「すまいValue」で実際に不動産一括査定を依頼した結果は? 机上査定で比較して評判、評価、デメリットなどを徹底検証!

2023年7月26日公開(2023年9月28日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

「すまいValue」は、不動産業界をリードする大手6社が運営する不動産一括査定サイト。最大のセールスポイントは、誰もが知る不動産会社が並ぶブランド力だろう。豊富な物件売買の実績から安心感はあるが、果たして対応はどうなのか。実際に自分のマンションを査定してもらった結果から、査定内容などを評価しよう。すまいValueで査定を検討している方は参考にしてほしい。

「すまいValue」の評価・評判はどうか?

すまいValueのトップページ
すまいValueトップページ

 「すまいValue」は、不動産業界の大手6社(三菱地所ハウスネット、三井のリハウス、東急リバブル、野村の仲介+、住友不動産販売、小田急不動産)が運営する不動産一括査定サービス。査定を依頼できるのはこの6社に限られる

 対応可能な不動産は、マンション、土地、一戸建てなど。対応エリアは、首都圏や関西圏が中心となる(詳細は「すまいValue」とほかの不動産一括査定サイトを比較で解説)。

自社サイトでの口コミ・評判

 「すまいValue」の公式サイトには、自らのサイトの口コミ・評判を載せている。

 客観性は保証できないが、総合評価の口コミから一部引用すると、星5つ評価(満点)での口コミとしては、以下のようなものがあった。

・3社から査定をいただき、評価額も思ったより高めだった(北海道)

・売却価格を知りたかったので利用したところ、詳しい分析があった(神奈川)

 一方で、星1つ、星2つという良くない口コミの掲載もあった。

・査定レポートの送付があったのは1社だけで、他3社は電話対応のみだったり連絡が来ないなど少し不親切な対応だと感じた(神奈川)

・取り扱えない物件もあるようだったので、難しい物件はどこに相談できるか知りたい(千葉)

 おおむね高評価が多いものの、売主の意向や各担当者、交渉タイミングによっても評価は分かれているというのが、公式サイトによる口コミだ。

実際に使ってみてわかった評価

 では、外部による評価はどうなのか。ダイヤモンド不動産研究所では、以前にも「すまいValue」を利用した体験記を取り上げている。

 この時は、サイトで情報を入力してからほどなくして、6社のうち4社から電話がかかってきた。どこの会社も「明確な金額を出すには、訪問査定をさせてほしい」と迫ってきている。

 とりあえずメールでの資料送付を依頼したところ、野村の仲介+と東急リバブルはOK。

 住友不動産販売は支店が近いので、資料を郵送してくれた。最後の三井のリハウス(三井不動産リアルティ)は、なおも「持参したい」と食い下がってきたが、それは断っている。

 結局、訪問査定なしでもなんとか複数社の机上査定(簡易査定)による査定書をゲットできた。ただし、電話攻勢については、覚悟しなければならないようだ。

「すまいValue」で実際にマンションを一括査定してみた

 では、実際に「すまいValue」から一括査定を申し込んでみよう。査定する不動産は、筆者が住むマンションだ。

物件概要:都内のファミリー向けマンション(築年数20年強、占有面積69㎡<約21坪>、1階、駅から徒歩6分)
査定方法:机上査定(=簡易査定)

すまいValueの登録の流れ

 一括査定依頼の流れは、まず、トップページで「物件種別を選択」する。すまいValueで査定できる不動産は、以下の通り。今回は分譲マンションを選択する。

分譲マンション、一戸建て、土地、マンション一棟、ビル一棟、アパート一棟、その他

 次に、物件の所在する都道府県、市区町村、町名を選択する。すると、物件情報の入力画面に切り替わる。

すまいValueの物件情報入力画面
すまいValueの物件情報入力画面

 ここで必要事項を記載する。必須項目と任意項目は以下のようになっている。

【必須項目】
物件所在地、築年数、物件の状態、物件の所有者について

【任意項目】
専有面積、間取り

 最後に、内容を確認して送信すれば、一括査定申し込みは完了する。査定依頼は、6社の中から依頼したい会社を選択することができる

 今回は、「三菱地所ハウスネット」「東急リバブル」「三井のリハウス」「住友不動産販売」「小田急不動産」の5社に査定を依頼した。

 不動産一括査定を利用すると、運営会社から登録完了の電話やメールが届くのが一般的だが、「すまいValue」では、依頼した各社からそれぞれ自動返信メールが届いた。

 しかし、よく見ると運営会社は「すまいValue事務局」となっており、単なる共同事業という建て付けのようだ。個人情報が漏れた場合など、各社でたらい回しにされないか不安になった

 なお、査定依頼したのは5社だが、メールが届いたのは「三菱地所ハウスネット」以外の4社だった。

登録後から激しい電話攻勢が!

