【東京都中古マンション価格推移】都心3区は成約価格が過去1年で最低に! 売り手と買い手の価格差が拡大【完全版】

【東京都中古マンション価格推移】都心3区は成約価格が過去1年で最低に! 売り手と買い手の価格差が拡大【完全版】<br />
2026年6月16日公開(2026年6月16日更新)
服部盛昭:株式会社R-Scope 不動産ライター

2026年5月度の東京都中古マンション市場は、エリアによって温度差が鮮明に出た月となった。都心3区では成約価格が前年同月比20.3%減と急落し、過去1年間で最も低い水準を記録した。一方、城南・城西では成約件数が大きく落ち込みながらも高値成約が続き、多摩地区は6エリア唯一の成約件数プラスを維持するなど、エリアごとの需給構造の違いが際立っている。
※本記事のグラフ、データは東日本不動産流通機構「月例速報マーケットウォッチ」をもとに編集部が作成。(画像出典:PIXTA)

東京都の中古マンション価格推移の概要

 本記事で用いる2つの価格の意味を整理しておこう。「売出価格」(新規登録価格)とは、売主が希望する価格だ。一方「成約価格」は買い手がついて実際に契約が成立した価格を指す。この2つの価格の差が大きいほど、売り手と買い手の認識のズレが大きいことを意味する。

 5月の大きな特徴は、首都圏全体で成約㎡単価が73カ月ぶり(約6年ぶり)に前年割れした点だ。首都圏全体で見ると、成約㎡単価は80.78万円/㎡で前年比-3.9%と2020年4月以来はじめての下落となった。東京都内のエリア別に分解すると、都心3区の失速が全体を押し下げている構図が浮かび上がる。

 城北・多摩は成約価格が売出価格を上回る「売り手優位」の局面にある一方、都心3区・城東では売出価格と成約価格の乖離が拡大している。「価格が下がったから買い手が動く」のではなく、「価格に見合う物件だけが選ばれる」という買い手の選別眼が、エリアによって異なる顔を市場に与えている。

都心3区 成約価格が過去1年で最低水準に。売出価格との差は約8000万円に拡大

東京都心3区 マンション価格推移成約価格売出価格9000万円1億円1億1000万円1億2000万円1億3000万円1億4000万円1億5000万円1億6000万円1億7000万円1億8000万円1億9000万円2億円2億1000万円2億2000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 千代田区・中央区・港区の都心3区は、5月の成約価格が1億1723万円(前年同月比-20.3%、前月比-15.8%)となった。4月の1億3930万円から約2200万円の急落で、成約㎡単価も220.34万円/㎡(前年比-8.5%)と下落した。成約件数は198件(前年比-25.8%)と5カ月連続の前年比減少だ。

 成約価格1億1723万円は過去13カ月間で最も低い。2025年5月(1億4708万円)を起点に直近13カ月の成約価格を追うと、1億2000万〜1億4000万円台での推移が続いていたが、5月は初めてその水準を割り込んだ。直近でも1月は1億4871万円、2月は1億3354万円、3月は1億3829万円、4月は1億3930万円と推移していたなかで、5月の急落は突出している。

 こうした状況で広がっているのが、売り手と買い手の価格認識のズレだ。5月の売出価格は1億9705万円で、成約価格1億1723万円との差(ワニの口)は実に約8000万円に達する。在庫件数も4553件(前年比+43.7%)と6エリア最大の増加率だ。

 これまで続いてきた「高値での売り出し→売れ残り→在庫化」のサイクルが今月ついに成約価格の大幅下落という形で表面化したと考えることもできる。4月まで成約価格は前年比プラスを維持してきたが、価格相応の物件を厳選する取引が増えた結果、成約できる物件が絞り込まれ、平均的な成約価格が押し下げられた可能性がある。

 もっとも、成約物件の平均築年数は25.68年と、4月20.60年から約5年古くなっており、「価格そのものが下がった」というより「相対的に価格が低い築古物件の成約に占める割合が増えた」とも読める。いずれにせよ、都心3区の市場は今、これまでとは異なるフェーズへと踏み込んでいる。

所有する不動産、いくらで売れる?

