窓断熱リフォームは30年で270万円のメリットあり! 工法や最大100万円の補助金も紹介

2025年12月26日公開(2025年12月26日更新)
福崎剛:フリージャーナリスト

窓の断熱リフォームはメリットの多いリフォームだ。結露を大幅に減らせるだけでなく、光熱費が削減でき、さらには病気にかかりにくくなることで医療費が安くなるとの論文もある。そこで窓断熱リフォームの種類やメリット、来年度ぜひとも活用したい国の補助金制度「先進的窓リノベ2026事業」についても紹介する。(フリージャーナリスト:福崎剛)

結露イメージ
断熱性能が低いと結露が発生するなどさまざまな問題がある(画像出典:PIXTA)

30年間で約270万円が浮く試算も

 日本では2025年4月まで戸建住宅に対する断熱の法的義務がなく、寒冷地であっても「無断熱の家」を建てることが法律上は可能だった。その結果、日本の住宅の多くが、先進国の中でも断熱性能が著しく低い=エネルギーを浪費しやすい構造になっている。

 家の断熱性能の向上に有効なのが窓リフォームだ。工事費が比較的リーズナブルであり、長期的に見た「コスト削減効果」も期待できる。

 近畿大学の藤田浩司氏の研究では、断熱性能(保温性)が高い住宅と低い住宅を比較した場合、30年間にかかるトータルコスト(断熱費+冷暖房費+医療費)に大きな差が生じることが示されている(※1)。

 この研究を基にした一般社団法人ロングライフ・ラボの試算では、断熱性能が低い住宅(UA値0.87/日本の一般的な基準)に比べ、断熱性能が高い住宅(UA値0.46/欧州レベル)では、30年間の医療費だけで約134万円の差が出るという。さらに、冷暖房費などの削減分も含めると、トータルで約270万円もの経済的メリットが生まれる計算となっている(※2)。

 「窓にお金をかける」というよりも、「将来のムダな出費を減らす(ヘッジする)投資」と考えれば、これほど利回りの良い選択肢はそう多くないだろう。

※1:近畿大学生物理工学部人間環境デザイン工学科 藤田浩司氏『医療費を考慮した経済的な住宅断熱性能
(公社)空気調和・衛星工学会近畿支部 2020年11月17日 環境工学研究会(大阪)「住宅の室内環境と医療」
※2:1年目に30歳の夫婦と2歳および0歳の子供が住み始めたとの想定に基づく。

窓の断熱リフォームは補助金が活用できる!

 さらに、窓の断熱リフォームでは国や自治体の補助金が活用できる。

 2025年は政府の「先進的窓リノベ2025事業」や「子育てグリーン住宅支援事業」といった制度が用意されていた。これに自治体独自の補助金を「上乗せ(併用)」することで、例えば東京都では自己負担額を6分の1まで抑えられる場合もあった。

 2025年分の申請はすでに締め切られているが、2026年にも「先進的窓リノベ2026事業」の実施が閣議決定されている(2025年12月26日現在)。

 実は、実際の申請が始まる前の今こそ、リフォームの計画を立て、補助金申請に必要な準備をスタートさせておく好機だ。年末から年始にかけては、腰を据えて住まいと向き合いやすいタイミングでもある。この機会に一度、窓リフォームの種類や効果を確認し、来年度の制度開始に備えておこう。

対象となる窓断熱リフォームの種類を確認しよう

 「リフォーム」と聞くと、大掛かりな工事をイメージしがちだ。しかし、窓断熱リフォームにはさまざまな方法があり、意外なほど手軽にできるものもある。

 いつもの生活を続けながら、短時間で「暖かい家」にアップデートできるのが、窓リフォームの大きな魅力の1つだ。2026年の補助金を視野に入れるのであれば、住まいの条件や予算に適した方法を検討しておく時間的余裕もある。そこで、簡単に窓リフォームの方法を紹介しておこう。