 さて、一括査定申し込みの当日、家の電話に9件の留守番メッセージが残されており、いきなりの電話攻勢があったことに驚いた。

 また翌日も留守番メッセージがあり、留守電に切り替わったとたんに切る着信電話も数件あった。

 これまで、複数の不動産一括査定サイトを利用してみたが、ここまで電話攻勢が激しいサイトは珍しい

 電話攻勢に耐えられる人向きのサービスという印象だ。一括査定の申し込時に携帯電話の番号を記入してしまうと、各社から一斉に電話がかかってくるおそれがあるのは間違いなさそうだ。

【関連記事】>>不動産一括査定サイトのメリット・デメリットを解説! しつこい営業電話がかかってくる理由は?

不動産会社の査定結果・査定書を公開

 今回の査定方法は「机上査定」となる。机上査定とは、売却する物件を訪問せずに、客観的なデータだけで査定する方法だ。

 すまいValueのサイトからは査定方法の選択ができないため、電話攻勢はあったがすべて無視し、メールのみの連絡で査定を依頼。そこで返信があり、査定書を作成してくれた3社について紹介する。

「東急リバブル」の査定結果

東急リバブルの不動産査定
画像:東急リバブルトップページ

 最初に査定書を用意してくれたのは、査定申し込みの翌日で、東急リバブルが最速だった。

 70ページを超える不動産査定報告書は、自社PRに続いて査定価格の算出方法、査定価格と売りだしプランが並ぶ。査定価格については、「取引事例比較法」と「原価法」の2つがあり、マンション査定では「取引事例比較法」により算出するという。

「取引事例比較法」とは

 さて、その「取引事例比較法」だが、ほとんどの不動産会社が採用している。その中でも国土交通省”お墨付き”の査定方法といわれている「価格査定マニュアル」に準じていれば、信頼性が高いと言えるだろう。

 価格査定マニュアルでは、参考にする比較事例の選び方を細かく規定している。そのため、比較事例選びがいかに価格査定マニュアルに照らして正確に実施しているかで、査定を依頼した不動産会社の誠実さや不動産売買に取り組む企業姿勢が見えてくる。

 では、よい比較事例とはどういうものかを簡単に説明しよう。

 同一マンション内で成約物件が見つかった場合は、a〜cをクリアした物件を比較事例として用いることができる。もし、同一マンションではなく類似のマンションの成約事例の場合は、以下のa~hをクリアしている類似の事例なら、査定に適した比較事例となる。

  • 買い進み、売り急ぎの特殊事例でないマンション
  • 取引(成約日)が過去1年以内の事例のマンション
  • 専有部分と状況が類似している(専有面積差が30㎡以内、所在階差10階未満、同一間取り)マンション
  • 最寄り駅が一緒のマンション
  • 価格水準が類似した地域にあるマンション
  • 総戸数が類似(50戸未満)のマンション
  • 階高が類似(10階差未満)のマンション
  • 築年の差が3年以内のマンション

 これらの要件を正確に踏まえているかで査定に適した比較事例となり、適正な査定価格を算出しやすくなるのである。

東急リバブルの査定書の評価は?

