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丁寧な「要望書」づくりで、注文住宅の間取りを成功させよう!

【第6回】2019年11月12日公開(2022年6月28日更新)
船渡亮:株式会社かえるけんちく 代表・一級建築士

住宅会社を決める前に必ず確認したいのが、「間取り」と「予算」です。特に間取り提案を受ける場合、一度たたき台ができてしまうとそこから大きく変更をするのは難しくなります。そこで必要になるのが「要望書」です。今回は、住宅会社へ間取り提案や見積もりを依頼する場合のポイントを整理します。(株式会社かえるけんちく代表・一級建築士 船渡亮)

間取り提案に不満な施主の2つの共通点

 私は家づくりコンサルタントという仕事柄、毎日、家づくり中の方からご相談を頂きます。中でもトップ3に入るのが、「住宅会社から良い間取り提案がなくて……」というご相談です。

 このような不満を持つ方には、2つの共通点があります。

親戚や知人の工務店に依頼している

 一つは、複数の住宅会社から提案を受けず、1社だけに決めてしまっていることです。建築条件付きの土地や、親戚や知人の工務店に頼む方が、これに該当します。

 どちらも間取りの提案力で住宅会社を決めていないので、満足出来ない場合が多いです。また紹介に頼った受注をしている会社は、提案力を磨く必要がないですからね。

 見積もりや間取り提案を3社以上から受ける場合は、会社や担当者の提案力も考慮して住宅会社を決めているはずなので、このような不満にはなりにくいです。

自分で考えた間取りを渡している

 もう一つは、施主自身が考えた間取りを住宅会社に渡していることです。間取りを渡すと、営業や設計はそれ以上考えることをやめてしまいます。

 なぜなら、間取りを渡すということは、建築会社に最終的な指示をしたのと同じ意味だからです。

 会社組織に置き換えると分かりやすいですね。家づくりにおいて、施主はオーナー社長のようなものです。オーナー社長から、プロジェクトの具体的なプランを提示されたら、部下はそのプランを実現するには、どうすれば良いのか、という思考になります。

 わざわざ時間をかけて代案を検討し、リスク覚悟で、「社長、そのプランはイマイチです。このプランの方が良いですよ」とは、なかなか言えません。

 ビジネスに精通している社長であれば、スタッフの意見を聞かなくてもプロジェクトを成功させることは出来るかもしれませんが、多くの施主は家づくりの素人です。自分が書いた間取りのまま家が建つことに不安を感じます。

 また、設計者は多くの計画を抱えています。先日、ある大手ハウスメーカーの広報担当者と話す機会がありましたが、その会社の設計者は常時10以上の計画を担当しているそうです。

 そのため、早くプラン確定させれば、設計者としての評価が上がりますし、同時に施主からクレームがないことも大事です。

 施主が考えた間取りがある場合、具体的な指示(間取り)があり、その通りにすればクレームにもならないので(少なくとも、指示通りですよと言い訳ができる)、ラクできるオイシイ案件に分類されてしまいます。

 上記から、住宅会社から良い提案を受けるには、複数の会社から提案(相見積もり)を受けること、そして、提案依頼は間取りではなく、言葉で要望を伝えることが重要であることがわかります。

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たたき台の間取りができた時点で方向性は決まっている

 建築会社に家を建てる意志を伝えた時に、まず言われるのが、「無料でたたき台の間取りと見積もりを作りますよ」です。

 「たたき台の間取り」と聞くと、そこから、いかようにも間取りを検討できる、と思いがちですが、そうではありません。「たたき台」とは、素案やアウトライン、概要といった意味なので、詳細は詰めてないけど、コンセプトや方向性は決まっている案のことを言います。

