住宅の新築や取得時には、さまざまな減税措置や税制優遇、補助金の制度があります。中古住宅やリフォームした住宅と比べると、補助制度は充実しており、金額が大きいものもあります。そこで、「【2024年最新】新築住宅の減税措置や税制優遇、補助金の制度」について解説し、いくら節約できるのかも試算してみました。
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1.新築住宅の税制優遇制度について
まずは、新築住宅の税制優遇制度について解説します。金額が大きく、申請などが必要となるので、気をつけましょう。
最大455万円減税の「住宅ローン控除」
住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、年末のローン残高の0.7%が、「所得税+住民税の一部」から最大13年間控除(減税)される制度のことです。
所得税などから控除される金額(ローン控除額)は、以下の式で計算されます。
新築住宅(主な要件として床面積が原則として50㎡以上、2025年12月31日までの入居など)における住宅ローン控除の借入限度額と、控除期間、最大控除額は、下表の通りです。
【2024年度】物件タイプ別の住宅ローン最大控除額は? |
|||||
住宅タイプ | 住宅ローン残高上限 (A) |
1年間の控除額 (B)=(A)×0.7% |
控除期間 (C) |
控除合計額 (B)×(C) |
|
---|---|---|---|---|---|
新築 | 長期優良住宅、 低炭素住宅 |
4500万円 |
31.5万円 (35万円) |
13年 |
409.5万円 (455万円) |
ZEH |
3500万円 (4500万円 ※1) |
24.5万円 (31.5万円) |
318.5万円 (409.5万円) |
||
省エネ基準 |
3000万円 (4000万円 ※1) |
21万円 (28万円) |
273万円 (364万円) |
||
その他※2 |
0万円 |
0万円 |
10年 |
0万円 |
|
※1:「19歳未満の子を有する世帯」又は「夫婦のいずれかが40未満の世帯」が対象、令和6年に限る。 |
長期優良住宅とは、「劣化対策(劣化対策等級3以上)」「耐震性(耐震等級2以上)」「維持管理・更新の容易性(維持管理対策等級3以上)」「省エネルギー性(断熱等性能等級4以上)」「維持保全計画」などの項目について、すべて認定基準を満たす必要があります。
低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出が抑制されている省エネ住宅のことを指し、「断熱性」「省エネルギー性」「低炭素化措置」を満たす必要があります。認定住宅とは、「長期優良住宅」と「低炭素住宅」の総称です。
ZEH(ゼッチ) 水準省エネ住宅とは、断熱等性能等級(断熱等級)5かつ一次エネルギー消費量等級(一次エネ等級)6である住宅のことです。ZEHはNet Zero Energy Houseネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略になります。
省エネ基準適合住宅とは、現行の省エネ性能を満たす基準、すなわち、日本住宅性能表示基準における、断熱等性能等級(断熱等級)4以上かつ一次エネルギー消費量等級(一次エネ等級)4以上の性能を有する住宅のことです。
制度の適用を受けるには、初年度に確定申告が必要です。なお、翌年は会社員であれば年末調整で対応できます。
■編集部注
住宅ローン控除は、あくまで「減税措置」なので、払った税金以上には戻ってきませんが、非常に金額の大きなメリットの大きい制度です。
また、新築のマンション・戸建てであれば、「長期優良住宅」「低炭素住宅」のどちらかをクリアしていることが多いのが現状です。
※編集部注:2024年以降の住宅ローン控除、変更点は?
2023年まで適用されていた住宅ローン控除の借入限度額は最大5000万円でしたが、2024年入居分からは最大4500万円まで引き下げられました。
ただし、子育て支援の観点から、「子育て世帯等」の住宅ローン控除の借入限度額が、2024年に限り維持される(最大5000万円のまま)というのが特記すべきことでしょう。
【関連記事はこちら】>>住宅ローン控除で儲ける方法とは?繰上返済のタイミングに注意して、収支を最大化しよう【2024年版】
【関連記事はこちら】>>住宅ローン控除の目安額を、年収別にシミュレーション!最大455万円もおとくになる!