 では、東急リバブルが出した比較事例の物件をみてみよう。左から事例A(類似物件)、事例B(類似物件)、事例C(同一マンション)で、いずれも成約物件だ。

 しかし、取引が過去1年以内の事例は、事例Aのみ。ほかの2つは3年前の事例で、すでに紹介した価格査定マニュアルの基準に照らせば、「b. 取引(成約日)が過去1年以内の事例のマンション」から外れており、比較事例としては適切ではないのである。

東急リバブル 比較事例

 3つの比較事例のうち、厳格に見れば、1つしか価格査定マニュアルに準じておらず、ここから導かれる査定価格はやや根拠が希薄ではないかという印象を持った

 しかし、70ページを超える資料作成の労力を評価して、査定価格の計算をどうやったのかをみてみよう。

 資料によれば、「試算価格の算出<算出方法のご説明>」として、STEP1(査定不動産と成約事例の評点付け)、STEP2(個別資産価格の算出)、そしてSTEP3(試算価格の算出)を経た上で、個別資産価格を加重平均して、試算価格を算出するという流れになっている。

東急リバブル 試算価格の算出について
東急リバブルの査定書(資産価格の算出ページ)
東急リバブル 査定不動産と成約事例の評点付け
東急リバブルの査定書(査定不動産と成約事例の評点付けページ)

 STEP1では、査定不動産と3つの成約事例をそれぞれ4つの観点から評点が付けられている。事例Bが83点で、ほかは92〜94点で差が小さい。この評点はSTEP2の計算で使用することになっている。

 STEP2の計算では、成約事例単価に時点修正率、評点比率を掛けて、それぞれの「個別試算価格」を算出している。計算内容が次の表になる。

東急リバブルの査定書(個別資産価格の算出ページ)
東急リバブルの査定書(個別資産価格の算出ページ)

 3つの成約事例の個別試算価格を上の計算式で導き出し、成約事例Aの個別試算価格は5,423万円、成約事例Bの個別試算価格が4,495万円、そして成約事例Cの個別試算価格が4,762万円となっている。

 ここまで、古い物件が含まれるものの、比較的丁寧に価格を査定している

 STEP3では、これらの個別試算価格を使って、加重平均で査定物件の試算価格を算出するのである。

 ところが、上の表をみると、成約事例Aと成約事例Bのウエイトが「−%」となっており、2つの事例は試算価格の算出には反映されていない結果となった。

 東急リバブルの査定では、3事例を示しながら、実際に使ったのは、事例Cの同一マンション(3年前の取引)だけだった。

 時点補正(価格相場の変動を加味すること)をかけているものの、雑な印象を受けた。とはいえ、極端に古い事例でもなかったので、査定金額は相場から大きく外れてはいないという印象だ。

東急リバブル 査定価格
東急リバブルの査定書(査定価格は大きくブレることはなさそうだ)

【関連記事】>>東急リバブルに売却を頼んでもいいのか、徹底検証!

「住友不動産販売」の査定結果

住友不動産販売の査定
画像:住友不動産販売(すみふの仲介 ステップ)トップページ

 次に届いたのは住友不動産販売からだ。30ページの査定書と成約事例集(3件)が送られてきた。

 成約事例集の3件のうち、1年以内の物件は2つで、どちらも近隣の類似物件だった。残り1つは同一マンションだったが、3年前の成約で古い事例であるため参考に掲載しているにとどまった。

 査定価格だが、事例マンションの選択、事例マンションとの条件比較・評価、査定価格の算出、流通性比率による調整をしたのち調整後査定価格として算出するという(下の図)。

住友不動産販売 査定基準
住友不動産販売の査定書(査定価格の算出)

住友不動産販売の査定書の評価は?

 住友不動産販売が出した査定価格は5,270万円だった。

 こちらは、近隣の1年以内の成約事例物件2つをもとにしての試算になっており、東急リバブルと比べて約500万円高い査定になっている。したがって「価格査定マニュアル」に準じつつ、おおむねクリアしているといえそうだ。

 「価格査定マニュアル」で近隣のマンションを使う場合に条件とする「築年の差が3年以内」などの条件は守られていなかったが、最寄り駅、階高などは類似の物件だった。

 また、築年数や、開口部の方位に応じた価格補正を行っているため、客観的な査定額を提示しようとする姿勢が感じられた。

 なお、気になるのは最後に流通性比率として、調整後の査定価格を1.2倍にしている点だ。流通性比率とは、査定物件が売りやすいか売りにくいかという市場性について総合的に勘案し反映させる指標になる。

 都心のマンション価格高騰からある程度の上乗せは仕方ないだろうが、1.2倍も査定価格を引き上げれば、それまでの計算は一体何だったのかという気持ちになる。

 というのは、思ったよりも安く査定価格が出てしまったため、営業担当者が慌てて査定価格を引き上げたのではないかという気がしてくるからだ。

住友不動産販売 査定価格
住友不動産販売の査定書(査定価格)

【関連記事】>>住友不動産販売に売却を頼んでもいいのか、徹底検証!

