じぶん銀行住宅ローンの公式サイト

未経験で不動産業界の「フルコミ営業」に転職するのは危険? 完全歩合制で働くリスクとは

2022年9月22日公開(2022年9月22日更新)
梶本幸治 株式会社レコ 取締役・コンサルティング本部長

不動産・住宅業界への転職をお考えの方に対し、今回は「不動産業界への転職でよく聞く、フルコミ営業」について、不動産会社向けの集客・教育コンサルを行っている私、株式会社レコの梶本幸治が解説します。

不動産業界のフルコミ営業とは?

不動産業界のフルコミ営業
フルコミ営業とは完全歩合制の営業担当のこと(出所:PIXTA)

 不動産業界におけるフルコミ営業について解説する前に、まずは「そもそもフルコミとは?」という基本的なところから解説しましょう。

 フルコミとは、フルコミッションの略で「完全歩合制」のことです。 不動産会社の多くが「歩合制」を導入していますが、この場合でも「基本給+歩合給」で給与が構成されることがほとんどであり、フルコミ(完全歩合制)とは似て非なるものと言えます。

 どこが違うかと申しますと、フルコミはその名の通り「完全」歩合制ですので、基本給がありません。つまり契約が取れなければ、お給料が支給されないという鬼のような給与体系なのです。

 その半面、業績を上げれば上げるだけ、青天井で給料を稼ぐことも可能ですから、魅力的な給与体系だと感じられる方もいらっしゃるでしょう。

 では、フルコミの場合、売り上げに対してどれくらいの給与を手にすることができるのでしようか? これも、土地有効活用・新築分譲販売・投資マンション販売・売買仲介など業種によっても異なるので一概には言えませんが、手数料もしくは販売利益の50%から多いところで80%という会社もあるようです。

 また、フルコミの魅力は給与面だけにとどまりません。場合によっては、次のような働き方も可能です。

  • ・ノルマに追い回されることなく、自分のペースで仕事ができる
  • ・会議への出席義務がなく、直行直帰の出勤が可能
  • ・誰からも指示命令されることなく、自由に仕事を組み立てることができる

 こんな自由な働き方ができて、手数料もしくは利益の50%~80%の報酬がもらえるなんて、夢のような働き方だと思う方もいらっしゃるでしょう。

 不動産業界への転職をお考えのあなたも、この夢のような「フルコミ営業」の世界に飛び込んで、真の働き方改革を実現してください! と、申し上げたいところですが、現実はそんなに甘いものではございません。

不動産業界のフルコミ営業の実態とは

 ではここから、フルコミ営業のダークサイドに触れていきたいと思います。

 不動産のフルコミ営業と聞けば、厳しいとされる不動産業界にあって、すご腕一本で食っている「スーパー営業担当者」といったイメージを持たれる方も多いと思います。

 事実、不動産営業を扱った小説や漫画、ドラマなどでは、フルコミ営業を「すご腕の一匹おおかみ」のように描いている作品も少なくありません。

 ノルマに追われることなく自己責任で仕事を完結させ、自分の自由になる時間を確保し、毎月100万円以上の給料をやすやすと稼ぐ…それがフルコミ不動産営業だ! という感じでしょうか。

 確かにこんな格好いい生き方、働き方をしておられるフルコミ不動産業の方もいらっしゃるでしょう。しかし、そんな格好いい方はほんの一握りだと思います。

 今、「格好いい方は一握り」と申しましたが、むしろフルコミ営業のほとんどの方が、格好良さとは無縁の厳しい状態で働いていると言ったほうが良いのかもしれません。

 つまり、自ら高い志を抱いて「フルコミ不動産営業」という生き方を選択したのではなく、追いつめられるようにフルコミになってしまった方が、ある一定数以上いらっしゃると感じるのです。

 私の知人である不動産会社社長は、フルコミ営業から身を起こして独立された方です。その方はご自身の経験も踏まえて、フルコミ営業という仕事を次のように評しておられました。

 「フルコミ営業ってさ、腕に自信があって数字に厳しいみたいなイメージがあるけど、あれって違うと思うんだよな。僕がフルコミで働いていたときは、もう40歳を超えていて、なかなか正社員でまともな求人がなくてさ、仕方なくフルコミで働いていたんだよね。それから本当に腕に自信があるならフルコミみたいな中途半端な形じゃなく、ちゃんと会社を作って宅建業の免許を掲げ、正々堂々と独立すればいいんだけど…独立する根性も資金もなかったんだよな。フルコミで働いている人の中には会社員として働くことも難しく、独立することもできないっていう人のほうが多いんだよ。決して、格好いいものじゃないよ」

 この社長のお話は、フルコミ営業の闇の部分を的確に突いておられるように感じます。

未経験からフルコミ営業に転職して稼げるのはひと握り

 フルコミ営業を採用する不動産会社サイドから見れば、毎月の固定費(人件費)をかけることなく使える人材であり、「どうせリスクは少ないんだから業績を上げてくれれば儲けものだし、業績が上がらなくてもまあいいか」という考えを持たれても仕方ない側面があります。

 実際、フルコミ営業の多くは正社員ではなく、業務委託契約で働いていることが多いため、厳密には「転職」と呼べないかもしれません

 不動産業界の未経験者が、このような給与体系で不動産業界へ転職してこられると、結果は申し上げるまでもないでしょう。厳しいとされる不動産業界にあって腕一本で食っているイメージを抱いての転職は極めて危険と言えます。

 不動産のフルコミ営業としての転職は、ご自身のキャリアやスキル、メンタル面の強さなどを総合的に考慮して慎重に検討されることをおすすめします。

【関連記事はこちら】>>不動産業界への転職はおすすめ? 未経験での転職で「成功する人」「失敗する人」

  • RSS最新記事
不動産業界を含む「転職エージェント」サービスはこちら!
◆宅建Jobエージェント(不動産業界「未経験」でも対応可能)
求人数 非公開求人を含む1000件以上
費用 無料
サービス開始 2019年
運営会社 株式会社ヘイフィールド
【ポイント】不動産業界に特化した転職支援サービスを展開。業界未経験でも相談可能
無料登録はこちら
◆リアルエステートworks(不動産業界「経験者」のみ対応)
求人数 1000件以上
費用 無料
サービス開始 2019年
運営会社 株式会社BEYOND BORDERS
【ポイント】不動産業界経験者に対応。不動産業界に特化した転職支援サービスを展開。専任のキャリアコンサルタントが企業とのマッチングを支援
無料登録はこちら
◆dodaエージェントサービス
求人数 非公開求人を含む10万件以上
費用 無料
サービス開始 1997年(株式会社インテリジェンス)
運営会社 パーソルキャリア株式会社
【ポイント】「正社員」での就業を前提とした転職支援サービスを展開
無料登録はこちら
◆リクルートエージェント
求人数 非公開求人20万件以上
費用 無料
サービス開始 1977年(株式会社日本リクルートセンター)
運営会社 株式会社リクルートキャリア
【ポイント】歴史は長く、転職支援実績は累計45万名以上(2018年3月期)※同社調べ
無料登録はこちら
◆マイナビジョブ20's
求人数 20代対象の厳選求人1000件以上
費用 無料
サービス開始 2011年(株式会社マイナビ)
運営会社 株式会社マイナビワークス
【ポイント】第二新卒者・20代若手社会人を必要とする求人のみに特化
無料登録はこちら
TOP