新米大家のレッド吉田さんが、百戦錬磨の先輩投資家から、賃貸経営の極意を学ぶ本連載。今回のゲストは、平均利回り20%という高利回り中古アパートへの投資を軸に、約3800万円の家賃収入を得る石原博光さんです。起業家、そして著述家としても活躍する石原さんに、叶えられない夢はない?! 石原さんの次の夢やお金を稼ぐためのゲン担ぎまで幅広く語り合った対談の第2弾。
[参考記事]
レッド吉田さん vs 石原博光さん
【第1回】利回り20%を実現するカリスマ大家が不動産投資を始めた理由
プチバブルだったレッドさんの子ども時代
レッド吉田さん(以下、レッド) 石原さんはバブル時代って経験していますか? あの頃って、今思うとすごい時代でしたよね。
石原博光さん(以下、石原) 僕は71年生まれなのでバブル期は学生でしたが、周りにすごいお金持ちがゴロゴロいましたね。身近なところでは、高校生なのに金のロレックスをしている奴がいて、彼の小遣いはなんと一日1万円! うらやましかったな~。レッドさんはバブルの思い出ってありますか?
レッド うちは親父がバブル直前にリストラにあって、家の中は暗い雰囲気だったんです(笑)。でも、住宅ローンを返すために母親がお好み焼き屋を始めたら、それが予想外の大ヒット! 一階の一部を改造した7坪くらいの店なのに、一日に15万円も売れて、そのときは我が家もプチバブル状態でした。
石原 それはすごいですね。月に20日営業したら、300万円じゃないですか!バブルの初期だから、時期がよかったんですね。あ、すみません、味がよかったんですね(笑)
レッド 京都で3本の指に入るくらい愛想の悪い店だったんですが、朝の5時まで開いていたので、祇園で飲んだ人たちを、タクシーの運転手さんが連れてきてくれたんです。その頃は、お袋の財布の中をのぞくのが楽しかったですね。
石原 お母さんの財布から、ちょっとは抜いたりして?(笑)
レッド 石原さん、人聞きが悪いこと言わないでくださいよ。ちょっとだけですよ!!(笑) でも、そのおかげで兄弟3人、私立の高校に通って、僕は大学にも進学させてもらいました。親父は月給15万円くらいだったと思うので、本当にお袋のおかげなんです。住宅ローンも一年で完済したんですよ。
不動産経営を知ると普通に家を建てるのがつまらなくなる
石原 お母様は商才があったんですね。
レッド そうかもしれません。実はバブルの始まりの頃、お袋が投資用に不動産を買いたいと言ったんです。でも、父が「そんな金、どこにあんねん!」と大反対してダメになりました。
2000万円くらいの家だったんですが、2年後には1億円以上になっていて、お袋は「あの人さえいなければ……」と悔しがっていました(笑)
石原 そうそう。あの頃は一晩寝れば土地が上がる時代でしたから、そういう話がたくさんありましたよね。そのお好み焼屋さんは今でもあるんですか?
レッド 「やえ」っていう店なんですけど、僕が上京した年に母が交通事故に遭って、それを機にたたんでしまいました。売上も1日1万5000円くらいに落ちていたので、潮時だと思ったんじゃないですか。
石原 どんなビジネスもそうですが、ずっと収益を上げ続けるのって大変ですよね。お母様は大丈夫でした?
レッド はい。父親はもう亡くなったんですが、母は元気で、今も京都の家に住んでいます。その家がもう随分とボロくなったんで、賃貸併用住宅に建て替えたくて、今、色々と計画中です。
石原 やっぱり、一度、不動産経営の面白さを知ると、普通に家を建てるのがつまらなくなりますよね。
レッド そうなんですよ。僕は東京に来て初めて一人暮らしを始めたとき、家賃を払うのがもったいなくて、アパートの大家さんはいいなって思ったんです。なんていうか、昔からケチなんですよね(笑)。賃貸併用マイホームなら、他人のお金で自宅が手に入りますから、ぜひやりたいって思っているんです。
石原 僕も初めて一人暮らしをしたとき、レッドさんと同じ気持ちになりました。大家さんって、すごくお金持ちに見えましたよね。でも、その頃は「大家さんはいいなあ」と思いながらも、自分が大家になれるなんて思ってもみませんでした。
レッド 「普通の人が大家になんてなれない」という思い込みって、絶対にありますよね。その思い込みを捨てて、チャレンジできる人とそうでない人の違いは大きいと思います。
リスクの先に見えてくる景色がある
石原 芸能界には不動産投資に興味がある方も多いんじゃないですか?
レッド ときどき、「レッドさん、アパートやってるの? 不動産投資って儲かる?」と聞かれます。僕は、「ここだけの話、儲かりますよ。月に数十万円くらいなら、すぐですよ」と答えるんですが、実際に始める人はほとんどいないですね。借金をするのが嫌という理由もあると思います。
石原 芸能界で活躍できる人たちなら、不動産投資でも成功できそうですが、やっぱりハードルが高いんでしょうね。
レッド 僕が不動産投資をしていることを、怪しいと思っている人もいます。でも、なんでもそうですけど、リスクの先に、見えてくる景色があるんですよね。僕が芸能界を目指して京都から上京したときも、「がんばれよ」と言ってくれる人と、「何バカなことを言ってるんだ」と言う人がいました。「何バカなことを」という人は、自分の価値観から外れたことを受け入れたくないんでしょうね。どちらが正しいというわけではありませんが……。
石原 そうですね。自分と違う価値観の人を受け入れると、自分を否定することになってしまうので、切り捨てた方が楽なんですよ。それでは成長できないと思うんですが。
レッド ただ、色々な意見がある中でも、僕は挑戦してよかったと思っています。大きな借金をしましたが、返せるあてのあるものですし、実際にキャッシュフローを生んでくれていますから。
石原 僕もそうですね。もちろん最初は不安もありましたが、それで得たものは大きいです。大家にならなかったら、今みたいなヒゲもはやしていなかったと思います(笑)
(取材・文/加藤浩子 撮影/和田佳久)