「小田急不動産」の査定結果

小田急不動産の査定
画像:小田急不動産トップページ

 3社目は小田急不動産である。こちらも20ページを超える提案書が届いた。査定に関しては取引事例比較法による。

 ところが、「STEP1の対象マンション周辺事例の選択」の項目の中で、「①原則、過去2年以内の取引事例、過去2年以内の売出事例であること。」となっている。

 これは「価格査定マニュアル」に独自の解釈を加えているといわれても仕方ない(「b)取引(成約日)が過去1年以内の事例のマンション」の項目がある)。

 さらに、取引事例と売出事例はまったく性質が異なる。取引事例は、成約した実際の事例となるが、売出事例は単なる希望価格の提示でしかない。

 つまり、売主側の言い値の事例であって、売買された価格との差が大きいのか小さいのかもわからない

小田急不動産販売 査定手順
小田急不動産の査定結果(査定価格の算出ページ)

 小田急不動産の2年以内の取引、売出事例という独自の基準から、3つの事例を比較して、それぞれの標準的な試算単価を出している。坪単価は約278万円である。

 やはり、売出事例(成約していない高い価格)を2つも使ったことで前出の2社よりかなり高くなっている。一応、売出事例ということで7%割引く補正をかけているが、あえて高い事例を選んだのではないかという印象は拭えない。

小田急不動産 比較事例
小田急不動産の査定書(査定価格)
小田急不動産 査定計算
小田急不動産の査定書(査定価格)

小田急不動産の査定書の評価は?

 比較事例によって最終的な査定価格はなんと、5,999万円になっている。

 住友不動産販売の査定価格と比べて729万円も高く、東急リバブルの査定価格と比べると1,237万円も高い結果である。

 査定価格が高くなっていると気分は悪くないが、他社と比べても高すぎるのではないかという不安もある。査定価格は、実際の取引価格とは異なり、売値が確約されたわけでもない。

 こうした高い査定価格になった理由は、すでに何度か取り上げた「価格査定マニュアル」に正確に準じていないことだろう。

 一例を挙げれば、比較する事例を独自の解釈で算出するあたりが、不誠実と言わざるを得ない

 他社よりかなり高額な査定価格にすることで、顧客の目を引き契約を取ろうという営業手段なのだろうか。

 いずれにしても査定を依頼する会社の数だけ査定価格が大きくばらつくということはよくわかった。

【関連記事】>>小田急不動産に売却を依頼してもいいのか、徹底検証!

「三井のリハウス」と「三菱地所ハウスネット」は訪問査定のみか

 そして4社目として、三井のリハウスからは封書が届いた。査定書が郵送されてきたと思って開封すると、査定依頼の挨拶文と自社のパンフレットのみだった。

 一括査定申し込みの最初に2、3回の留守番電話のメッセージが残っていたが、それも事務的なあいさつ程度であった。三井のリハウスは、一括査定の場合は訪問査定でなければ受け付けないのかもしれない。

三井のリハウス 査定依頼の挨拶文
三井のリハウスから届いた封書

【関連記事】>>三井のリハウスに売却を頼んでもいいのか、徹底検証!

 また、「三菱地所ハウスネット」からは一切の反応がなかった。何らかの理由で査定依頼が届いていないのか、または机上査定の依頼では対応できないのかもしれない。

 結局、5社に査定依頼をしたにもかかわらず、机上査定に対応してくれたのは3社のみだった。

 査定価格の算出方法の基本は取引事例比較法のため、査定価格が大きく異なるとは考えにくい。しかし今回、大手不動産会社の査定でも大きな差があることがわかった(下表参照)。

東急リバブル 住友不動産販売 小田急不動産
4,762万円 5,270万円 5,999万円

査定価格が適正かどうかの見極め方は?

