東京都の中古マンション価格は、2024年以降も全般的に上昇基調が続いている。都心3区では成約価格が1億円台を超える一方、多摩地区では3000万円台と、エリアによって価格帯に大きな開きがある。本稿では、東京都を6エリアに分けて最新の価格推移をグラフで解説する。
※本記事のグラフ、データは東日本不動産流通機構「月例速報マーケットウォッチ」をもとに編集部が作成。(画像出典:PIXTA)
東京都の中古マンション価格推移の概要
まず、本記事で使うふたつの価格の意味を整理しておきたい。「売出価格」(新規登録価格)は売主が「この値段で売りたい」と市場に出した希望価格にあたる。一方、「成約価格」は実際に買い手がついて契約が成立した取引価格だ。
不動産売買は値引き交渉を経るため「売出価格 > 成約価格」となることが一般的だが、データを見ると、都心3区・城西を除く4エリアで成約価格が売出価格を上回るという現象が起きており、これについては各エリアで理由を考えてみたい。
東京都全体の2026年2月の動向を見ると、売出価格は前年比で大きく上昇している一方、前月比では下落しており、高値圏で一服感が出てきた。都心や城西では上昇の勢いが鈍化する一方、城東エリアでは価格上昇が続いており、市場は「一律に上昇する局面」から「エリアごとに需給が分かれる局面」へ移行しつつある。
このような環境では、平均価格だけで相場を判断するのではなく、エリアごとの需給や価格帯の違いを踏まえた見極めが重要になる。
都心3区は高値維持も、2月は一服感が鮮明に
千代田区・中央区・港区の都心3区は、2026年2月の成約価格が1億3354万円(前年比+11.9%)と都内最高水準を維持している。前年同月比では1割超の上昇が続いているが、前月比は-10.2%と大幅に下落した。1月の急騰からの反動だ。売出価格も前月の2億1427万円から2億554万円(前月比-4.1%)に下がっており、高値圏で一息ついた格好となっている。
このエリアで際立つのが在庫の動きだ。2月末時点の在庫は4,019件と前年比+38.0%という、6エリアのなかで突出した増加率だ。成約件数が前年比-6.2%と減っているなかで在庫だけが急増しているのは、売りたい人は増えているが買い手が追いつかなくなっている状態を示している。売出価格の前年比上昇率(+23.6%)が成約価格の前年比(+11.9%)のおよそ2倍に達している点も、売主が強気な価格を出しているが、市場全体では受け入れられていない物件が積み上がりつつあるようだ。
都心での再開発や商業施設の稼働(日本橋一丁目中地区の2026年3月竣工、高輪ゲートウェイシティの2026年春グランドオープン)は引き続き売主の価格設定の後ろ盾になっているが、買い手の経済的な上限も見え始めている。
城東エリアは唯一の上昇継続。今後も安定上昇傾向
台東区・江東区・江戸川区・墨田区・葛飾区・足立区・荒川区の城東地区は、2月に前年比・前月比ともにプラスとなった唯一のエリアだ。成約価格は6405万円で前年比+16.7%、前月比も+4.1%と力強い上昇が続いている。
特筆すべきは価格上昇の内容だ。売出価格の前年比上昇率(+19.6%)と成約価格(+16.7%)の差は約3ポイントで、6エリアのなかで最も小さい。売り出した価格に近い水準で実際に取引が成立しているということで、需給の実態が価格を支えていることを示している。
また、成約物件の平均専有面積は60.9㎡で売出物件53.0㎡より約8㎡広い。都心3区では1億円超が当たり前になるなか、城東エリアでは6000万円台で60㎡超のファミリー向け物件を探す子育て世代の流入が価格を押し上げていると考えられる。売主にとっては、広めの2LDK・3LDK物件は強気の価格設定でも反応が得やすいエリアといえる。
また、在庫件数は前年比-1.8%とわずかに減少している。他のエリアが在庫増加傾向にある中で在庫が減っているのは、出てきた物件が確実に消化されているということで、需給の引き締まりが価格上昇を支えている。
城南エリアは高値圏を維持も、「選ばれる市場」へ
品川区・大田区・目黒区・世田谷区の城南地区の2月成約価格は7478万円(前年比+11.2%、前月比+2.8%)と高水準を維持している。
このエリアで着目したいのは売出価格と成約価格の築年数の差の小ささだ。売出物件の平均築年数31.1年に対し、成約物件は30.6年と差がわずか0.5年しかない。他エリアでは2〜6年の差があることと比べると際立っている。
