赤帽の引越しの口コミ・評判、見積もりを取った結果は？ 他社の料金相場や単身パックと比較し、メリット・デメリットを検証！

赤帽の引越しといえば、赤帽車という軽トラックでの近距離引越しが主流だ。安く引越しできるとあって検討する人も多いだろう。本記事では、赤帽引越しの特徴や口コミ・評判、メリット・デメリットを解説する。実際に赤帽の見積もりを取り、単身パックや引越し業者のプランとも比較した。

赤帽の引越しの特徴

　赤帽の始まりは、1975年に都内でスタートした運送業で、1987年に現在の組織である全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会が発足した。赤帽は、株式会社などの一般企業ではなく、個人事業主の運送業者が組合員として加盟する共同組合の組織だ。

　現在、全国の都道府県に44の共同組合と、各組合にひもづいて約180ヵ所の拠点が存在する。全体で約8,000人の組合員が加盟し、エリアの引越しに対応している。

　事業としては、引越しのほか、貸切便による荷物の運搬、ルート配送、通販カタログなど法人の宅配業務などを行っている。

赤帽の概要

名称	全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会
所在地	東京都台東区浅草橋3-8-5
出資金	2,111万円
組合数	44協同組合
拠点数	180拠点
組合員数	約8000人

軽トラックで運搬

　赤帽の引越しの大きな特徴は、赤帽車と呼ばれる軽トラック（最大積載350kg）による運送という点だ。　

　引越し専門業者のように、荷物量に応じてトラックのサイズを変更するのではなく、基本すべて軽トラックによる運搬となる。

　軽トラックで運ぶという性質上、引越しで利用する場合には、単身者など荷物の少ない人向けの近距離引越しがメインとなっている。

　また、トラック1台につき、1人のドライバー兼作業員のみの手配となるため、荷物を運ぶ作業は、依頼者が手伝う必要性が出てくるのも特徴だ。

【参考記事】>>実録・格安単身引越しリポート！ 不用品買取を活用したオトクな引越しとは？

トラックの荷台サイズ

　赤帽車の荷台サイズは、高さ130cm×幅130cm×奥行190～200cmが基本で、サイズを超える荷物の運搬はできない。

　1台に収まる荷物量なら問題ないが、荷物の量に応じて必要なトラックの台数が増えるため、荷物が多い場合は割高になりやすいと言える。

　ただ、赤帽事業者によっては、幌（ほろ）の高さを200cmまで上げたハイルーフ車を使っていたり、4トントラックを配備し、家族引越しにも対応しているところがある。

　エリアの事業者によって、対応するサービスが異なることもあるため、近くの赤帽事業者のホームページを確認したり、電話で問い合わせてみるといいだろう。

赤帽引越しのサービス対応範囲

　赤帽の引越しは、一般の引越し業者とは異なり、荷物の運び出し・運送・運び入れのみのシンプルなサービスが基本であることに注意しよう。　

　下記は、筆者が見積もりを取った赤帽の担当拠点からのメールに記載されていた内容だ。

　あくまで運送サービスが主であるため、制限があることは理解しておこう。上記以外では、ある赤帽事業者のホームページには、エレベーター無しの物件で、3階以上の部屋に引っ越す場合は対応不可とあった。サービスの対応範囲も、担当拠点によって異なるケースがあるので確認が必要だ。

赤帽の料金相場は？

 「赤帽を利用して、安く引越ししたい」と考える人も多いだろう。赤帽の引越しの基本料金は、以下のように設定されている。

　20kmより遠方へ引越しの場合は、この基本料金を起点に計算すると料金の目安が分かる。例えば、平日60kmの移動なら13,750円（20km）の3倍の41,250円が目安となる。ただし、あくまで目安なので、正確な料金を知りたいなら、見積もりを取ってみよう。

見積もりの依頼方法

　赤帽の引越しへの見積もりを依頼するには、おもに以下の方法がある。

　今回は、公式サイトの見積もりフォームから依頼した。フォーム送信後、赤帽の担当拠点から届いたメールに見積もり料金が載っていた。電話や訪問見積もりは実施せず、メールのみで簡単に引越し料金を知ることができる。

　赤帽以外にも複数の引越し業者の見積もりを比較したいなら、引越し一括見積もりを活用するといいだろう。「スバット引越し比較」「LIFULL引越し」などは、赤帽の事業者の一部と提携しているので、条件に合えば、複数の引越し業者とともに見積もりを依頼できる。

赤帽の引越し見積もりを依頼

　今回は、単身（1K）の荷物量、50kmの移動距離で見積もりを依頼した。

見積もりフォームから依頼する流れ

　全国赤帽軽自動車運送協同組合のホームページ（上の画像）から、住んでいるエリアを選ぶと、対象エリアの組合のサイトへ移動する。筆者の場合は、赤帽首都圏軽自動車運送協同組合のサイトだ。