【内窓設置】

 内窓リフォームは、今の窓枠をそのままに、新たに室内側へ窓枠と窓を取り付ける方法だ。非常に手軽に断熱化を図ることができる

 例えば、内窓の多くは、1枚ガラス窓の内側に2枚ガラスの窓と窓枠を設置する。設置工事が簡便なため、最短1時間程度で工事が終了するとのことだ。

 ただし、窓が2重になることにより、開け閉めや掃除の手間が増える可能性もあるため注意しよう。

内窓イラスト
内窓設置イメージ※画像は2025年事業時のもの(出典:環境省「先進的窓リノベ2025事業」HP

【外窓交換(カバー工法・はつり工法)】

 「カバー工法」と呼ばれる方法もある。これは今ある窓枠の上から新しい窓を被せて取り付ける方法だ。一般的な住宅なら半日程度で工事が済むとされている。

 窓枠に窓枠を被せるため、ガラス部分の面積が一回り小さくなってしまうことには注意したい。

 なお、窓枠ごと取り外して新しい窓を取り付ける方法は「はつり工法」と呼ばれる。基本的にカバー工法よりも工期・費用を要するが、窓の大きさは維持することが可能だ。

外窓イラスト
カバー工法イメージ※画像は2025年事業時のもの(出典:環境省「先進的窓リノベ2025事業」HP

【ガラス交換】

 窓のガラス部分だけを複層ガラスなどに交換する方法もある。サッシごと交換する工法に比べて費用を抑えやすく、1枚あたり30分〜1時間程度と短時間で作業が完了する場合が多い。

ガラス交換イラスト
ガラス交換イメージ※画像は2025年事業時のもの(出典:環境省「先進的窓リノベ2025事業」HP

【その他】

 このほか、断熱ブラインドを設置しても断熱効果が見込める。しかし、補助制度の対象には含まれないケースが多いほか、窓リフォームと比べれば効果は限定的だ。

 どの方法でも窓から逃げる熱を防いでくれるため、室温を保ちやすくなる。ただし、分譲マンションなどで窓リフォームを行う場合は注意が必要だ。内窓の設置は専有部分となるため問題はないものの、外窓・外壁は共有部分にあたるため、管理規約によってはカバー工法での工事ができない場合がある。必ず事前に管理組合などへ確認しよう。

「先進的窓リノベ2026事業」は“早い者勝ち”の制度

 「先進的窓リノベ2026事業」も2025年と同様、予算上限に達し次第終了となる“早い者勝ち”の制度だ。

 高い断熱性能を持つ窓への改修にかかる費用の一部を補助するもので、上限は100万円。対象となる工種は「ガラス交換」「内窓設置」「外窓交換(カバー工法)」「外窓交換(はつり工法)」の4種類だ。工種、断熱グレード、窓の面積、住宅の種類などによって補助単価は変わるが、一般的に必要となる費用の2分の1以内で設定されている。

 なお、2025年は11月時点で予算上限に達し、前倒しで予約受付終了となった。また、予算は2025年が1,350億円だったのに対し、2026年は1,125億円と少々縮小されている。そのため、来年度はさらに早く終了となる可能性もある。来年の秋頃に「そろそろ寒くなってきたから」とリフォームを検討しても遅すぎるのだ。

 2026年は3月下旬に申請受付が始まるので、受付開始前に次のポイントを押さえておきたい。

(1)自宅の窓をリフォームした場合、補助金がいくら出るのか?
(2)実質の自己負担額はいくらで済むのか?
(3)リフォーム後、将来の光熱費がどれくらい下がるのか?

 また、国の補助金だけでなく、居住している自治体の補助制度も事前にチェックしておこう。自治体の補助金は、国の補助金と併用できるケースも多く、その場合、国の補助金の交付決定が出たあとに申請・交付が認められる仕組みになっていることが少なくない。国の補助金をいかに早く申請し、交付決定を得るかが、リフォームを成功させるカギになる。

 有利な制度を最大限に活用し、賢く・合理的で・健康的な暮らしを手に入れていただきたい。

リフォームするなら複数業者に相見積もりを

 なお、来年度の窓リフォームを検討している場合は、リフォーム業者探しを早めに始めておくと良い。

 また、リフォーム工事には定価がなく、依頼先によって工事費用が変わるため、はじめから1社に絞って見積もりを取るのではなく、必ず相見積もりを取り、比較することも重要だ。場合によっては、数十万円単位で工事費用が変わってくる。

 複数社に見積もりを取る際に便利なのが「リフォーム会社一括見積もり・紹介サイト」だ。かなえたい暮らしや建物の種類(戸建て・マンション)、住所、電話番号、氏名の情報を入力すると、一度に複数の会社から見積もりがもらえる。

 たとえば、「SUUMOリフォーム」はプロのアドバイザーが要望に合う業者を紹介する。最適な条件のリフォーム会社を無料で探し出してくれるほか、業者への断りも代行してくれる。