住宅ローンを借りなくてもOK「認定住宅の所得税の特別控除」
長期優良住宅または低炭素住宅、およびZEH水準省エネ住宅を、新築(または建築後使用されたことのない住宅)で取得した場合には、一定額を所得税から控除する制度「認定住宅を新築または取得した場合の所得税の特別控除」があります。
この制度は「住宅ローン控除が利用できない人(住宅ローンを借りていない人)」でも適用できます。また、当該制度は住宅ローン控除とは併用できず、いずれか有利なほうを選択できる制度となります。
特別控除額や主な要件は、以下の通りで、減税額は最大65万円(650万円×10%)です。確定申告を忘れないようにしましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
対象の住宅 | 認定住宅(長期優良住宅、低炭素住宅)、またはZEH水準省エネ住宅 |
特別控除額 | 標準的な性能強化費用相当額 × 10%
|
選択適用 | 住宅ローン控除との選択適用となる |
所得制限 |
その年分の合計所得が2000万円以下の場合に適用 |
繰越控除 | その年分の所得税額から控除しきれない金額がある場合には、翌年分に繰り越して控除することができる |
時限措置 | 令和7年(2025年)12月31日までに居住の用に供すること |
最大1000万円非課税「住宅取得等資金贈与の非課税特例」
住宅取得等資金贈与の非課税特例は、住宅の取得のための贈与であれば一定額まで受贈者(お金をもらう子供)に贈与税を課さないという制度です(令和8年(2026年)12月31日までの時限措置)。
贈与税は非常に税率が高いので、多額の住宅資金をもらうときは、ぜひこの制度を利用したいところです。新築住宅における非課税限度額の範囲は、下表のように定められています。
贈与時期 | 非課税限度額 | |
---|---|---|
一般の住宅 |
質の高い住宅 「省エネ等住宅」 |
|
2024/1/1〜2026/12/31 | 500万円 | 1000万円 |
新築住宅における質の高い住宅とは、以下のいずれかの基準に適合する住宅を指します。
【質の高い住宅(省エネ等住宅)】
- 1.断熱等性能等級5以上、かつ、消費量等級6以上の基準に適合していること※
- 2.耐震等級2〜3、またはその他の免震建築物の基準に適合していること
- 3.高齢者等配慮対策等級3〜5
※2024年(令和6年)1月1日以後に住宅取得等資金の贈与を受けて新築住宅の取得をする場合は、省エネ性能が断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上であり、かつ、以下のいずれかの要件を満たせば特例を適用できます。
イ 2023年(令和5年)12月31日以前に建築確認を受けているもの
ロ 2024年(令和6年)6月30日以前に建築されたもの
ただし、非課税特例の適用を受けるには、贈与を受けた年の翌年の2月1日~3月15日までに住所地の税務署に贈与税の申告書を提出する必要があります。
2.新築住宅の補助金について
新築住宅を購入する際の補助金も、金額が大きめなので確認しましょう。2024年に利用できる新築住宅の補助金は以下のとおりです※。※編集部注:各制度の詳細は未定ですが、予定されているものになります。
最大100万円補助「子育てエコホーム支援事業」
子育て支援やCO2削減の観点から、「子育て世帯や若者夫婦世帯」に限定して、高い省エネ性能(ZEHレベル)をもつ住宅の取得に対して補助するものです。
子育て世帯とは、申請時点において18歳未満の子を有する世帯、若者夫婦世帯で、申請時点において夫婦のいずれかが39歳以下の世帯です。
対象住宅と補助額は以下の通りです。
対象住宅 | 補助額 |
---|---|
長期優良住宅 |
100万円/戸 |
ZEH ただし、以下の2つどちらも該当している住宅は補助金額最大40万円/戸 |
80万円/戸 |
※対象となる住宅の延べ面積は50㎡以上。土砂災害特別警戒区域における住宅は原則除外
交付申請期限は令和6年(2024年)12月末までです。なお、完了報告期限は、住宅の規模に応じて変わりますが、原則として令和6年12月末までとなっています。それまでに新築工事全体が完了していない場合は、補助金返還の必要があります。
【関連記事はこちら】>>【2023年版】こどもエコすまい支援事業の補助金は最大100万円! リフォームの補助額や申請の流れなどを分かりやすく解説
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最大50万円の「すまい給付金」※終了 -
すまい給付金は、新築住宅を取得した一定の要件を満たした者に対し、1回だけ現金を給付する制度です(令和3年(2021年)12月31日までの時限措置。新規の受付は既に終了しています。令和4年(2022年)12月31日までは一定の時期に契約された一部のものに対し、引渡しおよび入居の延長期限として暫定的に制度が運用されています)。
主に住宅ローン控除の効果が上がりにくい「所得税や住民税の納税額が少ない人」に対して、現金を給付する制度です。
すまい給付金の給付額は所得によって異なり、最大50万円となっています。住宅ローンを利用する場合の収入額の目安と給付基礎額の関係は下表の通りです。
収入額の目安 給付基礎額 450万円以下 50万円 450万円超525万円以下 40万円 525万円超600万円以下 30万円 600万円超675万円以下 20万円 675万円超775万円以下 10万円 すまい給付金を利用できる人の要件は、以下の通りです。
【すまい給付金の対象者の要件】
- 1.住宅の所有者:不動産登記上の持分保有者
- 2.住宅の居住者:住民票において、取得した住宅への居住が確認できる者
- 3.収入が一定以下の者
