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家づくりの完成までの流れを知ろう! 
住宅会社選び→間取り決定→契約→竣工まで

【第3回】2019年9月5日公開(2019年11月25日更新)
船渡亮

船渡亮(ふなと・あきら、株式会社かえるけんちく代表。一級建築士):

年間コンサル数1000件を誇る家づくりコンサルタント。購読数5000人の無料メールマガジン「かえる家づくり\脱/初心者講座」を配信し、「理想の暮らしを家づくりで実現する!」ための知識をわかりやすく紹介している。また、月間15万PVのブログ「かえるけんちく相談所」を運営し、家事動線、収納、断熱気密や構造、夫婦関係など、家づくりや暮らしについて独自の切り口で解説する。

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注文住宅を建てると決めたら、最初に知っておくべきなのが、家づくりの流れです。この流れは、ハウスメーカー、工務店、設計事務所のどこに頼んだとしても、ほぼ同じになります。まずは、ざっくりとした流れと、気を付けるポイントを学んで、入居希望日までのスケジュールをイメージできるようにしましょう。(株式会社かえるけんちく代表・一級建築士 船渡亮)

注文住宅が出来上がるまでには7つの工程がある

 注文住宅を建てるには、上記の7つの工程が必要になります。家づくりの期間は、土地が決まっている場合でも、1年はかかると考えておいた方が良いですね。あまりタイトにスケジュールを組んでしまうと、納得できないまま工事が進んでしまうこともあります。家づくりの期間に比べて、そこに住む期間は、30~50年と長期間です。後悔しないように余裕をもったスケジュールを組むようにしましょう。

1)準備段階でやることは、資金計画と基礎知識の習得

 ここからは、各工程の説明と施主が気を付けることを紹介します。

 まず、第一の工程の「準備段階」は、家づくりの基本的な知識を学び、家や暮らしについて家族で話し合い、資金計画を立てる期間です。書籍やインターネットで情報収集をしながら、家族でこれからの暮らしや家づくりの方向性について話し合う機会を設けるようにしましょう。

理想の暮らしを話し合う

 注文住宅をつくって、どんな暮らしを実現したいのかについて、話をしてみましょう。屋上でBBQをしたい、ピアノを思う存分弾きたい、ボルダリングがしたい、とにかく家事時短、片付けやすくしたい、洗濯ストレスをなくしたい、または、一年中快適に暮らしたい、地震の不安をなくしたい、家族の会話が弾むようにしたい、などなど、新しい家での新しい暮らしで実現したいことを、まずは書きだしてみてください。その中から、「これだけは絶対に実現したいこと」を選んで、家族で共有するようにしましょう。

 「これだけは絶対に実現したいこと」は、家づくりを進める中で、変更やアップデートしても構いませんので、まず言葉にして、自分や家族で確認するようにしてください。

資金の総額を決める

 住宅会社を決める前に、家づくりに使えるお金の総額を決めます。総額は、自己資金+住宅ローン借入額で決まります。住宅ローン借入金額は、最初は、現在の家賃をベースにローンを考える、年収の5倍で考える、などざっくりとした数字でつかんでおき、その後、ライフプランシミュレーションを行い、将来のお金の見通しを立てるようにしましょう。

 ライフプランシミュレーションでは、年収や住宅ローンの他に、教育資金や旅行、車の買い替えの頻度なども検討します。家づくりは理想の暮らしを実現する手段でしかないわけですから、新居で豊かな暮らしを送ることを第一に、無理のない計画を立てるようにしましょう。

展示場に行く

 住宅展示場に行く目的は2つあります。

 1つ目は、家族の家や暮らしに対する価値観を知ることです。実際に暮らしたらどうだろうという視点でキッチンに立ったりソファに座ったりしながら感想を話すことで、家族の知らなかった一面を知ることもできます。

 2つ目は、家づくりの知識の共有です。インターネットや書籍からの情報収集は一人で行う場合が多いので、家づくりの知識量は家族によって偏りがちです。住宅展示場であれば、基本的な家づくりの情報が分かりやすく紹介されており、営業も説明してくれるので、知識を共有できます。

 ただ2回目の「住宅会社の選び方」で話したように、展示場ではアンケートへの個人情報の記入を求められますが、この段階ではスルーした方が無難です。「名前は書きたくないので!」と宣言すれば、それ以上は何も言われませんし、そういう方も多いので気にせず見て回りましょう。

2)住宅会社選び・間取り検討期間が、家づくりの中核!

