返済額シミュレーション(借り換え)は簡単
「返済額シミュレーション(借り換え)」は、不動産を購入する際、住宅ローンを借り換えする際に、「月々の返済額(毎月返済額)」「総返済額」がどうなるかをチェックできるツールだ。132銀行1000商品の返済額を全て計算して、安い順に表示する。
使い方は非常に簡単。以下の4項目を入れるだけだ。
・借入期間(10~35年)
・金利タイプ(変動金利、10年固定金利、20年固定金利、全期間固定金利)
・現在の住宅ローンの金利
また、オプションとして、以下の項目の設定も可能だ。
・将来の金利上昇「あり」「なし」
・借入エリア(都道府県)
あとは、「シミュレーション結果を見る」をクリックすれば、「借り換えによるメリット額」がすぐに分かる。
さらに、「毎月返済額」「総返済額」、諸費用込みの「実質金利」が表示される。132銀行1000商品をランキングで表示するので、どの住宅ローンに借り換えればいいのか、すぐに分かる。
なお、住宅ローンを借り換える際は、上位にランクインしている複数の銀行に申し込もう。
というのも、住宅ローンには審査があり、時には審査に落ちたり、借入額が希望している満額を認められないこともあるので、とりあえず複数の銀行に仮審査を申し込んでおくのが鉄則だ。
それでは以下、「返済額シミュレーション(借り換え)」の特徴と、上手な使い方を紹介しよう。
住宅ローン返済額シミュレーション(借り換え)の4つの特徴
ダイヤモンド不動産研究所の「返済額シミュレーション(借り換え)」には4つの特徴がある。紹介していこう。
(2)借り換えに伴う、すべての手数料などの諸費用を計算
(3)固定金利終了後の金利上昇も、きちんと再現
(4)実質金利なら比較が容易
(1)132銀行1000商品を網羅
住宅ローンの返済額シミュレーションは、ほぼ全ての銀行のサイトに設置されている。しかし、多くの銀行の返済額シミュレーションは、自行の住宅ローンを宣伝するためのもので、他行の商品と比べる機能はついていない。
一方で、ダイヤモンド不動産研究所の返済額シミュレーション(借り換え)は、132行1000商品の金利、手数料などの情報を全て毎月更新。ユーザーが入力した条件で、借り換えのメリット額、毎月返済額、総返済額を計算して、安い順に表示するので、安くてお得な住宅ローンを簡単に見つけられる。
主要銀行の主要商品を全て網羅しており、複数の銀行サイトを見比べなくても、ワンストップでほとんどの商品をカバーできるので便利だ。
安い住宅ローンと高い住宅ローンでは、総返済額に数百万円もの差があるので、徹底して比較しよう。
(2)借り換えに伴う、すべての手数料などの諸費用を計算
返済額シミュレーション(借り換え)では、借り換えた場合にかかる総支払額(総コスト)を計算している。計算には以下の金額が含まれている。
・銀行に支払う、「手数料・保証料」と「総返済額」
・銀行以外に支払う諸費用(印紙税、抵当権設定登録免許税、司法書士手数料)
借り換える銀行への総支払額は、「(1)132銀行1000商品を網羅」で説明したように、手数料、金利のデータを持っているので、そこから計算している。
一方で、銀行以外に支払う諸費用は以下のように計算している。
・印紙税は、住宅ローン契約書に貼る必要がある。なお、紙を使わず、ネット契約の場合は必要ない。税額は、契約金額(借入金額)によって変わる。
契約金額 | 印紙税 |
300万円超 500万円以下 |
2,000円 |
500万円超 1,000万円以下 |
10,000円 |
1,000万円超 5.000万円以下 |
20,000円 |
5,000万円超 1億円以下 |
60,000円 |
・抵当権設定登録免許税は、借入金額×0.4%
※同時に行う「抵当権の抹消登記」は不動産1筆につき1,000円の登録免許税がかかる。マンションの場合、土地1筆と建物1棟で2,000円。安いので無視してもいい
・司法書士手数料は、6~10万円程度。多くの銀行は指定した司法書士を使うように求めてくることが多く、いくらかかるか分からないので、シミュレーションでは6万円に設定している。
以上の金額を合計すると、借り換えでかかる総支払額が分かる。
その一方で、現在の住宅ローンを借り続けた場合の総支払額も入力データから計算。借り換えた場合の総支払額と比べて、借り換えのメリット金額を計算している。
借り換えの際に、「金利が現在よりも低いのでおとくだ」とは言い切れない。諸費用まで含めて比較すると、「実はおとくではない」「金利はそれほど低くないが、手数料が低いので総支払額がもっとすくない銀行があった」ということもあるのだ。
ダイヤモンド不動産研究所の返済額シミュレーション(借り換え)では、約1000商品の金利、手数料を入力済であり、シミュレーションが大変簡単なので、参考にしてほしい。
【関連記事】>>住宅ローン借り換えの諸費用はいくら? 18銀行の手数料・保証料を徹底比較!
