京王不動産に売却の仲介を頼んでいい? 
実際の査定結果を辛口評価! 評判やメリットについても紹介

2021年5月3日公開(2021年5月14日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

京王不動産に不動産の売却を依頼しても大丈夫なのか? こうした疑問に答えるため、京王不動産の評判、販売力、メリット、査定書の出来などを評価しました。記者が自分のマンションを査定してもらった実際の査定書も公開します。京王不動産で不動産の売却を検討している方は、ぜひ確認しましょう。

京王不動産の会社概要や特徴とは

京王不動産HP
京王不動産のホームページ

 京王不動産株式会社は、東京都渋谷区初台に本社を置く京王グループの不動産会社で、京王線沿線(京王新宿線、井の頭線)の不動産の仲介や新築戸建の分譲事業を中心に展開しています。

 さらに、不動産事業に関連するオフィス・マンションの管理、駐車場の管理、レンタルボックス、コインパーク、バイクパークなどの事業にも取り組んでいます。

京王不動産の会社概要
社名 京王不動産株式会社
本社 東京都渋谷区初台1丁目54番2号 京王初台1丁目ビル

資本金

2億円
営業所

市ヶ谷、笹塚、吉祥寺、永福町、千歳烏山、調布、府中、桜ヶ丘、高幡、めじろ台、多摩センター、橋本

 上表のように、京王不動産は京王電鉄沿線に12営業所があり、地域密着の不動産仲介業者として小回りが利きやすそうで期待できます

京王不動産に売却の仲介を依頼するメリットは?

 京王不動産の強みは、京王線沿線の売買物件について常に地域情報をアップデートしており、京王線沿線に特化している点でしょう。 

 また、仲介を依頼した場合、近隣への新聞折り込みチラシ、ポスティング(宅配)チラシ、京王線沿線の駅のラック等に置いてある独自の情報誌「ホームステーション」、自社ホームページへの掲載など、さまざまな広告媒体を活用し、告知展開していくとしています。

 そのほか、京王不動産に売却を依頼するメリットとして、以下の5つの売却サポートを行っている点が挙げられます。このあたりは、中小の不動産仲介会社にはないサービスです。

【京王不動産の売却サポート】

①税務相談会・法律相談

スムーズに相続や売却を進めるために、顧問税理士による無料の税務相談会を実施したり、個別相談にも応じています。また顧問弁護士による不動産法律相談も行っています。

②建物状況調査(インスペクション)
引き渡し後のトラブルを回避するために、インスペクションを実施しています。また、これによって競合物件との差別化もはかります。

③瑕疵保証(戸建住宅)
売却後のトラブルにならないように、引き渡し前の建物検査を実施し、検査適合物件に対しては引き渡しから1年間の瑕疵(かし)保証をつけて、売り主の負担を軽減するようにしています。

④買取保証サービス
京王不動産の仲介で一定期間売却活動を行い、万一売却ができなかった場合に自社で買い取るサービスです。

⑤リースバック
自宅を売却後も賃貸の形でそのまま住み続けられるサービスです。

 では、京王不動産に売却を依頼しても大丈夫なのか、実際に査定をしてもらった結果を検証していきましょう。

実際にマンションの査定を依頼してみた結果を公開

 京王不動産の査定について見ていきましょう。今回査定を依頼した物件は以下のとおりです。

【物件概要】
都内のファミリー向けマンション
(築20年強、占有面積69㎡(21坪)、1階、駅から徒歩6分)

【査定方法】
机上査定(=簡易査定)

 通常、査定は物件概要で査定する「机上査定」と、実際の物件を内見する「訪問査定」の2つに分かれます。精度の高い査定を行うためには訪問査定が必要ですが、京王不動産の査定方法や営業担当者の対応などを探るために、机上査定で売却予定マンションの価格を査定してもらいました。

自社の査定は、簡易的な査定のみだった

 京王不動産の査定は、地域の不動産マーケットなどのレポートもあり、京王線沿線に詳しい印象があります。また査定書は、「物件のプラス要素とマイナス要素を分析し、近隣の成約事例をベースに取引事例比較法で査定している」と明言しています。

 以下が、京王不動産の査定書です。

①近隣成約事例
 京王不動産のケースでは、5つの成約(売却)事例を参考にしており、その平均坪単価は194.28万円でした。

京王不動産査定書
写真を拡大 京王不動産査定書(近隣成約事例)

