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【第10回】2018年11月15日公開(2019年6月5日更新)
風戸裕樹
風戸裕樹

風戸裕樹(かざと・ひろき)氏:ソニー不動産の前身となる「売却のミカタ」を立ち上げ、「不動産売却で売り主だけの味方になる」という新しいコンセプトを打ち出しました。現在は不動産情報サービス「PropertyAccess.co」を設立し、アジアの不動産を国境をまたいで他国の人に紹介するビジネスを展開しています。

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不動産売却の現場でのえげつない営業手法とは?
アポ取りの定石トーク、初回で契約する方法、
値下げさせるためのテクニックなどを公開

不動産売却の現場では、営業マンたちがしのぎを削りながら成約数を上げようと必死に動き回っています。中には「えげつない」営業テクニックを駆使する営業マンもいます。今回は、アポ取りの定石トーク、初回で契約する方法、値下げさせる営業テクニックなどを紹介しましょう。悪質な営業マンに騙されないための参考にしてください。

まずは、客に会うことが目標

強引な営業マンにはご注意(「写真素材 足成」より)強引な営業マンにはご注意(「写真素材 足成」より)

 前回は、不動産仲介会社の営業マンが、売り物件探しに仕事の7割を費やしていることを紹介しました。そこで今回はその続きとして、売り物件になりそうな不動産を所有している人を見つけたら、媒介契約を獲得するために、あの手この手を使って接触してくる営業マンのテクニックを紹介しましょう。

【前回の記事はこちら】
>> 不動産仲介の営業の仕事は売却物件探しが7割! 電気メーターによる空き部屋探しが日課で、非効率な仕事のツケは売り主、買い主に押し付け

 営業マンの鉄則は「とにかく客に会え!」。彼らは、さまざまな営業トークを駆使してアポイント取りに奔走するわけです。その時の最大の武器が「査定」です。一般消費者は不動産相場には詳しくありませんから、「自分が所有する物件の価値がどれくらいか?」をはっきりと認識している人は少ないのです。

 「まだ物件を売るかどうかは決めていないでしょうが、売るとしたら、いくらで売れるかを知りたくないですか?」

こうした営業トークで、―個人資産の中でもウエートが大きい不動産価格を知りたいと思う客の心理に付け込むのです。他にもあります。

 「最近はインターネットで自動査定サービスも提供されていますが、いい加減で当てになりません。物件を見せていただければ30分で、正確な査定ができます。売るのは5年先、10年先かもしれませんが、いざ売る時に慌てないように、今から価格をウォッチしておくことが必要ですよ」

 こんな営業トークを駆使しながら、面会の約束を取ろうとします。電話がダメなら、手紙を出すとか、手を替え品を替えてアプローチしてきます。

 そして、客の家に上がり込めれば「営業マンの勝ち!」と言われています。「どのようにして物件を取得したのか」「現在の利用状況は?」など話し出せば、時間はどんどん過ぎていきます。すっかり家に居座り、営業マンはなかなか帰ろうとしません。結局、帰ってもらうために、思わず媒介契約書に判を押してしまうことも珍しくありません。

 最初の訪問で、一気に媒介契約まで持ち込めるケースは半分ぐらいと言われます。それだけの確率で売り物件を獲得できるわけですから、「とにかく客に会おう」と必死になるわけです。

「一般媒介にすると煩わしいですよ」は常套句

 媒介契約も、物件を独占的に扱える「専任媒介契約」と、複数業者が競合する「一般媒介契約」の大きく二種類があるのですが、営業マンは必ず「専任媒介契約」契約に持ち込もうとしてきます。そうすれば、他の不動産会社に取引を持っていかれる可能性がなくなり、もうかるからです。そこでいろいろな言い訳を考えるのです。

 「一般媒介契約にすると、いろんな不動産仲介業者から問い合わせが来て、本当に煩わしいですよ」

 「一般媒介契約だと、不動産仲介業者が本気で売ってくれませんよ」

 などと言いながら、専任を勧めるのです。一般媒介に、そうした面があるのは確かですが、逆に複数の不動産仲介会社を競わせて、早期に売却できることもあり、一概に悪いとは言えません

【関連記事はこちら】
>> 家を売るときの契約方法は、「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」でメリットが大きいのはどれ?