 次は住宅会社、間取り、仕様のグレード、そして総額と家づくりの大枠を決める期間です。

 最初にすべきことは、候補となる複数の住宅会社の営業担当者に会い、 敷地、要望、家づくりの予算、引渡し希望日を伝え、間取りと見積もり提案を依頼することです。間取り提案は無料で受けられますが、あまり多くの会社から提案依頼すると打ち合わせも大変なので、3~5社に絞ります

 家づくりにとって、最も重要な時期で、時間も気力も必要になります。仕事や家族の予定に余裕がある時期を選んだ方が良いですね。

住宅会社選びは、 二股、三股が当たり前

 恋愛で二股はNGですが、住宅会社選びには必要です。同時期に3~5社の住宅会社の営業担当者と会い、提案を受けるようにしましょう。

 株式会社かえるけんちくのアンケートでは、7割の施主が、5社以上の住宅会社の営業担当者と会って話をしています。その中の信用できる会社から提案を受けるようにすると良いですね。

 また要望事項を紙に書いてコピーしたものを住宅会社に渡すようにしてください。 こうすることで、言い忘れをなくし、同じ条件で提案を受けることができます。

参照:住宅会社の選び方を解説! ハウスメーカー、工務店、設計事務所のメリット・デメリットは?

\ここに気を付けよう!/

◆自分で書いた間取りは、住宅会社に見せない

 施主自身が考えた間取りは、住宅会社に見せるのは絶対にやってはいけません。なぜなら、その時点で住宅会社は考えるのをやめて、その間取りを清書するだけになってしまうからです。

 住宅会社は、施主の依頼で家を建てます。施主が言葉で要望を伝える場合には、さまざまな可能性が残されていますから、住宅会社からさまざまな提案を受けることができます。ですが、間取りを渡してしまうと、「この間取りが私たちの要望です」と言っているのと同じです。それを超える提案を受けられないのは当然です。

 見せたい気持ちをぐっとこらえて、家づくりの要望は、文章やイメージで伝えるようにしましょう。

金額比較は、仕様を同じにするのが前提

 見積もり金額の高い安いは、住宅会社の粗利率も関係しますが、大抵はサービスや仕様の違いによります。サービスとは、設計提案の質やインテリアコーディネーター、アフターメンテナンス等の人件費に関わる部分です。仕様は、構造・断熱・気密・防音・内装・外装などですね。

 サービスの部分は施主が動くことでカバーすることもできますが、仕様の違いは暮らしに関わる部分になりますので、慎重に決める必要があります。金額比較する場合には、自分達に必要な仕様を決め、なるべくそろえるようにしましょう。

3)間取りと仕様を確定し、仮契約をする

 住宅会社を決定したら、請負契約までに間取りや仕様を確定します。

 最初の間取り提案は無料の場合が多いですが、2回目以降は住宅会社によって費用が発生する場合がありますので、注意が必要です。

・ハウスメーカーの場合:前金を支払い、請負契約をする※いわゆる仮契約がこれに当たります
・工務店の場合:申込金を支払う
・設計事務所の場合:設計委託契約を締結する
・工務店の場合:請負契約までは費用発生はしない

 どのような流れで打ち合わせを進めるか、最初に確認するようにしましょう。

\ここに気を付けよう!/

◆解約の条件は書面で確認する

 「間取りや仕様を確定してから請負契約をする」のが基本的な考えではありますが、ハウスメーカーだと出来ない場合が多いです。また、申込金を支払う、または、設計委託契約をする場合でも、間取り確定前に費用が発生します。順調に打ち合わせが進めば良いのですが、途中で解約したいと思う場合もあります。

 そこで重要になるのが途中解約した場合の返金条件です。実はこの相談が非常に多いので、契約前には必ず書面で確認するようにしましょう。特に「申込金」はとても曖昧な説明がされる場合が多いので、注意が必要です。

