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憧れのシューズクロークで、失敗しない3つのポイント
注文住宅の間取り①

【第9回】2020年5月26日公開(2020年6月26日更新)
船渡亮

船渡亮(ふなと・あきら、株式会社かえるけんちく代表。一級建築士):

年間コンサル数1000件を誇る家づくりコンサルタント。購読数5000人の無料メールマガジン「かえる家づくり\脱/初心者講座」を配信し、「理想の暮らしを家づくりで実現する!」ための知識をわかりやすく紹介している。また、月間15万PVのブログ「かえるけんちく相談所」を運営し、家事動線、収納、断熱気密や構造、夫婦関係など、家づくりや暮らしについて独自の切り口で解説する。

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注文住宅でシューズクロークを取り入れる施主が増えています。シューズクロークとは、シューズインクローゼットとも呼ばれ、靴を履いたまま入ることができる収納と土間などのスペースのこと。大きなシューズクロークは施主の憧れでもあり、設置することで、玄関回りが綺麗に片付きます。ですが、実際に住んでみると「使いにくい」「あまり使わなくなった」といった声もよく聞きます。ここでは、使いやすいシューズクロークにするための3つのポイントを紹介しましょう。(株式会社かえるけんちく代表・一級建築士 船渡亮)

理想のシューズクロークとは?

 皆さんご存じのとおり、日本のアパートやマンションの玄関は非常に狭いです。通常は廊下と同じ80センチ程の幅しかありませんから、4人家族なら靴やサンダルで収納しきれず溢れてしまいます。履いた靴は下駄箱などにしまわずに出しっぱなしになることが多いからです。さらに子供が小さい場合、ベビーカーや三輪車、外で使うおもちゃが加わります。

 これらの問題を一気に解決するアイテムとして、10年前くらいからシューズクロークを取り入れる方が増え始めました。特に、スペースに比較的余裕のある注文住宅では、本来の玄関と家族用の玄関を分け、家族用の玄関にシューズクロークを設けるケースが多く見られます。ですが、そんなシューズクロークもよく考えずに作ると、使用頻度が減り、無駄なスペースになってしまいます。

 それでは、使いやすいシューズクロークをつくるにはどうしたらよいのでしょうか。3つのポイントがあります。

1.帰宅・外出時の動線を短くする
2.シューズクロークの通路幅を広くする
3.必要な収納量を確保する

1)帰宅・外出時の動線を短くする

 多くの人は、面倒なことが嫌いです。シューズクロークも同様で、「靴を毎回、下駄箱に入れる」という面倒を回避しつつ玄関を綺麗に保ちたい、という発想から生まれています。そのため、シューズクロークを経由し、動線が長くなってしまうと“新たな面倒”が発生し、使いやすさは半減します。チェックすべき動線は3つです。

●帰宅動線

 まず、最も重要なのが帰宅動線です。図1の間取りを見てください。家族は帰宅すると、玄関を経由してシューズクロークに入り靴を脱ぎます。土間を経由しそのまま洗面室で手洗い・うがいした後に、キッチンやリビングに入る流れです。このようにシューズクロークを内玄関として利用すれば、表玄関である玄関ホールは靴やモノが置かれません。

図1)使いやすいシューズクロークの例
来客の動線と家族の動線を分ける

 この間取りは、私が考える使いやすいシューズクロークの3つのポイントを満たしています。そして、この間取りとは違う間取りでも、3つのポイントさえ守れば使いやすくなります。

 一方、下の図2の間取りも図1同様に帰宅動線に手洗いがある間取りですが、こちらは動線に問題があります。

 家族動線が、来客動線がです。これは、家族動線があまりに長く、シューズクロークは使われなくなる可能性が高いです。

 またシューズクロークの入り口(間)は、引き戸など開きっぱなしにできるものにすべきです。理由は、ドアを開けるのも「面倒」の一つだから。買い物袋で両手が塞がっている状態でドアを開けことを面倒だと思った経験は誰でもあると思います。引き戸であれば、普段は開けっ放しにしやすいので、開け閉めのストレスから解放されます。

図2)帰宅動線が長いシューズクロークの例
帰宅動線が長いとシューズクロークを使わなくなるケースが多い

 毎日使う動線は、ストレスがなく最短であることが基本。「疲れてぐったりしている状態でも、自分や家族はシューズクロークを通るだろうか?」という視点で動線チェックすると良いですね。

●外出動線

 外出時の動線を考えてみましょう。外出時は、直前にいる場所によって動線が変わります。ただ、靴が置いてある場所にいく必要があるため、前日の帰宅時にシューズクロークで靴を脱いだのであれば、シューズクロークを通らざるを得ません。そのためどちらにしろ、シューズクロークは通ると言えます。

