか? 複数の資格を取得することの是非も含め、不動産会社向けの集客&教育コンサルも行う株式会社レコの私・梶本幸治がお答えいたします。

複数の「不動産関連の資格」を取得することは有利?

 不動産業に関わる資格は、たくさんありますね。どのような資格があるか、少し並べてみます。

・宅地建物取引士

・公認不動産コンサルティングマスター

・FP(ファイナンシャルプランナー)

・マンション管理士

・建築士

・司法書士

・土地家屋調査士

・不動産鑑定士

・インテリアコーディネーター

・住宅ローンアドバイザー

 国家資格から各種団体の公認資格まで、多種多様な資格があります。

 私は不動産会社向けの集客コンサルをしてますので、全国各地の不動産会社からさまざまなお問い合わせをいただくのですが、最近は「建築士と宅建士を持っている不動産会社社長」や「FP2級と宅建士を持っている営業担当」「司法書士がオーナー(出資者)の不動産会社」「社長が不動産鑑定士の資格を持っている不動産投資会社」……などなど、不動産関連の資格を複数保有している方や、難関国家資格を有する方が不動産会社の経営に参画している、といったケースを多く目にするようになりました。

不動産のおすすめ資格は?
仕事をしながらの資格取得は、書籍での独学のほか、ユーキャンなどの通信教育を利用する手がある。

 不動産のお仕事は、法律・税金・建築・測量・資産運用など、専門的な知識を必要とする場面が多く、複数の資格を持つことは武器になりますね。

 それでは、不動産取引の実務をバリバリこなしたり、不動産業界に転職しようとするときは、上記で示したような資格をたくさん持っていれば持っているだけ有利かといいますと、一概にそうとは言えない場合もございます。

 決して、複数の資格の取得を否定するつもりはなく、志高く資格試験にチャレンジし、実際にその試験に合格して資格を取得するのは素晴らしいことだと思います。しかし、本当に「実務や転職に有利なのか」といいますと、ややクエスチョンが付いてしまうのです。

不動産の販売(買付)では、
資格よりも「物件の魅力」が最重要

 まずは「実務」について見てましょう。

 ここでいう「実務」とは、不動産の販売(買付)や仕入れ(買取・媒介契約の受託)の営業とします。

 不動産の販売(買付)では、不動産を買いたいお客様に複数の資格が記載された名刺を渡せば、他の営業担当者よりも信頼を勝ち取ることはできるでしょう。この点では複数の資格を取得しているメリットがありますね。

 しかし、実際に物件をご購入いただく段階になれば、「資格をたくさん持っている営業担当者が紹介してくれた物件だから」という理由で購入を決めるお客様はまれです。

 お客様が物件を購入する理由は「立地が良い」「価格が安い」「間取りが気に入った」など、物件の魅力によるところが大です。営業担当者が複数の資格を有しているからといって、物件購入の決め手には決してなりません。

不動産の仕入れ(買取・媒介契約の受託)では、
資格が役立つ場面もあるが……

 次に、仕入れ(買取・媒介契約の受託)の営業の場面を考えてみましょう。

 仕入れ営業は販売以上に専門知識が物を言う世界ですので、複数の資格を保有していれば、かなり有利になると考えます。

 売主様もたくさんの資格が記載された「重い名刺」を見て、安心されると思います。

 買取の場合は最終的に「提示金額」の多寡によって成否が決まりますが、媒介の場合であれば資格をたくさん持っている営業担当者の方が、圧倒的に有利だと思います。

 しかし、媒介を受託した物件も、最終的には売れないと手数料はいただけません。

 東京など都心部では、レインズに載せているだけで他社が買主様を付けてくれる(片手成約)可能性が高いため、自ら販売に注力しなくて済むかもしれませんが、地方ではそうはいきません。

 物件担当として一生懸命、販売に努めなければ、買主様を見つけることは困難なのです。

 都心部であれば「私は売主様のエージェントに徹します。両手成約はしません」と、「売主様の味方」であることをセールスポイントにできますが、いまや地方では、媒介を受けた不動産会社自身が全力でがんばらないと、なかなか物件が売れない時代に突入しています。

 つまり、実務上では「資格を持っている」からといって、バリバリ営業を行えるとは限らないのです。

「それでも、資格がないよりは
たくさんの資格を持っていた方が有利でしょ?」

 しかし、このように申し上げると、次のような疑問を持たれた方も多いと思います。

「確かに資格を持っているからといって、営業担当者として成功するか否かは分からないけれど、資格を持っていないよりは有利なことは間違いないのでは? 資格をたくさん持つことを否定するような結論には納得できないよ」

 確かにご指摘のとおりで、資格の取得自体を否定するものではございません。

 資格を取得することで専門性を高め、それを営業活動に活かし、最終的にはお客様に利益をもたらすのであれば、これは素晴らしいことです。しかし「私は資格をたくさん持っているから信頼されて当然だ。他の資格を持っていない営業担当者より、私は優秀だ」と考えてしまうのなら、やみくもに資格試験に挑戦しない方がいい、ということです。

 実際、「営業成績は優秀だが、宅地建物取引士の資格を持っていない営業担当」が、なんとか長年の悲願であった宅建士の資格を取った後、突如として”資格マニア”と化し「資格はたくさん取得するが、営業成績はどんどん下がってしまう営業担当」になってしまうことがあるのです。

 ですので、当たり前のことかもしれませんが「資格を持ってる私は素晴らしい」と考えるのではなく、あくまで「お客様の利益のため、必要な資格を取得する」というスタンスで資格取得に臨んでください。

転職時のメリット・デメリット

 不動産業界への転職時も、資格をたくさん持っている求職者を「資格マニアなだけで、営業はできないのでは?」と考える不動産会社経営者は多数います。

 以上のような理由で、やみくもに資格を取ったからといって、不動産実務や不動産業界への転職に役立つとは言い切れないでしょう。

 もちろん、不動産業界で働くためには、どこかのタイミングで宅地建物取引士の資格を取得する方がいいと思います。

 しかし、それ以外の資格にチャレンジする場合は「そのチャレンジが仕事の幅を広げるのか」「単なる自己満足の趣味なのか」を、ご自身の心に問うてみることをおすすめします。
【関連記事はこちら】>>不動産屋さんってどのくらいのお給料を貰っているの? 不動産業界に就職する人ってどんな人が多いの?

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