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初心者でも分かる、注文住宅の見積書の見方は? 実際の見積書で総額の出し方を解説!「資金計画書」を作ってもらうことがカギ!

【第7回】2019年12月5日公開(2022年6月16日更新)
船渡亮:株式会社かえるけんちく 代表・一級建築士

注文住宅の見積は、決まった書式がなく各社バラバラです。見積書の見方がわからないという人も多いことでしょう。しかも、家づくりの総額は「資金計画書」を見ないとわからないということをご存じでしょうか? 今回は、注文住宅の見積書と資金計画書の具体的な例を挙げながら、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。また、各地域の見積りの相場も紹介します。(株式会社かえるけんちく代表・一級建築士 船渡亮)

見積書には「商品住宅型」と「完全注文住宅型」の2種類ある

注文住宅の見積もり書を読み解くのは難しい   出典:PIXTA
注文住宅の見積書を読み解くのは難しい(出典:PIXTA)

 注文住宅の見積は、決まった書式がなく各社バラバラで、以下のように大きく2つに分けることができます。

1.商品住宅型
2.完全注文住宅型

 まずは1の「商品住宅型」について説明しましょう。

「商品住宅型」の見積書はシンプルで正確

 「商品住宅型」は、大手ハウスメーカーやフランチャイズなど商品住宅を持っている会社による見積書です。

 商品住宅とは、規格住宅、セミオーダーなど呼び方は様々ですが、ここでは標準仕様と坪単価が決まっているものは全て「商品住宅型」と呼びます。

 このタイプは、あらかじめ外装や内装、断熱や構造、住宅設備などの標準仕様が決まっており、平面図や立面図があれば見積ることが出来ます。主な特徴は、

①見積書が早い
②見積書が正確
③仕様は見積書ではわからない

 となります。見積書はシンプルで、建物本体は通常、坪単価で計算します。オプション(標準仕様から外れるもの)や、建築本体工事以外(付帯工事、経費等)は、別途、見積りが計上されます。

「商品住宅型」の見積り例
写真を拡大 「商品住宅型」の見積書例。本体工事のフリープランとは自由に間取りを決められること

 そのため住宅会社側の作業も短時間で済むので、比較的早い段階で見積をもらうことができます。

 また項目が少ないので、見積り落としが起きにくいのも特徴です。

 標準仕様があるため、仕様は明確ですが、見積書を見るだけでは、どのような仕様かわかりません。別途カタログや図面を確認する必要があります

自由度が高い「完全注文住宅型」

 2の「完全注文住宅型」は、主に設計事務所や中小の工務店による見積書です。

 このタイプは、標準仕様が決まっていないため、外装や内装、住宅設備等の仕様を施主が自由に決めることができます。特徴は、

①見積書に時間がかかる
②見積り落としのチェックが必要
③見積書を見れば、仕様がわかる

 となります。標準仕様がないため全てを決める必要があり、ある程度打ち合わせをしないと見積りが出来ません。長い期間打ち合わせを行い、良い間取りが出来たものの見積もってみたら予算オーバー、ということがよくあります。

 また、見積書が細かくなるので、打ち合わせをした項目が全て見積書に入っているかを住宅会社と施主双方でチェックする必要があります。

 半面、全ての項目が入れ替え可能なのでコストダウンはしやすい、また見積り詳細がわかるので、見積書に納得感があります

 実際は、「商品住宅型」でも標準仕様を変更することは可能ですし、「完全注文住宅型」でも標準仕様を持っている場合もあります。

 一般には標準仕様があるほうが、住宅会社も大量購入が可能になり仕入れ価格を安くできるため、施主としてもメリットがあります。

 注文住宅を建てるとなると、細かい部分まで自分で選ぶと思いがちですが、標準仕様はコスパが良いので、予算とのバランスを考えて調整するのが良いといえます。

「完全注文住宅型」の見積もり例。細かい仕様に分かれ、それぞれの料金が分かる
写真を拡大 「完全注文住宅型」の見積書例。細かい仕様に分かれ、それぞれの料金が分かる

カタログなどを見て、仕様を理解することが大切

 商品住宅型と完全注文住宅型、どちらの場合でも大事なのは、見積書の仕様を理解することです。見積り依頼時に仕様を指定している場合は、その通りになっているかを確認しましょう。

【関連記事はこちら】注文住宅の間取りを成功させるコツは、丁寧な「要望書」づくりにある!