 また、「タウンライフリフォーム」はプランや見積書で一歩踏み込んだ提案をしてくれるなど、各サービスで特徴がある。

【関連記事】>>「リフォーム一括見積もり・紹介サイト」12社を徹底比較!おすすめのサイトや、利用方法・注意点を解説

 以下の表は、編集部が厳選したおすすめのリフォーム会社一括見積もり・紹介サイトだ。ぜひ、ご自身の使い勝手に合ったものを活用してほしい。 

  • RSS最新記事
サイト名 SUUMOリフォームロゴ リショップナビロゴ ホームプロロゴ タウンライフリフォームロゴ ハピすむロゴ リフォーム比較プロロゴ リフォームガイドロゴ ハウジングバザールロゴ リフォーム評価ナビロゴ SUVACOロゴ オウチーノリフォームロゴ リフォマロゴ
おすすめ
ポイント
予算やリフォームプランの相談が何度でも無料。中立的な立場から業者を紹介、業者への断りも代行する。 入力項目が少なく、担当窓口と直接電話で相談できる。ネットでのやりとりが苦手な人におすすめ。 現地調査の前段階まで、匿名でやり取りができる。電話でのやり取りが苦手な人におすすめ。 リフォーム提案書や企画書、見積書まで無料で作成。専門アドバイザーへの相談もできる。 東証プライム上場企業が運営しており信頼感がある。登録業者は大手〜中小まで幅広い。 地域の工務店が多く登録。近隣のリフォーム業者を選びたい人に向いている。 リフォーム会社選びに精通した専任コンシェルジュがつきっきりで担当してくれる。 中堅規模の工務店が多く登録。詳細を入力すると提案書も受け取れる。 財団法人が運営するリフォーム会社検索・紹介サイト。 さまざまな審査基準を満たした工務店や建築家を紹介。おしゃれな注文住宅・リノベに強い。 地元企業を中心に400社以上もの企業が登録。匿名のまま無料でメール相談が行える 地域密着型のリフォーム一括見積もりサイト。地元のリフォーム会社・工務店を探したい人におすすめ。
提携業者数 約800社 約4000社 約1200社 約460社 約1000社 約500社 全国で約1,000社 約300社 約980社 約1000社 約1500社 約2000社
紹介会社数 3〜4社 平均3社 最大8社 3〜8社 最大3社 3〜4社 最大5社程度 2社〜 最大5社 複数社 最大9社
電話連絡 あり あり なし あり あり あり あり あり なし あり なし なし
相談窓口 あり あり なし あり あり あり あり あり なし あり あり あり
独自保証制度 完成あんしん保証(無料) リショップナビ安心保証(無料) 工事完成保証(無料) なし なし なし あり なし なし なし なし なし
業者の口コミ あり あり あり なし なし なし なし なし あり あり あり あり
リフォーム事例 掲載多数 約12000件 約9万件 なし なし なし 少数掲載 なし 掲載多数 9441件 掲載多数 掲載多数
  無料で相談する(公式サイト) 最大3万円分デジタルギフト
無料で見積もり(公式サイト)
無料で見積もり(公式サイト) 無料で見積もり(公式サイト) 無料で見積もり(公式サイト) 無料で見積もり(公式サイト) 無料で見積もり(公式サイト) 無料で見積もり(公式サイト)

リフォーム おすすめ記事

【業者選び】おすすめ「リフォーム一括見積もりサイト」を徹底比較!

【業者選び】信頼できる業者を見抜く7つのポイント!

【税金】2025年度版 リフォームに使える減税制度・補助金を解説

【住宅ローン】リフォーム費用も低金利で借りられる銀行はどこ?

【住宅ローン】大規模リフォームするなら「住宅ローン借り換え」とセットがお得!

 

無料で使える「リフォーム一括見積もりサイト」はこちら!
SUUMOリフォーム(リフォーム一会社紹介サイト)
SUUMOリフォーム
登録業者数 約800社

資料請求

無料(相談料も無料)
運営会社 株式会社リクルート(東証プライム上場・資本金3億5000万円)
住所 東京都千代田区
紹介会社数 3〜4社

【おすすめポイント】
・SUUMOリフォーム担当者が中立的な立場から要望に合ったリフォーム会社を紹介
・予算の立て方、おすすめのリフォームプランも相談できる
・リフォーム会社への断りはSUUMO担当者が代行
・契約したリフォーム会社が倒産した場合に備える、独自の保証(完成あんしん保証)が付いている

会社紹介を申し込む(無料) >>
リショップナビ(リフォーム一括見積もりサイト)
登録業者数 約4000社
資料請求 無料
運営会社 株式会社じげん(資本金25億5200万円)
住所 東京都港区
紹介会社数 平均3社