- 4.(住宅ローンを利用しない場合のみ)年齢が50歳以上の者
対象となる物件の要件は、住宅ローンの利用の有無で変わります。詳細は以下を参照してください。
住宅ローンの利用の有無 新築住宅 利用する ・自らが居住する
・床面積が50㎡以上
・工事中の検査により一定の品質が確認された次の住宅
イ.住宅瑕疵担保責任保険に加入
ロ.建設住宅性能表示制度を利用等利用しない 上記の住宅ローン利用者の要件に加えて以下の要件が必要となる。
・フラット35Sの基準を満たす
・50歳以上
・収入額の目安が650万円以下すまい給付金の手続きは、取得した住宅に入居した後にすまい給付金事務局へ申請を行います。申請期限はいつまでかというと、住宅の引き渡しを受けてから1年3カ月以内と定められています。
では、補助金はいつもらえるのでしょうか。申請書類に不備がなければ、申請書類の提出からおおむね1.5カ月~2カ月程度で給付されます。
最大100万円の「ZEH支援事業」※受付終了
ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。断熱性能の大幅な向上、高効率な設備・システムの導入による省エネ(省エネ基準比20%以上)を実現するだけでなく、再生可能エネルギー(太陽光発電など)も導入することで、 年間の一次エネルギーの収支をゼロとすることを目指した住宅です。
断熱性能を高めるために、高性能の断熱材を使用することや、高断熱の窓ガラスを付ける必要があります。
高効率な設備としては、性能の高い給湯器もあります。「エネファーム(家庭用燃料電池コージェネシステム)」「エコウィル(家庭用ガスコージェネシステム)」「エコジョーズ(家庭用ヒートポンプ式給湯器)」「エコキュート(潜熱回収型ガス給湯器)」などが代表的な商品です。
ZEH対応にすることで新築住宅の建築費がアップするので(編集部注・通常の住宅で+200万〜+300万円)、補助金を出しています。
新築でZEHを建てる場合、原則として1戸あたり最大55万円の補助金を受けることができます。さらに、「次世代HEMS実証事業ZEH支援事業」という補助金名では、1戸当たり最大112万円の補助を受けることが可能です。
項目 | 内容 |
---|---|
補助額 | ZEHは、55万円/戸(+蓄電で20万円) ZEH+なら、100万円/戸(+直交集成板等で最 大90万円) |
対象となる住宅 | ZEH(Nearly ZEH、ZEH Orientedを含む) |
主な要件 | ・ZEHロードマップにおける『ZEH』の定義を満たしていること ・SIIに登録されているZEHビルダー/プランナーが関与(設計、建築又は販売)する住宅であること ・ZEH+はさらに以下の2つの要件を満たしていることが必要 |
公募方式 | 先着方式 |
※SII(Sustainable open Innovation Initiative)とは一般社団法人環境共創イニシアチブのこと。
ZEH補助金を得るには、公募期限内に申請を行い、期限内に代金を支払い終える必要があります。補助金がいつもらえるかというと、大抵、竣工後3~5カ月後に振り込まれます。
ZEH住宅の補助金の対象者は、ZEH住宅を新築する人とZEH住宅を購入する人です。新築する場合、ZEH住宅に適合するプランで建築確認申請の提出が必要となります。
そこで、オリジナルの「家づくりプラン」を無料で作成してもらえるNTTデータの「HOME4U 家づくりのとびら」を紹介します。
「家づくりプラン」とは「間取り」「資金計画」「土地探し」が含まれており、一度の依頼で複数社があなたに合ったプランを無料で作成してくれます。
この「資金計画」の際に、ZEH補助金などの案内も行っているので、注文住宅を考えているならぜひ活用してみてはいかがでしょうか。入力は約3分と簡単です。
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【関連記事はこちら】>>ZEH(ゼッチ)補助金は最大112万円! ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業を徹底解説
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最大150万円の「地域型住宅グリーン化事業補助金」※終了 -
地域型住宅グリーン化事業とは、国土交通省の採択を受けたグループ(工務店などの集団のこと)が建てる省エネルギー性や耐久性などに優れた木造住宅に対して補助金が交付される制度です(各年度単位の制度)。
地域型住宅グリーン化事業では、採択を受けたグループに対して補助が行われ、発注者(施主)は、グループを通じて間接的に補助を受けることになります。
補助対象となる新築住宅のタイプと補助額上限は、下表の通りで、最大140万円です。
【2022年度の補助額】
対象となる住宅のタイプ 補助額上限 長期優良住宅 140万円 ゼロ・エネルギー住宅 150万円 高度省エネ型 90万円 主な共通要件は以下を参照にしてください。
【地域型住宅グリーン化事業の主な共通要件】
- ・主要構造部が木造であること
- ・採択されたグループの構成員である中小住宅生産者により供給される新築であること
- ・新築の着工日は採択通知の日付以降であること
- ・主要構造部に用いる木材は、グループが定める地域材を積極的に使用すること
地域型住宅グリーン化事業を利用するには、採択されたグループに建築の発注を行います。詳細は住宅メーカー、工務店に問い合わせましょう。工事の着手は採択通知後です。工事が完了したら、提出期限までに完了実績報告を提出します。
確定申告は不要です。
【関連記事はこちら】>>【2022年版】地域型住宅グリーン化事業とは? 高性能な地域木造住宅は最大140万円補助!