 実は、「仕様を理解する」という意味では、カタログなどで標準仕様が解説されている「商品住宅型」は有利です。

 逆に「注文住宅型」は、石膏ボードの枚数や金物の数など、施主にとってどうでも良い部分が多く、逆に、キッチンなどの住宅設備は品番しか書かれていないため、よくわからない場合があります。

 また、耐震等級や断熱基準なども見積書だけでは理解できません。

 そのため「注文住宅型」の場合でも、見積書にどのような仕様が含まれているかを、カタログや仕様書で示してもらえるようにお願いする方が良いでしょう。

見積書は「建築本体工事」「付帯工事」「経費」に分けるとわかりやすい

注文住宅の見積書の見本
見積書は項目分けするとわかりやすい

 「商品住宅型」「完全注文住宅型」どちらの場合も、見積書は、下記のように①~③に分類できます。それぞれの項目について説明しましょう。

①建築本体工事

 家そのものを作るための価格です。坪単価で計算されるのはこの部分になります。「家そのもの」とは、基礎や構造、断熱、壁、屋根、窓や内装、キッチンやトイレ、浴室などの住宅設備で、下請け工事会社や職人への人件費も含みます。

②付帯工事

 「建築本体工事」以外の建物に付帯した工事費用になります。一般には、敷地条件によって条件が変わる「屋外給排水工事」「ガス工事」「地盤改良工事」などがこれに当たります。

 この見積書では、付帯工事を2つに分けて、「太陽光発電工事」や「照明工事」「空調工事」が、「その他の付帯工事」に入っています。これらは「建築本体工事」に入る場合もあれば、「その他工事」になることあり、住宅会社により様々です。

 ここで注意すべきなのが、「地盤改良工事」です。「地盤改良工事」の有無や工事費用は、計画地で地盤調査を行わないと、詳細がわかりません。そのため、「調査結果による」と見積書に算入されてない場合もあります。

 ただ、地盤調査が行われるのは一般に建築工事請負契約後で、「地盤改良工事」の費用が50~100万円と高額であることから、工事費に算入してもらう方が安心です。「地盤改良工事」を行う地盤改良会社では、近隣の地盤データを把握していますので、住宅会社から確認してもらいましょう。

③経費

 住宅会社の人件費や、設計料、建築確認申請の手数料などが計上されています。

 設計料は設計担当者の人件費、または設計外注費で、工事監理料は、工事監督の人件費です。その他諸経費は、営業担当者や間接部門などの人件費や会社利益となります。

 「経費」は住宅会社の「粗利」に相当するのですが、明示される数字は「粗利の一部」です。実際は、(A)建築本体工事や(B)付帯工事にも「粗利」は計上されていると考えてください。

 実際の粗利は、工務店で15~30%、大手ハウスメーカーで30~40%と言われており、会社や物件によって様々です。

 一般に粗利が高い会社の方が人件費をかけることができるため、打ち合わせやアフターメンテナンスが手厚い傾向にあります。

家づくりの総額は、「資金計画書」を見ないと分からない!

資金計画書の一例
写真を拡大 資金計画書の一例

 実は、見積書だけでは家づくりの総額はわかりません。

 見積書はあくまで、住宅会社が請負う「建築工事費」のみとなります。家づくりの総額を知りたい場合は、「資金計画書」を住宅会社に作ってもらう必要があります。

 資金計画書は、主に「建築工事費」「別途工事費」「その他費用」で構成されます。

 建築工事費」は、見積書に計上されている工事で、工事請負契約するのは、この部分になります。ほかに、土地購入費が記載されている場合もあります。

 「別途工事費」は、「建築工事費」以外の工事で、ここでは「解体工事」や「外構工事」が記載されています。

 この他、「照明工事」や「空調工事」などがここに入ることもあります。これらの工事は、住宅会社が請負うこともありますが、施主が解体業者や外構会社などの工事会社と直接、契約することもあるため、別途工事として計上されています。

