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一級建築士が教える、リフォームやリノベーションのメリット・デメリットとは? リフォームに適した中古物件の選び方についても解説!

2021年3月11日公開(2021年3月10日更新)
井島加恵
監修者: Yuu
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最近、盛り上がりを見せているのが、中古物件を買ってリフォーム・リノベーションをするという動き。そこで、一級建築士・住宅リフォームコンサルタントのYuuさんに、リフォームやリノベーションのメリット・デメリットについて教えていただきました。(フリーライター・井島加恵)

「中古物件を買ってリフォームする」という選択肢

リフォーム メリットデメリット
(画像:PIXTA)

 「家を買おう!」と思ったとき、新築にするか中古にするかで迷う人も多いのではないでしょうか。中古物件のデメリットといえばもちろん、建物や設備が古くなってしまっていること。ところが、最近では「中古物件を買って、リフォーム・リノベーションをする」いう選択肢が急上昇しています。

 新築は、建物が新しく最新設備も整っていますが、購入費用がかさんでしまいます。一方、中古物件は新築よりも安い値段で購入できます。そのため、中古住宅を購入して購入費用を抑えつつ、リフォームやリノベーションをするという人が増えているのです。リフォーム・リノベーション業者も増えてきているので、情報に触れる機会も多くなっているのではないでしょうか。

 そこで今回は、中古物件をリフォームすることのメリットやデメリット、発注する際のポイントなどを紹介します。

■リフォームとリノベーションって何が違うの?

 住宅を改修することを「リフォーム」「リノベーション」と言いますが、実は、明確な定義はありません。「古くなった建物の状態を修復・改善すること」がリフォーム。「既存の住宅に新たな価値を加えて作り変えること」がリノベーションとして、使い分けられることが多いようです。

 また、修繕規模の大きさによって、リフォームなのかリノベーションなのかが使い分けられているのが一般的です。ちなみに、一般社団法人リノベーション協議会では、次のように定めています。

・リフォーム:原状回復のための修繕営膳不具合箇所への部分的な対処
・リノベーション:機能、価値の再生のための改修。その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修

出典:一般社団法人リノベーション協議会WEBサイト

中古物件×リフォームを選ぶメリットとは?

■住宅購入費用が抑えられる!

 いざ物件情報を調べてみると、最近の物件価格の高さには驚くはず。特に都内のマンションは物件価格の高騰が続いているので、都心に近い駅前の新築なんて、いったい誰が買えるのかと思ってしまうような高値です。予算が足りない場合は、予算に合わせて、立地や間取り(広さ)など、なにかしら妥協するしかありません。

 そんな時に浮上してくる候補が、中古物件です。中古であれば、都心の希望エリアでも手ごろな価格の物件に出合う可能性が高くなります。「最寄り駅から徒歩5分以内」「海の近くがいい」「緑が見える場所がいい」など、細かい条件をかなえやすくもなります。

  また、中古物件を購入してリノベーションをする場合、住宅金融支援機構が民間銀行・金融機関と提携して実施している住宅ローンの「フラット35」だと、「フラット35リノベ」という金利引き下げ制度を利用できる場合があります。一定の要件を満たすことで、借り入れから10年間、通常の金利よりも0.5%も金利が優遇されます。

フラット35リノベ 適用要件
写真を拡大  「フラット35リノベ」の適用条件(2021年1月から)出典:住宅金融支援機構から

■間取りや設備を選べるので、理想の住まいに近づく!

 リフォームやリノベーションをすれば、より理想の住まいに近づけることができます。使える部分は残して、気に入らない部分だけを変えるということも可能ですし、今は予算に余裕がないという場合も、住みながら理想の暮らしに合わせてリフォームするという方法もあります。または、すべて壊してフルリフォームする予定であれば、間取りを気にする必要がないので物件の選択肢も広がります。

 住宅リフォームコンサルタント・Yuuさんいわく、「自分たちの暮らしや、予算に合わせてやり方を細かく変えられるというのが、リフォームの最大のメリット。新築でも100%満足している人は意外と少なく、買った瞬間からリフォームをしたいと考えている人が多くいらっしゃいます。やはり万人に合う家というのはなかなか難しい。家や住まいにこだわりを持つ人こそ、リフォームを選ぶのではないでしょうか」。

リフォーム&リノベーションのデメリット

 リフォームやリノベーションは、メリットばかりではありません。「こんなはずじゃなかった!」という失敗をしないためにも、事前にデメリットも頭に入れておきましょう。

 リフォームに適した物件の選び方でお伝えしましたが、物件の構造によって撤去できない壁や柱があり、間取りやデザインに制約がかかる可能性があります。特にマンションは、躯体や柱だけを残してスケルトンリフォームをする場合でも、望み通りにリフォームできないことがあります。

■管理規約や構造上の制限がある(中古マンションの場合)