(3)固定金利終了後の金利上昇も、きちんと再現
返済額シミュレーション(借り換え)を使わないと、実は損するプランを選んでしまうケースもある。
例えば、同じ10年固定金利の住宅ローンの場合、当初10年間の金利がほぼ一緒でも、11年目以降に適用される金利は全く違うということがある。
最近の住宅ローンは「優遇幅」が決められており、基準金利からその優遇幅を引いたものが実際に適用される金利だ。
この「優遇幅」が固定期間終了後に変更となる商品があるため、11年目以降の金利が大きく変わってしまうのだ。
借入金額によっては、総返済額で数百万円もの差がつくこともある。目先の「表面金利」だけに注目すると、損してしまうことがある。
その点、ダイヤモンド不動産研究所の返済額シミュレーション(借り換え)は、固定期間終了後の金利もきちんと考慮して、「総返済額」「実質金利(手数料など込みの金利)」を計算しているので、どの住宅ローンが本当にお得なのか、ランキングで正確に分かる。
(4)実質金利なら比較が容易
返済額シミュレーション(借り換え)では、「実質金利」も計算している。実質金利とは、手数料などを含む金利のことだ。
借り換えの場合は、この実質金利が計算できると非常に便利だ。
現在の住宅ローンの金利に比べて、借り換え後の実質金利(諸費用込み)が低ければ、借り換えメリットがあるということになる。
【関連記事】>>住宅ローン借り換えの注意点を知らないと後悔する! 5つの得する条件とは
ダイヤモンド不動産研究所のシミュレーション(借り換え)では、変動金利(金利上昇あり・なし)、10年固定金利・20年固定金利(金利上昇あり・なし)、全期間固定金利の、7パターンについて計算することができる。
特に、返済期間20年以上で借り換える人は、金利上昇によって総返済額がどのくらい変化するかが分かるので、全シミュレーションを試すのがいいだろう。
※実質金利は銀行への支払い分のみを考慮している
まとめ
以上が、返済額シミュレーション(借り換え)の特徴と使い方だ。
この返済額シミュレーション(借り換え)は、主な銀行、主な商品についてはほぼカバーしており、手数料等の諸費用も計算している。ぜひ、活用してほしい。
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「住宅ローン返済額シミュレーション(借り換え)」の計算方法・詳細
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・対象銀行は、記事下部の「132銀行の住宅ローンを比較」に記載の132銀行です。
・借り換えは、現在のローン残高をすべて借り換える前提とする。借り換え後の借入期間は現在の住宅ローンの残りの期間と一緒とする。変動金利は現在の水準が継続するものとして試算。
・借り換えに伴う諸費用は、印紙税(2000円~6万円)、抵当権設定登録免許税(借入金額×0.4%)、司法書士手数料(一律6万円)、銀行への借り換え手数料、保証料(借り換えローンに含む)とする。
・シミュレーションは、団体信用生命保険に加入、各銀行の最優遇金利を適用、固定期間終了後は変動金利を選択、元利均等返済したものとして試算しています。新規借入と、借り換えで金利が違う銀行もあるため、別々に設定しています。
・変動金利は、今後も現在の水準を維持するものと仮定して試算。金利上昇は、6年目に+1.5%と仮定。10年固定、20年固定金利は固定金利期間終了後に金利上昇とする。
・毎月支払額は、当初の支払額であり、固定期間終了や金利上昇により金利が変更となった場合は、毎月支払額も変更となります。
・「フラット35S」は、5年後(金利Bプラン)または10年後(金利Aプラン)に金利が0.25%アップ。「フラット35リノベ(リフォーム)」は、5年後(金利Bプラン)または10年後(金利Aプラン)に金利が0.5%アップします。
・新生銀行のステップダウン金利は、10年後に金利が10%ダウン、以降5年ごとに同じ幅だけダウンしていきます。
・毎月返済額の「金利変更後」とは、「変動金利(金利上昇あり)」については5年後、「10年固定金利」は10年後、「全期間固定金利」はフラット35S(フラット35リノベ)で当初5年または10年の金利割引終了後、および新生銀行「ステップダウン金利」の最初の金利引き下げ後(10年後)を指します。
・金利、手数料、保証料、頭金などの情報は各銀行のサイト等からダイヤモンド不動産研究所が定期的に収集したものであり、最新の金利であることを保証しません。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料となります。
・住宅ローン契約時は、各金融機関の公式情報を確認してください。
・シミュレーション結果は、当編集部が設定する独自の前提条件で試算しているため、銀行の正式なシミュレーションとは異なることがあります。
・シミュレーションは、変動金利の5年ルール、125%ルールは適用していません。
・シミュレーションは優遇金利で計算していますが、審査結果によっては再優遇金利が適用されないこともあります。融資希望額が全額認められないこともあります。
・auじぶん銀行の住宅ローンは、審査の結果によっては保証付金利プランの金利が適用となる。
・銀行の審査により、融資額の上限、下限が設定されているため、希望額が認められないことがあるので、各銀行の約款をご確認ください。
・返済額シミュレーションの上手な使い方、仕組みは、こちらの記事を参考にしてください。
・記事「住宅ローン返済額を、エクセルで計算する方法は? 金利シミュレーションの正しい使い方を解説」
プロの評判・口コミ
淡河範明さん
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