【おすすめポイント】
・入力項目が少なく、操作が簡単
・電話、WEBサイトどちらでも見積もり依頼が可能
・リショップナビ担当者と直接詳細を相談できる
・契約したリフォーム会社が倒産した場合に備える、独自の保証が付いている

・お祝い金としてデジタルギフト(最大30,000円分)がもらえる

・リフォーム工事の着手金をリショップナビが立て替える「工事着手金ゼロサービス」がある

一括見積もりはこちら(無料) >>
ホームプロ(リフォーム一括見積もりサイト)
登録業者数 約1200社
資料請求 無料
運営会社 株式会社ホームプロ(リクルートの100%子会社・資本金3億円)
住所 東京都港区
紹介会社数 最大8社
【おすすめポイント】
・商談の段階まで匿名でのやり取りが可能
・独自の工事完成保証制度がある
(着工前:支払い済みの手付金を返還、完成前:代替会社による工事の完成)
・リフォーム会社ごとの評価やクチコミを確認できる
一括見積もりはこちら(無料) >>
タウンライフリフォーム(リフォーム一括見積もりサイト)
登録業者数 460社以上
資料請求 無料
運営会社 タウンライフ株式会社(資本金2000万円)
住所 東京都新宿区
紹介会社数 3社〜8社程度

【おすすめポイント】
間取り図や詳細な情報を送付すると、最適なリフォーム計画書を提示してくれる
・電話、WEBサイトどちらからでも連絡可能
・専門アドバイザーへのリフォーム相談が可能

一括見積もりはこちら(無料) >>

 リノコ(リフォーム見積もりサイト)
リノコ リフォーム 見積もり
登録業者数 約1000社
資料請求 無料
運営会社 セカイエ株式会社(資本金3000万円)
住所 東京都港区
紹介会社数 1社
【おすすめポイント】
・定額制プランで、全国どこでも同一工事は同一価格で行える
・相談窓口にて細やかなリフォーム相談が可能
・独自の無料保証(1年間)が付帯
・マイページ上で工事の進捗管理を確認できる
見積もりはこちら(無料) >>

 ハピすむ(リフォーム一括見積もりサイト)
ハピすむ
登録業者数 1000社以上
資料請求 無料
運営会社 株式会社エス・エム・エス(東証プライム上場・資本金23億1022万円)
住所 東京都港区
紹介会社数 最大3社
【おすすめポイント】
・運営元が東証プライム上場企業なので信頼感がある
・累計見積もり依頼件数20万件の実績
・登録業者は大手から中小まで幅広い
一括見積もりはこちら(無料) >>
 リフォーム比較プロ(リフォーム一括見積もりサイト)
リフォーム比較プロ
登録業者数 500社以上
資料請求 無料
運営会社 株式会社サフタ(資本金990万円)
住所 東京都品川区
紹介会社数 3〜4社
【おすすめポイント】
・加盟企業は地域工務店が多く、地域密着型の会社を探しやすい
・電話、WEBサイトどちらでも見積もり依頼が可能
・ユーザーからの評判が悪い業者は登録が削除されるので、評判のいい業者だけが残っている
一括見積もりはこちら(無料) >>
↓複数社のリフォームローンを比較するならこちら!↓
 

【132銀行を比較! リフォーム一体型ローン・実質金利ランキング】

・【新規規借入】1位〜10位 
・【借り換え】1位〜10位

 クラウドローン(リフォームローン一括比較)
クラウドローン
サービス

リフォームローン等の融資を受けたい個人に銀行を紹介するマッチングプラットフォーム。借入希望額や年収の目安を入力すると、複数の銀行から提案が届く。

設立 2018年
運営会社 クラウドローン株式会社

【おすすめポイント】
・全国30の銀行と提携、借入できる銀行を一度に複数社紹介!
・各社のローン金利を比較した上で、借り入れの申し込みができる

・クラウドローン提携の保証会社が事前に与信審査を行い、金融機関に連絡するため、銀行ごとに何度も与信審査を受けなくていい

融資申込はこちら(無料) >>
↓中古物件の購入・大規模リノベーションならこちら!↓
 リノベ不動産(不動産仲介+リノベーション会社)
リノベ不動産
対応サービス 中古物件の紹介、中古物件の大規模リノベーションなど
設立 2013年
運営会社 株式会社 WAKUWAKU

【おすすめポイント】
・中古物件探しから、設計・施工、住宅ローン選びまで一社で完結!
・それぞれの工程で、専門スタッフからサポートが受けられる
・全国200拠点(北海道から沖縄まで)で展開

資料請求はこちら(無料) >>
 
TOP