家賃年収8000万円!
元メガバンク銀行員が専業大家になった理由
二代目元メガバンク大家 岡元公夫さん 第1回

2020年8月13日公開(2021年1月29日更新)
ザイ投資戦略メルマガ編集部

年間家賃年収8000万円という成功大家の岡元公夫さん。18年間メガバンクに勤務していた経験を生かし、現在は不動産コンサルタントとしても活躍している。所有物件は、RCマンション、木造アパート、シェアハウスなど都内に8棟56戸。そのほとんどの物件を銀行からの低金利ローンを使って購入している。今回は「融資のプロ」に、銀行から低金利で融資を引っ張るコツを聞いた。会社員はもとより、自営業者や主婦でも参考になる「目からウロコの融資テクニック」を大公開。

家賃収入年間8000万円の元メガバンク大家・岡元公夫さん(記事の最後にプロフィールあり)

 

[参考記事]
●第1回 家賃年収8000万円!元メガバンク銀行員が専業大家になった理由
●第2回 都内に8棟56戸で年間家賃8000万円の元メガバンク大家が教える、エリア戦略とは?
●第3回 リアル半沢直樹!元メガバンカー大家がこっそり教える「銀行が融資したい人VS貸し渋りにあう人」
●第4回 元メガバンカーが伝授。不動産投資ではじめて物件を買うとしたら「都内の区分マンションがおすすめ」な理由

父の急死でマンションを相続し、大家経営が始まった


―――年間の家賃収入8000万円とはすごいですね。まずは不動産に興味を持ったきっかけから教えてください。

もともと祖父が都内の自宅に近くに木造の風呂なしアパートを2棟持っていて、母と一緒に自主管理していたんです。私も小学校のころからアパートの清掃や植栽の選定などの手伝いをしてお小遣いをもらっていました。今から思うとそれで大家の基盤ができていたのかもしれません。小さいころから不動産の折り込みチラシを見るのも好きでしたしね。就職先も不動産会社が第一志望だったんですが、先に住友銀行(現三井住友銀行)から内定が出て、そのまま離してもらえず入行することに……。

―――バブルの時ってそんな感じでしたよね。不動産もイケイケで……。社会人になってすぐに物件を購入したんですか?

それが入行してすぐバブルが崩壊したんです。地価もすごい勢いでどんどん下がっていって、もう、どこまで落ちていくんだろうという感じで。プロであっても、とても手を出す雰囲気ではなかったと思います。私も仕事で法人の融資を担当していたので、不良債権となった不動産の処理をたくさんしました。とても投資目的で不動産を購入する、なんていう状況ではなかったですね。

―――銀行で不良債権処理……まさに半沢直樹の世界ですね。そんな状況でなぜ大家に?

実は2004年に、父が心不全で突然他界しまして。父は祖父が所有していた2棟のアパートを鉄骨マンション(2LDK×6戸、2DK×6戸)に建て替え、自主管理していたんです。そのマンションを私が相続することになったんですが、帳簿を見てみると、空室も多く滞納している部屋もあった。資金繰りもひっ迫していて青ざめました。

親から相続した1棟目の物件。引き継いでみると空室や滞納など苦労も多かった

―――マンションを相続した、と聞くとうらやましくなりますが、実際は苦労も多いのですね。

大家だった父が亡くなると口座も凍結されてしまうので、新規に口座を作り、入居者の方にその口座に振り込んでもらったり、建て替えの際に融資を受けていた銀行に相談に行ったりと、本当に大変な思いをしました。振込先を法人名義にしていればそんなことはなかったのですけどね。今、物件を持って自主管理していらっしゃる方は、ご家族のためにも資産管理会社を設立しておくことをおすすめします。

―――それからご自身でも物件を買うようになっていったのですか?

はい。自主管理も慣れてきたので、マンションを相続した年に築35年のRCマンション(2DK×12戸)と、その1年後に築1年の木造アパート(1R×5戸、2DK×2戸)を購入しました。その3年後の2007年には、節税のために賃貸用の戸建てを購入。すべて都内の物件で利回りがあまり高くなかったので、全部自主管理していました。

―――銀行に勤めながら3棟31戸と戸建て1戸を自主管理するのは大変ですよね。

仕事もほとんどが法人相手でしたから、かなり忙しくて。さすがにそのころから銀行員と大家の二足のわらじが難しくなってきたので、18年務めた銀行を退行することにしたんです。ちょうど銀行が「東京在住のサラリーマンに対し札幌の賃貸物件にフルローンで融資する」なんて話も聞こえてくるようになって、マーケットの風向きが変わったことを感じ始めていた時期でもありましたので。

―――それで専業大家になったんですか?

そのつもりだったのですが、銀行の退職準備をしていたら、知人のヘッドハンターから、ビル開発会社に転職しないかと声がかかりまして。不動産の勉強になると思って就職することにしたんです。そこには2年弱いたんですが、不動産業界で働けたことはとてもいい経験になりました。その会社を辞めたのは、年間の賃貸年収が6000万円になったからです。収入の目途がついたので、そろそろ会社員を卒業してもいいかなと。

―――2009年に会社員卒業ですか。リーマンの後だったらいい物件がたくさんあったのでは?

そうですね。次に購入したのは2011年で、任意売却物件です。築20年のRCマンション(1R×10戸)ですが、破綻した会社の元社員寮で、かなり安く購入できました。利回りも12%と、都内にしては高利回りだと思います。

―――任売物件はなかなか表に出てこないですよね。どうやって見つけるんですか。

私の場合は、早い段階でいろんな不動産会社の方と知り合いになっていて、そこからお話をいただくことも多かったです。東京築古組という老舗の大家の会があるんですが、そこにも会社員時代から顔を出していました。そういった場で早くから成功している大家さんの話を聞くことができたというのは大きいですね。今でこそ、たくさんの大家の会がありますが、当時は少なかったんですよ。大家さんが書いた賃貸経営の本というのもあまりなかったですしね。今の方は恵まれていると思います。もし今から始められる方がいたら、物件を買う前に30冊くらい不動産経営の本を読んでおくといいと思います。時代は違っても、基本は一緒ですから。

―――勉強は大事ですね。そのほかはどんな物件を?

2012年からはシェアハウスを運営しています。収益率を上げるために、「潜在的なニーズが多く、他の方が真似しづらい」ことをコンセプトにして差別化を図っています。そんなに広い家ではないので、家賃を高く得るためには「特化」したほうがいいんです。おかげさまでこのシェアハウスは周辺の同じ規模のものと比べて、2~3割高く家賃がとれています。物件を購入したときは柱1本がシロアリにやられていたボロボロ物件だったんですが(笑)。


―――シロアリ物件が高利回りのシェアハウスになったんですか!アイデア次第で家賃は高くなるということですね。次回は「収益の上がるエリア選び」について教えてください。

(取材・文/タカチホ 撮影/和田佳久)

元メガバンク大家岡元公夫さん プロフィール

大学卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行。銀行員時代は法人個人の融資をおもに担当。企業オーナーの事業承継対策や富裕層への相続対策も手掛ける。2004年に実家の跡を継いでからは、都内にマンション・アパート・戸建を精力的に取得。銀行を退行後は不動産開発会社に勤務。不動産収入が年間6000万円ほどになり会社員を卒業。現在、東京エステートバンク株式会社(東京房屋?)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者向けにコンサルティング及び不動産の紹介・管理を行なっている。東京大家の会・主宰、東京築古組・理事。

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