 また、間取り確定をする前に、必ずシステムキッチンやユニットバス、洗面化粧台などをショールームで確認するようにしてください。特にキッチンは、LDKの間取りや家事動線に大きく関わります。ショールームに現状の間取り図を持参して、メジャーで寸法を確認しながら、キッチンとダイニング、リビングとの位置関係を、家族で確認します。

 カップボード側の壁には、窓を設置することも多いので、位置関係にも注意しましょう。窓の位置によっては希望の商品が設置出来ない場合もあり得ますので注意が必要です。

間取りで暮らす

 そして、提案された間取りが自分達にとって住みやすいか否かを確認するには、「間取りで暮らす」という方法を実践することをおススメします。

 「間取りで暮らす」は、私が提唱する間取りのシミュレーション方法で、やり方はシンプル。朝起きてから、夜寝るまでの動きを間取り上で想像する、というだけです。

 間取りで想像するのは難しいと感じるかもしれませんが、新居での暮らしも、今の生活や習慣がベースになるはずですから、今の生活を思い返しながら間取り上を動いてみると良いですね。

 間取りで暮らしてみて、生活しにくいと思った場合は、その旨を住宅会社に伝えて間取りの修正を依頼し、ブラッシュアップしていきましょう。

4)請負契約・確認申請の期間、その後は小さな変更でも費用が発生する

 間取りや仕様が決まり、本見積もりが予算内であれば、いよいよ請負契約です。と同時に、確認申請(*1)の提出準備に入ります。 確認申請提出の日が決まれば、その後の工程は全て決められます。 つまり、引渡し予定日が正確に分かる、ということです。

 確認申請の期間は、木造なら最短で1週間です。 長期優良住宅などの申請も同時にする場合は、3週間は必要になります。この期間中に色決めやスイッチコンセント、住宅設備などを最終決定するようにします。

\ここに気を付けよう!/

◆打ち合わせ内容を文書化してから、請負契約する

 建築工事請負契約とは、図面・仕様・見積り・支払いスケジュール・着工、引き渡し日・保証などをセットで契約することを言います。契約内容は、全て図面や書類に記載されていることになりますが、逆を言うと、記載されていないことは契約外、ということです。

 「これくらいサービスでやりますよ」と営業が話していたことや、打ち合わせして決まった内容が全て図面や見積書などに記載されているか、必ずチェックしてください。また引渡し日が遅れた場合の違約金についても、契約前に確認するようにします。

 確認申請を提出した場合、それ以降の窓やドア位置の変更には、計画変更申請や軽微変更届けが必要になるため手数料が必要になります。また長期優良住宅や性能評価の場合、構造計算を行うので、窓位置変更でも、住宅会社側はそれなりの手間がかかります。原則、確認申請後は間取りや窓、ドアの位置は変更できないと考えましょう。

 確認申請提出後は、外観やインテリアの色決めを行うことになります。ここで気を付けるのは、サンプルを確認する時の光です。外壁材であれば、外に出て太陽光で見る、壁紙であれば、使用する照明の色(電球色・温白色・昼白色)の下で見るようにします。光によってかなり印象は変わりますので注意しましょう。

 また、壁紙やフローリングは、家具やカーテンも入った状態をイメージしてコーディネートします。

確認申請(*1):
建築工事をする前に、建築主事(役所)や指定確認検査機関(民間)に申請書を提出し、建築基準法等に適合しているかを確認すること。申請者は建築主だが、ハウスメーカーや工務店が代理で申請する。戸建て住宅の場合、申請期間は1週間程度。  確認申請が下りると、確認済み証が発行される。

5)地盤改良・地鎮祭は、まとまった費用が必要

 請負契約後に生じた変更等は、変更契約を行うことで調整します。 金額的に最も大きいのが、地盤改良工事です。建て替えの場合、請負契約後に解体工事、そして地盤調査となるため、地盤改良工事の有無は着工前に分かるのがほとんどです。あらかじめ予算として、50~100万円程度を入れておいた方が良いですね。

 地鎮祭は、その土地の神を鎮め、土地を利用させてもらうことの許しを得る行為です。家族で いよいよ、着工だ!という気持ちにもなりますし、なかなか体験できないことなので、 やることをお勧めします。 また監督との顔合わせや近隣への挨拶も同時に済ませることができます。神主への玉串料は、3万円~5万円程度になります。

\ここに気を付けよう!/

◆地鎮祭以降に変更するのはNG!

