不動産投資でお宝物件を手に入れるには、不動産会社、入居者との「三方良し」が重要
底値買いがモットーの宮光男さん<前編>

2021年2月19日公開(2021年4月27日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

不動産会社の友人から売れ残りの物件を安く譲ってもらったことがきっかけで不動産投資を始めた、飲食チェーン経営者の宮光男さん。そこから、持ち前の商売センスを活かし、不動産会社との関係を築いてきた。お宝物件を購入するために、宮さんが実践する「三方良し」とは?

売れ残りマンションを紹介してもらったのがきっかけ

――副業として不動産投資をしているとお聞きしましたが、どんな物件を所有していますか?

「不動産投資のきっかけは、売れ残った物件の購入だった」という宮さん
「不動産投資のきっかけは、売れ残った物件の購入だった」という宮さん

 8世帯のアパート1棟と、ファミリー向け区分マンション2戸、戸建て1棟です。

 築15年のアパートは、羽田空港エリアの駅徒歩1分の立地にあります。航空会社の借り上げ社宅として、1部屋8万5000円で賃貸しています。

 区分マンションの1つは広尾の2LDK(70㎡)で、家賃38万円で貸しています。もともとは自分用に購入したもので、モデルルームだった部屋であるため相場より安く購入できました。元々、1億2800万円の部屋が、9800万で購入できました。

 もう1つのマンションは、茅ヶ崎の海辺にあるオーシャンビューの3LDK(95㎡・築22年)。こちらは家賃19万円ですね。

 戸建て(築5年)は、これも海沿いの神奈川県二宮町にあって、家賃は14万円。月の家賃収入は4物件あわせて140万円ほどです。

――何がきっかけで、不動産投資を始めたのでしょうか?

 10年ほど前、不動産会社を経営する友人に「売れ残った物件があるから、安く買わないか?」と頼まれて、購入したのがきっかけです。当初、不動産にはまったく興味がありませんでした。ところが、自分で調べたり、物件を見に行くにつれ、その面白さに魅せられるようになりました。

 私は、飲食チェーン経営を本業にしているので、不動産の方は副業としてやっています。利益を重視した投資というより、趣味の延長上の活動みたいな感覚で楽しんでいますね。

 友人の他にも、優良な物件情報を紹介してくれる2~3社とお付き合いを続けて、これまで購入や売却をしてきました。

不動産業界は、人間関係で成り立つ世界

――良い物件情報を紹介してもらうためのコツは何でしょうか?

 不動産会社が「どんな人をお客さんにしたいのか」を考えることですね。細かい条件をくどくど確認したり、難癖つけた挙句やっぱり買わないようなお客さんには、良い情報を渡そうとは思わないはず。なので、最初の1~2件は、即決するくらいのスタンスでいいと私は思っています。もちろん相場との比較や、物件の状態は自分で確認する必要がありますが…。まずは、次につながる関係を築くことが重要です。

 あとは、物理的に自宅や職場から近い不動産会社が良いと思います。連絡が来てもすぐに駆けつけられるので。私は新しい物件の話が電話に来たら「OK!! すぐ行く!」と2つ返事で向かっています。電話口で、「何坪か?いくらか?」など、細かく確認はしません。

―――これまで購入してきた物件は、どのくらい安く購入できたのですか?

 今、持っている物件でいうと、茅ヶ崎の区分マンションは、2011年の震災翌月に購入しました。それ以前から売りに出ていたものの、震災直後で値下げ交渉がしやすくなって、300万円くらい下がりました。

 二宮の戸建ては、土地競売の情報を不動産会社に教えてもらったんです。相場より約3割ほど安い値段で土地を購入し、そこに800万円と格安で戸建てを建築しました。

 すでに売却しましたが、横浜で築30年2LDKのマンションを350万円で購入したこともあります。相場は約1000万円なので破格でした。売主が早急に売りたかったようで、この値段で買えたんです。タバコを吸う親子が住んでいたので、室内はひどいヤニだらけでしたけど、100万円ほどかけてリフォームして、賃貸していました。

――それは、かなり安いですね!

 不動産は情報が命ですからね。ただ、「お買い得な情報をもらって、買っておしまい」にはならないように気を付けていますよ。心がけているのは、情報をくれた不動産会社にもメリットをもたらすこと。

 たとえば、二宮の戸建ての建築については、競売情報を紹介してくれた不動産会社にあえてすべてをお任せしました。自分で工務店を探してもいいのだけど、お任せすれば先方の仕事が増えて、その分潤いますからね。

 大家業は、自分の利益だけを考えていたら、うまくいかないと実感しています。不動産業界は、本当に人間関係がモノを言う世界ですから。持ちつ持たれつで、相手の利益になることを積極的にやっていくことが、うまくいくコツなのではないでしょうか。

 不動産会社だけでなく、入居者に対しても同様です。2020年、コロナ禍で緊急事態宣言が出たときは、全物件で3カ月間、家賃5000円を下げるサービスを実施しました。入居者から値下げ交渉が入ったわけではなかったんですが、大家が先手で対応してくれたら、嬉しいじゃないですか。もし退去が頭をよぎっても、思いとどまってくれるのではないかと思って。

――なるほど。たしかにそうですね。ほかに、宮さんが大家業で大事だと思うことはありますか?

 とにかく、不動産とか家が心底好きじゃないとやっていけないと感じています。利回りなど机上の数字だけを追いかけているだけでは、大家業って嫌になってしまうと思うんですよ。

 生活に直結する商売ですから、自分が予想していかなった事態が突如起こったりします。だから、想定外のことが起こっても乗り越えられるタフなメンタルと、その都度対処していく機転の速さもかなり重要です。私もさまざまなトラブルに遭遇して鍛えられましたから。

――どんなトラブルに遭遇してきたんでしょうか?次回は、宮さんが経験してきたトラブル対処についてお聞きしたいと思います。(取材・文/猿渡彩乃)

【後編】「今後の不動産投資は、新築分譲マンションの売れ残りが狙い目!」はこちら

宮光男さんプロフィール
副業として、不動産投資を10年ほど前にスタート。8世帯のアパート1棟と、ファミリー向け区分マンション2戸、戸建て1棟を所有。徹底した安値での不動産購入をモットーとする。

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