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失敗しない「注文住宅」の建て方
【第1回】2019年7月9日公開(2019年7月12日更新)
船渡亮
船渡亮

船渡 亮(株式会社かえるけんちく代表。一級建築士)

年間コンサル数1000件を誇る家づくりコンサルタント。購読数5000人の無料メールマガジン「かえる家づくり\脱/初心者講座」を配信し、「理想の暮らしを家づくりで実現する!」ための知識をわかりやすく紹介している。また、月間15万PVのブログ「かえるけんちく相談所」を運営し、家事動線、収納、断熱気密や構造、夫婦関係など、家づくりや暮らしについて独自の切り口で解説する。

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注文住宅、マンション、分譲戸建てのメリット、デメリットを大分析!
理想の暮らしを手に入れたい人が選ぶ「注文住宅」

イラスト@ざわとみ

「注文住宅」のメリット、デメリットを理解することは大切です。注文住宅は、マンションや建て売りと違い、土地探しから住宅会社の選定、間取り検討など多くの労力、知識が必要。そこで、ここでは理想の注文住宅を建てるために必要な基礎知識を連載で紹介していきます。第1回目となる今回は、マンションや建売住宅と比較した注文住宅のメリット・デメリットについてお話します。(株式会社かえるけんちく代表・一級建築士 船渡亮)  

「注文住宅」は理想の暮らしを実現する手段にすぎない

 注文住宅を建てる目的は何でしょうか?

 私を含め多くの人は、より幸せになりたい、理想の暮らしがしたいと考えています。もし現状の暮らしに満足しており、将来にも不安がなければ、引っ越したり家を建てたりする必要はないですよね。

 「今も幸せだけど、子供たちが広いリビングで遊べたら、もっと幸せになれる」
 「老後の不安をなくすために、今のうちに終の棲家が欲しい」

 こんな思いがあるから、家を建てたいと思うのではないでしょうか?
つまり「理想の暮らし」が目的で、「注文住宅」は手段、ということになります。

 ただ「理想の暮らし」を実現するための手段は、なにも注文住宅だけではありません。マンションでも建売住宅でも中古住宅でも、「理想の暮らし」を手に入れている人は沢山います。

 また、「注文住宅を建てることが夢」と語る人は多いですが、それだけでは、家を建てた瞬間に夢は終わってしまいます。大事なのは、建てた後の暮らしがどれだけ豊かになったか、ということです。

 「仏作って魂入れず」ではないですが、せっかくのマイホームも、暮らしが豊かにならないなら、わざわざ苦労して建てる意味などありません。そうならないためにも、実現したい「理想の暮らし」について、最初に家族で話し合うことが大切です。

子育てや収納は戸建て、
防犯・利便性とバリアフリーはマンション

 「理想の暮らし」を想像するといっても、マンション、または戸建てに住んだことがなければ、そこでの生活は想像しにくいと思います。そこで、マンションと戸建ての暮らしのメリット・デメリットについて、13項目で比較してみました。

■マンションVS.戸建て メリット・デメリット比較

防犯    = マンション◎ 戸建て○
管理    = マンション◎ 戸建て△
防災    = マンション◎ 戸建て○
断熱性   = マンション◎ 戸建て△
利便性   = マンション◎ 戸建て△
バリアフリー= マンション◎ 戸建て△
広さ・収納 = マンション○ 戸建て◎
採光・通風 = マンション○ 戸建て◎
音     = マンション×  戸建て◎
駐車場   = マンション△ 戸建て◎
ペット   = マンション△ 戸建て◎
建て替え  = マンション×  戸建て◎
管理費等  = マンション×  戸建て◎

マンション暮らしのメリット・デメリット

マンションのメリット

・開口部が少なく、オートロックや防犯カメラが設置されていることが多く、防犯性に優れている。
・共用部分の掃除や修繕は管理会社が行ってくれる。
・エントランスや宅配ボックス、コミュニティールームなど共用部分が充実している。
・鉄筋コンクリート造なので、構造計算も行われていて地震でも安心。
・断熱・気密性が高くて冷暖房費が少なくて済む(ただし角部屋の場合は、外気に面する面積が多く開口部も増えるので、外気の影響は受けやすくなる)。
・駅から徒歩圏であることが多く、通勤・通学の時間が短くて済む。
・エレベーターやスロープがあり、道路から段差なしで自宅まで行けるので、子育てや老後も安心できる。
・住戸内がフラットなので、階段の上り下りがなく家事動線が短い。

マンションのデメリット

・床面積が限られているので、収納面積が限られる。
・高層階は眺望が良いことが多いが、周辺に建物が建つことで環境が変わることがある。
・音のトラブルが多い。
・管理費、駐車場料金が高い。立体駐車場の場合は、駐車に時間がかかる
・ペットを飼うことが制限される。
・建て替えが難しく、リフォームも制限される。長期で考えると資産価値の下落幅が大きい。