　ここから、引越し見積もり依頼をクリックし、現住所（出発地）を選択。次のページで、氏名、電話番号、メールアドレスといった個人情報と、引越し希望日を入力。時間帯は、「～10時」「13時～15時」「16時～」の3つの選択肢から選べる。今回は「～10時」を選択した。

　また、希望の連絡方法を「メール」「メールと電話どちらでも可」から選べるので、今回は「メール」を選択した。

　次に、現住所、新住所、階数、エレベーターの有無、家財の量、引越し者本人を含む手伝い人数などを入力する流れだ。

　引越し作業を手伝う人数を入力するのは、赤帽ならではだろう。今回は、1階から1階への引越し、引越し者本人の手伝いありで入力した。

　登録した家財の種類と数は以下のとおり。一般的な単身者の荷物量の範囲内だといえる。この荷物量をもとにトラック台数や見積もり料金が決まるため、正確に入力する必要がある。ダンボールは、少し多めの10箱で申請した。

　すべての情報入力が終わると、確認画面が表示される。ここで間違った情報があれば、修正可能だ。最後に送信ボタンをクリックして完了した。

正確な家財申告がカギ

　実は筆者は、過去2回、赤帽で引越しをしたことがあるが、2回ともトラック1台に荷物が収まりきらず、残りの荷物を自家用車で運んだ経験がある。「たぶん入るだろう」と楽観視して、当日入りきらないと困ることなってしまう。

　見積もり時には、家財の量を正確に伝えるのが重要だ。ダンボールなどはぎりぎりの数で申告しても載せられないリスクがあるため、余裕を持った数を伝えておくといい。申告方法としては、今回のように見積もりフォームに家財を入力するのが1番確実だろう。

見積もり料金はいくら？

　見積もりフォームから情報を送信したのち、約4時間後に担当拠点からメールが届いた。

　メールに記載された見積もり料金は、41,418円（税込み）だった。トラック2台、ドライバー2人、作業2時間までの料金とのこと。作業時間が超過した場合は30分ごとに3,960円追加でかかるという。移動時間は作業時間に含まれない。

　なお、引越し日はGW中の祝日で設定したため、2割増しの料金となっている。平日なら34,515円になる計算だ。

1台分の料金は？

　見積もりを通して、筆者の荷物量だと1台に収まらないことが分かった。2台分だと割高になる可能性があるので「トラック1台分なら、見積もりはいくらになるのか」「1台だとどれくらいの荷物量が載せられるのか」をメールに返信する形で質問した。
 
　1時間後、「トラック1台の場合、料金は20,709円で、延長は30分ごとに1,980円になる」との返信があった。2台分の料金のちょうど半額の計算だ。平日なら1台17,257円ほどと考えられる。
 
　トラック1台に載せられる荷物量としては、申告した荷物量の半分程度が目安になるが、載せない荷物のアドバイス等は行っていないと書かれていた。赤帽トラック1台で済ませるには、かなり荷物が少ない場合に限られる。家財の一部を処分するなどして、載せる荷物量を調整する必要がありそうだ。

赤帽と他社料金（単身パック、単身プラン）を比較

　赤帽の引越しを検討している人の中には、他の引越し業者の単身プランや、専用カーゴで運ぶ単身パックと比較して決めたい人もいるはずだ。結局、どれが1番お得に引越しできるのだろうか。今回の赤帽の見積もり料金と比較してみた。

引越し業者の単身プランと比較

　まずは、他の引越し業者の単身プランと比較してみよう。他社の料金相場を調べるために、引越し一括見積もりサイト「引越し侍」を活用した。引越し侍で、同じ引越し条件を入力すると、以下のように対応業者と概算価格が表示される。

　今回の条件で対応可能な業者は6社で、概算価格は35,860円～117,315円だった。あくまで正式な見積もり金額ではないが、目安になる数字だ。最安値35,860円は中小の引越し業者で、赤帽の引越し料金と比べて約6,000円安いことになる。

　ちなみに、以前筆者が今回と同じ約50kmの引越しで利用した業者は、35,000円だった。このあたりが最安値ラインなのだろう。

　荷物が赤帽車1台に入らないなら、総合的に見て、一般の引越し業者を利用した方がお得になりそうだ。　

　赤帽車より格段に大きいトラックのため、万が一荷物が増えてしまっても入る可能性があり安心である。筆者の場合は、特にダンボールを自分で準備するのが手間に感じるため、引越し業者を選ぶだろう。

単身パックと比較

　単身パックは、日本通運（日通）の単身パックを対象に比較した。日通では、SサイズとLサイズのラックが用意されており、最大でLサイズのラック3台まで載せることができる。

赤帽と日通の単身パック比較

	赤帽車	単身パック （Lサイズ）
サイズ	高さ130cm× 横幅130cm× 奥行き190～200cm	高さ175cm× 横幅108cm× 奥行き104cm
容積	約3.4㎥	約1.9㎥
運搬 方法	貸し切り	混載
基本 料金	13,750円～	22,000円～

