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「不動産購入申込書」(買付証明書)を
お客様からいただくまでの商談で注意すべきこと不動産新人営業マン向け講座⑤【買付編】

2020年6月26日公開(2020年7月15日更新)
梶本幸治

梶本幸治(かじもと・こうじ)氏:不動産売買の業界の裏の裏まで知りつくした不動産業専門コンサルタント。株式会社レコ 取締役・コンサルティング本部長。普段は不動産会社向けの集客&教育のコンサルティングを中心としていますが、ダイヤモンド不動産研究所では売主の側に立った「不動産を売却するときの注意点」シリーズなど、さまざまな読者に向けて解説します!

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不動産の購入を希望するお客様とのやり取りの中で、一つの山場となるのが「不動産購入申込書」(買付証明書)の受領時です。言わば、お客様から「購入したい」という結論をいただく場面ですが、商談の流れによっては購入の意思表示まで至らないばかりか、売主に迷惑をかけることも。不動産仲介会社の営業担当が気をつけるべき点について、解説したいと思います。(不動産会社向けの集客&教育コンサルタント・梶本幸治)

■不動産新人営業マン向け講座■
【買付編】
(1) 不動産買付営業の基本的な考え方
(2) 反響が獲れる「不動産チラシ」の作り方
(3) 反響が獲れる「不動産WEBサイト」の考え方
(4) お客様を案内する際の注意点
(5) 「不動産購入申込書」受領時の注意点

~今後公開予定~
【仕入れ編】
(6) 不動産仕入れ営業の基本的な考え方
(7) 「売り求むチラシ」で仕入れを行う方法
(8) DMで不動産所有者から連絡をもらう方法
(9) 「不動産一括査定サイト」利用時の注意点
(10) 不動産査定訪問時の注意点
(11) 不動産売却希望者の長期追客法

こんな商談の進め方は要注意!

 ここまで4回にわたってお伝えしてきた「不動産新人営業マン向け講座」ですが、今回は【買付編】の最終段階。不動産の購入を希望する顧客の集客活動、買付営業を経て、いよいよ「購入するか否かの結論」をお客様からいただく段階のお話です。

不動産購入証明書
お客様から購入の意思表示をいただくのは、買付営業時の大切な局面(画像:PIXTA)

 購入の意思表示となる「不動産購入申込書」(買付証明書)とは、売買契約と違って法的拘束力はないものの、売買契約締結に向けた売主との交渉のベースとなるものです。「不動産購入申込書」(買付証明書)をお客様から受け取るまでの流れは、不動産新人営業担当にとっては、うれしくもあり、緊張を強いられる場面でもあります。

 以下は、不動産新人営業担当が、物件案内後にお客様と交わした「こんな商談の進め方をしてはいけない失敗例」です。結果的にお客様から「不動産購入申込書」(買付証明書)をいただくには至りませんでした。どこが良くなかったのか、考えながら読み進めてみてください。

  • 新人営業 本日ご覧いただきました価格3280万円の物件ですが、いかがでしょうか?

  •  

  • お客様 なかなか良いんじゃない。気にいったよ。

  •  

  • 新人営業 ありがとうございます。では、商談を進めさせていただければと思いますが。

     

  • お客様 そうだなぁ……。でも、少し価格が高いなぁ。
  •  
  • 新人営業 価格ですか? では、おいくらならご納得いただけますか。
  •  
  • お客様 今の価格が3280万円だから、う~ん……3100万円なら検討するよ。
  •  
  • 新人営業 3100万円ですか……。
  •  
  • お客様 売主さんに、3100万円で売ってくれるかどうか聞いてみてよ。3100万円でもいいってことなら検討するからさ。

  •  

  • 新人営業 正直申し上げまして、180万円の価格交渉は厳しいと思いますが……。

  •  

  • お客様 無理かどうかかは売主さんに聞かなきゃ分からないでしょ? 一度、聞いてみてよ。

  •  

  • 新人営業 承知いたしました。では売主様に、3100万円でも売却されるか否かを聞いてみることにします。

  •  

  • お客様 よろしく! 売主さんのご意向が分かったら連絡してね。
  •  
  • 新人営業 売主様のご意向を確認した後、改めてご連絡差し上げます。
  •  
  • お客様 うん。お願いします。

 上のような会話を交わした後、売主様に、3100万円での購入希望者がいる旨を報告し、3100万円での売却の了承をもらったとします。

 そして再度、購入希望のお客様にお電話すると、次のような展開が待っていました。

  • 新人営業 お客様、売主様のご意向を伺ってきました。

  •  

  • お客様 ありがとう。それで、売主さんは何とおっしゃってましたか?