「値熟し(値下げ)」は、所長と一緒に頭を下げる

 営業マンは、見込み客に会う前に、目を付けた物件がどれくらいで売れるかをしっかり査定しています。営業マンにとって楽に儲けられるのは、買取再販業者などのプロに売ること。親しい業者に事前に打診して買取価格を握ったうえで査定するのです

 その査定価格で物件所有者を納得させられればシメタもの。あとはプロの事業者に売って、売り主と買い主の両方から手数料収入を得る“両手取引”が成立。さらに買取再販業者にリノベーションした物件の媒介も任せてもらえれば、1物件で2度もおいしい取引ができるわけです。

 問題は、売り出し価格が目算より高くなってしまうことが多々あることです。特に、一括査定サービスなどを使用している場合、専任媒介契約を取るために、競合他社よりも価格査定を上げざるを得ません。それで本当に売れるかどうかは別として……。また、売主の中には、相場よりも相当高い価格での売却を希望している場合もあります。

 売り出し価格が高くなれば、当然、売りにくくなります。不動産相場に精通したプロですから、売れるかどうかは最初から分かっているのです。

 最初は電話やネットによる問い合わせ件数など反響を知らせつつ、様子を見ます。しかし、2週間もすれば、売り主の顔色を見ながら売り出し価格の見直しを打診し始め、「値熟し(ねこなし)」に取り掛かります。「熟す」とはもともと「食べ物を消化する」意味ですが、「値熟し」とは不動産仲介会社が手持ち物件を売りさばくために「価格を下げていく」ことを指します

 不動産は、値段が低い方が売れるに決まっています。そのため営業所長によっては、営業マンが値熟しできているかどうかの「値熟し率」を出して、「さっさと値熟しさせてこい!」とハッパをかけている不動産仲介会社もあると聞きます。

 売主としては、「最初は『この価格ですぐに売れます』なんて言っていたのに、ちょっと最初と話が違うんじゃないの?」と言いたくなりますが、これが不動産仲介会社の手口なのです。

 最初に散々、強気の価格査定をした手前、「値熟し」するときには営業所長クラスを同行。「市況が変化して反響が落ちている」と頭を一緒に下げて、何とか値下げさせます。

 また、買主から値引き交渉が入ることがあります。売主からすれば、上手く交渉して値引きなしで売却したいところですが、早期に売却したい営業マンの場合は、積極的に値引きを受け入れようとします。「若い夫婦からの値引きの打診なので、何とか応援してあげてください」と情に訴えたりして、値引きを飲ませるのです。

まとめ 不動産仲介会社選びは、査定価格だけで選ばない

 不動産の価格査定は、単に相場を知り、売り出し価格を決めるための査定で、中古自動車の価格査定のように買取価格を保証するわけではないのです。不動産では価格査定だけでなく、不動産仲介会社の対応や営業マンの人柄なども比較しながら、媒介契約先を選ぶべきでしょう。

【関連記事はこちら】
>> 不動産売却のプロが教えてくれた、 正しい不動産会社・営業担当者の選び方とは? 騙されたくない人向けに「7カ条」を公開!

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、おすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U無料査定はこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S無料査定はこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ無料査定はこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ無料査定はこちら
◆HowMaスマート不動産売却(一般媒介での一括査定)
対応物件の種類 マンション、戸建て(東京23区)
掲載する不動産会社数 10社(一般媒介) HowMaスマート不動産売却の公式サイトはこちら
サービス開始 2015年
運営会社 コラビット
紹介会社数 最大6社
【ポイント】不動産会社探しを支援してくれるサービスで、不動産を売却する際に、不動産会社と会わずに契約が可能。不動産会社との契約は一般媒介なので、不動産会社による違法な「囲い込み」も心配ない。
HowMaスマート不動産売却無料査定はこちら
◆いえカツLIFE(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル、区分所有ビル(1室)、店舗・工場・倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権、その他(共有持分についても査定・売却対象)
営業エリア 東京、千葉、神奈川、埼玉 いえカツLIFEの公式サイトはこちら
サービス開始 2012年
運営会社 株式会社 サムライ・アドウェイズ
(東京マザーズ上場「アドウェイズ」の子会社)
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
【ポイント】 再建築不可物件、借地権、底地権といった「訳あり物件」の査定にも対応している。共有持ち分でも相談に乗ってくれる査定サイトは少ないので、相談してみよう
いえカツLIFE無料査定はこちら
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