 不動産を売却するなら、まずは「不動産一括査定」で売却価格の目安を知ろう。下の項目を選択して「無料査定スタート」を押せば、簡単に査定依頼が可能。無料で最大6社の査定額を受け取れるので、ぜひ活用してみよう(サービス提供:リビンマッチ)。

城東地区 成約価格は前月比で微減。成約件数は2カ月連続減少で、コンパクト物件への需要シフトが鮮明に

東京東部(城東地区) マンション価格推移成約価格売出価格4000万円5000万円6000万円7000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 台東区・江東区・江戸川区・墨田区・葛飾区・足立区・荒川区の城東地区は、5月の成約価格が5639万円(前年比-1.2%、前月比-0.9%)、成約㎡単価は99.98万円/㎡(前年比+5.3%、前月比-0.8%)と、前月比で僅かに下落している。

 成約件数も3月615件→4月439件→5月399件(前年比-19.2%、前月比-9.1%)と2カ月連続で減少している。

 ポイントとなるのが物件の専有面積の変化だ。成約物件の平均専有面積は3月60.04㎡→4月56.43㎡→5月56.41㎡と縮小傾向が続いている。㎡単価が下がりながらも成約価格がほぼ同水準にとどまっているのは、広めのファミリータイプの価格上昇を受け、買い手がよりコンパクトな物件へシフトしている結果とみられる。実際、在庫物件の平均専有面積は3月51.99㎡→4月52.71㎡→5月53.16㎡と増加しており、広めの物件ほど売れ残っているという仮説とも符合する。

 売出価格は5930万円で、成約価格5639万円との差は約291万円と他エリアと比べると乖離は小さい。「予算の上限に合わせて物件のサイズを選ぶ」という買い手の現実的な動きが、城東市場の取引を支えているとも読めそうだ。

城南地区 成約件数が急減する中、成約価格は落ち込みから回復。需要にあった物件だけが高値成約

東京南部(城南地区) マンション価格推移成約価格売出価格4000万円5000万円6000万円7000万円8000万円9000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 品川区・大田区・目黒区・世田谷区の城南地区は、5月の成約価格が7454万円(前年比+17.4%、前月比+3.7%)となり、4月の落ち込みから持ち直している。一方で成約件数は306件(前年比-27.8%、前月比-16.0%)と、3月488件→4月364件→5月306件と減少しており、成約できる物件は減っているが、成約した物件の価格は上がっているという構図が鮮明になっている。

 城南地区でとりわけ目を引くのが売出価格と成約価格の関係だ。5月の売出価格は7459万円で、成約価格7454万円との差はわずか5万円。ただしこれをそのまま「売り手の価格設定が市場に合致している」と読むのは早計かもしれない。

 成約件数が落ち込んでいる点と重ね合わせると、むしろ売り出された物件の大半は売れておらず、その中でたまたま価格帯が需要と合致した一部だけが成約している状況とも解釈できる。市場が健全になっているのではなく、買い手が相当厳しく物件を絞り込んでいることの裏返しである可能性がある。

 成約件数の減少が継続する中で、いつ価格に影響が現れるかが注目ポイントだ。

城北地区 成約価格が売出価格を上回る逆転現象が続くも前月比では下落

東京北部(城北地区) マンション価格推移成約価格売出価格3000万円4000万円5000万円6000万円7000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 文京区・豊島区・北区・板橋区・練馬区の城北地区は、5月の成約価格が5701万円(前年比+6.8%、前月比-5.1%)となった。前年比ではプラスを維持しているが、前月比では下落している。

 城北地区では、成約価格と売出価格の逆転現象が続いている。5月の売出価格5367万円に対し、成約価格はこれを約334万円上回る。「売り出されている物件より高い価格帯の物件が成約している」状態であり、成約件数が前年比-5.2%と減少している中でも、条件の良い高価格帯物件に需要が集中しているようだ。

