新米大家のレッド吉田さんが、百戦錬磨の先輩投資家から、賃貸経営の極意を学ぶ本連載。今回 のゲストは、平均利回り20%という高利回り中古アパートへの投資を軸に、約3800万円の家賃収入を得る石原博光さんです。起業家、そして著述家として も活躍する石原さんに、叶えられない夢はない?! 石原さんの次の夢やお金を稼ぐためのゲン担ぎまで幅広く語り合った対談の第5弾。
[参考記事]
レッド吉田さん vs 石原博光さん
【第1回】利回り20%を実現するカリスマ大家が不動産投資を始めた理由
【第2回】不動産投資も芸能界もリスクの先に見えてくる景色がある!
【第3回】不動産投資で銀行から借りた金利は下がるものではなく、下げるもの
【第4回】田舎の1万円も都会の1万円も同じ
アパートの売却金でシアトルに不動産を購入
レッド吉田さん(以下、レッド) 海外投資がはやっているようですが、石原さんはどうですか?
石原博光さん(以下、石原) 実は、僕の夢はアメリカ移住なんですよ。それに向けて去年、アメリカのシアトルに50万ドルの商業不動産と、カリフォルニアに12万5000ドルの戸建てを購入しました。そのために8月にまとまった金額をドルに両替していたのですが、当時は1ドル78円と円高でしたから、戸建は約1000万円で買えたことになります。1年で為替利益分の2割と、土地の値上がり分の2割で、4割くらい価値が上がっているんですよ。
レッド すごくいいタイミングで買われたんですね。その家は貸し出しているんですか?
石原 はい。1350ドルですぐに入居者さんが決まりました。利回りはおよそ13%です。キャピタルゲインも狙えるので、いい買い物だったと思います。
レッド 意外と利回りが高いんですね。ビックリです。ところで、海外の物件を買う時って、融資はどうするんですか?
石原 家に関しては頭金を4割いれて融資も利用できるという話でしたが、二つとも現金買いです。千葉の船橋と旭のアパートを売却したので、そのお金をあてました。このアパートの購入金額は両方で6390万円だったんですが、それが所有して約100ヶ月後に8050万円で売れたんですよ。
レッド ワオ!このご時世に、キャピタルゲインが取れるなんてすごいですね。家賃収入も入れると、かなりのプラスですよね?
アメリカ移住に向けて会社の事業部を知人に譲渡
石原 一部繰り上げたりと、かなり返済も進んでいましたから、長期譲渡税や仲介手数料など差し引いても約4800万円が手元に残りました。去年の春に1ドルが70円台になったところで、アメリカに買うなら今だと思い、売却を決めました。幸い、すぐに購入者が現れたので、入ったお金をすべて円高のうちにと急いでUSドルに替えたんです。
レッド ドンピシャじゃないですか。それにしても石原さんは、行動するたびにお金が増えていますね。不動産も買ったことだし、アメリカに行く日も近そうですね。
石原 こうして少しずつでも準備を整えていけば、いつかは移住の夢だって叶う日がくるかも知れませんよね(笑)。僕も多感な大学時代を向こうで過ごしてよかったと思っていますし、子育てもアメリカで楽しみながら取り組みたいことのひとつです。アメリカに投資したのは、そのための小さな一歩です。
レッド それは楽しみですね。会社はどうするんですか?
石原 海外に拠点を移しても、会社は遠隔操作できると考えています。そのために仕組みづくりも進めてきましたが、「これは手がかかるな」という事業部だけは、起業したいという知人に譲渡しました。愛情を注いでくれる社長の元へ嫁がせたという感じですね。これも、アパート経営が安定しているからこそできた決断だったと思います。
レッド ええ? 僕もその事業部、欲しかったです! もったいない気もしますが、それだけ移住に本気ということなんですね。石原さんは向こうに行っても、不動産投資は続けるんですか?
自分は運がいいと思っているし、それが続くと信じている
石原 ええまあ。今はまだ夢の段階ですけど(笑)。できれば、年に1戸ずつでも買っていきたいですね。カリフォルニアは住みやすい地域ですが、ロス郊外なら1000万円台でプールつきの大きな家が買えるんですよ。
レッド プールつきか~。憧れますね。治安はどうですか?
石原 場所によってはあまりよくないですね。ざっくり説明すると、僕が家を購入したエリアは、人口が30万人台で若い人が多い地域です。6割の人は持ち家に住んでいて、人口は増加トレンドで、程よい田舎という感じです。最初はそこを足がかりにして、生活費を抑えながらアメリカでの不動産投資やビジネスについて探っていくのも悪くないなと思っています。
レッド 石原さんなら大丈夫ですよ。確信を持って、そう思います。
石原 ありがとうございます。僕も自分は運がいいと思っているし、これからもそれが続くと信じています。そういう思い込みも大切かなと思います。この歳になって子供が生まれたんで、これからはますます頑張りたいですね。
レッド 子育てって面白いですよ。今、2才の末っ子がトイレトレーニング中なんですが、この間、ウンチつきのオムツを脱いでから「パパ、出る~」っていうんですよ。僕が気付いたときにはシーツにべっとり。もう毎日、そんな感じです。
石原 5人目のお子さんですね。かわいいな~。
アメリカでは子供にお金の話をする
レッド あと、僕は小6の息子をプロ野球選手にしたいと、本気で思っているんです。この間も自宅の地下を練習場にしたくて、銀行にお金を貸してくれないか聞いてみたんですよ。そうしたら、軽く流されましたね。「息子がプロになったら契約金で返せるから」とお願いしたんですが、無理でした(涙)。
石原 息子さんの野球は、レッドさんが指導しているんですか?
レッド 家ではそうですね。成功するには、ゴールを明確にすることが大事じゃないですか。だから、いつも、「お前が一番うまい」「絶対にプロになれる」と洗脳しています。僕が息子に「なんだってできる!」というと、「パパのギャグすべってるじゃん」と言われることもあるんですが(笑)
石原 いやいや、金利交渉に成功したぞ!と言ってあげてくださいよ(笑)
レッド そうですよね。僕は小学校の高学年になったら、もうお金のことを話してもいいと思っているんです。この前も、子供が100円マックを買って、ポテトを友だちから1本分けてもらったって言うんですよ。そのときは、「それは違う。自分がポテトを買っておごってやれ。そうすれば後でいいことがあるから」と力説してしまいました。
石原 日本で、父親がそういうことを教える家庭は少ないかもしれませんね。アメリカでは子供にお金の話をけっこうするんですよ。
レッド アメリカの人といえば、僕はメジャーリーグが好きなんですが、OBが来たときにお客さんたちが拍手をして迎えるのがいいなと思うんです。日本だと「なんだ、OBか」みたいな反応をするんですよ。あと、家族が抱き合うのもステキですよね。日本だとマザコンていわれちゃいます。
石原 でも、アメリカもいいことばかりではないんです。親が小学生の子供とお風呂に入ると、性的虐待になるそうですから。
レッド ええ? うちなんかみんなでギューギュー入っていますよ。レッド家がアメリカ移住するのはムリですね(笑)
(撮影/和田佳久 構成/加藤浩子)