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一戸建ての平均修繕費用は、築30年以上で500万円超え! 一戸建ても将来の修繕に備える積立金の準備を

2022年3月17日公開(2022年3月17日更新)
山下和之:住宅ジャーナリスト

一戸建てはマンションと違って管理費や修繕積立金、さらに駐車場料金がかからないので、ランニングコストの負担が軽く済むと考えがちだが、そんなことはない。築30年以上の一戸建てに住んでいる人は、これまでに平均500万円以上の修繕費をかけているという調査結果が出ている。しっかりと準備して、計画的に実行しないと、想定以上に老朽化が進み、住みにくくなると同時に資産価値も低下してしまう。(住宅ジャーナリスト・山下和之)

マンションでは月額5万円以上の維持費がかかる

一戸建ての修繕積立金
一戸建ての維持管理費はマンションより安い?(出所:PIXTA)

 マンションは購入後に管理費、修繕積立金などがかかることを前提に購入する。それに比べると一戸建ては、基本的にランニングコストがかからないので負担が軽く済む――そう考えている人が多いのではないだろうか。

 たとえば、民間調査機関の東京カンテイの調査によると、図表1にあるように首都圏ではマンションの月額管理費の平均が1万9085円で、修繕積立金が7826円だから、合計の負担額は2万6911円になる。

 クルマを持っている人だと、それに駐車場料金の負担も出てくる。それが月額2万3563円なので、合算すると5万474円に達する。年間では60万円以上の負担だから、それがない一戸建てのほうがはるかに得のように見える

図表1 マンションの月額の維持管理費

 特に、この数年はマンション価格が急騰しており、住宅ローン負担が重くなる一方だから、それに維持管理費が加われば、いよいよ買えなくなってしまいそうだ。

 このところ一戸建ての人気が高まっているのは、マンションに比べて相対的に価格が安い上、ランニングコストがかからないことも要因になっているのかもしれない。

一戸建ては20年間で500万円程度の費用が必要になる

 しかし、それは大いなる勘違いだ。当たり前のことだが、一戸建てもキチンと維持管理を意識しなければならない。必要に応じて修繕していかないと、快適な生活を維持できないし、想定以上に老朽化が早く進んで住みにくくなり、将来的な資産価値も低下してしまう

 マンションでは管理組合が一括して管理費や修繕積立金を集めて日々の管理を行い、長期修繕計画を立てて実行していく。一戸建てには原則的に管理組合がないのだから、所有している個人個人が管理組合の役割を果たしていかなければならないわけだ。

 もちろん、何をどこまでやるのかはケースによって千差万別だが、一般的には図表2のような修繕が必要といわれている。

図表2 一戸建ての部位ごとの修繕時期と費用の目安

部位 修繕時期の目安 費用の目安
外壁塗装 20年 100万円~150万円
屋根塗装 20年 50万円~100万円
外構・エクステリア 15年~20年 50万円~100万円
シロアリ駆除 15年~20年 20万円
フローリング張り替え 20年 8畳当たり15万円~20万円
給排水設備工事 20年 50万円
水回り交換 給湯器 10年~15年 15万円~20万円
キッチン 10年~15年 50万円~100万円
洗面台 10年~15年 20万円~30万円
トイレ 20年~30年 20万円~30万円
ユニットバス 20年 50万円~100万円

 外壁や屋根の塗装から始まり、外構・エクステリアなどの外回り、内部のフローリングの張り替え、給排水設備の取り替え、そして水回りの各種の設備の取り替えなどが欠かせない。

 ザックリとした概算だけでも、20年の間には500万円程度の費用が必要になると考えておいたほうがいいだろう。

築45~49年の木造一戸建ての平均修繕費は700万円超

 20年で500万円というのは、それなりに妥当性があるのではないだろうか。たとえば、不動産情報提供サイトのアットホームは、実際に築30年以上の一戸建てに住んでいる人を対象に、これまでにどれくらいの修繕費用をかけてきたかを調査している。

 その結果が図表3である。木造住宅の平均は470.2万円で、鉄筋・鉄骨造の一戸建てが617.7万円という結果だった。平均すると532.1万円だが、木造に比べて建物の構造が強固な分、鉄筋や鉄骨造の修繕にかかる費用が高くなるようだ。

 同じ構造でも、築年数による違いも大きい。木造住宅で見ると、築30~35年は平均424.9万円だが、築45年~49年では748.2万円に増える。築年数が長くなると、とても500万円では収まらないので、しっかりと準備しておかなければならない。

図表3 築30年以上の一戸建てに住んでいる人のこれまでの平均修繕費

一戸建て購入者で修繕費用を積み立てている人は1割弱にとどまる

 これだけの費用がかかるのだから、事前に計画を立てて積み立てておき、必要に応じて修繕を実行していくのが一番だが、現実には計画的な積み立てを行っている人は少ない。

 アットホームの調査では、修繕費用を積み立てているかどうかという質問も行っているが、その結果を見ると、積み立てを行っている人はわずか8.3%で、大半の人が計画的な準備ができていないことが分かった。

 では、修繕費用をどう捻出しているかといういえば、「貯金(修繕費のために積み立てていないもの)」が76.7%で、「退職金」(11.0%)、「ボーナス」(8.2%)、「借入金(リフォームローンなど)」(7.9%)などが続いている。

 十分な準備ができていない人だと、子どもの教育資金や老後資金などを使ってしまっていないか気になるところだ。

一戸建てでもマンション並みのランニングコストを覚悟する

 わずか1割以下とはいえ、修繕費用を積み立てている人が、月額どれくらいためているかといえば、平均では2.5万円だった。これまでの積立期間の平均が14.7年で、積立額の合計は平均245.3万円になる。

 冒頭で触れたように、マンションの場合は、首都圏では管理費と修繕積立金の合計で月額のランニングコスト負担は2万6911円だから、ほぼ、それに見合った金額を準備している人が多いようだ。

 約2.5万円を10年間ためれば300万円、20年で600万円だから、一戸建てに必要な修繕費用の多くをカバーできそうだ

 一戸建てだからランニングコストがかからないと考えるのではなく、マンションを買うのと同じようにランニングコストがかかると考えて、購入当初からしっかりと修繕費用を積み立てるようにしておきたいものだ。

【関連記事はこちら】>>注文住宅を建てるハウスメーカー・工務店、28社のおすすめポイントや特徴を解説!

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