②近隣の売出事例(売却活動中)
 さらに、近隣の売出事例(売却活動中)を3件紹介しており、その平均坪単価は、232.37万円でした。

京王不動産査定書(近隣の売出事例)
写真を拡大 京王不動産査定書(近隣の売出事例)

③不動産鑑定会社T社の査定価格
 一方で、外部の不動産鑑定会社T社を使って、金額3,669万円(坪単価約177万円)という金額も出しています。T社の査定価格は取引事例比較法ということですが、参考事例に関しては何の記載もなかったため詳細は不明です。 

京王不動産査定書
京王不動産査定書(T社査定価格)

④査定結果
 最終的には、自社とT社2つの数値の平均値として、3,800万円(坪単価183.39万円)が査定結果として記されています。 

京王不動産査定書
京王不動産査定書(査定結果)

 なお、同時期に4社の不動産仲介業者に査定依頼をした中で、京王不動産が一番低い査定価格となりました。

依頼した4社の査定額を比較
社名     査定額
(坪単価)
売出提案価格
明和地所 4,559万円
(220.0万円/坪)
オークラヤ住宅 4,300万円〜4,500万円
(217.1〜207.46万円/坪)

野村の仲介+

4,200万円
(202.0万円/坪)
4,280万円〜4,480万円
京王不動産 3,800万円
(183.39万円/坪)
4,180万円

 また、売出開始価格については、4,180万円(坪単価201.73万円)としていました。自社で出した近隣の売出事例(売却活動中)の数値の232.37万円よりもかなり低い数字ですが、その根拠はよく分かりませんでした。

京王不動産の査定方法は信頼できる?

不動産の査定(出所:PIXTA)

 では、京王不動産が算出した査定は、信頼できるものなのでしょうか?

 多くの仲介業者は「取引事例比較法」による査定をしており、京王不動産もその手法による査定をしています。しかし取引事例比較法といっても、さまざまなやり方があります。

 比較的信頼がおける方法としては、公益財団法人不動産流通推進センターの「マンション価格査定マニュアル」の手法が一般的です。基本は同一マンションの売買成立から1年以内の取引を比較事例としますが、それがない場合は近隣エリアで同等規模、同等条件のマンションの成約(売却)事例を参考にして査定します。
【関連記事はこちら】>>不動産会社の「査定価格」の算出方法や、"高額"に査定されるポイント、注意点などを徹底解説!

 しかし、京王不動産の取引事例の選び方については、「マンション価格査定マニュアル」の基準をあまり守っていませんでした

 まず、①近隣成約事例については、同じマンションの売却事例は掲載されていません。1年以内に同じマンションで売買が成立している事例があるのは知っていたので、その情報があればより正確に査定できそうです。ただし、日本では成約事例を集めた完璧なデータベースがないため、情報を得られなかったのかもしれません。

 代わりに、類似マンションの売却事例が掲載されているのですが、残念ながら類似とは言えないマンションでした。査定対象のマンションに比べると、駅からの徒歩距離が遠いマンションを参考事例としているため、低めの坪単価となっています。さらによく見ると、最寄り駅が違う物件もありました。各駅停車を最寄り駅とするマンションと、急行停車駅を最寄り駅とするマンションがあるため、売却事例の参考とは言い難いです。

 また、5つの取引成約事例のうち、1つは1年以上たった成約(売却)事例で、情報鮮度が少し古いと言えます。平均坪単価は、単純に5物件の平均価格を出しているだけで、駅からの距離、築年数、部屋の向き、階数などの違いによる補正がなく、やや雑な査定の印象です。

 さらに、②近隣の売出事例(売却活動中)を3件紹介しています。これは、売買が成立していないが売出価格の参考になるとして掲載しているのでしょう。ただ、こちらも駅からの徒歩距離が全て異なるうえに、複数の駅が混在しているものでした。

 このように自社で行った価格査定方法を見ると、若干、雑な印象もあります。他社に比べてかなり安い査定価格だったのは、無理に高値査定をして委任契約を取ろうというよりも、安値で早期の売却を目指そうという考えだったのかもしれません。

仲介手数料の両手比率について

 不動産売却時に最も気を付けるべき点は、不動産仲介業者による「囲い込み」が行われていないかどうかです。

 一部の不動産仲介業者や営業担当者は、手数料を稼ぐために、売り主と買い主の両方から不動産仲介手数料を取る「両手取引」を行うことがあります。これは違法ではありませんが、問題が多いので違法にしている国もあります。

