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不動産業界で活躍する元ショップ店員や塾講師も! 今、転職で求められている人材とは?

2021年8月10日公開(2021年8月6日更新)
梶本幸治:株式会社レコ 取締役・コンサルティング本部長

不動産・住宅業界への転職をお考えの方に対し、今回は「今、不動産業界ではどのような人材が求められているの?」という疑問について、不動産会社向けの集客・教育コンサルを行う、株式会社レコの梶本幸治が解説いたします。
(不動産会社向けの集客&教育コンサルタント・梶本幸治)

不動産業界で求められる人材は変化している

不動産業界への転職
不動産業界で求められる人材は、とにかく成果を上げられる人?(出所:PIXTA)

 不動産業界への転職をお考えの方にとって、不動産業界ではどのような人材が求められているのかは、非常に気になるところだと思います。

 ひと昔前の不動産業界では、学歴不問・年齢不問・経験不問・資格不問で、とにかく営業成績を上げられる人材なら誰でもいい、といった感じで求人をしている会社が多かったように感じます。

 他業界から不動産業界への転職をお考えの方の多くが、上記のようなイメージを持たれているのではないでしょうか。

 「学歴不問・年齢不問・経験不問・資格不問で、とにかく営業成績を上げられる人材を求めている」と聞くと、何だか恐ろしい感じがして、転職先として不動産業界を選択することに躊躇(ちゅうちょ)してしまいますよね。

 しかし、ご安心ください。生き馬の目を抜くと言われる不動産業界ですが、昨今はそこまで厳しく成果を求めて中途採用を行っている会社は、さすがに少なくなってきました

 しかし、少なくなっているだけで…今でも厳しく成果を求める不動産会社は存在します。もちろん、厳しく成果を求められるだけあって、結果を出した時のお給料もなかなかのハイレベルなのですが、結果を出せなくなったら居場所がなくなる厳しい世界でもあります。

厳しい成果を求められる不動産会社はどんな会社?

 では、「不動産業界ではどのような人材が求められているのか」に触れる前に、厳しい成果を求められる不動産会社についてご紹介していきます。

 不動産業界の中でも厳しく成果を求められるといえば、パワービルダー系の新築物件を専門に販売している不動産会社が挙げられるでしょう。

 パワービルダーとは、2000万~4000万円、床面積30坪程度の新築建売住宅を分譲している業者を指します。

 パワービルダー系の新築物件は基本的にどの不動産会社でも取り扱うことができますが、どの不動産会社でも取り扱えるからこそ、これらの物件を専門に販売している不動産会社は、集客に大きな予算を割いています。

 特に集客のメインとして活用しているのが不動産ポータルサイト。その中でも最も広告単価の高いメニューを選択して自社の露出を高めることに注力しているのが、パワービルダー系の不動産会社なのです。

 つまり、これらの会社は広告宣伝費が他の不動産会社に比べ、莫大な金額になるケースが多いのです。

 では、莫大な広告宣伝費をかけて集客したお客さまを、なかなか成約に結び付けられない営業担当者がいたとしたらどうなりますか? 当然、居場所がなくなりますよね。

 このような事情もあり、パワービルダー系の新築物件を専門に販売している不動産会社では厳しく成果を求められるケースが多いのです。

 結果として、「学歴不問・年齢不問・経験不問・資格不問だが、とにかく営業成績を上げてくれる人材」を募集することになります。もちろん、その場合でも人間性まで不問とはなりませんので、高額物件を扱うに足る品性や人格は必要であるということを申し添えておきます。

中途採用で厳しい成果を求める会社は少なくなってきた

 ここまでは、厳しい成果を求める不動産会社のお話をしましたが、先述のとおり、最近の不動産会社では、中途採用でそこまで厳しい成果を求める会社は少なくなってきています。

 今までの不動産業界は離職率が高く、転職先も不動産会社を選ぶといった、「業界内回遊型」とも呼べる転職者が多かったように感じます。

 このような人材であれば即戦力として期待できますが、いろいろな不動産会社を経験している方の中には「私には私のやり方がある。会社にとやかく言われる筋合いはない」とばかりに、独自の方法で業務を行う方がいらっしゃるのです。

 これでは、会社としての統制が取れませんよね。不動産会社の経営者の中にも、このような統制の取れない状態を嫌う方が増えてきました。

 そのため、あえて不動産業界経験者を求人の対象外とし、他業界からの転職者を募集する不動産会社が増えてきているのです。

ショップ店員や塾講師など、他業界からの転職で成功する人も

ショップ店員の転職
対人折衝スキルの高いショップ店員は不動産業界への転職で活躍しやすい!?(出所:PIXTA)

 また、今まで不動産業界では、一見、必要とはみなされていなかったスキルが不動産実務の中で発揮されるケースも増えています。

 私(梶本)が最近聞いた限りでも、「ショップ店員から不動産売買仲介営業担当」や「病院事務長から不動産仕入れ課長」「学習塾講師から不動産マーケティング担当」など、今までの不動産業界ではあまりお目にかからなかった転職例が出てきました。

 ショップ店員から不動産売買営業担当者になられた方は、お客さまとの距離感が適切で、初対面のお客さまの懐に入るのがうまく、このような対人折衝スキルが不動産業界でも大いに発揮されました。

 次に、病院事務長から不動産仕入れ課長という転職も、今までの不動産業界の常識からいうと異例の採用です。病院の経理や人事を統括していた事務長は、その数字に強い点と人間関係へ気配りができる点を買われて、不動産仕入れ課長としての転職を果たされたようです。

 不動産の仕入れと言えば、原価計算や再販価格の設定など、さまざまな数字が飛び交いますし、仕入部隊の営業担当は海千山千の歴戦のつわものが多いので、人間関係に気配りのできる能力は重宝がられます。

 最後に、学習塾講師から不動産マーケティング担当に転職された方は、前職時代にホームページの運営も担当されていたのでWEBマーケティングの知識の基礎は十分。また、本業であった講師の経験も活かし、自社開催の不動産売却相談会の講師も務められるということです。

他業界でのスキルを必要としている不動産会社が増えてきている!

 これまでの不動産業界では、「人材の使い捨て」という面も少なくなかったのですが、最近では「一芸に秀でた独自の人材を採用し、社員教育で育てていく」方向にシフトしつつあります。

 転職者が他業界で身に付けたスキルを基盤に、独自の不動産営業教育を施すことにより、今までの不動産業界にはいなかったタイプの社員に育てたい。と思っている不動産会社は増えてきているのです。

 あなたが今、不動産業界以外から不動産業界への転職をお考えなら、今まで培ってこられたスキルをもう一度吟味してみてください

 あなたのそのスキルを必要としている不動産会社は、きっとあると思いますよ。

【関連記事はこちら】>>″不動産業界への転職″はおすすめ? 未経験での転職で「成功する人」「失敗する人」

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