2023年3月まで延長された「こどもみらい住宅支援事業」は、新築住宅なら補助額最大100万円とメリット大!

2022年6月20日公開(2022年10月13日更新)
山下和之:住宅ジャーナリスト

2021年度の補正予算で実施されてきた「こどもみらい住宅支援事業」は、最大で新築住宅1戸当たり100万円が補助される注目度の高い制度だが、2022年10月までに取得や建築を決めて申請する必要があった。ほとんど時間が残されていないわけだが、このほど予算枠が増額され、申請期限が2023年3月まで延長されたので、現在住宅の取得を検討中の人でも十分間に合いそうだ。

申請期限が2022年10月末から2023年3月末に延長

 「こどもみらい住宅支援事業」は、2021年度の補正予算で542億円が用意されたが、それ以前の「グリーン住宅ポイント」が1094億円の予算だったのに比べると、半分程度にとどまっていて、業界からも増額の要請が相次いでいた。

 そのため、このほど国土交通省関係予備費の中から、300億円が追加されることになった。合計842億円に増え、前身の制度ともいえる「グリーン住宅ポイント」制度並みの規模に拡充されたことになる。

 予算の追加がなかったら、夏までには予算の消化による終了の可能性もあったそうだ。これから、新築、リフォームに取り組むのであれば、ぜひ活用を検討したい制度である。

 さらに、この増額にともなって申請期限が延長された。従来は、2022年10月末までに契約して、着工、補助金の申請を行う必要があったが、2023年3月末まで延長されることになった。

 注文住宅建築の場合、詳細設計を決めて見積もりを出してもらった上で契約、着工するまでには相当な時間がかかり、これから2022年10月末までに条件を整えるのは難しい面があるが、2023年3月末まで延びれば、ゆとりを持って申し込めそうだ。

住宅の新築は1戸当たり最大で100万円の補助

 そこで、改めて「こどもみらい住宅支援事業」の概要を紹介しておこう。

 大きくは高い省エネ性能を有する住宅の新築・購入と、既存住宅の一定条件を満たすリフォームが対象になる。住宅メーカー、工務店などが申請して補助金を受け取る形になるが、その分消費者の負担が軽減されることになる。

 新築住宅は18歳未満の子どもを持つ子育て世帯、または夫婦どちらかの年齢が39歳以下の若者世帯が対象(いずれも2022年4月1日現在)で、さまざまな面で経済的な負担が大きい子育て世帯、若者世帯のマイホーム取得を促進する狙いだ。

 それと同時に、対象となるのは図表1にあるように、省エネ性能の高い住宅に限られる。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、省エネ性能の高い住宅の建設を促進する狙いもあるわけだ。

図表1 こどもみらい住宅支援事業の対象者、対象住宅、工事、補助額

こどもみらい住宅支援事業の対象者・補助額

住宅メーカーによって受けられる補助金が異なる

 補助額は、最も省エネ性能の高いZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が1戸当たり100万円で、それに次いで省エネ性能が高い認定長期優良住宅などが80万円、さらに既存の省エネ基準に適合する住宅が60万円となっている。

 住宅メーカーによっては、標準仕様でZEHに対応している大手もあって、その場合には1戸当たり100万円の補助を受けることができる。

【関連記事はこちら】>>ZEH(ゼッチ)補助金は最大112万円! ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業を徹底解説

 しかし、中堅以下のハウスメーカーや一般の工務店ではZEHは難しく、最大でも80万円。60万円というところもある。

 そのため、大手の積水ハウスのホームページでは、100万円の補助金が出ることが紹介されており、補助額の少ないメーカーなどとの差別化による販売促進に力を入れている。

 中堅メーカーに聞いてみたところ、「一般的な一次取得者が対象の制度なので、初めての住宅購入検討者への後押しになっている」と評価している。

 しかし、比較的名前の知られたメーカーでも、その省エネ性能の関係で、補助額が60万円としているところがあるし、町場の工務店では対象にならないケースもあるので、新築住宅の購入に当たっては十分に確認しておきたい点だ。

 もちろん、100万円の補助金を得られる省エネ性能に優れた住宅は、その分価格も高くなるが、補助金を得られる上に、入居後の生活が快適になり、ヒートショックや熱中症のリスクが軽減される。光熱費負担も軽くなるため、メリットは大きい。