　しかし、日通の公式サイトで料金を試算してみたところ、赤帽の見積もり時に入力した荷物量だとLサイズ3台でも載せきれなかった。

　具体的には、家具や家電は収容できるものの、ダンボール（10箱）はほぼ載せられない。また、自転車は大型の家財扱いとなり、単身パックとは別送のオプションになる。
 
　なお、載せられる最大の量（Lサイズ3台分）での見積もり料金は、60,500円（税込）だった。赤帽の見積もり料金と比較すると割高で、荷物を運びきれないこともあり、今回の引越し条件には合わなかった。

　単身パックは、遠距離でもリーズナブルなのが利点のため、荷物が少なく、距離のある引越しの場合に適している。赤帽と比較するなら、公式サイトで料金をシミュレーションしてみよう。日通のほか、ヤマトホームコンビニエンスでも試算できる。

【関連記事】>>日本通運（日通）の引越し見積もりを取った結果は？ 見積書の料金と単身パックを比較！ 営業の対応や満足度、口コミ・評判を徹底検証

赤帽のメリット・デメリット、おすすめの人は？

　赤帽を利用するメリットやデメリット、どんな人におすすめかを解説する。実際に見積もりを取って分かった点も含めているので参考にしてほしい。

メリット

　電話や訪問見積もりをせずに、メールのみで引越し料金が確定するのは、手間が省けるので大きなメリットだ。

　引越し料金は、料金体系が統一されていて、分かりやすい。また、平日、土日・祝日で金額が一律のため、週や日によって金額が異なることがない。一般的な引越し会社だと、平日でも日によって金額が違うケースがあり、月末は高くなる傾向にある。

　今回は、トラック2台分の料金のため割高感があったが、1台分だと約2万円と、引越し業者を使うより安いのは確かだ。

　担当拠点の営業姿勢は、いわゆるプッシュ型の営業感はなく、必要最低限のやり取りだけで済んだのが良かった。メールの返信も1時間～数時間で来たので、スムーズにコミュニケーションが取れた。

デメリット

　デメリットとしては、軽トラックでの運搬であるがゆえの積載量の少なさが挙げられる。トラック1台でまかなえるならリーズナブルだが、単身でもかなり荷物が少ない人でないと厳しそうだ。

　また、料金体系が確立されているために、価格交渉に応じていない点はデメリットになる。値引きを希望する人にとっては残念であろう。その他、サービス面では、荷物の運び出し・運送・運び入れ以外は基本的に行っていないことを理解したうえで利用する必要がある。

おすすめの人は？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　メリット・デメリットをふまえて、赤帽の引越しがおすすめなのは、以下のような人だ。

【独自調査】赤帽引越しの口コミ・評判は？

　編集部では、引越し業者の満足度アンケート調査（2023年1月）を実施。引越し経験者からの回答をもとに、引越し業者おすすめランキングを公開している。赤帽は、ランキング対象の全12社中9位だった。実際に赤帽の引越しを利用したユーザーによる満足度評価や口コミ・評判を見ていこう。

■赤帽の評価　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

評価点数（全12社中9位）

総合評価	平均価格	営業の対応	見積もり
69.1点 ★★★★★	¥49,425	10.6点 （10.9点） ★★★★★	6.8点 （7.2点） ★★★★★
価格満足度	接客・マナー	作業内容※	トラブルの少なさ
10.5点 （10.6点） ★★★★★	6.9点 （7.2点） ★★★★★	10.8点 （10.9点） ★★★★★	10.9点 （10.9点） ★★★★★
オプション内容	リピートしたい
5.9点 （6.4点） ★★★★★	6.7点 （6.4点） ★★★★★

各項目は10点満点（※の項目は15点満点）
（ ）内の点数は12社の平均点、★は偏差値に基づいた格付けを示す。赤帽の調査レビュー数は、88件。

　各項目の評価点では、「リピートしたいか」で6.7点（平均6.4点）と12社平均を上回り、「トラブルの少なさ」で10.9点（平均10.9点）と平均と同点だった。

■赤帽引越し利用者の評価、口コミ・評判　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　それでは、赤帽の引越し利用者の評価、口コミ・評判（全66件）を紹介していこう。対応エリアの個人事業主によってサービスに差が出てしまうためか、良い口コミがある一方で良くない口コミも散見された。料金については、コストパフォーマンスを高評価する声が目立つ一方、思ったより高かったと回答した人も見受けられた。

複数の引越し業者から相見積もりを取ろう

　ここまで、赤帽の引越しについて解説した。見積もりを検討している人の参考になれば幸いだ。

　まだ引越し業者を決めていないなら、複数の業者の見積もりを取って、比較した上で決めるのがおすすめだ。1社のみでは、見積もり料金が妥当なのか判断が難しく、高い金額で契約してしまうリスクもある。

　複数の引越し業者とやり取りするなら、引越し一括見積もりサイトが重宝する。一度の情報入力で対応可能な複数社に見積もりを依頼できるのが利点だ。

 「SUUMO引越し見積もり」「引越し侍」など、対応業者を比較して、依頼したい業者を自ら選べるサイトもある。気になる業者があれば、早めに見積もりを取るようにしよう。

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