 ここから少し査定価格の見方について説明しよう。

 自己所有の不動産は誰でも高く売りたいだろう。その心理を突いて不動産会社は、実際の相場よりも高めの査定をする傾向がある。

 その理由は、「専任媒介契約」を結びたいためだ。一括査定の場合は他社と比較もされるため、相場より高めの査定価格を出して顧客の気を引こうとするケースが少なくない。これも売買手数料を確実に得たい気持ちの表れだと言えば、わかりやすいだろう。
※専任媒介契約とは、特定の1社のみに売却活動を依頼すること。詳しくは「不動産売却の契約方法は、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介どれがおすすめ?」で解説しているので参考にしてほしい

 査定価格は、相場を知る手がかりでもあり、顧客に対する不動産会社の姿勢を表しているとも考えられる。高い査定価格を提示して来るケースでは、専任媒介契約を結んだとしても査定価格で売れる可能性は低い

 それよりも、査定価格の“適正さ”を確認するのがいいだろう。例えば比較事例が、同一のマンションであり、1年以内の成約事例であるか、または類似のマンションの成約事例しかなかった場合は、売却する物件と築年数、階高、開口部の向き、広さなどが近いものかどうか。

 何度も繰り返しになるが国土交通省がお墨付きをあたえる「価格査定マニュアル」にどこまで準じているかどうかで、信頼性は高くなると考えていいだろう。

 基準がブレて試算された査定価格は適正とはいえない。査定価格の金額の高さを比べるのではなく、必ず査定基準となる「価格査定マニュアル」に忠実かどうかをチェックすべきで、そうすれば査定価格も大きな差が出ないと考えられるのである。

【関連記事】>>国交省も認める「価格査定マニュアル」の計算方法を分かりやすく解説!

「すまいValue」で一括査定を行うメリット・デメリット

すまいValueのトップページ
すまいValueトップページ

 「すまいValue」のメリット・デメリットを整理しよう。

メリットは大手の安心感

 すまいValueを利用するメリットは、業界をリードする大手6社の不動産会社が査定してくれることだ。

 ブランド力があり、これまでの不動産売買の実績も大きいため、安心して売却依頼ができるのが魅力。実際、査定依頼の翌日には、1社から査定価格が届いた。そのスピード感はかなり評価できる。

 また、査定価格の算出方法を比べると各社対応にばらつきがあるとわかったので、比較する上でも大いに参考になるだろう。

デメリットは大手6社にしか依頼できないこと

 一方、デメリットとしては、地域密着の中小の不動産会社による査定依頼ができないことだろう。

 もうひとつ、今回の机上査定の依頼で、まったく返信がなかったり、査定依頼がわかっているにもかかわらず査定価格を出さない会社もあった。査定依頼をしても実際に査定価格を提示してくれるかどうか、申し込んでみないとわからない

 さらに、ネットから申し込みをしているにもかかわらず、すぐに電話を何度も掛けてくる点は非常に困った。家の電話番号だったので留守番機能にメッセージが残っていたが、電話攻勢は面倒でしかない。

 また、「大手不動産仲介は「囲い込み」が蔓延?!不動産売却時は「両手比率」が高い会社に注意を」の記事でも解説しているように、大手不動産会社は総じて両手取引比率が高い。

 これは売り主が大損をする囲い込みが行われる可能性が高いということであり、気をつけたいところだ。

【関連記事】>>地元の不動産会社が、大手よりも早く売却できたのはなぜなのか?

「すまいValue」とほかの不動産一括査定サイトを比較

 最後に、すまいValueとほかの主要な不動産一括査定サイト5社を比較してみよう。

一括査定サイト名 suumo売却査定 suumo売却査定 home4u マンションナビ イエウール ライフルホームズ
特徴 ・大手不動産会社6社の共同運営
・大手に売却を依頼したい人におすすめ
・独自の審査基準を通過した仲介会社のみ提携
・大手不動産ポータルサイトとしての知名度と信頼性
・紹介会社数が10社なので多くの仲介会社を比較できる
・悪質な仲介会社はパトロールにより排除している
・NTTデータグループが運営しており信頼性あり
・マンションの査定に特化している
・賃貸に出した場合の価格もわかる
・提携は大手仲介会社が多く、悪徳な不動産会社をチェックし排除している
・しつこい営業をしない
・大手から地域密着の仲介会社まで幅広く提携
・大手不動産ポータルサイトとして認知度が非常に高い
提携社数 6 2000以上 1800以上 2500 1900以上 3691以上
紹介会社数 6 10
※物件所在地によって異なる
6 9 6 6
主な対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパートなど マンション、戸建て、土地 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、ビル一室、店舗など マンション マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、区分マンションなど マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、倉庫など
対応エリア 北海道、一都三県、関西、愛知、広島、福岡など 全国 全国 全国 全国 全国
  公式サイト
(無料査定も可能)
公式サイト
(無料査定も可能)
公式サイト
(無料査定も可能)
公式サイト
(無料査定も可能)
公式サイト
(無料査定も可能)