 地鎮祭では、ビニール紐などで、建物位置を確認できるようになっています。これ以降の配置変更はできませんので、近隣との関係や駐車場の位置などを最終確認してください。もし、どうしても配置が気になる場合には、住宅会社に相談しましょう。この時点からの配置変更は、費用も時間もかかりますし、引渡し日でも影響しますが、まだ引き返すことはできます。

 また、地鎮祭では担当の現場監督との顔合わせもありますので、工程表をいつもらえるのかを確認しましょう。「工程表は俺の頭の中にあるんだけどな」とうそぶきますが、大抵、工期が守れなかったり、管理が雑だったりします。

 専門的なことは現場監督に任せるにしても、工事予定と進捗状況を、施主は常に把握しておく必要があります。全体工程と、雨などで延期した場合には更新された予定を必ずもらうようにしましょう。

6)着工~竣工は、工法によって期間はさまざま

 着工から竣工までの期間は、2~6カ月と工法によって様々です。 セキスイハイムのようなユニット工法の場合は、2カ月程度で済みますし、 木造の軸組み工法や枠組み工法(2×4、2×6)の場合は、2~6カ月かかります。工事中は、施主自身も、現場には週1回程度は足を運び、工事の進捗や近隣へ迷惑になっていないかなど、確認するようにしましょう。

\ここに気を付けよう!/

◆基礎だけ見ると、家は小さく見える

 家は基礎だけの状態がもっとも小さく見えます。基礎をみて、心配になる方もいますが、壁が立ち上がると見え方も変わりますので、ご安心を。

 基礎のクラック、耐力面材の釘打ちのピッチ、断熱材の施工などは、素人の方が見ても良し悪しがわかります。現場の状況を確認して、気になる部分は写真に撮り、監督と営業にメール等で質問するようにしましょう。

 ただし、絶対にやってはいけないのが、施主が直接、職人に指示を出すこと。職人は監督の指揮下にありますので、施主が指示すると混乱します。施主は住宅会社に家づくりを依頼していますので、質問や指示は、その窓口である監督に対して行うようにします。

7)引き渡し・外構工事期間に気を付けることは、残金の支払いタイミング

 建物が竣工すると、「内覧会」が行われます。内覧会とは施主と営業・監督が建物に集まり、住宅設備等の説明や施工ミス、不具合がないかを確認することを言います。問題があった場合は、資材の交換や補修をしてもらいますので、少なくとも引渡しの10日前には、内覧会を行うようなスケジュールにしてもらった方が良いですね。

\ここに気を付けよう!/

◆手直しが終るまで、残金は支払わない

 引渡しが終わると、残金の支払いとなりますが、残金は施主にとっての切り札です。手直しが終わるまで、残金の支払いは待った方が無難です。「残金と外構工事の費用を支払ったにも関わらず、引渡し直後に会社倒産」ということも、あり得ます。

 また大手ハウスメーカーはアフター部門が独立していますが、工務店は、監督がアフターを担当する場合が多いです。引き渡しが終わると、監督は別の現場を担当することになるので、アフターの対応が悪くなりがちです。手直しが延びて良いことは一つもないので、短期間で終わらせるように交渉しましょう。

 また、外構工事は、住宅会社が行う場合と、施主が直接、外構会社に発注する場合の2つがあります。当然、外構会社に直接依頼する方が安価にはなりますが、最初からそのように住宅会社に話してしまうと、外構を全く考えてくれなくなります。特に玄関廻りは外構との関わりが大きいので、計画段階では住宅会社に依頼することを基本にしましょう。外構工事を直接発注に切り替えるのは、ある程度計画が固まった段階で行った方が良いですね。

次回は、戸建て住宅の主な建築工法について解説します。

イラスト©ざわとみ

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