 「その他費用」は、「工事請負契約書印紙代」や「地鎮祭費用」、「水道局納金」や「登記費用」「火災保険」「引越し費用」など、工事ではないですが、家づくりに関わる必要な手続きに関する項目です。

 これらすべてを合計したが、家づくりの総額になります。

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最低1社はハウスメーカーに見積書依頼を

資金計画書は、各ハウスメーカーで記載項目が異なるため、複数の会社に依頼するといい
写真を拡大 資金計画書は、各ハウスメーカーで記載項目が異なるため、複数の会社に依頼するといい

 また、項目はあるものの別途扱いで費用が入っていない箇所が多い場合、家づくりの総額が把握できません。

 これは道路や敷地の調査が終わっておらず、工事費用を住宅会社も把握できていないのが理由です。

 最初の見積書で、未調査部分があるのは仕方ないのですが、打ち合わせが進み、住宅会社を選ぶ段階では、必要な項目は全て計上してもらうようにしてください。

 また、そもそも「資金計画書」を作成しない住宅会社(特に工務店)も多くあります。

 そのため、1社でも良いので大手ハウスメーカーに見積書に参加してもらえると、資金計画書を作成してくれるので、総額を知るのに必要な項目を把握することができます。

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仕様を揃えてから比較検討することが大切

 住宅会社各社から見積書が出そろったら、各社の仕様や性能を表にまとめ比較しましょう。仕様が違う部分については、各社揃うように見積り修正を依頼するようにします。

 このように、なるべく仕様を揃えることで、提案された見積書の妥当性が把握できるようになります。

 比較する項目は、記事「注文住宅の間取りを成功させるコツは、丁寧な「要望書」づくりにある!」で紹介した「採用したい仕様」が参考になります。

□耐震等級
□モノコック工法
□制振装置
□構造計算
□断熱等級、ZEH、HEAT20等の断熱グレード
□換気空調設備
□床壁天井
□外壁
□住宅設備の商品やメーカーの指定

 この他、メンテナンスや定期検査の頻度、保証内容、打ち合わせ方法、担当者の人柄や経験、提案の良し悪しなど、仕様だけではなく、家づくり全般について比較するようにします。

全国の建設費用相場は?

 最後に、全国の建設費の相場を紹介します。「建設費」とは、建物本体や付帯工事、経費などを合算した家づくりの総額のことです。資金計画書の金額から、土地代を引いたものになります。

 まず、建て替えや借地など、新規に土地取得のない建設費相場を紹介します。床面積の地域差はあまりないですが、首都圏の建設費は全国平均より300万円近く高いことがわかります。

全国の建築費相場(土地取得費用なし)
出典:住宅金融支援機構(フラット35の2018年調査 https://www.jhf.go.jp/about/research/H30.html より抜粋)
写真を拡大

 以下は、土地購入して注文住宅を建てた場合の建設費の相場です。意外にも首都圏の建設費用が最も低いのですが、これは土地取得費用が、全国平均に比べて800万円以上、高いためです。

 家づくりにかけられる総額は、世帯年収によって決まるため、土地の取得費が低い地域の方が、建設費にかけられる費用は高くなる傾向になります。

全国の建築費相場(土地取得費用含む)
出典:住宅金融支援機構(フラット35の2018年調査 https://www.jhf.go.jp/about/research/H30.html より抜粋)
写真を拡大

 つまり、どの土地を選ぶかによって、家の建築にかけられる費用(建設費)が決まることになります。土地取得に費用をかけすぎると、建設費を確保できず、床面積や仕様で満足できない場合もあります。

 家づくりの総額を土地と建物にどのように振り分けるか、優先順位を決めて、慎重に土地取得を検討する必要があります。

 次回は、同じ30坪の敷地で、建築費2000万と3000万でどのような内容の違いができるかを検証します。 

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住宅会社の選び方を解説!ハウスメーカーvs工務店vs設計事務所
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