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「グリーン住宅ポイント制度」※終了 -
グリーン住宅ポイント制度は、環境に配慮された省エネ住宅などの一定の要件を満たす住宅を取得した場合に、追加工事費や様々な商品と交換できるポイントがもらえる制度です。最大100万ポイント(約100万円分の買い物が可能)をもらえます(令和3年(2021年)10月31日までの時限措置制度であり、終了している)。
ポイントで交換できる商品は、家電、食料品・飲料、インテリア、地場産品、雑貨・日用品、スポーツ・健康増進などの幅広い商品が対象となっています。
対象となる新築住宅は、以下のいずれかの省エネ性能を有する住宅となります。
【グリーン住宅ポイントの対象住宅】
- ・認定長期優良住宅
- ・認定低炭素建築物
- ・性能向上計画認定住宅
- ・ZEH
- ・日本住宅性能表示基準で定める断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
発行されるポイント数は下表の通りです。
住宅の性能 基本ポイント ポイント加算(任意) 発行ポイント 高い省エネ性能等を有する住宅 40万ポイント 60万ポイント 100万ポイント 一定の省エネ性能を有する住宅 30万ポイント 30万ポイント 60万ポイント ポイントは、以下のいずれかの対応をした場合に加算されます。
- 東京圏の対象地域からの移住のための住宅
- 多子世帯が取得する住宅
- 三世代同居仕様である住宅
- 災害リスクが高い区域からの移住のための住宅
制度を利用するには、住宅の省エネ性能等を証明する書類等の必要書類を取得し、2021年10月31日までにグリーン住宅ポイント事務局に申請を行う必要があります。 ※参考 グリーン住宅ポイント事務局
【関連記事はこちら】>>1戸当たり最高100万円相当の「グリーン住宅ポイント」制度がスタート! ポイント付与の条件や、特例について解説
新築住宅向けの「自治体の補助金」
新築住宅では、自治体の補助金もあります。
たとえば、東京都北区ではバリアフリーなどの規定の要件を満たす住宅を新築する者に対し、一定額の補助金を助成する制度(三世代住宅建設助成)が設けられています。
【三世代住宅建設助成】
項目 | 内容 |
---|---|
補助額 | ・50万円(要件を満たす三世代住宅を建設する場合) ・60万円(要件を満たす三世代住宅を建設する場合で、義務教育修了前の子どもが2人以上いる場合) |
対象となる住宅 | 1.三世代住宅の用に供する部分の面積が、当該三世代住宅の用に供する建築物全体の延べ面積の2分の1以上であり、かつ、当該部分の面積が、次に掲げる面積以上であること。 ※面積(㎡)=三世代住宅に居住する者の数×10㎡+10㎡ 2.居室を4室以上有し、かつ、そのうちの1室は、高齢者の専用のもの 3.規定する「住宅性能の要件」に適合すること。 4.「建築基準法」を含む「法令」に適合すること。 5.「耐火建築物」又は「準耐火建築物」であること。 6.北区のまちづくりに関する事業に支障がないものとして、区長が認めるものであること。 |
対象者 | 以下の全ての要件を満たす者が対象となる。 1.親及び子、子及び孫、又は親及び祖父母と助成対象三世代住宅に同居すること。 2.建設する住宅に同居する者全員が、住民税を滞納していないこと、また暴力団関係者でないこと、および過去にこの助成金及びこれに類する助成金を受けたことがないこと。 3.「国のその他補助事業」を受けていないこと。 |
新築の補助金制度はすべての自治体にあるわけではないため、まずは自分の自治体で補助金の有無を調べ、申請方法などについても確認しましょう。
【補助金をもらうときの注意点】
補助金については注意点が2つあります。
1、確定申告書の提出の際、住宅の取得に関し補助金の交付を受けた場合には、その住宅の取得等の対価の額または費用の額からその補助金等の額を控除して(特定増改築等)住宅借入金等特別控除を計算する必要があります。
2、一部補助金は併用できません。
以上の点について、気をつけましょう。
3.新築住宅の減税措置について
新築住宅を取得、保有することに対する減税措置についても見ていきましょう。
