【実録】格安単身引越しリポート！ 不用品買取を活用したオトクな引越しとは？

単身引越しを安く済ませるには？  都内の引越しを体験したライターが引越し費用を徹底的に抑えたプロセスをリポートする。不用品買取やフリマアプリを活用し、さらに格安の引越し業者に依頼したことで、コストをかけずに引越しすることができた。

不用品処分で引越し費用を抑えたい！

不用品処分からスタートした（出所：PIXTA）

　2021年8月から2年間住んだ豊島区駒込の部屋は、分譲マンションを賃貸していて、2LDKで約55㎡と一人暮らしにしては十分すぎる広さだった。

　それに合わせて家具もそろえた。当時は2年後に引っ越すことなんて考えておらず、調子に乗ってランニングマシンまで購入していた。

 「月22万円の家賃を払い続けられないから、更新はしない」。2023年6月頃には、自分の中で決定事項になっていた。収入がガクンと減ったからだ。そのため、次に住む家は「今より家賃が安いこと」が絶対条件。となると、もう少し狭い部屋か、郊外で暮らすか、築年数が古いなど条件の幅を広げて新居を探すしかない。

　新居に所持品が入らない可能性が高いので、まずは不用品処分から始めて、物を減らすことを決意した。さらに不用品が売れれば、引越し費用の足しにもできる。

　筆者は元々もったいない精神が強い貧乏性で、どれだけボロボロの服や下着でも、捨てるという行為ができず、旅行するついでに捨てるのがお決まりだった。そんな性格もあって、「安くてもいいから売りたい！不用品処分で得た金額以内に引越し資金を収められたら…」と思い、買取サイトなどを調べることにした。

メルカリで売り上げた総額は？

　周囲でも活用している人が多いフリマアプリの『メルカリ』は、数年前に使用したときよりもがぜん使いやすくなったことが判明。商品説明はそこそこにスマホでさくっと撮影した写真を載せて販売した。

　そんなにクオリティーの高い商品ページではなかったものの、服やコスメなど80点を売って、約8万円を売り上げることができた。一番高く売れたのは、ある俳優の写真集3冊セットで1万1000円だった。

　約30冊の本は『ブックオフ』にまとめて出して、売り上げ約3,000円に。一方、先ほどの限定写真集や在庫のない古い雑誌などをメルカリに出品したところ、定価以上の値で売れた。対象の本をメルカリで検索して高く流通しているなら、メルカリに出品し、そうでないならブックオフなど古本の買取業者へ、と使い分けるのが良さそうだ。

「トレファク」の出張買取査定

大手リユースのトレジャーファクトリー（出所：トレジャーファクトリーHP）

　大物家具もメルカリで出品できるが、郵送料や梱包の手間を考えるとかなり面倒に感じた。

　そこで、インターネットで「家具　買取」で検索して評判が良さそうだった『トレジャーファクトリー』の出張買取査定をお願いすることにした。

　トレジャーファクトリーは、東証プライム上場の大手リユース企業。同名のリサイクルショップを利用したことがある人もいるだろう。

　7月中旬の見積もり当日。自宅にスタッフ1人が訪れ、対象の家具・家電の写真をタブレットで撮影し、写真を査定担当者に送付。その場ですぐに見積もりを出してもらった。

　見積もり金額に納得すれば、その場で引き取ってもらうことも可能だという。筆者の場合、次の住居がまだ決まっていなかったので、いったんその場では売らずに預かって考えることにした。ちなみに無料見積もりは、買取のアイテムや数によっては行わない可能性もあるため確認が必要だ。

　その後、調べてみるとトレジャーファクトリーでは、古着買取『トレファクスタイル』や引越しサービス『トレファク引越』も展開していることが分かり、こちらも活用することにした。

　まずは古着買取を依頼し、30点ほどの洋服を査定してもらったところ、1万円程度の金額になった。ミラオーウェンというブランドが買取強化ブランドに含まれており、このブランドのGジャンが1番高く3000円の値がついた。さらに、買取強化ブランドが1点でも入っていると、全体の買取価格が20％上がるというキャンペーンも買取価格の底上げになった。

　別のブランドでは、かなり着倒したシャツやスエットでも1000円弱で引き取ってもらった。人気で需要が高いブランドならしっかり値が付くようだ。古着は買取先によっては、数十円にしかならないこともざらにあるので、トレファクスタイルの買取査定にはおおむね満足している。