 つまり、たたき台であるファーストプランの提案以降は、それと全く違う案にはなりにくい、ということです。

 前述したように、自分で考えた間取りを渡した場合、たたき台が自分の案になってしまうので、それ以上の発展性はありません。

 ただ、言葉で要望を伝えた場合でも、要望がしっかり住宅会社に伝わらないと、的外れな提案をされることになります。

 そのため、間取り提案を依頼する場合には、家づくりの予算や優先順位、方向性をきめて、「要望書」として紙に印刷したものを提案依頼する住宅会社に渡すことをおすすめいたします。

 その上で、打ち合わせを行い、間取りと見積もり提案をしてもらうようにすれば、精度の高い提案を受けることが出来ます。

間取り依頼の際に重要な「要望書」とは

要望書はできるだけ具体的に書くことが大切だ

 住宅会社に渡す要望書には、以下の4つの項目を記載しましょう。

1.基本事項
□ 施主名
□ 現在の住所と連絡先
□ 家づくりの予算
□ 計画敷地の住所、地番
□ 新居に住む予定の家族構成、仕事、年齢
□ 家族の起床、就寝、出勤、帰宅時間
□ 自動車の台数と車種
□ 自転車、バイクの台数
□ 外構工事の範囲

2.間取りの要望
□ 実現したい暮らし
□ 夫婦の寝室は同室か別室か
□ 宿泊者の頻度
□ 就寝は、布団かベッドか
□ 現在のクローゼットの長さ(新居で必要な長さでも可)
□ 現在の靴の数(新居で必要な靴の数でも可)
□ 持ち込む家具の有無と大きさ(ソファ、ピアノ、テーブル、仏壇など)
□ 持ち込むモノの量
□ 家相や風水を取り入れたいか

 「実現したい暮らし」とは、この家でこんな暮らしがしたいという要望を、箇条書きにしたものです。現時点での優先順位で並べます。ここで重要なのが、全て「行動ベース」にすることです。

例えば、

 「30畳のLDKが欲しい」ではなく、100インチのテレビとアップライトピアノがおけ、家族4人がソファで寛げ、かつ開放感を感じられるLDKにしてほしい。

 「子供部屋は、最低8畳欲しい」ではなく、シングルベッドと1メートルの勉強机、90センチの本棚を配置でき、かつ友達を呼んで遊べる大きさの子供部屋が良い。

 「シューズクロークが欲しい」ではなく、家族の靴が、来客から散らかって見えないように、かつ効率的な帰宅動線にしたい。

 「ファミリークローゼットは必須」ではなく、家族の服の収納や管理がしやすく、家事時短したい。

……という風に、必要な部屋名や畳数ではなく、この家にいる時にしたい行動や得たい感覚、置きたい家具などで、全て表現するようにします。

 設計者としては、部屋名と畳数の希望があった方が設計は楽です。それらをパズルのように組み立てて、「一丁上がり!」で間取りは完成します。ただ、このように出来た間取りは、やたらに無駄な部屋数や廊下が多く、動線も考えられていないものになりがちです。

 また、流行りの「シューズクローク」「ファミリークローゼット」「ランドリールーム」は魅力的に見えるので要望に入れたいと思う方が多いですが、実際に便利かどうかは、家族の暮らし方や生活動線によります。

 行動ベースで要望した場合には、「その要望(行動)が実現可能か?」を、いくつかの可能性を検証しながら間取りを作ってくれるので、設計者の個性が出やすく、様々な提案を受けられます。

 どうしても必要な部屋がある場合は、その部屋が必要な理由も「間取りの要望」に記入するようにしましょう。

 また、家族については、差支えない範囲で、仕事内容や起床、就寝、出勤、帰宅時間などを伝えるようにします。設計者によりますが、例えば、夜勤があり午前中は寝ていることが多い家族の寝室は西側に配置する、といった配慮のある提案をしてくれる場合もあります。

【関連記事】>>注文住宅で間取りを決める前に知っておきたい!失敗しない間取りの基本5つのポイント

3.採用したい仕様
□耐震等級
□モノコック工法
□制振装置
□構造計算
□断熱等級、ZEH、HEAT20等の断熱グレード
□換気空調設備
□床壁天井
□外壁
□住宅設備の商品やメーカーの指定