世田谷・目黒・品川のブランド力が効いており、築30年超の物件でも問題なく取引が成立している。売主にとっては「古くても立地で売れるエリア」だが、それはあくまで適正価格が前提だ。売出価格の前年比上昇率(+24.5%)が成約価格(+11.2%)の2倍以上に達している点は、強気すぎる売り出しが増えていることを示しており、適正水準を外した物件は動きにくくなってきた。成約件数が前年比-8.0%と2ヶ月連続で減っているのも、そうした状況を反映している。
城北エリアは上昇基調を維持しつつ、高物件が優先的に成約
文京区・豊島区・北区・板橋区・練馬区の城北地区は、2月成約価格6197万円(前年比+17.5%、前月比+5.4%)と、6エリアのなかで前年比上昇率トップクラスの勢いを見せている。
6エリアのなかで、2月に成約件数が前年比プラスになったのは城北地区(+2.3%)と城西地区のみだ。ただし在庫件数は前年比+5.8%と増加しており、売れてはいるが出てくる物件も増えている。売出価格の前年比上昇率(+16.5%)と成約価格(+17.5%)がほぼ拮抗している点は、他エリアで見られる売主の強気が先行して乖離が広がる現象が起きていないということで、市場として健全な価格形成が続いているエリアといえる。
一方でデータから読み取れる課題もある。売出物件の平均専有面積が47.2㎡と6エリア中で最も小さく、成約物件の57.7㎡と10㎡以上の差がある。1980〜90年代に供給されたワンルーム・1LDK系の在庫が多く残っており、実需のファミリー層は広めの物件を選んでいる。小ぶりな単身向け物件は買い手が限られるため、この層の売主ほど価格設定を慎重に考える必要がある。
ただし、エリア全体で見れば、池袋駅東側の再開発や文京区の教育環境の高評価が需要を下支えしており、当面は安定した上昇が続きそうだ。
城西エリアは都心に次ぐ高水準、成約価格も底堅く推移
新宿区・渋谷区・杉並区・中野区の城西地区は、成約価格8369万円(前年比+18.6%)と都心3区に次ぐ高水準を維持している。ただし前月比は-3.1%と下落しており、高値圏での調整局面に差し掛かっている。
成約㎡単価は155.70万円で、6エリアのなかで都心3区(232.9万円)に次ぐ水準だ。都心3区は富裕層・投資向けのコンパクト高単価物件が主体だが、城西の場合は渋谷・新宿というブランドと再開発効果が掛け合わさった結果で、用途の広い住戸でも高単価が維持されている。
ただし、在庫件数が前年比+9.9%と増加しており、都心3区同様に売出が増える一方で消化が追いつかない傾向がうかがえる。
売出価格(9381万円)と成約価格(8369万円)の差は約1000万円あり、売出価格から一定の値下げ交渉が入るのが常態化している。売主は「9000万円台で出して、8000万円台後半で決める」という想定を織り込んだ価格設定が現実的なようだ。
多摩地区は緩やかな上昇。崩れない安定市場
八王子市・立川市・武蔵野市・調布市などを含む多摩地区は、成約価格4066万円(前年比+13.5%、前月比+3.2%)と6エリアのなかで最も手頃な価格帯での緩やかな上昇が続いている。
在庫件数は前年比-9.1%と、6エリア中で最大の減少幅だった。都心3区の在庫が前年比+38%、城西が同+10%と積み上がっているのとは対照的に、多摩では出てきた物件が着実に取引されている。売出価格の前年比上昇率(+13.9%)と成約価格(+13.5%)がほぼ一致しており、売主の強気が先行して乖離が広がる現象も起きていない。実際の取引価格に沿って売出価格が形成されているという点で、市場として最も素直な動きをしているエリアといえるだろう。
築年数については、売出32.1年に対し成約26.9年と5年以上の差がある。1980〜90年代に大量供給された多摩ニュータウン系の築古物件が売りに出ても決まりにくく、比較的新しい武蔵野市・三鷹市・立川市の物件から順番に売れていくといった構図が読み取れる。吉祥寺・立川エリアへの都心からの移住需要は安定して続いており、急騰はないが下落もしにくい市場構造が当面維持されそうだ。
東京都の中古マンションの価格相場、将来価格は?
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東京そのほか
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