「トレファク引越」で見積もり

 「トレファク引越」は、不用品買取と引越しを同時に実施しているサービスだ。買取金額分を差し引いたら、引越し費用が安くなる点、不用品処分を別で手配しなくていい点を便利に感じて、見積もりをお願いすることにした。

　この時点で新居は、自宅から約12kmの距離にある江東区の賃貸マンションに決めていた。訪問見積もりの結果、引越し金額は10万円弱。いっぽう、不用品の買取金額は、8点で合計2万7500円だった。この買取金額を引いたら、引越し費用は約7万2000円になるが、この距離の単身引越しにしてはかなり高い。

買取査定の伝票（筆者撮影）

　のちにインターネットで口コミを見たら、「値切ったら安くしてくれた」という人が多数いたので、値引き交渉の余地はあったのだと思う。結局、トレファク引越には、不用品買取だけをお願いすることにした。

　不用品の引き取りは、引越し日の3日前に予約。当日、スタッフ3人が10分程度で品物を運び出し、その場で買取金額の現金を渡してくれた。結局、「トレファク引越」には3回訪問してもらったが、スタッフの対応は毎回とても丁寧で好印象だった。

　他にもベンチや収納ボックスなども売りたかったが、査定で値段がつかなかった。無料で回収してもらうこともできたが、手放すのがもったいなく感じ、引越し後にメルカリで売ろうと考えた。なお、モノによっては有料で回収となるケースもあるそうだ。

格安の単身引越し業者に依頼

　引越し作業は、最終的に個人事業主が運営する引越し業者に依頼した。単身引越しや家具・家電の運搬など小規模な引越しを専門に扱っている業者だ。もともと友人の紹介で以前の引越しでも利用したことがある。都内の区をまたいだ引越しで、1万6000円ほどと格安だった。

　今回の訪問見積もりで出た価格は、2万円だった。前回より高い結果だがそれでも十分安い。個人の引越し業者は、やはり費用が安いのが最大のメリットだろう。

　ただし、デメリットもある。1人での作業になるため、複数人のスタッフで作業する他社と比べて、搬出や搬入に時間がかかること、荷造りに使う段ボールは自分で用意しなくてはいけない点などだ。

　段ボールはスーパーでかき集めたが、梱包に適したサイズがあまりないし、自転車で運んだため、一度に持てるのはせいぜい3枚くらい。スーパーに足繁く通う羽目になった。こうして引越し当日のギリギリまで荷造りに追われることに。かなり物を減らしたつもりでも、それなりの量になった。

荷造り後の部屋の様子（筆者撮影）

　引越し業者には、午前9時頃に来てもらい、作業を進めてもらった。1人の作業のため、洗濯機などの大物を運ぶ際はこちらも補助しなければならない。それでも約2時間程度で引越し作業は完了した。

　ここで問題が発生。外に置いていた自転車を詰め忘れたまま、トラックが出発してしまったのだ。慌てて電話をかけたものの、往復して運ぶことになり、当初の見積もりから3,000円プラスされ、2万3000円の請求になってしまった。

 「事前に自転車もあると伝えていたのに、追加料金を取られるのか」と内心思ったが、業者さんがいい人なのではっきり文句を言えず、まあいいかと納得した。この事業者は、もともと大手の引越し業者に勤めていたこともあり、引越し作業が丁寧で、安心して任せられる。安さも魅力なので、次回もリピートしたいと考えている。

まとめ：収入と支出の差

　最後に今回の不用品買取で得た収入と引越しの支出を記しておく。

　こうして当初引越しの際に掲げていた「不用品処分で得た金額以内で引越し資金を収めたい」という願いはかなえられた。支出を差し引いても6万円ほどプラスになった計算だ。　　

　敷金・礼金ゼロでフリーレントが1カ月つく物件を選んだため、初期費用がかなり安く抑えられたのも大きいだろう。工夫次第で引越し費用は安くできると今回の経験でよく分かった。

　不用品処分は着手する前は面倒に思うが、フリマアプリや買取サービスをうまく活用すれば、それほど大変な作業でもないことが分かった。特に出張買取査定なら、自分で不用品を持ち込む必要もなく、買取が決まればそのまま引き取ってくれるのでかなり便利だ。引越しの強い味方だと言えるだろう。　

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