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不動産の査定訪問時にありがちな、
新人営業担当者の失敗とは?不動産新人営業マン向け講座⑩【仕入れ編】

2020年9月16日公開(2020年9月16日更新)
梶本幸治

梶本幸治(かじもと・こうじ)氏:不動産売買の業界の裏の裏まで知りつくした不動産業専門コンサルタント。株式会社レコ 取締役・コンサルティング本部長。普段は不動産会社向けの集客&教育のコンサルティングを中心としていますが、ダイヤモンド不動産研究所では売主の側に立った「不動産を売却するときの注意点」シリーズなど、さまざまな読者に向けて解説します!

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「査定訪問」とは、不動産の売却希望者の所有物件へ、価格査定のために訪問すること。不動産仕入れ営業にとっては大事な場面です。今回は、査定訪問時の失敗例を参考にしながら、取るべき対応方法について解説したいと思います。(不動産会社向けの集客&教育コンサルタント・梶本幸治)

不動産査定訪問の機会が増えているワケ

不動産訪問査定
(画像:PIXTA)

 私が新卒で不動産業界に入った当時(平成8年)、不動産仕入れ(媒介・買取)の集客施策といえば、チラシや紹介などが主であり、月に何件も問い合わせがあるわけではございませんでした。

 しかし「不動産一括査定サイト」が不動産仕入れ集客施策として普及した現在、お金を出せば月に10件、20件と多くの問い合わせを獲得(購入)できるようになりました。
【関連記事はこちら】>>「不動産一括査定サイト」を不動産仲介会社が利用する際に気をつけること

 それに伴い、売却検討中の不動産所有者様宅へ査定訪問に行く機会も増えてきたのです。

 この、不動産査定訪問の成否が仕入れ営業の結果を左右し、そして仕入れ営業の結果は勤務先の業績に直結します。

 そんな大切な不動産査定訪問ですが、どうも勘違いされている不動産営業担当が多いようなので、今回は不動産査定訪問時に気をつけるべきことをお伝えしたいと思います。

こんな査定訪問は、やってはいけない

 では、一般的な査定訪問の流れを確認します。

 ちなみに下記に挙げる例は「良い例」ではなく、「おすすめできない例」として挙げておりますので、どの辺りが「おすすめできない」のかを考えながらご覧ください。(※なお、今回の例は、物件の状態を確認する査定訪問と、査定書を提示する査定報告の二回に分けることなく、事前に査定書を作成した状態で、初めて不動産所有者様宅に訪れるケースを想定しています)

所有者様 今日はよろしくお願いします。

 

営業担当 こちらこそありがとうございます。では最初に室内を拝見させていただきます。

 

(室内を確認)

 

営業担当 きれいにお使いですね。

 

所有者様 煙草も吸いませんので、比較的丁寧には使ってきました。それで、いくらで売れそうですか?

 

営業担当 室内の状況が良好であるという前提で、査定書を作成してきましたのでそれをご覧いただきながら価格のご説明をいたします。

 

所有者様 楽しみです。いくらで売れるのかな?

 

営業担当 まず査定価格ですが、2820万円~3020万円程度だと思います。

 

所有者様 2820万円? 随分と安いね。

 

営業担当 申し訳ございません。しかし、2820万円ではなく、2820万円~3020万円程度だと思います。

 

所有者様 はぁ……。

 

営業担当 では価格の根拠をお示しします。近隣の事例として3件の成約事例を用いています。1件目は昨年11月の成約で土地の坪単価は〇万円、次は今年2月の成約で土地の坪単価は〇万円、最後は今年7月の成約で土地の坪単価は〇万円。この事例から取引事例比較法を用いて査定物件の坪単価を算出すると〇万円となり……、建物の減価償却による残存価値は……、土地建物の総額が…、これに流通性比率の調整を行うと……(以下略)

 

営業担当 従いまして、2820万円~3020万円の査定価格になります。

 

所有者様 なるほど。分かりました。(やっと終わった……疲れたな)

 

営業担当 売り出しの希望価格はいくらですか?

 

所有者様 その査定価格を聞いた後じゃ言いにくいけど、3200万円くらいかな?

 

営業担当 3200万円は厳しいと思いますよ。3カ月以内に売れませんよ。

 

所有者様 別に3カ月以内に売れなくても良いけど……。まぁちょっと検討させてもらうよ。(本当にうんざり……)

 

営業担当 売却されるときは是非、私にお任せください。一生懸命がんばりますのでよろしくお願いします。是非是非、よろしくお願いいたします。

 

所有者様 あぁ……わかったよ。(こいつに頼むことはなさそうだ)

 所有者様と営業担当の折衝例として挙げましたので、やや現実のやり取りよりも過剰な表現になったかも知れませんが、このようなやり取りがなされることもありますよね。

 では、このやり取りの何が「おすすめできない」のでしょうか?

売却理由を徹底的に聞いた後で、
分かりやすく価格を提示するべし

 まず、何と言っても、最初に価格の話から入る点はいただけません。

 ご挨拶の後、室内確認は済ませているものの、すぐに査定書を開示して査定価格の説明を行っていますが、価格の話は最後の最後にするべきです。

 最初に行うべきことは「売却理由」の確認です。

 「なぜ、その不動産を売却するのか?」
「売却で得た資金は何に用いるのか?」
「いつまでに売却しなければならないのか?」

といったことをしっかりと聞かないことには、不動産所有者様に対し「不動産売却プラン」を提示することはできません。

 ポジティブな理由で売却される方と、ネガティブな理由で売却される方とでは売り出し価格を含め、売却のプランが全く異なります。また、その会話の中で、先に不動産所有者様のご希望価格を確認することも必要です。

 次に「2820万円~3020万円」という査定価格の提示方法も、いかがなものかと思います。

 おそらく「査定価格は2820万円なのだけれど、3000万円台も提示しておかないと、売主は納得しないだろうから2820万円~3020万円くらいにしておこう」という意図で、この査定価格に収まったのでしょうが、分かりにくく不誠実な査定価格の提示方法だと私は思います。

 査定価格提示時は「査定価格2820万円、売り出し価格2920万円、チャレンジ価格3020万円」といったように、一般の方にも分かりやすく説明されることをおすすめします。

 また、査定価格算出の根拠をダラダラと長く説明しても、お客様を飽きさせてしまうだけです。不動産の専門用語は用いずに簡単な言葉で、重要なところをご説明すべきだと思います。

 最後に、所有者様の3200万円という希望価格を無視したにも関わらず、所有者様の態度が変わったとたん平身低頭、売却をお任せくださるようお願いする姿も、見ていて気持ちの良いものではありませんよね。

 不動産のプロとして所有者様の売却理由を徹底的に確認した後で、毅然とした態度で価格を含めた売却プランを提示してください。

 大切な財産の売却をお任せいただくのですから、その責任を感じながら不動産査定訪問に臨みましょう。
【関連記事はこちら】>>″不動産業界への転職″はおすすめ? 未経験での転職で「成功する人」「失敗する人」

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