1階だけで2人世帯にも十分なスペースがとれる土地(約80㎡)で、土地代は4500万円。周辺の地価と比べると、3割程度、割安だ。
建てたかったのはマイホーム。共働きとはいえ、サラリーマン世帯で4500万円プラス建築費を出すのは難しい。そこで、建物の半分を賃貸にしたらと考えた。
「この土地を購入する前に、近隣の別のワケあり地を購入して4戸のアパートを建てました。そのとき、住宅ローンを上手く活用できると気づいたんです」と、中村さんはふりかえる。
建物床面積の51%以上が自宅なら、住宅ローンを利用できるというのだ。そこで、新物件の建築に際しては、「アパート併設の自宅にして、ローン返済の負担も減らしてしまおうと考えました」。
中村さんによると、「住宅ローンは最も優遇された不動産融資」。賃貸住宅経営で一般に利用される事業用ローンに比べ、金利は低めだし、返済期間は長い。しかも団体信用生命保険に加入できるなど、万一の際の備えにも配慮されている。
設計したのは、40㎡の居室に20㎡のロフトをプラスした広めのスペースを上下に配する2階建てプラスアルファの建物。天井高は4m近い。1階を賃貸、2階を自宅にするプランだ。これで、住宅ローンの“51%要件”をクリア。カップルも快適に暮らせる、明るい住まいになった。