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【第4回】2019年10月1日公開(2019年11月25日更新)
船渡亮

船渡 亮(株式会社かえるけんちく代表。一級建築士)

年間コンサル数1000件を誇る家づくりコンサルタント。購読数5000人の無料メールマガジン「かえる家づくり\脱/初心者講座」を配信し、「理想の暮らしを家づくりで実現する!」ための知識をわかりやすく紹介している。また、月間15万PVのブログ「かえるけんちく相談所」を運営し、家事動線、収納、断熱気密や構造、夫婦関係など、家づくりや暮らしについて独自の切り口で解説する。

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戸建て住宅で使われる3つの建築工法について知ろう!そのメリット・デメリットは?

戸建て住宅には、いくつかの工法があります。価格、断熱性、耐震性、工期などの検討項目があり、何を優先し、どのような暮らしを実現したいかによって、選ぶべき工法が決まります。今回は、主な工法の特徴とメリット・デメリット、またどのような人にどの工法がお勧めかなどを紹介します。(株式会社かえるけんちく代表・一級建築士 船渡亮)

戸建て住宅の主な工法

 一昔前、戸建て住宅は、構造や工法により、耐震性、断熱性、防火性、耐久性に大きな違いがありましたが、2000年の建築基準法改正や2009年の長期優良住宅制度等により、住宅性能は大幅にアップし、工法ごとの差は随分少なくなっています。アップデートした9項目の工法比較表をまとめてみました。

各項目の説明
▫️耐震性 住宅性能評価制度の耐震等級3の取得のしやすさを基準に評価。全ての工法で基準を達成できるが、筋交いは耐震性が低く、効果も疑問視されているため、最低評価になっている。
▫️断熱基準達成率 国が定めている断熱基準(断熱等性能等級4)の達成率を評価。全ての工法で基準を達成できるが、軸組工法は中小の工務店が採用することが多く、他の工法に比べて未達の割合が高い。
▫️間取りの自由度 間取りの自由度合を評価。規格が決まっているプレハブは間取りの制約を受けやすい。
▫️工期 着工から竣工までの期間を評価。プレハブは、最短2か月程度と短くて済む。ただし別途、工場生産の期間が必要。
▫️耐久性 住み続けられる期間を評価。長期優良住宅制度では、100年程度、構造躯体が使えることを目指しているので、どの工法であっても耐久性の高い住宅をつくることは可能。
▫️施工精度 施工のしやすさ評価。プレハブは工場で生産するため、一般に施工性が高い。逆に軸組工法はマニュアルもないため、住宅会社や職人の能力により、施工精度が大きく変わる。
▫️国内シェア 毎年の着工戸数に対しての各工法のシェアを評価。
▫️価格 工法ごとの建築工事費を評価。軸組工法(在来)はローコストに建てることが可能だが、耐震性や断熱性を伴わない場合が多い。
▫️高断熱化 国が定める基準以上に高気密高断熱化する場合のポテンシャルを評価。木造は、躯体(木部)の断熱性が鉄骨造やRC造よりも高いため、高断熱化しやすい特徴がある。

軸組み工法(木造)は、柱と梁で家を支える日本の伝統的な工法

▪代表的なハウスメーカー:住友林業、一条工務店、タマホーム

 軸組み工法は、日本の伝統工法です。枠組み壁工法が壁や床によって家を支える構造に対し、軸組み工法は、主に柱や梁で支えます。国内シェアは70%で、一般に戸建て住宅といえば、木造軸組み工法の建物を指すことが多いでしょう。

 軸組み工法のメリット、デメリットは以下の通りです。

▪メリット

・間取りやデザインの自由度が高い
・増改築をしやすい
・躯体(柱や梁)を見せることができる
・価格が比較的安い

 間取りの自由度が高く敷地に合わせて計画しやすいので、変形敷地でも対応できます。柱と梁で構成されているため、増改築しやすい、というメリットもあります。また和風やナチュラル系のデザインにしたい場合には、柱や梁を表しにすることも出来ます。

