金利上昇の住宅ローン負担増で高所得パワーカップルでも限界!?  最新データで分かった湾岸マンション市場の異変!

2026年2月25日公開(2026年2月25日更新)
福嶋真司:マンションリサーチ株式会社 不動産データ分析責任者

日本でも政策金利の上昇により「金利のある時代」が本格的に到来しました。東京都心の不動産市場は依然として活況を呈していますが、実は湾岸エリアにはこれまでにない変化が起きています。マンションリサーチ株式会社不動産データ分析責任者の福嶋真司氏が、YouTubeチャンネル「福嶋総研 マンションリサーチ公式」で、最新データが示すマンション市場の転換点について解説しました(※本文で出てくるデータは、マンションリサーチ独自のデータを使用しています)。

「金利のある時代」で変わる不動産売買のリアル

 昨年末、日本の政策金利は0.75%にまで上昇しました。この動きを受け、私たちは今、日本でも「金利のある時代」が到来したことを深く意識せざるを得ない局面に立たされています。もともと2024年の中盤、具体的には10月あたりから政策金利が0.25%に引き上げられ、そこを起点として金利が段階的に上がってきているという実態があります。

 こうした金融政策の変化が、実際の不動産売買に対してどのような影響を及ぼしているのでしょうか。今回は、マーケットの動向を探るべく詳細な調査を行いました。その結果、非常に興味深い事実が浮かび上がってきたため、皆さんに共有したいと思います。

 通常、マンション市場の活況を判断する際には「成約価格」の推移に注目が集まりがちです。しかし、今回はあえて「中古マンションの値下げ回数」「販売期間」という、より現場の熱量を反映する指標を元にお話しさせていただきます。

 この「販売期間」と「値下げ回数」が何を意味するのか、少し整理しておきましょう。物件を売り出した際、成約に至るまでに何回価格を下げ、そして何日を要したのかというデータです。

 つまり、販売日数が短く値下げ回数も少ない状態であれば、価格を据え置いたまま短期間で買い手が見つかったことを示し、「売れやすい状態」にあると言えます。対照的に、販売期間が長期化し、何度も値下げを繰り返しているようであれば、それは「売れづらい状態」に陥っていることを意味するのです。

首都圏では東京以外で不動産の売れ行きに陰りが出てきている

一都三県のマンションの「売れやすさ」を比較

 まずは、首都圏全体の傾向を俯瞰してみましょう。東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の販売期間と値下げ回数を確認したところ、極めて対照的な動きが見て取れました。

 端的に申し上げますと、東京以外のエリアについては、どの地域も販売期間が延びているか、あるいは値下げ回数が増加、もしくは横ばいの状態にあります。このデータから言えるのは、一都三県の中でも東京を除くエリアでは、やや物件が売りづらい状況になりつつあるということです。

 その一方で、東京都に目を向けると、驚くべきことに販売期間も値下げ回数も、いずれも減少傾向にあります。不動産価格自体は上昇を続けているにもかかわらず、依然として中古マンションが非常に売れやすいマーケットが維持されているのです。

 東京の底堅さが際立つ結果となりましたが、ここで一つ、注意深く見守らなければならないエリアが存在します。それが、今回の本題である「湾岸エリア」です。

湾岸エリアに忍び寄る中古マンション市場の異変とは?

金利が上がり始めてから、湾岸エリアの中古マンションの売れ行きが鈍くなっている

 湾岸エリアの中古マンション市場における販売期間と値下げ回数の推移を詳しく見ていくと、ある時期を境に明確な変化が生じています。

 実は2024年の中盤頃までは、このエリアでも販売期間と値下げ回数はともに減少しており、極めて売れやすいコンディションが続いていました。ところが、2024年9月以降、状況は一変します。政策金利が0.25%となり「金利のある時代」という言葉が現実味を帯び始めた時期と重なるように、販売期間も値下げ回数も上昇に転じているのです。

 この時期はまさに住宅ローン金利が上昇し始めたタイミングであり、そこから湾岸エリアの物件が急激に売りづらくなってきたという実態が見て取れます。

 さらに分析を深めるため、湾岸エリアを二つのグループに分けて考察してみましょう。一つは中央区に位置する「月島」「晴海」「勝どき」のエリア、もう一つは江東区の「有明」「豊洲」「東雲」のエリアです。この2つを比較すると、さらに示唆に富む違いが現れました。

 全体的なトレンドとしては2024年の中盤まで売りやすい時期が続いていたことに変わりはありません。しかし、中央区に該当する「月島」「晴海」「勝どき」に関しては、販売期間も値下げ回数も現在に至るまで上昇を続けており、どんどん売りづらい状況が深刻化しています。

 一方、江東区の「有明」「豊洲」「東雲」エリアについては、2024年の中盤以降に一度上昇したものの、現在は横ばいの状態で踏みとどまっています。売れ方が一定の状態で保たれている江東区側に対し、中央区側ではより顕著な鈍化が見られるのです。