 なお、ZEHは「こどもみらい住宅支援事業」の対象者ではない場合でも、ZEH補助金として補助制度が設けられている。

【関連記事はこちら】>>ZEH(ゼッチ)補助金は最大112万円! ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業を徹底解説

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外壁の断熱改修には、1戸当たり10万2000円

 一方、既存住宅のリフォームについては、住宅の省エネ性能のための改修が必須で、同時に行う子育て対応改修、耐震改修、バリアフリー改修なども対象になる。

 補助額は工事部位や規模などによって決まっていて、リフォーム工事の上限が30万円だが、子育て世帯、若者世帯は45万円に、合わせて既存住宅を取得する場合には60万円まで引き上げられる。

 子育て世帯、若者世帯以外で、一定の性能を確保した「安心R住宅※」の購入をともなう場合には上限が45万円になる。
※中古住宅の流通促進のため、国土交通省が告示する制度(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)。「不安」「汚い」「わからない」といった「中古住宅」のマイナスイメージを払拭し、「住みたい」「買いたい」既存住宅を選択できる環境の整備を図るため創設された。

 今回の「こどもみらい住宅支援事業」におけるリフォームの補助金に関しては、部位などによって補助額が明確に定められているのが大きな特徴。

 たとえば、必須項目である省エネ改修については、外壁が1戸当たり10万2000円(部分断熱は5万1000円)、屋根・天井は3万6000円(部分断熱は1万8000円)などと定められている。

 省エネ設備の設置についても同様で、図表2にあるように、太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯機がいずれも1戸あたり2万4000円などとなっている。リフォーム業者も見積もりを出す上で計算しやすく、消費者にとっても分かりやすいと評価されている。

図表2 エコ住宅設備設置の補助額

エコ住宅設備設置の補助額
出所:国土交通省「こどもみらい住宅支援事業について」から

省エネ改修のついでに便利な設備を追加できる

 子育て世帯の家事負担軽減に資する設備の設置に関する補助額は、図表3のように定められている。ビルトイン食器洗機は1戸あたり1万9000円、掃除しやすいレンジフードは1万円などと明確に定められている。

図表3 家事負担の軽減に資する設備の設置

家事負担の軽減に資する設備の設置
※1 「キッチンセットの交換を伴う対面化改修」で補助金が交付される場合、本項目は補助の対象となりません。
※2 共同住宅においては、単数のボックスなど当該住戸用に独立して設置された宅配ボックスに限ります。
※3 例えば、1の宅配ボックスに4つのボックスが設置されている場合は40,000円となります。 (注) 共用の宅配ボックスは、設置するボックス数(20を上限とする)に応じた補助額とします。
出所:国土交通省「こどもみらい住宅支援事業について」から

 これらに関して、中堅住宅メーカーでは、「エコ設備を導入することで補助対象となり、その他のリフォーム補助金と比較しても、建物性能向上が必須とはなっていないので、事業者としては利用しやすい」としている。

 業者にとってはたいへん使い勝手の良い制度ということであり、それは消費者にとってもさまざまな便利な設備を追加しやすくなるというメリットが大きいのではないだろうか。

 宅配ボックスの設置など、本来の狙いである省エネ性能の向上とは直接的な関係はなさそうにみえるが、より広い視野でみれば、宅配便の再配達の削減によるCO2排出量の削減効果が期待できる。設置する側からしても荷物受取時に在宅の必要がないので、安心して宅配便を利用できるようになるといったメリットがある。

予算に達し次第、締め切りの可能性もある

 このように何かとメリットの大きい「こどもみらい住宅支援事業」の予算の増額と期限の延長。ぜひ上手に活用していただきたいところだ。

 ただ、予算枠が設定されているので、予算に達しそうになると、2023年3月末の期限前に打ち切られる可能性がある

 その場合には、国土交通省のホームページなどで1カ月程度前までに告知されるので、関心のある人は定期的に確認しておくのがいいだろう。

【関連記事はこちら】>>こどもみらい住宅支援事業の補助金は最大100万円! リフォームの補助額や申請の流れなどを分かりやすく解説

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