モデルハウスの宿泊体験で失敗しない家づくり！　宿泊時の13のチェックポイントを知っておこう

注文住宅を建てる人の多くは住宅展示場やモデルハウスを訪れて「どのような住まいにするか」「どこのハウスメーカーに依頼するか？」を決めていく。近頃は、モデルハウスでの宿泊体験を通じて、実際の暮らしをシミュレーションし「自分たちに最適な家」を見つける人も増えつつある。そこで、今回は家づくりで後悔しないためのモデルハウスでの宿泊体験の活用術を紹介していく。

注文住宅に関する情報源としての住宅展示場

　注文住宅を建てる人たちは情報をどこで探しているのだろうか。国土交通省 住宅局が毎年発表している「令和5年度住宅市場動向調査報告書」では、回答者の約半数(50.4%)が情報を探すために住宅展示場を訪れていることがわかる。

図表１『施工者・物件を探した方法』

　ただ住宅展示場といっても総合住宅展示場、複合型住宅展示場とさまざまなタイプがある。

トレンド情報を効率的に収集できる総合住宅展示場

　総合住宅展示場では各ハウスメーカーのモデルハウスを一度に体験できる。少なくとも10棟程度のモデルハウスが立っているため構造や工法、最新設備、トレンドを把握することができる。また、営業担当者に直接相談して家づくりの疑問を解消することもできるため、効率的にトレンド情報を収集したい方におすすめだ。

　ただし、床面積150㎡以上で設備グレードが高いモデルハウスが多い。同じ家を建てる場合は1億円以上かかるケースもあるので、併せて予算に見合ったモデルハウスの見学もおすすめしたい。

広さや間取り、暮らしぶりをイメージできる複合型住宅展示場

　最近ではハウスメーカーが単独で展示する複合型住宅展示場が増えている。

　たとえば、大手ハウスメーカーのセキスイハウスの全国各地にある体験型展示場「Tomorrow’s Life Museum」では、子育てファミリーの家「小林さんち。」、アートと暮らす「柴門さんち。」が一度に訪問できるため、広さや間取り、暮らしぶりを参考にしたい方におすすめだ。また、メーカー独自の技術や工法を知ることもできる。

　街角にあるモデルハウスはゴージャスさはない半面、理想の住まいとして検討しやすい。モデルハウスは展示終了後、希望者に売却するため、気になるモデルハウスはチェックしておくとよいだろう。

増えてきている宿泊体験ができるモデルハウス

　住宅展示場のモデルハウスの滞在時間は1時間から2時間ぐらいであり、それも昼間の時間帯に限られる。実際の生活がどうなるかは想像を膨らませるしかなかった。

　しかし、最近では、住宅性能、標準仕様、デザインなど、実際に暮らしてみて快適さを体験したい顧客のニーズに対応するため、宿泊体験できるモデルハウスが増えつつある。

　宿泊者からは「浴室と脱衣所の寒暖差がなくて入浴後も快適だ」「無垢床はフカフカしていて気持ちがよい」など実際の生活がイメージしやすくなると評判だ。

　インターネットで、「モデルハウスの宿泊体験」などのキーワード検索をすると、さまざまなモデルハウスが出てくる。

  たとえば、住宅メーカーのヤマト住建、クレバリーホーム、新昭和ハウジングスクエア、近代ホームなどが宿泊体験会を実施している。また工務店でも宿泊体験会を実施しているところもあるため、ホームページをチェックしてみてほしい。

　大手のハウスメーカーでは、宿泊体験を打ち出しているところは少ないが、本社や展示場に問い合わせれば受け付けているところもある。そのため、気になる会社に問い合わせてみてはどうだろうか。

宿泊体験の申し込み時に気になることを聞いておこう！

　モデルハウス宿泊体験は無料だが、申し込み後に面談が行われる。そこで、宿泊先で用意されているアメニティ、使用禁止の設備（キッチン、床暖房、スマート家電)などの説明がされる。

　この面談は宿泊体験者が気になることを聞けるチャンスだ。

●モデルハウスの設備・仕様は標準仕様なのか

●モデルハウスのこだわりのポイントはどこか

●他メーカーと差が出る部分はどこか

を聞いておくと、宿泊体験時にチェックするポイントが明確になるだろう。

モデルハウス宿泊体験時の13のチェックポイント

　では、モデルハウスの宿泊体験では、どこを見るべきか。

　まずは、断熱性能や遮音性能は確かめておきたい。そのため、宿泊体験は夏や冬がおすすめだ。

　寒い日に宿泊して「床暖房の効果はどうか？」「全館空調は効いているか？」などを各部屋でチェックしておく。断熱性能を知るには、就寝前に暖房を切って、翌朝の室内の温度が快適かを確かめてみることをおすすめしたい。断熱性能・気密性能の高い住まいであれば、翌朝もある程度の暖かさが残っている。実際に、室内気温を測定してみるのもよいだろう。

　また防音性能も。近所に迷惑がかからない範囲で、窓を閉めてテレビのボリュームを上げて、外に音が漏れていないか確認しておくこと。

　性能以外にも、下記の項目をチェックしておくと多くの気づきを得られるだろう。

　モデルハウスでは、部屋を広く見せるために背の低い家具が使われていることが多い。モデルハウスに行くと不慣れな場所で、肝心なところを見落としてしまう可能性もあるので十分に注意しておこう。

　何をどこまで取り入れるかを想定しておかないと、予算オーバーするなど後悔することになる。そのためにも、体験することで本当に必要なものはなにかを見極めておこう。

【関連記事はこちら】
＞＞注文住宅の住宅展示場は、情報収集の段階に応じて使い分けるのが成功の近道！ それぞれのメリットを解説
＞＞住宅展示場見学のコツとチェックポイントとは？ コロナ禍でオンラインのモデルハウス見学も可能！