金利上昇でも東京の中古マンション成約価格が上がり続けている理由とは? 神奈川・埼玉・千葉では、より価格の安い築古シフトが鮮明に!

2026年4月22日公開(2026年4月22日更新)
福嶋真司:マンションリサーチ株式会社 不動産データ分析責任者

金利が上がっても、東京都の中古マンション成約価格は上がり続けている、と不動産データ分析の専門家である福嶋真司氏。一方、周辺3県(神奈川・埼玉・千葉)では、価格が横ばいから微減し始めたといいます。この変化には、どんな背景があるのでしょうか。YouTubeチャンネル「福嶋総研 マンションリサーチ公式」で、さまざまなデータを分析しながら解説した内容を記事化してお伝えします

金利より「所得」が、不動産価格に影響を与える

 政策金利が上がっていく中、これから不動産価格は落ちてくるのか、という質問をよくいただきます。ニュースでも金利上昇の話題は絶えませんが、不動産価格の動向を読むうえで金利より影響を与えるのが所得です。

 極論を言えば、金利が上がっても、それ以上に給与が伸びていれば、不動産価格は下げづらいまま推移します。なので、金利の推移だけでなく、所得の動向について抑えていくことが重要です。

日本全国インフレ率(消費者物価指数総合の前年同月比)の推移(データ出典:総務省統計局「2020年基準消費者物価指数)

 所得の構造を読み解くうえで重要なのが、消費者物価指数の動きです。前年の物価と比べて現在の物価がどれだけ変わったかを示す指標で、ガソリン代や日用品など生活に密着した品目をもとに算出されますいわゆるインフレ率ですね。2024年12月のインフレ率は3.6%、これは1年前の12月より3.6%物価が上がったことを意味します。このグラフは一見上下していますが、プラスである限り、物価が上昇し続けているということになります。

実質賃金の推移
昨今の実質賃金は、マイナスが続いている(データ出典:毎月勤労統計調査)

 さらに、実質賃金の推移について見ていきましょう。ややこしいのですが、実質賃金とは、名目賃金(勤務先から受け取る額面の給与)とは異なり、その給与で実際にどれだけの生活ができるかを表します。

 たとえば、月給30万円で月4回外食、毎月5万円貯蓄している人が、翌年、月給31万円に上がっても、物価がそれ以上に上昇して、外食が月2回、貯金額が月2万円に減ったのなら、実質賃金は下がっているということになります。

 いま日本はまさにその状態で、データ上でも実質賃金が下がっている、つまり物価の上昇に賃金の伸びが追いついておらず、暮らしぶりに余裕がなくなっています。これは、本来であれば、不動産価格を下げる要因になります。

 さらに、住宅ローンの金利も変動・固定を問わず上昇しており、高騰した不動産価格が調整局面に入ってもおかしくありません。ところが、統計データを見ると、地域によって物件価格の動きが大きく異なっています。

東京の中古マンション成約価格が上がり続けている背景

東京と周辺三県の中古マンション成約坪単価を比べると、違いが一目瞭然(マンションリサーチ作成)

 一都三県の中古マンション成約坪単価の推移を見ていきましょう。東京都では、2024年7月の政策金利引き上げ以降も、中古マンションの成約単価が上昇し続けているのが分かります。東京は、実需だけでなく富裕層による投資・投機目的の買い手が混在する特有の市場で、こうした富裕層が需要を支えています。

 一方、神奈川・埼玉・千葉の東京周辺3県では、2024年4月ごろから中古マンション成約単価が横ばい、もしくは微減に転じ始めました。10年以上続いた右肩上がりのトレンドに、はっきりした変化の兆しが出ています。実需層が強いこの3県では、実質賃金の低下と金利の上昇による影響が出ていると考えられます。

 それぞれのエリアについて、さらに詳しく見ていきましょう。東京都の場合、都内の1億5000万円以上の高額マンションは、2024年7月を境に販売期間が長期化し、値下げの回数も増えています。

 この価格帯は、投資目的の富裕層も混在しているため、価格が高騰しパワーカップルや高所得層など実需層が手を出せなくなり、売れ行きが悪くなったと推測できます。

 一方、1億5000万円未満のマンションの売れ行きは上がっています。もともと上の価格帯を検討していた実需層が一段低いこの価格帯に流れ込み、需要母数をさらに押し上げています。東京では、実需層・投資層ともに需要が健在であることから、いまだマンション成約価格が上がっているのです。

神奈川・埼玉・千葉では、築20年以内のマンション購入が減っている

神奈川・埼玉・千葉のマンション価格推移
築年別のマンション成約数の推移を見ると、築20年以内の物件の売れ行きが下がっている(マンションリサーチ作成)

 神奈川・埼玉・千葉の3県は、実需層の動きがダイレクトに反映されるエリアで、東京と比較して別の変化が起きています。

 各県の築年帯別の成約数の割合をみてみると、政策金利が0.25%に上がった時期(2025年7月)を境に、2006年以降に建てられた、築20年以内のマンションの成約(グラフの青い線)が減っているのが見て取れます。一方、1983年~2005年築(オレンジの線)の成約は増えてきています。

 実質賃金が下がる、金利が上がる中で、実需層はより安く購入できる築古マンションにシフトしているのが分かります。築年の浅い高い物件が売れにくくなった分、この3県全体の平均価格が横ばい(または微減)になっていると考えられます。

エリアの物件価格上昇と所得が乖離していないか

 2026年以降は、実質賃金はプラスになる可能性が高いとみられています。実質賃金の上昇が金利を上回るようになれば、物件価格は下がりにくい構造になります。

 ただし、注意すべき点があります。物件価格の上昇が、所得上昇を大きく上回るエリアは、慎重にみるべきだということです。所得が追いつかないほど価格が高い場所は、やがて売れなくなっていきます。

 不動産購入を検討する際、好きなエリアで探すというのもひとつですが、その地域の物件価格が支払い能力と乖離していないかを見極めることが何より大事になります。市場全体を一括りにせず、価格と所得という視点が今後の不動産マーケットを考えるうえでも重要になるでしょう。

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【最新動画】東京都心部の高級マンション価格に停滞感!2026年四半期を振り返り

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