 同じ間取りでも、仕様によって価格はかなり変わります。こだわりたい仕様がある場合は、それらが標準装備されている会社を選ぶか、グレードや商品を指定するようにしましょう。

 ちなみに、私が家づくり相談を受ける場合に、お勧めしている仕様は、以下になります。

・構造:耐震等級2又は3、モノコック工法
・断熱(標準仕様):断熱等性能等級4
・断熱(吹き抜け、リビング階段):断熱等性能等級4+樹脂サッシ同等品

4.添付書類
□ 敷地測量図(あれば)
□ 公図(あれば)
□ 現住居の間取り図(手書き可)

 「公図」や「敷地測量図」は持っていれば渡してあげましょう。なければ、住宅会社が用意してくれます。ただ敷地を分割して家を建てる場合は、明確に指示する必要があります。

 「現住居の間取り図」は、現状の暮らしを理解した上で提案してもらう方が良いので、住宅会社に渡した方が良いでしょう。実際に、住居を見てもらっても良いですね。

家づくりの予算は5~10%の余裕をもたせて

 「要望書」とともに重要なのが、家づくりの「予算」です。家づくりは、打ち合わせが進むほど、施主も知識が増え、良い仕様にしたいと思うようになります。

 ただ、提案される標準仕様は、最低限の場合が多いので、最初の段階で予算ギリギリだと、後で良いキッチンを入れたいと思っても、諦めざるを得なくなることが多々あります。

 家づくりで何を優先するかによりますが、若干の余裕(総予算の5~10%程度)を差し引いた額を、「家づくりの予算」とした方が無難です。

「要望書」を出すときのポイントと見積もり項目

 複数の住宅会社に、間取りの提案と見積もり依頼をする場合には、後で比較検討しやすいように、以下のことに気を付けましょう。

1.同じ要望書で、複数社に依頼する

 提案依頼は3社以上に行い、打ち合わせ時に前述した要望書をコピーして渡すようにしましょう。また、打ち合わせ中に、要望に追加・変更があった場合には、その内容を各社に伝えます。あくまで、同じ条件で提案してもらうことが重要になります。

2.仕様を指定する

 前述のように、条件を揃えるため要望書に仕様を記入するようにします。

3.見積もりは総額を提示してもらう

 家を建てるには、家本体だけでなく、水道の引き込みや外構など様々な工事が必要になります。そのため見積もりは、家づくりに関わる費用を全て算入した総額で提案してもらうようにします。

 見積もり項目で主なものを紹介します。

□建築工事
・住宅本体
・オプション(窓、住宅設備、仕上げ等)

□付帯工事
・エアコン、床暖房、太陽光パネル、照明等の設備
・電気、上下水道、ガス等の引き込み
・残土処分
・解体工事
・地盤改良工事
・外構工事

□設計申請料
・設計・監理料
・確認申請
・長期優良住宅、ZEH等の申請
・構造計算

□その他
・登記費用、印紙代
・水道局納付金
・火災、地震保険料
・電話、アンテナ工事費
・地鎮祭費用

 付帯工事の「地盤改良工事」など、調査しないとわからない項目については、仮の金額を入れてもらうようにしましょう。

4.見積もり依頼は、各社同時に行う

 住宅会社へ見積もり依頼してから、提案を受けるまでには、2週間~4週間程度はかかります。1社依頼して、提案を受けてから次の会社に依頼すると、時間がかかり非効率です。見積もり依頼は、なるべく同時期に行いましょう。

5.大手ハウスメーカーを最低1社は入れる

 相対的に大手ハウスメーカーの方が、地場工務店よりも間取り提案のレベルは高いです。また見積もりも、敷地調査をした上で、総額で提案してくれる場合が多いです。

 予算的に厳しい場合でも、1社は大手ハウスメーカーを入れた方が、工務店とは違った情報が得られるので、施主にとっては有意義といえます。

 次回は、「見積書の見方」について解説します。 

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