不動産投資はまだ始めたばかりだが、実は密かに子どもの頃から大家さんという立場に憧れていたと杉原杏璃さんの不動産投資の話、後編です。
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株の利益でまず買ったのは意外なあの場所だった!?
子どもの頃から、密かに憧れていた大家さんの不労所得
不動産投資はまだ始めたばかりだが、実は密かに子どもの頃から大家さんという立場に憧れていたと杉原さんは打ち明ける。
「小学生の頃に実家の近所のおばさんがある日突然、自宅を壊してアパートを建てて大家さんになったのを見て、すごいなと思ったんです。アパートの駐車場の前が集団登校の集合場所だったので、以来、毎日のようにそのおばさんのことを観察していました。そして、『あのおばさん、なんで働きに出かけないの?』と母親に聞いたら、『何を言ってるの。大家さんなのだから、働かなくてもお金がもらえるんだよ』と言われてビックリ!」
杉原さん一家は商売人の家系で、彼女にも幼い頃からその素養が備わっていたようだ。賃貸不動産がもたらすフローの妙味に惹かれるとは、なかなかの早熟である。ただ、芸能界に入った杉原さんが最初に始めたのは、周知の通りで株式投資だった。
「ちょうどこの世界に入った頃に、株のネット取引がブームになっていました。そして、ケータイ(当時はまだガラケー)でも取引できるということを知ったんです。当時はオーディションを受け続ける日々でバイトもできなかったから、若くて深く考えなかった私はとにかくやってみよう!と思い始めました」
当初の3年程度は順調に儲かっていたが、その後にリーマンショックを経験。だが、その損失も乗り越えて株式投資で実績を残してきたからこそ、“株ドル”として投資関連のイベントにも引っ張りダコとなったのだ。
「不動産投資に充てるお金は、基本的に株式投資で得た利益です。今は投資で得たお金は投資に回そうと思っています」
不動産投資デビューは株式投資にも相乗効果をもたらす!
不動産投資デビューを果たしたことは、株式投資にもダイレクトに影響が出ていると杉原さんは指摘する。
「投資対象としてマンションを買おうかなと思い始めた頃から、株の銘柄選びでも不動産セクターに注目するようになりました。もちろん、自分がいい会社だと思って実際に物件まで購入したので、株も買っています。この会社の社長さんは元スポーツ選手で、ものすごくガッツがある人です。株価も下がる局面もありますが、上昇局面の勢いもなかなかですよ」
くしくも、杉原さんが不動産にフォーカスするようになった矢先に「かぼちゃの馬車騒動」や「レオパレス問題」など、同業界では不祥事が相次いた。ところが、彼女はまったくネガティブに捉えなかったようだ。
「むしろ、逆にチャンスではないかと私はと思いました。同業他社に目を向けておけば、十分に仕込みどきではないかと考えたわけです」
現にその読みは的中し、足元でも不動産セクターが見直される気運が高まってきている。「株と不動産のどちらもやっていてよかった」と杉原さんはしみじみ感じているそうだ。
「株の銘柄選びと不動産の物件選びはとても似ている側面があって、どちらもすごく面白いですね。私の場合はアプリで物件情報をチェックしていて、毎日届く新着情報を楽しみにしています。そして、『これなら何年後にローンを返せて、どの程度の利益を見込めるかな?』と計算してみるわけです。株の場合も『このくらい寝かせばどの程度のリターンを期待できるかな?』と想定しながら銘柄を選んでいるので、それと同じ感覚ですね」
第2弾、第3弾の投資も検討中だが、焦りは禁物
杉原さんの不動産投資はこれで打ち止めではなく、2件目、3件目の購入も検討中だ。今後は大阪以外にも東京や京都、中京など、大都市圏で賃貸需要を期待できるエリアで、物件を探していくという。
「数年おきのペースで徐々に増やしていったほうがいいのか、それとも一気に買ったほうがいいのか、そのあたりのことは不動産に詳しい人からアドバイスを受けたいですね。どのエリアが有望なのかに関しても然りです。ただ、いろいろなところに自分が所有している物件があると、興味も湧いて訪れたいと思うようになる気がします」
第2弾の不動産投資はまだ未定だとしながらも、実はつい最近、アクションを起こしかけたことがあったようだ。
「たとえば好きなゲームを開発している会社とか、株では自分に縁のある銘柄を選ぶケースが多く、不動産投資にもそれに通ずるものがあると思います。実は先日、そんな物件を買い逃してしまいました。最初に発見した時点ではちょっと慎重になって、『でも、やっぱり買おう!」と思ってすぐに再チェックしたら売約済みになっていました。それは、私が上京して初めて住んだマンションだったんです。実際に自分が住んでいたので、収納スペースはこうなっているとか、その価値が手に取るようにわかります。次にそのマンションで売却物件が出るまで待って、見つけたら即購入しようと思っています」
「欲張らないこと」と「いいものが出てくるまで待つこと」も、株で学んだ教訓だという。いったん買いたいと思い始めたら、目の前にあるものの中から選ぼうとしがちなのが投資家の性だろう。だが、いいものが出てくるまでは、買いたいという気持ちを抑えて待ち続けるのが投資の秘訣だと杉原さんは悟っている。
自分で稼げる金額には限界があるから、お金に働いてもらう
こうして杉原さんが本業以外でも着実に資産を築いているのを目の当たりにしても、「自分もやってみたい」と言い出す人は芸能界に少ないらしい。
「芸能界の若い女の子って、『欲しいものがあれば、誰かに買ってもらえばいいじゃない』という感覚で、あまり投資の話には耳を貸さない人のほうが多いというのが率直な感想です。だけど、40代とか50代になってもそれが通用するとは思えません。たまに後輩のグラドルの子が『やりたいので教えてください!」と言ってくるのですが、『だったら、自分のマイナンバーを知っておかないといけないよ』と告げた途端、『じゃあ、止めます』ってなっちゃいます。私は自分自身で稼げる金額の限界もわかってきたので、お金を増やすためにお金にも働いてもらったほうがいいと考えるようになりました」
杉原さんは18年10月に結婚したばかりの新婚さんだが、こんな言葉も口にする。
「どんなことがあっても、けっして動じることのない人間になりたいと思っています。慌てふためいてダンナさんに『いったいどうしたらいい?』頼りっきりになるような奥さんにはなりたくないんです」
株や不動産だけに限らず、あらゆる投資において重要なカギを握ってくるのはメンタルの強さだろう。杉原さんはそのことを無意識のうちに自覚しているように思われる。一方、 株ではスリリングに短期トレードで売り抜けることもあるが、彼女が不動産投資に求めているのはあくまで安定性だ。
「将来、自分が仕事を休んで育児に入ったとしても生活できるように、月々30万〜50万円の家賃収入がコンスタントに入ってくる状況になっていればすごく嬉しいですね。ただし、不動産も“出口戦略”が大事だと言われるので、やはり株と同じように、いい時期に売っておくことも念頭に置いています」
次に会う機会があれば、おそらく杉原さんの所有物件は増えていることだろう。そして、不動産投資に関する知見や戦略も見違えるほどレベルアップしているはずだ。
(取材/ザイ投資戦略メルマガ編集部 構成/大西洋平 写真/和田佳久 )