中央区側の湾岸マンション高騰で異常事態に

湾岸エリアとそれ以外の区で成約坪単価が大きく異なっている

 では、なぜ東京全体では好調が続いているのに、湾岸エリア、特に中央区側でこのような事態が起きているのでしょうか。その謎を解く鍵は、成約価格の差にあります。

 東京23区全体と湾岸エリアの価格推移を比較すると、どちらも上昇傾向にあるものの、湾岸エリアの価格の跳ね上がり方は極端なものとなっています。ここで重要になるのが、購入層の属性です。

 中古マンションの需要を支える最大の層は、実際にその物件に住む実需層、特に給与所得者の方々です。23区全体で見れば、依然として高年収の給与所得者が買い支えており、今後さらなる金利上昇が見込まれる中での「駆け込み需要」も働いていると考えられます。彼らにとって、多少の金利負担増はまだ許容範囲内なのでしょう。

 しかし、湾岸エリアはもはや別次元のフェーズに入っています。価格が上がりすぎた結果、金利上昇に伴う住宅ローンの返済負担があまりにも重くなっているのです。

 具体的な数字を挙げれば、わずか50㎡程度の広さであっても、価格が1億2000万円から1億3000万円を超えてしまうような異常事態です。これではファミリーで住むには手狭でありながら、住宅ローンの負担だけが重くのしかかるという、住環境としての快適性が著しく損なわれた状態だと言わざるを得ません。

 湾岸エリアはもともと「パワーカップル」と呼ばれる高所得世帯に人気の高いエリアでした。しかし、現在の価格帯は、そのパワーカップルですら維持や購入が困難なレベルにまで達しています。

価格高騰で訪れたパワーカップルや高所得者層の限界

 今回のデータが示しているのは、現在の高所得者が負担できる「限界値」が、まさに湾岸エリアにおいて露呈し始めているという事実です。少なくとも今のパワーカップルや高所得層の方々にとって、現在の湾岸エリア以上の価格水準で物件を購入し、住み続けることは、数字の上でそろそろ厳しくなっていると言えるでしょう。

 中央区の湾岸エリアと江東区の湾岸エリアで明暗が分かれたのも、まったく同じ構造によるものです。もともと価格が極めて高騰していた中央区(月島・晴海・勝どき)の湾岸エリアに対し、比較的なだらかだった江東区側(有明・豊洲・東雲)という構図があり、価格が上がりすぎた中央区側では高所得層ですら手が出せなくなっているのが現状なのです。

 金利の上昇は、単なるコスト増に留まらず、これまで膨らみ続けてきた不動産価格の「天井」を可視化させる役割を果たしました。今後のマンション選びにおいては、この「限界値」を念頭に置き、より慎重な判断が求められることになるでしょう。

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【動画で解説】データで読み解く湾岸マンションの異様な価格高騰と高所得層の限界

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※ユーザー満足度は、ダイヤモンド不動産研究所が独自にアンケート調査した結果をもとに算定。詳しい記事はこちら

 

不動産投資クラウドファンディング6社を比較

サービス名

COZUCHI
CREAL(クリアル)
TSON FUNDING
TECROWDテクラウド
リンプルrimple
ownersbookオーナーズブック
URL

COZUCHI

CREAL(クリアル) TSON FUNDING TECROWD(テクラウド) Rimple(リンプル) OwnersBook
ポイント

・募集件数と口数が多く、初心者でも投資しやすい

・累計投資額1260億円超と運用実績が豊富

実績平均年利回り21.5%
(四半期レポート最新版より)

・東証グロース上場企業が運営し、安定性がある

・新規案件数と口数が多く、応募しやすい

・投資案件に詳細な情報開示を実施

・新規案件数が多い

・対象不動産は戸建てやアパートがメイン

・全期間家賃保証などリスク低減の取り組みがある

・平均実績利回り(償還済み案件)が約10%

・多種多様なファンド案件を運用

・不動産開発によるキャピタルゲイン型案件が多い

・東証プライム上場の子会社が運営

・利回りは低めだが、都心マンションの運用で低リスク

・運用期間は短め(6ヶ月など)が多い

・東証プライム上場の子会社が運営し、運営歴が長い

・貸付型の投資がメイン

・都内や首都圏のマンションやマンション用地が多い

想定利回り 4.4~10%
(直近10件、2026年2月時点)
5.0~6.5%
(直近10件、2026年2月時点)
5.5~6.0%
(直近10件、2026年2月時点)
9.5~12%
(直近10件、2026年2月時点)
2.7~3.3%
(直近10件、2026年2月時点)
4.9~5.1%
(直近10件、2026年2月時点)
最低出資額 1万円 1万円 10万円 10万円 1万円 1万円
投資対象

アパート・マンション、商業施設、オフィス、ホテルなど

アパート・マンション、商業施設、オフィス、保育園、学校、宿泊施設など アパート、戸建て レジデンス、ホテル、バケーションレンタル、福祉施設、ITインフラ施設など マンション マンション、商業ビル(用地含む)
サービス開始 2019年 2018年 2020年 2021年 2020年 2014年

運営会社

LAETORI株式会社 クリアル株式会社 株式会社TSON TECRA株式会社 プロパティエージェント株式会社 ロードスターキャピタル株式会社
公式サイト

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