 マンションには管理規約があり、その制約を守らないといけません。例えば、フローリングにしたいと思っていても、遮音規制で床材が定められているなどです。なにより、共用スペースにあたる玄関ドアやコンクリートの構造部分は、リフォームできないと考えておきましょう。また、リフォームをする際には、住民の同意が必要なマンションもあります。

■構造によっては制限があることも(中古戸建ての場合)

 戸建ては構造によってリフォームのしやすさが変わります。日本に流通している「木造在来(軸組)工法」はリフォームがしやすい構造です。「2×4(ツーバイフォー)工法」や「プレハブ工法」の場合は、制約が生じるケースもあるので、構造に詳しい専門家に依頼をしましょう。

【戸建て住宅の主な建築工法】
・木造在来(軸組)工法:主に柱や梁で建物を支える。国内シェア70%の工法
・2×4(枠組み壁)工法:床や壁、天井など「面」で建物を支える。アメリカやカナダで多く採用されている。
・プレハブ工法:工場で部品を生産し、現地で組み立てる方法。さまざまな工法があるため、リフォーム会社によっては大規模リフォームは受けたがらないことも。

【関連記事】>>戸建て住宅で使われる3つの建築工法について知ろう!そのメリット・デメリットは?

■リフォーム費用は、見積書通りにならない!?

 そして、リフォームする際に覚えておきたいのが、実際のリフォーム費用は、見積もりの金額通りにならないケースがあるということ。なぜなら、建物の状況は、解体してみないとわからないから。工事開始後に問題が発覚して、希望通りにできなくなったり、修繕が必要になって費用がかさむことがあるのです。

 また、「リフォームするから自分の理想通りのデザインにしたい!」などと、こだわり過ぎると、新築を購入したほうが安かったなんていうことも。ただし、自分の理想の家にすることが第一の目的であれば、予算オーバーになったとしても納得がいきますし、逆に低価格が目的だとしたら失敗ということになります。自分の優先順位が何であるかによって、メリット&デメリットは異なるのが、リフォームの難しいところでもあります。

リフォーム・リノベーションに適した
中古物件の選び方

 中古物件を選ぶ際、注意して確認すべきなのは「物件の状態」です。いくらリフォームをするからといって、物件の状態をチェックせずに立地や価格だけで物件を決めてしまうのは、非常にキケン。リフォーム後の暮らしに大きな影響を与えます。

 理想の住まいにするためには、どんな物件でもいいわけではありません。では、どこをチェックすればいいのでしょうか? マンションと戸建てではチェックする点が異なるため、それぞれのポイントをYuuさんにお聞きしました。

<中古マンションの場合>


 最近は、物件価格が手ごろな築15年を超える築古マンションや、もっと古いヴィンテージマンションが注目されていますね。ただし、築古マンションには注意点もあります。まずは、共用部分が古いということ。宅配ボックスがない、エレベーターが小さい、共用スペースがバリアフリーになっていない、ゴミ出しが不便などということもよくあります。

 

 構造上の問題にも注意が必要です。マンションの構造によっては、配水管回りのインフラが移動できない場合もあります。「キッチンが暗くて狭いので移動させたい」「お風呂が小さいので変えたい」と思っても、構造上できないとなると、リフォーム向きとは言えません。

 

 マンションの共用部分と構造は、購入前に必ずチェックしましょう。

<中古戸建ての場合>


 最も重要なのは、建物の構造です。構造が腐ってしまうと、家が立っていられなくなります。外壁や基礎にひびがないか、窓やサッシがスムーズに開くかどうか、かび臭くないか、天井や壁に雨漏りしたようなシミがないかなどは、くまなくチェックしてください。

 

 何か問題があって構造部の工事が必要になると、予想以上に費用がかかるということにもなりかねません。今後の家のメンテナンスの計画を立てる上で、過去の修繕履歴も確認しておきたいですね。

 

 また、将来的に長く住む場所になるのであれば、バリアフリー化しやすいかどうかも見ておくといいでしょう。

■急増しているリノベ済み物件は、建物の内側に要注意!

 中古物件を業者が買い取り、内装を変えて売り出す「リノベーション済み物件」が増えていますが、こちらはどうなのでしょうか。

 見た目がおしゃれに仕上げられているので、「ここに住みたい!」と舞い上がりがちですが、リノベーション済物件だと建物の内側(構造や排水管など)が見えないため、部屋の性能がどの程度向上されているのか、チェックすることが重要です。

 見た目がキレイでも「住んでみたら結露がひどくて家中がカビだらけになっていた!」ということもあります。「外見の良さだけに惑わされないように。家というのは、見えないところに大事なものが詰まっています」(Yuuさん)。リノベーション済み物件を検討するときは、このことをしっかり頭に入れておきましょう。

購入前の「ホームインスペクション」は
絶対やるべきだ!