 一方で在庫件数は4006件(前年比+12.1%)と増加ペースが加速しており、新規登録件数も前月比で+2.8%と供給は積み上がっている。相対的な割安感が注目されてきた城北だが、成約価格の急伸によってそのイメージは薄れつつある。前月比での落ち込みが一時的な動きか、価格上昇の「踊り場」の始まりかは今後数カ月のデータで見極める必要がある。

城西地区 売出価格が過去最高の9822万円に。成約価格との差は約1096万円に拡大

東京西部(城西地区) マンション価格推移成約価格売出価格5000万円6000万円7000万円8000万円9000万円1億円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 新宿区・渋谷区・杉並区・中野区の城西地区は、5月の成約価格が8726万円(前年比+5.6%、前月比+4.4%)となった。前月比でのプラスは6エリアの中で城西だけであり、成約件数は258件(前年比-6.5%、前月比-6.5%)と減少が続いているが、落ち込みペースは6エリア中最も小さく、高い価格水準でも取引が途切れていない。

 その一方で、売り手サイドの動きは別の様相を呈している。売出価格は9822万円とこれまでの集計期間中で最も高い水準に達しており、昨年5月の7904万円から1年間で約1900万円積み上がった計算だ。成約価格8726万円との差は1096万円と、買い手が実際に成約できる価格帯と売り手の希望価格の乖離が広がっている。さらに在庫の売出㎡単価が200.26万円/㎡と初めて200万円を超えた。在庫として滞留している物件の価格が成約㎡単価を35万円以上も上回っており、高値の物件が売れ残るという構図が進行中だ。

 渋谷・新宿へのアクセスを評価するパワーカップル層の需要に支えられ、成約面では価格・件数ともに6エリアの中で相対的な底堅さを見せている城西だが、売出価格の高騰と在庫件数4445件(前年比+12.7%)の積み上がりが続けば、いずれ成約価格への下押し圧力につながる可能性は否定できない。

多摩地区 成約価格・件数ともに前月比ほぼ横ばいで安定。成約価格が売出価格を上回る「売り手優位」鮮明

東京都(多摩地区) マンション価格推移成約価格売出価格3000万円4000万円5000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 多摩地区(八王子市・立川市・武蔵野市・調布市など)は、5月の成約価格は3890万円(前年比+5.8%、前月比-0.3%)となった。直近3カ月の推移は3月4013万円→4月3879万円→5月3890万円と、4月から5月にかけてほぼ横ばいで安定しており、都区部のように価格が大きく動く気配はない。

 成約件数も367件(前年比+2.2%、前月比-1.6%)と前月からわずかな減少にとどまっており、前年比では都区部5エリアがすべてマイナスとなる中で唯一の前年比プラスを維持した。

 5月の売出価格は3833万円で、成約価格3890万円がこれを57万円上回った。成約価格が売出価格を超えているエリアは城北と多摩の2エリアだけだ。在庫件数は3365件(前年比-5.4%)と5カ月連続の減少で、供給が絞られる中でも需要が途切れていないことを示している。

 また、成約物件の平均専有面積は67.19㎡と6エリアで最も広い。都心エリアの同額帯の物件と比べて広さで優位に立てることが、ファミリー層を中心とした実需を引きつけている要因だろう。価格水準の上昇が緩やかな分、今後も手が届く範囲で広い住戸を求める層の受け皿として需要を維持できるかが焦点だ。

東京都の中古マンションの価格相場、将来価格は?

 東京都の中古マンションの価格相場や推移だけでなく、将来価格予測まで知りたいなら、「不動産価格データベース」がおすすめだ。「不動産を購入したい」「売却したい」という人にとって参考になるデータなので、下記のエリアから確認してほしい。

所有する不動産、いくらで売れる?