 一番の違いは提携する会社数だろう。すまいValue以外のサービスでは、2000社ほどの不動産会社が参加しているため、大手だけでなく地元密着の不動産会社の査定も受けられるのがメリットだ。

 対応可能エリアにも違いがある。主要5社は全国の不動産に対応可能だが、すまいValueの対応エリアは以下の通りとなっている。

すまいValueの査定可能エリア
北海道、宮城、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、愛知、岐阜、三重、大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山、岡山、広島、福岡、佐賀

 また、すまいValueでは査定依頼後に電話攻勢があったが、イエウールのようにしつこい営業を行わない会社もある

 上記のような違いから、大手だけでなく幅広い不動産会社に依頼したい人や地方の不動産を売却したい人、しつこい電話営業を避けたい人は、すまいValue以外のサービスが選択肢になるだろう

「すまいValue」まとめ

 以上が「すまいValue」の一括査定から、机上査定に対応した不動産会社の査定結果の評価だ。まとめると以下の通りとなる。

・すまいValueは、不動産大手6社の共同運営による一括査定サイトで、対応が早い会社の査定は申し込みから1日、2日程度で提案書とともに提示してくれる

・机上査定を依頼しても、査定価格を出してもらえない、または連絡のない場合もある

・直接コンタクトを取りたい営業担当から、売るための成功法や訪問査定をすすめるメールが頻繁に来るほか、電話攻勢もあった

・大手不動産会社の運営だけに、取引実績がある一方で、両手取引比率が高い会社もあり、売り主が大損をする「囲い込み」にあわないようにしたい

・査定価格が会社によって1,000万円以上異なっており、相場より高い査定で売主の気を引き専任媒介契約を結びたい意図も感じられた

​ 不動産の売却を大手のみに依頼したいという人は、まずは「すまいValue」で査定を依頼するといいだろう

 また、査定結果は、「価格査定マニュアル」に準じて「取引事例比較法」によって算出しているかどうかで、誠実な対応をしているかを判断することが重要だ。

 「すまいValue」以外の不動産一括査定サイトも検討したいという人は、不動産一括査定サイトおすすめ比較!の記事で各サイトを比較してみよう

【大手不動産会社で売却しても大丈夫?】
実際に査定を依頼して徹底検証!

不動産会社 SRE不動産 三井のリハウス 住友不動産販売 東急リバブル 野村の仲介+ 明和地所 京王不動産 オークラヤ住宅
特徴 両手仲介・囲い込みを行わない。不動産ポータルサイトと不動産ネットワークシステムを活用した集客により早期売却を目指す。ソニーグループが運営しており信頼性がある 店舗数が多く大手の安心感がある。自社サイトのPV数トップクラスで告知力がある。買取サポートシステム、売却保証、瑕疵保証など 店舗数が多く大手の安心感がある。ホームインスペクションが無料 店舗数が多く大手の安心感がある。住宅設備保証、あんしん仲介保証など売却サポートを用意。仲介手数料の値引きもある 集客力の高い「ノムコム」への掲載、ホームステージング、設備補修、会員サイトへの登録で仲介手数料の値引きがある 会員サイト「ライフスタイルクラブ」の会員になると仲介手数料の値引きがある 税務相談会・法律相談、建物状況調査(インスペクション)、瑕疵保証(戸建住宅)など 住宅設備保証、建物瑕疵保証(専有部分)、建物状況調査(インスペクション)など
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※不動産一括査定サイトとは、売却したい不動産の情報と個人情報を入力すれば、無料で複数社に査定依頼ができます。査定額を比較できるので売却相場が分かり、きちんと売却してくれる不動産会社を見つけやすくなる便利なサービスです。