 気に入った物件を見つけて、どんなに入念にチェックしたとしても、やはり素人では把握しきれないことがあります。より正確に物件の状態を調べるには、専門家によるインスペクションを実施するのがおすすめです。

インスペクション 中古物件
中古物件は購入前に一度、ホームインスペクションをしておこう(画像:PIXTA)

 インスペクションとは、家がどんな状態なのか、劣化具合がどの程度なのかを知る検査。相場は5万~8万円程度です。一級建築士であり、かつ既存住宅状況調査技術者という資格をもつインスペクターでもあるYuuさんは、「インスペクションはぜひやっていただきたいです。将来的には義務化すべきだと考えています」と言います。

 インスペクションで建物の問題が発覚し、「おそらく10年後ぐらいに、300万円ほどの修繕費がかかりそうだ」ということがわかったら、購入時に値引きできないか交渉できたり、もしくは買う価値がない家だと判断できます。

 特に、戸建ての屋根・外壁・床下は修繕に多額の費用がかかるので要注意です。過去に、築25年の住宅をインスペクションせずに購入し、住み始めて5年後に北側に水漏れが発生。家が斜めになっていることが分かった人がいました。改めて調べたところ、結露と白アリで北側の柱が腐っていて、屋根まで白アリの被害が及んでいました。修繕にトータルで約700万円かかったという話もあります。

 また、インスペクションで判明した問題は必ず改善しなければならないわけではありません。修繕するかどうかは、買主の自由なのです。購入時に大きな問題がなかったとしても、10年後、20年後にはどんな家もメンテナンスが必要になってきます。その時にどんなメンテナンスが必要で、どれぐらいの費用がかかるのかを把握して計画を立てておくと、先々の心配がないですよね。

 「目の前の金額だけでなく、10年後、20年後にどれぐらいの修繕費用がかかるのかということまで計算したほうがいいということです。イニシャルコストとメンテナンスコストを合わせて考えることが重要です」(住宅リフォームコンサルタント・Yuuさん)。

 これは、マンションでも戸建てでも同じです。トータルで出費を節約できる家が、リフォーム向きの物件と言えます。

「リフォーム業者」「リノベーション業者」は
今まで手掛けた工事実績で選ぼう

■最近は、リフォーム業者が増えている

  巷では、リフォームに関する情報を見かける機会が増えています。その理由の一つが、新業種のリフォーム業界への参入です。以前は、工務店や不動産業者、設計事務所、ハウスメーカーなどがリフォーム工事を行うのが一般的でしたが、家電量販店、ホームセンター、大型小売店など多岐にわたる業種の企業が、リフォーム業界に参入しています。

 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会が毎年実施している調査、「住宅リフォーム事業者実態調査(2019年度版)」では、調査の回答業者のうち、リフォーム事業の実績が10~30年未満の会社が約3割と、最も多くを占めていました。このことからも、新規参入の会社が増えていることがわかります。

■名称にとらわれず、これまでの工事実績で業者を選ぼう!

 このようなことから、リフォーム業者、リノベーション業者は増えていますが、どのようにして選べばよいのでしょうか。「ウチは、壁を取り払って間取りを変えようと思っているから、大規模工事が行える“リノベーション業者”に依頼しよう」となりそうですが、それは少し注意が必要です。

 先ほども話した通り、リフォームとリノベーションという言葉には明確な定義がありません。現状は、改修工事を行う会社自身が「リフォーム業者」「リノベーション業者」などと、自由に使い分けていることが多いです。ライフスタイルに合わせたデザインの提案など、トータルにサポートしますという思いを表現したい会社が、敢えて“リノベーション”という言葉を使っているようにも感じます。

 つまり、リフォーム会社だから、リノベーション会社だから、ということはあまり気にせず、今までどんな工事を手掛けてきたのかという実績で判断するといいでしょう。

リフォーム・リノベーションは
施主と業者の「二人三脚」が成功のカギ

 リフォームやリノベーションは、「業者が決まったら、あとは希望を伝えれば、その通りにやってくれるんでしょ」と思いがちです。しかし、それだけだと上手くはいきません。

 住宅リフォームコンサルタント・Yuuさんは、「リフォームは施主と業者の二人三脚で行うものです。業者任せにしないこと。業者にリードしてもらったり、施主がリードしたり、そういうことを繰り返していくことで、満足のいくリフォームにつながっていくんです」と言います。

 たとえ浴室のリフォームだけといっても、ユニットバスのメーカーはどこにするのか、浴槽のタイプ、シャワーのタイプ、鏡の有無、手すりは付けるのかなど、決めなければいけないことはたくさんあります。

 施主が忙しくて時間がなく、業者任せにしてしまったために、あとで「こんなはずじゃなかった……」というクレームにつながることも。そのため、多忙な時期にリフォームをするのは避けた方がいいでしょう。

 中古物件を買ってリフォームやリノベーションをしようと思ったら、物件選びはもちろん、業者選び、自分や家族の希望をまとめておくなど、やらなくてはならないことがたくさんあります。事前にメリットやデメリットを把握して、満を持した態勢で臨むことが大切です。
【関連記事】>>1戸当たり最高100万円相当の「グリーン住宅ポイント」制度がスタート! ポイント付与の条件や、特例について解説

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