▪デメリット

・住宅会社により品質のばらつきが大きい

 住宅会社の規模や特色もさまざまで、ローコストから、高性能住宅まで対応できますが、職人の能力に依存しており、品質のばらつきも大きくなります。

 軸組み工法では、躯体が断熱性の高い木材を使用することで快適な住宅をつくることが可能です。ただし昔ながらの「夏暑くて冬寒い住宅しか作れない会社」も多く存在していますので、住宅会社選びには注意が必要です。

 また、耐震性を高めるには、耐力壁の量を増やし、バランスよく配置する必要があります。柱と梁だけでは耐力壁にならないので、筋交いや構造用面材といった部材を追加します

 筋交いを追加したのが「在来工法」、構造用面材を追加したのが「モノコック工法」です。実はこの2つの工法、耐震性に大きな違いがありますので詳しく解説します。

在来工法(筋交い)とは?

 在来工法(筋交い)とは、筋交いで耐震性を確保した木造住宅のことです。筋交いとは、このように柱と梁の間に斜めに入る部材を言います。

 地震で建物が斜めに傾くとき、筋交いが柱を引っ張り、変形を少なくします。これにより、建物は、過度に変形することなく倒壊を免れることができる、と考えられていたのですが、1995年の阪神淡路大震災では、筋交いや柱が土台から引き抜かれ、倒壊する、という事例が多発しました。

 土台、柱、梁、筋交いが一体であれば大地震にも耐えられるのですが、それがバラバラになってしまっては、耐えることができません。

 その反省を受けて、2000年に改定された建築基準法(2000年基準)では、筋交いや柱が引き抜かれないように、接合金物補強の基準や壁量のバランスについて明記されました。これで筋交いの耐震性は上がりましたが、8年後に新たな事実が発覚します。

 2008年に東京都内で行われた実物大の耐力壁の破壊試験で、筋交いの耐力は、建築基準法の85%程度しかないことが判明したのです。建物の変形にも、想定の半分以下しか耐えられないことが分かっています。また、1カ所、筋交いが破断すると、全体が倒壊に至ることにもなるようです。

 また、2016年後の熊本地震でも、筋交いを耐力壁とした耐震等級2の住宅が全壊したことから、建築関係者の間では、「筋交いは、粘りがない」というように言われるようになりました。このように、耐力壁を筋交いだけで構成することには、耐震上のメリットは全くないことが分かっています。

モノコック工法とは?

 モノコック工法とは、壁、床を構造用面材で覆い、箱のようにして耐震性を高める工法です。2×4(ツーバイフォー)工法もモノコック工法の一種ですが、その技術を軸組工法に転用したものといえます。軸組工法を手掛ける大手のハウスメーカーのほとんどが、モノコック工法を採用しています。

 モノコック工法の特徴は、さまざまな地震の揺れに耐えられることです。筋交いは、地震の揺れ方によっては強くも弱くもなりますが、モノコックは建物全体で対応します。

 耐震等級3の取得は、モノコック工法であれば難しくはありません。ただし、住宅内の壁の多くを耐力壁にする必要があるため、増改築時には、どの部分が耐力壁として設計されているかを確認する必要があります。

枠組み壁工法(2×4・木造)は、米国やカナダで最も一般的な工法

▪代表的なハウスメーカー:三井ホーム、スウェーデンハウス、住友不動産

 枠組み壁工法(2×4)は、北米の伝統工法です。米国やカナダでは戸建て住宅のほんどが、枠組み壁工法(2×4、2×6)で建てられています。明治初期に日本に伝わり、札幌時計台も2×4で建てられました。本格的に日本で普及したのは、昭和40年代からで、阪神淡路大震災の直後、地震に強いことが知られるようになり、シェアを延ばしました。

枠組み壁工法(2×4)のメリット、デメリットは、以下の通りです。

▪メリット

・断熱気密性を高くしやすい
・省令準耐火構造にしやすい
・耐震性が高い
・部材が少なく、工法がマニュアル化されおり、品質のバラツキが少ない

▪デメリット

・間取りの計画や開口部の大きさには、制限がある

 断熱気密性・防火性・耐震性は、軸組み工法でも、住宅会社によっては実現可能になりました。ですが、枠組み壁工法の最大のメリットは、「品質のバラツキの少なさ」です。つまり、どの会社、どの職人が建てたとしても、断熱気密性・防火性・耐震性を一定以上のレベルで実現できる、という安心感があります。

