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「稼げる」アピールの不動産会社は要注意!? 転職サイトで求人を探す際の注意点とは

2022年4月9日公開(2022年4月8日更新)
梶本幸治:株式会社レコ 取締役・コンサルティング本部長

不動産・住宅業界への転職をお考えの方に対し、今回は「転職サイトを使って不動産業界へ応募する際、知っておきたいこと」について、不動産会社向けの集客・教育コンサルティングを行っている私、株式会社レコの梶本幸治が解説します。

転職サイトを使って不動産会社へ応募する際に知っておきたいこととは

不動産会社への転職
不動産会社の求人ページは「稼げる」アピールが多い(出所:PIXTA)

 「そろそろ転職を考えようかな。転職するとしたらどんな職種の募集があるのかな。お休みやお給料はどうなっているのかな」と思った時、多くの方が転職サイトにアクセスされるのではないでしょうか。

 そして、本格的に転職活動を開始する際は、複数の転職サイトに登録し、自らが気になっている企業へ応募し、企業側からのリクエストやスカウトメールにも応じることになるでしょう。

 不動産業界への転職を検討する場合も、同じように転職サイトで情報収集し、気になる不動産会社へアクセスされると思います

 では、不動産会社がどのように転職サイトを使っているかを知るためにも、不動産会社が転職サイトに出している求人ページの「キャッチコピー」を見てみましょう。

 以下、不動産会社が転職サイトに出している求人ページの「キャッチコピー」を、会社が特定できない程度に修正して列挙しました。

【不動産会社が転職サイトに出している、求人ページのキャッチコピー】
・未経験可! 初めての営業職歓迎
・残業月〇時間以下! 完全週休2日制! 未経験者から経験者まで幅広く募集
・未経験可! 不動産提案営業 平均年収〇万円、最高年収〇万円。直行直帰可、〇連休取得可
・年収1000万円可能。本気で頑張る人を求めています
・未経験者歓迎します。基礎から学べる教育体制が充実
・平均年収〇万円! 第二新卒や未経験歓迎

 では、比較する意味で同じ転職サイトから、アパレル業界の「キャッチコピー」も同じ要領で列挙してみましょう(私のクライアント先の営業担当者さんに、アパレル業界の出身で活躍されている方がいらっしゃるもので、比較する業界としてアパレル業界を選んでみました)。

【アパレル会社が転職サイトに出している、求人ページのキャッチコピー】
・販売スタッフ。年休〇日。未経験歓迎
・販売スタッフ。インセンティブ支給。月〇日休み、残業は〇時間以下
・販売スタッフ。残業は少なめで連休取得可。洋服一部支給あり!福利厚生充実
・ショップスタッフ。賞与〇ヶ月分。無料制服貸与。残業は平均月〇時間以内
・ブランドのWEB運営担当。マーケティングからSNS運営まで幅広くお任せします
・アパレルスタッフ募集。産育休後の復職率〇割。キャリア支援もあります

 このように比較してみたところ、不動産会社は高い年収を目指せることを訴求したキャッチコピーが多いですね。アパレル会社も一部インセンティブに触れているところがありますが、それよりも休みや残業時間、福利厚生に触れた文言が目立ちます。

 不動産会社ももちろん、休みや教育体制に言及されている会社も多く、高い給料だけを訴えているわけではありませんが、やはり「不動産業界は稼げるよ」という点をアピールしている会社が多いですね。

【関連記事はこちら】>>不動産屋さんってどのくらいのお給料を貰っているの? 不動産業界に就職する人ってどんな人が多いの?

転職サイトで「稼げる」ことばかりアピールしている不動産会社は要注意

 今回、このコラムを書くにあたって求人ページのキャッチコピーを取り上げさせていただいたのは「名前の通ったしっかりした会社」ですが、求人募集ページをみていくと、「おっ! なかなかキツイ会社(ブラック要素の強い会社)も求人を出しているな」と思うところが数社ありました。

 考えてみればそうですよね。キツメの会社ならば、
【仕事がキツイ→ 社員が退職→ 人員不足で募集→ 採用→ 仕事がキツイ→ 社員が退職…】

 といった無限ループを繰り返しているでしょうから、常に転職サイトに掲載する必要があるわけです。

 つまり、転職サイトに掲載されている不動産会社は玉石混交状態。この中から「まともな会社」を選び出し、「キツメの会社」を避ける必要があります

 キツメの会社でガンガン頑張りたいとおっしゃる方は、それでもよいのでしょうが…そのような方は少数派ではないでしょうか。

 玉石混交の中で「玉」を見つけることは至難の業ですが、やはり「稼げる」ことばかり強調している会社は要注意です。確かに不動産業界を転職先として選ばれる方は「稼げる」ことに魅力を感じておられるのでしようが、「使い捨ての駒」にされては困ります。

 稼げる点だけでなく、どのようなお客さまを相手にするのか(購入希望者さま相手なのか、売却希望者さま相手なのかなど)、どのような集客方法なのか(飛び込み・テレアポ営業なのか、会社が集客してくれるのかなど)、教育制度は整っているのかなどの記載にも注意したいところです。

 特に社員教育に関する記載は重要です。「OJT研修」という名の「ほったらかし研修」だけでは、営業技量の向上は期待できず、結果としてお金を稼げずに早期退職なんてことにもなりかねません。

 転職サイトを使って不動産業界へ応募する際、上記のような点には十分に注意してください。

【関連記事はこちら】>>不動産業界は休みが取りにくく長時間労働のブラック企業が多いのか?

不動産会社の自社ページから応募する方法もある

 また、転職サイトを使って不動産業界へ応募する以外に、各不動産会社の自社ホームページ内にある「スタッフ募集」ページから問い合わせてみるのも一つの方法です。

 自社ホームぺージをじっくり読み込むと、その不動産会社の営業姿勢や社内の雰囲気を知るヒントも記載されており、不幸なミスマッチが減るかもしれません

 また、不動産会社サイドも転職サイトからではなく、自社サイトから応募してくれた方を大切にする傾向(これは不動産業界に限ったことではないでしょうが…)にありますので、気になっている転職先がある方は、あえて転職サイトを利用せず、その会社の自社ページから応募してみても面白いと思いますよ。

【関連記事はこちら】>>不動産業界への転職はおすすめ? 未経験での転職で「成功する人」「失敗する人」

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