 たまたま両手取引になるのならいいのですが、悪質な不動産仲介業者の場合、両手取引を実現するために「囲い込み」という違法行為を行う場合もあり、売り主からすれば機会損失となり、下手をすれば何百万円も損をすることになります。

 大手不動産仲介業者も例外ではありません。実際、「大手不動産仲介会社が売却中の物件は、問い合わせてもなかなか内覧させてくれなかったり、販売資料すら渡してくれないこともある」(中堅不動産仲介会社社員)という声はいまだに聞こえてきます。
【関連記事】>>大手不動産仲介会社は、「両手取引」が蔓延?! 不動産売却時は、「両手比率」が高い会社に注意を

 下表は大手の不動産仲介業者について、2018年3月期の「両手取引の比率」と、「手数料率」とを試算したものです。「三井のリハウス」や「住友不動産販売」などが両手比率が高いことが分かります。「両手比率が高い」=「囲い込みをしている」というわけではありませんが、各社の営業姿勢を判断するいい指標にはなるでしょう。

大手不動産会社の「両手比率」を試算
 
企業名 両手取引比率 手数料率
 三井不動産リアルティグループ(三井のリハウス) 57.53% 5.10%
 住友不動産販売 62.75% 5.27%
 東急リバブル 28.79% 4.17%
 野村不動産グループ 21.94% 3.95%
 三井住友トラスト不動産 26.11% 4.09%
 三菱UFJ不動産販売 24.33% 4.03%
 みずほ不動産販売 21.73% 3.94%
 三菱地所リアルエステートサービス 26.61% 4.10%
 大京グループ 42.14% 4.61%
 大成有楽不動産販売グループ 33.12% 4.31%
 住友林業ホームサービス 42.17% 4.61%
 東宝ハウスグループ 42.80% 4.63%
 大和ハウスグループ 23.02% 3.99%
 スターツグループ 37.83% 4.47%
 近鉄不動産 61.53% 5.23%
 長谷工リアルエステート 28.16% 4.15%
 中央日本土地建物(旧:日本土地建物販売) 19.65% 3.88%
 三菱地所ハウスネット 19.60% 3.88%
 ポラスグループ・中央住宅 53.37% 4.97%
 小田急不動産 37.30% 4.45%
 ナイス(連結)(旧:すてきナイス) 23.84% 4.01%
 京王不動産 37.32% 4.45%
 朝日住宅 35.06% 4.38%
 相鉄不動産販売 53.64% 4.98%
 京急不動産 3.83% 3.36%
 センチュリー21・ジャパン 44.63% 4.69%
 イエステーション 67.55% 5.43%
※ 住宅新報WEB「主要流通各社の16年度仲介実績」のデータ(2018年3月期)を基に作成。取扱高順に掲載。手数料率は、手数料収入を取扱高で割ったもの。東京建物不動産販売、MEgropuは、法人取引などの大型物件が多いなどの理由により、手数料利率が3.24%から6.48%に収まっていないため、除外した。

 この表を見る限り、京王不動産の手数料率は4.45%、両手取引比率は37.32%なので、手数料比率だけを見ると囲い込みは少なそうです。

 業界全体を通して囲い込みは無くなっていないので、両手取引比率が高い不動産仲介会社と契約する際には注意しましょう。

まとめ〜京王線沿線の物件なら、仲介を依頼する価値ありか

 以上が、京王不動産の不動産売却のメリットや査定の信頼性を検証したものです。

 机上査定による査定書を見る限り、取引事例は比較的類似の物件が多めでしたが、査定方法はやや雑な印象。最終的な価格は、不動産鑑定会社の査定とリアル市場の査定の平均値を出して、他社よりも低めの査定結果を提示していました。一般的に、査定価格が低い不動産会社は、営業力に自信がない、買取価格を抑えたい、早期に売却したい、などの理由を持っていることが多いです。とはいえ今回、京王不動産がどんな理由で価格を決めたのかは不明です。

 また、売却サポートに関しては、他社と比較しても大きなアドバンテージがあるとは言えないでしょう。やはり京王不動産の最大の強みは、京王線沿線の売買物件について常に地域情報をアップデートしており、京王線沿線に特化している点。どこまで営業力があるのかは未知数なところもありますが、京王線沿線の物件であれば、仲介を検討する価値があるのかもしれません。

 なお、不動産売却を検討している人は、仲介会社に売却を依頼する前に、「不動産一括査定サイト」で複数の不動産仲介会社に査定を依頼し、比較することがおすすめです。

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サービス開始 2015年
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