登録免許税の減税措置
新築住宅は、一定の要件を満たしていれば、「建物」の登録免許税が軽減されます。登録免許税とは、登記簿謄本に権利の設定などをする際に法務局で支払う税金のことです。こちらは、数万円程度の税金で、減税額もさほど多くありません。
登録免許税は、以下の式で計算されます。
※編集部注 固定資産税評価額は、請負工事金額の半分程度になるケースが多い
減税措置は、具体的に本則から税率が下がることで税額が減ります。建物の保存登記(新築住宅で初めて行う登記)の登録免許税の税率は下表の通りです。
住宅の種類 | 保存登記の税率 |
---|---|
本則 | 0.4% |
一般の住宅(新築) | 0.15% |
長期優良住宅(新築) | 0.1% |
低炭素住宅(新築) | 0.1% |
減税措置の適用を受けることができる新築住宅は、以下の要件を満たす必要があります。
【新築住宅の要件】
- ・時限措置:令和9年(2027年)3月31日までに建築されたもの
- ・自己の専用住宅で、床面積が50㎡以上であること。
- ・マンションなどの区分所有のものについては、自己の居住用部分の床面積が50㎡以上であること。
軽減措置を受けるためには、法務局への登記の申請時に、長期優良住宅の「認定通知書」など、認定を証明できるものを提出します。※参考 国税庁「登録免許税の税額表」
不動産取得税の減税措置
床面積が「50㎡以上240㎡以下」の新築住宅は、「建物」の不動産取得税が軽減されます。不動産取得税とは、不動産を取得したときに課される都道府県税のことです。
不動産取得税の計算式は、原則として以下の通りです。
減税措置を受けることができる新築住宅では、建物の不動産取得税の課税標準額が以下のように減額されます。
控除額は、下表の通りです。
住宅の種類 | 控除額 |
---|---|
一般の住宅 | 1200万円 |
長期優良住宅(令和8年(2026年)3月31日まで) |
1300万円 |
新築住宅は課税標準額から控除額を減額することができるため、不動産取得税が減ることとなります。
なお、軽減措置を受けるには所管する自治体の固定資産税課など(東京都なら都税事務所など)への申告が必要です。新築住宅を取得した場合、約60日以内に申告すると、不動産取得税の減税措置を受けることができます。※参考 東京都主税局「不動産取得税」
固定資産税の減税措置
一定の要件を満たす新築住宅では、「建物の固定資産税」が一定期間、2分の1に減額されます。固定資産税とは、1月1日時点の不動産の所有者に課される市区町村税(東京23区は都税)のことです。
新築住宅の減額措置の適用期間は、下表のようになります。長期優良住宅であれば、一般の住宅よりも2年間、減税期間が長くなります。
住宅の種類 | 戸建て | マンション | 軽減措置 |
---|---|---|---|
一般の住宅 | 3年間 | 5年間 | 1/2 |
長期優良住宅 | 5年間 | 7年間 | 1/2 |
軽減措置を受けることができる新築住宅の要件は、以下の通りです。
【軽減措置を受けられる新築住宅の要件】
- ・時限措置:令和8年(2026年)3月31日までに建築されたもの
- ・住宅として使用する部分の床面積が全体の床面積の2分の1以上であること
- ・居住用部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
要件はさほど厳しくないので、多くの住宅がこの減税措置を受けられます。なお、各自治体の固定資産税課への申告が必要です。※参考 国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」
まとめ 新築住宅は、税制優遇などが充実
以上、新築住宅の減税や優遇制度、補助金について解説しました。
新築住宅は、さまざまな税制優遇や補助金制度が存在します。おとくな制度が多いので、よく調べたうえで賢く利用することをおすすめします。
【関連記事はこちら】>>住宅ローン金利(132銀行・1000商品)の金利推移・動向は? 金利タイプ別の相場、選び方も解説
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