 ここで重要なのが、玄関ホールからシューズクロークへの動線があるかどうかということ(図1のから)。この動線があればシューズクロークを使うための追加距離を最小限に留めることができます。


●宅急便動線

 最後に宅急便動線です。聞きなれない言葉かもしれませんが、文字通り、宅急便や回覧板の受け取りなど、外出を目的としない場合に玄関を使う場合の動線です。外出動線に近いですが、宅急便の場合、玄関で人を待たせているので早く対応したい、という心理が働きます。その場合でもシューズクロークを使うか、ということを考える必要があります。

 「玄関に何も置きたくない」のであれば、これまで通りシューズクロークを通ることになりますが、玄関にサンダル程度なら置いても構わないのであれば、来客用の動線が最短です。実際問題、図1のように玄関ホールが広い間取りなら、サンダルを置く人は多いはずです。一方、図2のように比較的狭い玄関の場合は、家族分のサンダルが置かれていると、散らかった感じがするかもしれません。

2)シューズクロークの通路幅を広くする

 下の図3の間取りは、私が間取り診断の依頼を受けて、実際に診断をしたY様の玄関廻りの動線です。この間取りは動線的に完璧なシューズクロークです。なぜなら青で示した来客動線も、緑の家族動線も距離は全く同じだからです。また、どちらも③という分岐点を通るので、洗面所とリビングどちらにも同じ距離で移動できます。

図5)Y邸のシューズクローク
来客と家族の動線距離が同じ

 動線の距離が同じであれば、ご家族全員がシューズクロークを使うだろうと思いますよね? そこで入居1年以上たったY様にお聞きしたところ、意外な回答が返ってきました。

 「夫だけはシューズクロークを通っていますが、私と子供は広い方が楽なので、玄関を使っています」

 では、図4を見てください。実はシューズクロークの通路幅は80cm。これはアパートやマンションの玄関と同じ程度の幅です。これに対して、玄関幅は160cmと倍の広さです。奥様がお子さんと一緒に出掛けることが多いのであれば、広い玄関を使った方が楽です。

図4)Y邸の玄関とシューズクロークの幅
玄関幅はシューズクロークの倍

 この「シューズクローク幅が80cmしかない問題」は、ほとんどのシューズクロークで当てはまります。そのため入居後、シューズクロークを通らなければならないといった「家族ルール」を設けてしまうと、シューズクロークの土間は常に靴で溢れ、アパートやマンション時代と同じく散らかった空間を通ることになります。

 玄関は綺麗に保たれますが、来客の頻度はほとんどの家が年に数回、多い人でも月に数回程度です。そのために毎日、不快なシューズクロークを通るのは本末転倒ではないでしょうか。

 必ず家族全員がシューズクロークを通ってほしいなら120cm幅の確保がおすすめです。それが難しい場合は、Y邸のように家族で使い分けることになると考えたほうがよさそうです。

3)必要な収納量を確保する

 収納力のあるシューズクロークにするために必要なのが適切な棚計画です。

 図のように靴は、80cm(800mm)の棚に男性用なら3足、女性・子供用なら4足収納できます。棚の間隔は25cm(250mm)あれば十分です。棚の数が多ければ多いほど収納量を増やすことができますが、住宅会社が作成する図面には、5段程度の棚しか計画されていないことがほとんどです。

靴箱の棚

 下の図を見てください。5段ですと、80cm×2の幅があったとしても、収納できるのは36~48足程度。4人家族の靴の量は、一般に50~60足程度なので若干足りません。また上部の空間が余るので、空間を使いきれず、もったいないですね。

段の数で変わる収納量

 一方、棚を8段設置すると、収納量は54~72足。天井まで空間を使い切ることができます。また傘などを収納するために床部分を空けることもできます。このように、シューズクロークに収納したい靴やモノの量は入居する家族によってさまざまです。

・靴の数(子供が成人した場合を想定)
・靴以外に置きたいモノ

 上記を把握した上で、収納量に合わせた棚計画をするようにしましょう。

住宅全体のバランスを考えることも大切

 使いやすいシューズクロークのポイントについてお話しましたが、最後にお伝えしたいのが、「シューズクロークは必ず必要なわけではない」ということです。例えば、2階建30坪未満の住宅で、シューズクロークを設置すると他の部分の余裕がなくなる場合が多いのです。間取りがしっくりこない場合は、シューズクロークをつくるという前提を見直してみるのも良いかと思います。

 注文住宅の間取りで重要な要素を占める「シューズクローク」。実用的で使いやすく、美しい玄関をつくるためには、是非3つのポイントを意識して、きちんとした計画をたてることをおすすめします。

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