 不動産を売却するなら、まずは「不動産一括査定」で売却価格の目安を知ろう。下の項目を選択して「無料査定スタート」を押せば、簡単に査定依頼が可能。無料で最大6社の査定額を受け取れるので、ぜひ活用してみよう(サービス提供:リビンマッチ)。

次のページ

2026年3月の記事はこちら

中古マンションランキングINDEX
おすすめ記事はこちら 
【購入】中古マンションを選ぶ際の注意点
【購入】物件見学時のポイント
【購入】登記簿に関する注意点
【売却】不動産一括査定サイト33社比較
【売却】マンションを高く売る方法
【売却】マンション売却の税金
マンション売却におすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら↓
◆SUUMO(スーモ)売却査定
特徴 圧倒的な知名度を誇るSUUMOによる一括査定サービス
・主要大手不動産会社から地元に強い不動産会社まで2000社以上が登録
電話番号の登録は任意なのでしつこい営業電話を避けられる
対応物件 マンション、戸建て、土地
紹介会社数 10社(主要一括査定サイトで最多)
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証プライム子会社)
>>SUUMO(スーモ)の詳細記事はこちら
SUUMO(スーモ)無料査定はこちら >>
◆HOME4U(ホームフォーユー)
home4u
特徴 悪質な不動産会社はパトロールにより排除している
・20年以上の運営歴があり信頼性が高い
・2500社以上の提携会社から最大6社の査定が無料で受け取れる
対応物件 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
紹介会社数 最大6社
運営会社 NTTデータ・ウィズ(東証プライム子会社)
>>HOME4Uの詳細記事はこちら
HOME4U無料査定はこちら >>
◆ズバット不動産売却
特徴 厳選した不動産会社のみと提携
比較サイト運営歴20年以上の会社が運営
・情報セキュリティマネジメントシステムの国際認証基準である「ISO27001」の認証を取得しており安心感あり
対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟ビル
紹介会社数 最大6社
運営会社 ウェブクルー
ズバット不動産売却無料査定はこちら >>
◆イエウール
特徴

掲載企業一覧を掲載、各社のアピールポイントも閲覧可能
2600社以上の不動産会社と提携
・対応可能な不動産の種類が多い

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
紹介会社数 最大6社
運営会社 Speee
>>イエウールの詳細記事はこちら
イエウール無料査定はこちら >>
◆LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)
特徴

日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営
4900社以上の不動産会社と提携
匿名査定も可能で安心

対応物件 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
紹介会社数 最大6社
運営会社 LIFULL(東証プライム)
>>LIFULL HOME'Sの詳細記事はこちら
LIFULL HOME'S無料査定はこちら >>
◆マンションナビ
特徴

マンションの売却に特化
・賃貸用の査定も可能
・2500社の不動産会社と提携

対応物件 マンション
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
運営会社 マンションリサーチ
>>マンションナビの詳細記事はこちら
マンションナビ無料査定はこちら >>
◆いえカツLIFE
特徴

・対応可能な不動産の種類がトップクラス

共有持ち分でも相談可能
訳あり物件(再建築不可物件、借地権、底地権など)の査定も対応

対応物件 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・マンション・ビル、投資マンション、区分所有ビル(1室)、店舗、工場、倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
運営会社 サムライ・アドウェイズ(上場子会社)
>>いえカツLIFEの詳細記事はこちら
いえカツLIFE無料査定はこちら >>

 

一括査定サイトと合わせて
利用したい査定サイト

◆「SREリアルティ」不動産査定
特徴 ・片手仲介なので、両手仲介・囲い込みを行わない
・東証プライム上場企業のソニーグループの関連会社が運営
・売却専門の担当者がマンツーマンで高値売却をサポート
対応物件 マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、収益用不動産
対応エリア 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府
運営会社 SREホールディングス株式会社
>>SRE不動産の詳細記事はこちら
60秒で簡単入力!「囲い込み」を行わない不動産会社
◆中古マンション相場と10年後の価格を予想!【不動産価格データベース】 
TOP