  •  

  • 新人営業 はい、およろこびください。売主様は3100万円での売却をご了承くださいました。

  •  

  • お客様 3100万円でOKだったのですね。それはうれしいね。

  •  

  • 新人営業 そこで、契約の日時なのですが、いつにいたしましょうか?

  •  

  • お客様 契約? ちょっと待ってよ。そんなに結論を急がないで欲しいなぁ。3100万円で売ってもらえることは分かったので、次は私の方が「3100万円で買うか否か」を検討し、近いうちに返事をするよ。

  •  

  • 新人営業 しかし……お客様が3100万円なら購入するとおっしゃったので、売主様のご意向を確認してきたのですよ。

  •  

  • お客様 私は、3100万円なら”購入を検討する”とは言ったけど、”買う”なんて一言も言ってないよ。価格3280万円のままなら検討すらしないけど、3100万円なら”検討する価値がある”と言っただけだよ。

  •  

  • 新人営業 いや……それではお話が違います。売主様にも3100万円で買いたいお客様がいらっしゃると申し上げてしまっていますし……。困ります。

  •  

  • お客様 私がウソを言ったってこと? 君の早合点だっただけじゃないか! 君と売主との間の問題なんか、私は知らないよ。

  •  

  • 新人営業 しかし……。

  •  

  • お客様 もういいよ! 気分が悪い! この話は無かったことにしてくれ!

お客様の言う「希望」には
3パターンの意味がある

 上の会話は「こんな商談の進め方をしてはいけない失敗例」として示したものですので、やや誇張した表現も用いましたが、このようなやりとりは不動産売買仲介営業の現場では、ときどき目にするかと思います。

 新人営業担当はどこで間違えてしまったのでしょうか。

 この新人営業担当は、3280万円から3100万円への価格交渉をお客様の【購入条件】であると誤認し、その点を確認しないまま売主様へ報告してしまいました。

 しかし、お客様にとって価格交渉は【単なる希望】を述べただけであり、「購入条件」と呼べるところまでは購入意欲は高まっていなかったのです。

 不動産購入希望者が「価格交渉してほしい」「近所にどんな方が住んでいるか教えてほしい」などと、「〇〇してほしい」と希望を表明した場合、次の3つのパターンがありえることに注意してください。

  • (A)お客様の「〇〇してほしい」が「購入条件」であり、その条件がクリアされれば実際に購入してもらえる。

  •  

  • (B)お客様の「〇〇してほしい」が「単なる希望」であり、その条件のクリアはうれしいが、クリアされたからといって即購入に繋がるわけではない。

  •  

  • (C)お客様の「〇〇してほしい」は「思いつき」であり、その条件のクリアすら特に望んではいない。単に、会話をつなぐための話題として口にしたにすぎない。

 そのため営業担当者は、「〇〇してほしい」という希望が(A)~(C)のどれに当てはまるのか、お客様に確認する必要があります。「購入条件」である場合は、その成就に向けて全力を尽くす必要がありますが、「単なる希望」であれば、そこまで懸命に動く必要はないでしょう。まして「思いつき」の場合は、世間話として受け流せばいいと思います。

 上の例なら、3280万円から3100万円への価格交渉が「購入条件」なら、正式に不動産購入申込書(買付証明書)をいただき、売主様と価格交渉を行うべきです。

 しかし、価格交渉が「単なる希望」や「思いつき」だと思われた場合は、「価格3100万円なら必ず購入いただけますか?」と確認し、「購入条件」ではないことが確認できた際は、売主様へは照会できない旨をお客様に伝えましょう。

 我々のお客様は買主様だけでなく、売主様もお客様です。

 購入希望顧客の「単なる希望」や「思いつき」で、売主様を振り回すことは避けなければなりません。

 購入希望顧客の「購入条件」をまとめた書面が、不動産購入申込書(買付証明書)です。ここでいう「購入条件」とは価格だけではありません。

 価格、手付金の額、契約日、ローン利用の有無、決済日など、これらもすべて「購入条件」です。

 お客様の真剣な購入意志を確認した後、売主様と真剣に交渉し、着地点を見つけて契約に進むのです。

 お客様から不動産購入申込書(買付証明書)をいただくときは、お客様のご希望が「購入条件」にまで高まっておられるか否かをしっかり確認されることをおすすめします。
【関連記事はこちら】>>″不動産業界への転職″はおすすめ? 未経験での転職で「成功する人」「失敗する人」

■不動産新人営業マン向け講座■
【買付編】
(1) 不動産買付営業の基本的な考え方
(2) 反響が獲れる「不動産チラシ」の作り方
(3) 反響が獲れる「不動産WEBサイト」の考え方
(4) お客様を案内する際の注意点
(5) 「不動産購入申込書」受領時の注意点

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