◆SUUMO(スーモ)売却査定
SUUMO(スーモ)
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特徴 圧倒的な知名度を誇るSUUMOによる一括査定サービス
・主要大手不動産会社から地元に強い不動産会社まで2000社以上が登録
対応物件 マンション、戸建て、土地
紹介会社数 10社(主要一括査定サイトで最多)※査定可能会社数は物件所在地によって異なります
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証プライム子会社)
>>SUUMO(スーモ)の詳細記事はこちら
◆HOME4U(ホームフォーユー)
HOME4U
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特徴 悪質な不動産会社はパトロールにより排除している
・20年以上の運営歴があり信頼性が高い
・1800社の登録会社から最大6社の査定が無料で受け取れる
対応物件 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
紹介会社数 最大6社
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証プライム子会社)
>>HOME4Uの詳細記事はこちら
◆マンションナビ
マンションナビ
 無料査定はこちら >>
 
特徴

マンションの売却に特化
・マンションを賃貸に出したい人の賃料査定にも対応
900社以上の不動産会社と提携

対応物件 マンション
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
運営会社 マンションリサーチ
>>マンションナビの詳細記事はこちら
◆いえカツLIFE
いえカツLIFE
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特徴

・対応可能な不動産の種類がトップクラス
共有持ち分でも相談可能
訳あり物件(再建築不可物件、借地権、底地権など)の査定も対応可能

対応物件 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・マンション・ビル、投資マンション、区分所有ビル(1室)、店舗、工場、倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
運営会社 サムライ・アドウェイズ(上場子会社)
>>いえカツLIFEの詳細記事はこちら
◆おうちクラベル
おうちクラベル
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特徴

・AI査定で、査定依頼後すぐに結果が分かる
・SREホールディングスが運営する一括査定サイト

対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート
紹介会社数 最大15社
運営会社 SREホールディングス株式会社(東証プライム上場企業)
>>おうちクラベルの詳細記事はこちら
◆イエウール
イエウール
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特徴

掲載企業一覧を掲載、各社のアピールポイントも閲覧可能
2000社以上の不動産会社と提携
・対応可能な不動産の種類が多い

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
紹介会社数 最大6社
運営会社 Speee
>>イエウールの詳細記事はこちら
◆LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)
LIFULL HOME'S
 無料査定はこちら >>
 
特徴

日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営
2400社以上の不動産会社と提携
匿名査定も可能で安心

対応物件 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
紹介会社数 最大6社
運営会社 LIFULL(東証プライム)
>>LIFULL HOME'Sの詳細記事はこちら

 

 

一括査定サイトと合わせて
利用したい査定サイト

 

◆ソニーグループの「SRE不動産」売却査定
今ならAmazonギフト券5000円分もらえる!
特徴 ・両手仲介・囲い込みを行わない
・上場企業のソニーグループが運営
・売却専門の担当者がマンツーマンで高値売却を追求
対応物件 マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、収益用不動産
対応エリア 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県
運営会社 SREホールディングス株式会社(ソニーグループ)
>>SRE不動産の詳細記事はこちら

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サイトロゴ suumo売却査定 home4u マンションナビ おうちクラベル イエウール ライフルホームズ リビンマッチ いえカツLIFE HowMa RE-Guide マイスミEX イエイ すまいValue
サイト名 suumo売却査定 HOME4U マンションナビ おうちクラベル イエウール ライフルホームズ リビンマッチ いえカツLIFE HowMa RE-Guide マイスミEX イエイ すまいValue
提携社数 2000以上 1800以上 2500 不明 1900以上 3691以上 1700以上 500以上 30以上 29 800以上 1000以上 6
最大紹介社数 10
※物件所在地によって異なる
9 6 6 6 6 6 6 6 6 10 6 6
主な対応物件 マンション、戸建て、土地 マンション、戸建て、土地 マンション マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など
対応エリア 全国 全国 全国 全国 全国 全国 全国 東京、千葉、神奈川、埼玉 東京23区、神奈川県:横浜市(西区・中区・港北区・神奈川区)、川崎市(幸区・中原区) 全国 全国 全国 全国
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