 それが可能なのは、使われる部材の種類が少なく、建築工法がマニュアル化されており、高い技術を持った職人を必要としないからです。

 ただ、軸組工法のように大きな開口部を設けることは出来ません。例えば、軸組工法なら天井まであるハイドアや、高窓を設置出来ますが、枠組み壁工法では難しいです。逆にアールの壁は得意なので、洋風なデザインの住宅に向いていると言えます。

 なお、三井ホームやスウェーデンハウスなど大手のハウスメーカーは、2×6(ツーバイシックス)を採用しています。これは高断熱化のためです。2×4に入る断熱材は、89mmですが、2×6は、140mm。1.5倍の断熱材を充填できるため、より高断熱にすることが出来ます。

プレハブ工法(木造・鉄骨・RC造)は、多くの大手メーカーが採用

▪代表的なハウスメーカー:積水ハウス、大和ハウス工業、ヘーベルハウス、パナソニックホームズ、サンヨーホームズ、ミサワホーム

 プレハブ工法とは、「工場で部品を生産し、現地で組み立てる建築方法」のことです。

 戦後の深刻な住宅不足を解消するため、高品質な規格住宅の大量生産する、という目的で誕生しました。最新技術を導入した工場での品質管理下、主要部材が生産されるため、品質のバラツキが小さくなく、施工精度も高くなります。

 プレハブ工法のメリット、デメリットは、以下の通りです。

▪メリット

・工期が短い
・耐震性や断熱性が一定レベル保証されている
・施工性が高く、品質のバラツキが少ない
・アフターメンテナンスが充実している

 工期が短く、住宅に必要と思われる性能を基準以上でクリアしており、施工精度も高い、というのがプレハブ住宅のメリットです。性能面では、耐震等級3や断熱等性能等級4はクリアしている商品が多いですね。

 また、工場で大量生産できる資本力のある会社が経営していることから、倒産リスクが少なく、アフターメンテナンスも充実しているのも魅力です。

▪デメリット

・間取りの自由度が低い

 一方、工場生産の規格商品なので、間取りは若干制限されます。変形敷地や狭小敷地の場合は、敷地を活かしきれない、あるいは施工が難しい場合もあります。

 主要部材の工場生産は、かつてはプレハブメーカーの専売特許でしたが、現在は木造の在来工法も、構造材を工場でプレカットしていますし、枠組み壁工法も、事前に木質パネル化して、現場で組み立てることも多々あります。

 構造部材以外にも、窓、ドアなどの建材、キッチンや浴室といった住宅設備は、ほとんど工場生産されていることを考えると、全ての工法でプレハブ化は進んでいるといえます。

 実際、プレハブメーカーを選ぶ施主は、「プレハブだから」というよりは、「大手で安心できる」「アフターメンテナンスが優れている」といった理由で選ぶ方も多いようです。

▪軸組工法

 軽量鉄骨で柱、梁、土台などの骨組みを構成し、ブレース(筋交い)で耐震性を高める工法です。構造的には、木造の在来工法に近いですね。積水ハウスと大和ハウス工業は、木造の軸組商品もあります。

▪パネル工法

 床、壁、天井、屋根を、木質パネルにして、現場で組み立てる工法。構造的には、枠組み壁工法に近いですね。パルコンやレスコハウスは、床、壁、天井をコンクリートパネルで生産し、現場で組み立てます。

▪ユニット工法

 床、壁、天井や建具、住宅設備などを取り付けたユニット(部屋)をつくり、現場でブロックのように組み立てる工法。躯体は軽量鉄骨が多いが、セキスイハイムでは、枠組み壁工法のユニットもある。

 次回は、見積もり依頼の方法について紹介します。

イラスト©ざわとみ

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