リノベーションは建築業界において頻繁に登場する言葉だが、明確に理解している人は少ない。そこで、リノベーションの意味合いやメリット・デメリット、成功させるためのポイントなど、基本的なことを確認しておこう。(フリージャーナリスト:福崎剛)
建物の付加価値を高める「リノベーション」
「リノベーション」に「リフォーム」。どちらにも明確な定義づけはされていないが、一般的にリノベーションとは「既存の建物に工事を行うことで、建物に新たな価値を付け加えること」(※1)と解釈されている。簡単に言えば、“建物資産”を高める改修工事がリノベーションだと言える。
ちなみにリフォームは、「老朽化した建物を新築の状態に戻すこと」となる。そのため「キッチンのリフォーム」「お風呂のリフォーム」「トイレのリフォーム」のように、設備を新しくするイメージが近い。
では、いつから既存の建物の付加価値を高めることをリノベーションと呼称するようになったのだろうか。
住宅のリノベーションを扱った雑誌や新聞記事が散見されるようになったのは、2000年代の初期とされる。その当時、住人の価値観やニーズ、ライフスタイルに合わせた間取りへと改築するリノベーションが、中古住宅の資産を高める方法として紹介されたのだ。要するに、リノベーションは中古住宅を竣工当時の原形に戻すのではなく、時代やライフスタイルを考慮して価値を高める方法としてメディアで発信されはじめたのである。
(※1 明尾真里:「住宅リノベーションの近年の動向について」,生活環境学研究No.6, 2018年)
リノベーションのメリット・デメリットとは?
中古住宅の価値を高める先進的な改修工事をリノベーションとすれば、そこにはメリットもデメリットも存在する。
メリットとしては、大きく以下の3つが挙げられる。
(1)既存の建物を最大限に活かした自由度の高い改修が可能
間取りをはじめ、中古の戸建て住宅やマンションなどはリノベーションによって自由に改修できる。住設備の選択肢の幅が増える、機能のグレードアップがしやすくなるといった一面もあり、ライフスタイルに合わせた住居を実現しやすい。
(2)機能性や耐久性の高い住宅へグレードアップできる
内外装を好みのデザインにできるほか、中古住宅の断熱性や耐久性も向上させて補えるため、住みやすくて安心度の高い住まいを実現できる。
(3)新築よりコストダウンを実現できる
リノベーションは新築購入や建て替えより費用を抑えることができる。一般的には、新築購入時の7〜8割程度でリノベーションができると言われている。
(4)有利な条件で住宅ローンの借り入れができる場合も
一定の要件を満たすリノベーションを、中古住宅の購入と同時に行う場合には、住宅金融支援機構の「【フラット35】リノベ」(※2)などを活用して、有利な条件で住宅ローンの借り入れができる。
(※2 住宅金融支援機構「【フラット35】 リノベ」)
デメリットとしては、主に以下の3つがある。
(1)リノベーション完了まで時間がかかり、すぐに入居できない
室内設備のリフォームと異なり、基本的に住みながらリノベーションを行うことはできない。自宅をリノベーションする場合は、その期間の仮住まいが必要になる。また、中古住宅の購入に合わせてリノベーションする場合は、リノベーションが完了するまで入居できない。なお、リノベーションの内容によっては数カ月かかる場合もある。
(2)耐震性の補強で余分な費用が必要になることがある
中古住宅の購入後に、耐震性などが建築基準に満たないと判明することがある。想定外の補強が必要になるケースもあり、費用がかさむ可能性がある。
(3)借り入れのローン金利が高くなるケースも
一般的に、リノベーションやリフォーム費用の借り入れには住宅ローンは適用されない。住宅購入を伴わないリノベーションであれば、ほぼリフォームローンと同じ扱いで、借り入れ期間が15年以下となり、金利も住宅ローンと比べて割高になる。
なお、リノベーションや家全体のリフォームで住宅ローンを契約できるケースもあるが、諸費用が必要となるほか、審査に時間がかかることも多い。仮住まいを用意する際には、審査の日数についても調べておこう。
リノベーションを成功させるためには
このように、メリットもデメリットもあるリノベーション。成功させるためには、どのようなことが必要となるのだろうか。
まず第一に、中古住宅をどのようにリノベーションしたいかを具体的に考える必要がある。例えば、外断熱にするのか、間取りは変更するのか、畳にするのかフローリングにするのかなど、可能な限り細かく考えておくことがリノベーションの成功には不可欠だ。希望を正確に反映してくれる建築業者を探すことも重要であり、複数社から話を聞いて信頼できる業者を絞り込もう。
また、同時に工期や資金調達のことも考える必要がある。部分的なリフォームと異なり、リノベーション費用は数百万円から数千万円になることも。そのため、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切になる。同じメーカーの設備や同じグレードの部材にそろえて見積もりを依頼すれば、施工費用に関する相場はおおよそつかめるはずだ。
いずれにしても、多くのリノベーション事例を見ておくことが成功のポイントになる。満足度の高いリノベーションを実現するためにも、じっくりとプランを練ることから始めてみよう。
【関連記事はこちら】>>リノベとリフォームはどう違う? 大規模なインフラ更新ならリノベーション!
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住所 | 東京都千代田区 |
紹介会社数 | 3〜4社 |
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運営会社 | 株式会社ホームプロ(リクルートの100%子会社・資本金3億円) |
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登録業者数 | 約1500社 |
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運営会社 | 株式会社じげん(資本金25億5200万円) |
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設立 | 2013年 |
運営会社 | 株式会社 WAKUWAKU |
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