戸建て暮らしのメリット・デメリット

戸建てのメリット

・床面積が大きく、屋根裏も使えるので、収納面積を多くとれる。
・夫婦の寝室と子供部屋とのプライバシーを確保しやすい。
・各部屋に窓を設けることが出来るので、採光や通風をとりやすい。
・音を気にしなくて良いので、のびのびと子育てができ、楽器演奏もしやすい。
・駐車場までの距離が短く、駐車しやすい。
・ペットを自由に飼うことが出来る。
・建て替えやリフォームが自由にできる。建物が老朽化しても土地が残るので、子供へ資産を残しやすい。

戸建てのデメリット

・開口部が多いため戸締りが大変。セキュリティーは自分で考える必要がある。
・家の修繕や庭の手入れは、自分達で行わなければならない。
・ほとんどの建物が構造計算しておらず、耐震等級(*1)がとれていない家が多い。
・洪水や浸水、土砂災害などに弱い。ハザードマップの確認が必要。
・戸建て住宅は、断熱義務化(*2)がされておらず、開口部も多いため、冬寒くて夏暑い。
・駅から徒歩圏の戸建ては少ない。
・道路から室内に入るまでに50センチ以上の段差が出来るので、車椅子に対応しにくい。

 要約すると、戸建ては、子育てしやすく、収納や部屋を広くとることができる。マンションは、防犯・利便性に強く、災害や老後も安心、ということになりますが、物件や家族の状況によって、メリット・デメリットは大きく変わります。

 例えば、共働きで電車通勤の夫婦の場合、駅近のマンションは、通勤時間を短くでき、子供との時間を確保しやすいので、子育てに向いているとも言えます。また、平地で洪水の心配がなく、耐震等級3であれば、戸建て住宅でも災害に強くなりますね。

耐震等級(*1)

住宅の耐震性能を1~3等級まで評価したもの。建築基準法レベルを等級1とし、等級2は耐震性が1.25倍、等級3は1.5倍になる。基準法はあくまで「国民の生命と健康、財産を守る」目的で作られているため、等級1では地震で破損する可能性はある。そのため注文住宅なら等級2以上の耐震性がお勧め。

 

断熱義務化(*2)

政府は2020年までに住宅の断熱を義務化する方針を示していたが、不動産協会などの反対により義務化は見送られた。ただし、断熱基準(断熱等性能等級4)への適合の可否は、建築士が建築主に説明する必要がある。現状の断熱基準の適合率は57~69%で、大手ハウスメーカーは適合済み。ただし中小工務店や建売住宅、建築家が設計する場合は、適合していない可能性があるので、夏暑く冬寒い住宅に住みたくなければ注意が必要。

戸建てのデメリットの多くは、注文住宅なら解決できる

 建売住宅とは違い、注文住宅の場合、戸建てのデメリットの多くは克服することが出来ます。戸建てでデメリットになっていた6項目を比較します。

■マンションVS.戸建てVS.注文住宅 メリット・デメリット比較

防犯 = マンション◎ 戸建て〇 注文住宅◎
管理 = マンション◎ 戸建て△ 注文住宅◎
防災 = マンション◎ 戸建て〇 注文住宅◎
断熱性= マンション◎ 戸建て△ 注文住宅◎
利便性= マンション◎ 戸建て△ 注文住宅〇
バリアフリー= マンション◎ 戸建て△ 注文住宅〇

・防犯性ですが、外構計画や、窓の種類や大きさ、高さを工夫することで、泥棒に侵入されにくくなります。また、大通りや公園に面した敷地は避けるのも効果的です。
・メンテナンス期間の長い外装材を使ったり、雑草が生えにくい防草シートで被うことで、壁の塗り替えや草取りの手間を省けます。
・耐震等級を2、3にし、地盤が良く洪水や土砂災害が起きにくい土地を選ぶことで防災性能を高められます。また、太陽光パネルや蓄電池を採用すれば、停電対策にもなります。
・断熱・気密性を高くすることで、戸建てでもマンションと同程度、またはそれ以上に快適にすることはできます。

 最後の「利便性」と「バリアフリー」は、土地や暮らし方によって変わります。

 利便性は、最寄り駅への距離の他に、仕事場や保育園、実家、スーパーマーケット、公園など生活にかかわる場所との位置関係も重要なので、一概にマンションが有利とも言えません。自分達の暮らし方を考えて、選ぶ必要があります。

 バリアフリーは、注文住宅が最も苦手な部分ですが、敷地に余裕があり道路との段差が少ない土地なら、スロープや段差解消機を設置することで車椅子のまま家に入ることは可能です。

 このように、土地や予算、間取りの工夫によっては、戸建てのデメリットを解消することは可能です。ただ、デメリットをどこまで解消するかは、暮らし方やライフプラン次第。車椅子になるくらいなら、家を売って施設に入る、と考えるのであれば、自宅を無理してバリアフリーにする必要はないですね。

