不動産・住宅業界への転職をお考えの方に対し、今回は「不動産業界への転職で転職エージェントの利用はおすすめ?」という疑問について、不動産会社向けの集客&教育コンサルタントを行なっている私、株式会社レコの梶本幸治が解説いたします。
不動産業界の求人活動で、転職エージェントの利用は少ない
転職と言えば、私(梶本)もリーマン・ショックで、当時勤めていた不動産会社が経営危機に陥り、営業職はほぼ全員整理解雇の対象となってしまいました。
営業課長職にあった私も、正社員としては解雇され、同社の契約社員(営業担当)へ華麗なる転身(?)を遂げたものでした。
その際、会社からは、「転職するなら転職エージェントを紹介するよ」と言われましたが、その時に初めて「へぇ、そんなサービスがあるんだ」と思った次第です。
結局、転職エージェントを利用せず、契約社員としてしばらく勤務した後、現在経営している株式会社レコを起業するに至るのですが、本題からそれますので転職エージェントの話に戻りますね。
なお、今回のコラムは、地域密着型の不動産会社を想定しており、全国展開している大手不動産会社のお話ではございません。その点を念頭に置いた上で読み進めていただけると幸いです。
転職エージェントを利用したのに発生したミスマッチ
そもそも、不動産業界で転職エージェントを利用して求人を出している企業は、私の知りうる限り、相当少ないと感じています。
ちなみに現在、私の定例コンサルを受けていただいている不動産会社16社のうち、ここ3年以内に転職エージェントを利用して求人募集を行った企業は1社のみ。その転職した方は、不動産業界以外からの転職だったのですが、入社してすぐに退職してしまいました。
非営業職から不動産業界への転職だったので、人と接するような仕事はできないという理由で退職されたと聞いています。
転職エージェントを利用したとは思えないくらいに、ひどいミスマッチですね。
不動産業界の求人募集は「ハローワークを利用して無料で行う」か「知り合いのつてや、紹介で採用する」ことがほとんどであり、有料の求人サイトを利用する不動産会社はまれでした。
最近でこそ「良い人材に巡り合うためにはそれなりの支出も必要だ」と気付いた不動産会社は、リクナビなどの有料求人サイトを利用するようになりましたが、それでも求人にかける予算は、せいぜい50万円弱といったところです。
予算の面からみると、採用時、転職エージェント会社に支払う成果報酬は100万~300万円程度に上るため、転職エージェントの利用はハードルが高いと言えるでしょう。
転職エージェントの利用は、不動産業界経験者のほうが成功しやすい
では、予算のことはいったん横においておき、優れた人材が集められるか否かを知るために、最近、私が聞いた転職エージェント利用の成功例を一つご紹介いたします。
この成功事例は、記事「不動産業界で活躍する元ショップ店員や塾講師も! 今、転職で求められている人材とは?」でご紹介した、「病院事務長から不動産仕入れ課長」の事例です。記事が公開された8月時点から、より詳しい転職事情を聞くことができたので改めてご紹介しましょう。
この方は元々、某地銀の管理職を務めた後、銀行系列の不動産会社へ3年ほど出向されました。
銀行退職後は、知人の紹介で中規模の病院に転職。事務長を数年務められましたが、コロナの影響などで退職を余儀なくされ、転職エージェントを利用して転職活動を始めたところ、仕入れ担当の管理職を探していた不動産会社とご縁がつながり、仕入れ課長として採用されるに至ったとのことです。
以前のコラムでは「数字に強い点と人間関係へ気配りができる点を買われて、不動産仕入れ課長としての転職を果たされたようです」と述べましたが、これらの点以外にも「銀行系列の不動産会社への出向歴」も大きく評価されたようです。
つまり、「全くの不動産未経験者が転職エージェントを利用し、そのキャリアやスキルを買われて不動産業界への転職に成功した」訳ではなさそうです。
私の知人で、転職エージェントを利用したことがある不動産会社の社長に聞いてみても、「高い予算をかけて転職エージェントを利用する場合、海のものとも山のものとも分からない未経験者を採用するのは躊躇(ちゅうちょ)してしまう」という声がありました。
多額の予算をかけて転職エージェントを利用する以上、「即戦力でかつ、人格的にも優れた人材」を採用したいというのが本音であり、未経験者の伸びしろに期待するのは比較的低額で利用できる有料求人サイトまでかもしれません。
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不動産業界が未経験なら、転職エージェントと有料求人サイトの併用がおすすめ
以上が、私の見聞きした範囲での「不動産業界の転職エージェント活用の実情」です。
あくまで私が見聞きした狭い範囲内でのお話ではございますが、不動産業未経験の方が地域密着型不動産会社(小~中規模)への転職を目指される場合は、転職エージェントの活用だけでなく、有料求人サイトへの登録を併用されることをおすすめします。
また、冒頭で示した転職事例のように、不幸なミスマッチが生じないよう気をつけてください。
さまざまな転職サービスを駆使し、あなたの転職が成功されることを祈っております。
【関連記事はこちら】>>不動産業界への転職はおすすめ? 未経験での転職で「成功する人」「失敗する人」 |
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