 注文住宅の場合、戸建てのデメリットは、あくまで「検討が必要な問題」といえます。建築で解決すべきか、それとも暮らし方や将来設計で、何とか対応できるのかを、コストや間取り等と比較して考えた方が良いですね。

注文住宅を選ぶ理由、「希望を満たすなら注文住宅」

 株式会社かえるけんちくが、注文住宅で家を建てた、または建てる予定の100人に行ったアンケートによると、「注文住宅を建てる理由」として最も多かったのが、「自分達の希望を満たす家にするには注文住宅しかない」でした(73%)。また35%が、「家づくりに参加することに魅力を感じる」と回答しています。

 また、「注文住宅を建てることのメリット」として、「住みやすい間取りができる(73%)」、「断熱や構造などスペックの高い家に出来る(63%)」、「趣味やこだわりを反映させることが出来る(43%)」と回答しています。

 一方、分譲マンションについてどう思うかという質問に関しては、希望のエリアで間取りや予算などの条件があれば購入を検討したい、高齢になったときにエレベーターがあると安心だという意見がある一方、デメリットとして「将来の老朽化や建て替えが心配」、「修繕積立費など毎月の出費が多い」「音やプライバシーが心配」といった意見が多くみられました。

 まとめると、注文住宅を建てたいと思っている方は、家づくりを楽しみながら自分達の理想の暮らしを実現したいと考えていることがわかります。またマンションに対しては、「老朽化・修繕費用・音問題」をデメリットに感じているようです

注文住宅最大のデメリットは「どんな家が建つかわからない」こと

 ここまで、戸建て、マンション、注文住宅のメリット・デメリットについて紹介してきました。注文住宅なら、土地や予算、間取りの工夫次第で戸建てのデメリットを解決できる! ということになりますね。

 一方で、実は注文住宅には、マンションや建売にはない、大きなデメリットがあります。それは、「どんな家が建つかわからない」というリスクです。

 竣工済みのマンションや建売は、現物を見て購入することが出来ます。新築マンションの場合でも、モデルルームで雰囲気はわかりますね。またオプションも限られているので、何を購入するのかを理解した上で契約することが出来ます。

 注文住宅の場合は、間取りや仕様、外構まで全てを決められる反面、実物を見られるのは竣工後なので、それまでは、図面などの資料から空間や動線を想像するしかありません。また、契約してから着工するので、打ち合わせで指示したことが、住宅会社のミスで注文通り仕上がっていなかったり、工事が想像以上に雑、最悪のケースとしては、引渡し前に会社が倒産することもあります。

 建売やマンションは、客として商品を購入するだけですが、注文住宅は、施主として、家づくりというプロジェクトを動かしていく必要があります。プロジェクトですから、当初に思い描いたものが、手に入るとは限りません。家を所有するといっても、そこに至るルートは全く違う、ということですね。

誰を窓口にして家を建てるかが、最も重要

 「どんな家が建つかわからない」というリスクを最小限にする方法はいくつもあります。

 倒産のリスクには住宅完成保証制度(*3)、図面通りに工事されているかは、ホームインスペクション(*4)を利用することも可能です。間取りは、施主自身が学ぶことや、他の建築士に間取り診断(*5)してもらいアドバイスを求めることで、より理想に近づけることが出来るでしょう。

 そして、最も重要なのは、信頼できる住宅会社と営業担当者(窓口)を選ぶことです。同じ住宅会社でも、営業担当者によって家づくりの質は変わってきます。この傾向は、良くも悪くも、社員教育やマニュアル化が進んでいる大手ハウスメーカーよりも、小規模の工務店の方が顕著に現れます。

 次回は、ハウスメーカー、工務店、設計事務所の特徴を紹介し、どのように家づくりのパートナーを選べば良いのか、について学んでいきましょう。

住宅完成保証制度(*3)
工事途中に業者が倒産した場合の前払い金等の保証や、引き継ぎ業者探しをあっせんする制度。経営状況等の審査を通過した優良な住宅会社だけ業者登録できる。
中小の工務店で建てる場合には安心できる制度だが、「住宅完成保証書」が発行されないと保証が有効にならないため注意が必要。「保証書」が発行される前に倒産してしまう工務店もあるが、この場合は保証の対象にならない。

ホームインスペクション(*4)
ホームインスペクター(住宅診断士)が、中古・新築住宅を専門家の立場から診断し、劣化状況や欠陥の有無などをアドバイスするサービス。工事中の現場を第三者的に検査することも可能。一般に検査回数によって料金が変わる。

間取り診断(*5)
建築士が間取りや家づくりについて、セカンドオピニオンとしてアドバイスや提案を行うサービス。
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(税込)
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がん50%保障付き
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0円
借入額×2.16%
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全疾病保障付き
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