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不動産売却の注意点
【第11回】2018年10月20日公開(2019年6月5日更新)
梶本幸治
梶本幸治

梶本幸治(かじもと・こうじ)氏:不動産売買の業界の裏の裏まで知りつくした不動産業専門コンサルタント。普段は売却を中心とする不動産梅者のコンサルティングを中心としていますが、こダイヤモンド不動産研究所では、売主の立場に立って、「不動産を売却するときの注意点」を解説します!

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バブル期は1億円超だった「田舎の不動産」は売れる?
タダでも引き取ってくれるだけ有り難いなど、
田舎の家や土地を売るための「3つの心構え」

「この土地は、バブル期には1億円以上の値が付いていた」。田舎の地主からこんな話を聞くことがあります。しかし、当時はそれだけの価値があった不動産でも、今や価値はゼロ円で、引き取ってくれるだけで有り難いというケースも良く見られます。今回は、田舎で不動産を売るための3つのポイントをご紹介しましょう。

田舎の風景田舎の風景(「写真素材 足成」より)

 私(梶本)は平成8年(1996年)に新卒で不動産業界に入ったのですが、入社後すぐにベテラン社員の方から次のように声をかけられました。

 「梶本君、不動産って絶対に値段が付くものなのだよ。タダ(無料)の不動産は無いんだ。つまり、売れない不動産は無いと言い換えることもできるね。だから、君も頑張って営業力を磨き、どんな不動産でも売れる営業マンになりなさいよ」

 当時の不動産業界はまだまだバブル崩壊の痛手が癒えず、不動産価格もドンドン値下がりしていました。そんな中、不動産業界に青雲の志(というとオーバーですが……)を抱いて飛び込んだ私にとって、この「タダの不動産は無い。つまり、売れない不動産は無い」という言葉は大いに希望を与えてくれたものです。

 その後、私に後輩ができた時も「売れない不動産はないのだから頑張ろう!」と伝えて来ました。

 しかし昨今、「売れない不動産は無い」は言い難い状況になってきたのです。

 私が集客コンサルをさせて頂いている不動産会社の中には郊外エリアを商圏とされているクライアントも多く、取り扱い案件の平均売買価格が1000万円以下の不動産会社が相当数いらっしゃいます。それら不動産会社では、そのエリア内の「人気地域」を重点的に取り扱っているにも関わらず、平均売買価格が1000万円以下なのです。

 ということは、「不人気エリア」なら500万円以下という物件も珍しくなく、もっと田舎になれば「タダ(無料)でもいらない」と言われてしまう物件も出てきてしまっています

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将軍家より拝領した由緒正しい土地!

 では、それら「500万円以下の物件」や「タダでもいらない物件」の所有者はどのようなメンタリティを持っておられるのでしょうか?

 「私が所有する物件の所在地は田舎だし、金額はいくらでも良いから買い手がつくだけで有り難い。不動産会社の説明や提案をしっかり聞いて、現実的な売却計画を練ろう」と思われている方が多いのでしょうか?

 実は、それとは真逆な考えを持っておられる方が多数いらっしゃるのです。ここで私が聞いた実例をご紹介します。

 郊外を商圏とされているある不動産会社では、定期的に「不動産売却講演会」を開催されています。講演会開催にあたっては新聞折り込み広告を実施する等、積極的に告知を行っておられる甲斐もあって、多数の不動産所有者様が来場されるようです。

 ある日、講師による講演の後、参加者の方々に「何か質問はございますか?」を司会が尋ねたところ、80歳前後と思われる男性が挙手され、次のように質問されました。

 「私は○○山の奥に数百坪の土地を所有しています。この土地は私の先祖が将軍家より拝領したと伝わる由緒正しい土地です。バブル期には不動産会社が1億円以上で買いに来ましたが断りました。しかし、私も高齢になり子供や孫達も都市部に住んでおりますので売却を検討しています。バブル期と同じ金額とは申しませんが、5000万円くらいで売れるでしょうか?」

 後日、この土地を不動産会社が査定したところ「タダでもいらない物件」であることが判明し、その旨をやんわりと男性にお伝えしたところ「無礼なことを言うな! 君は私を騙してこの土地を掠め取るつもりなのだろう! その手には乗らないぞ」と激怒されたそうです。

 上記のような例は少しオーバーかも知れませんが、田舎の不動産を所有しておられる方の中には「先祖伝来の土地だ」「バブル期は1億円を超えた」「思い入れのある家だ」「そんなに安い筈はない。詐欺だ」とご自身の気持ちや考えばかり強調され、不動産会社の提案にまったく耳を貸そうとしない方が一定数いらっしゃいます。

 不動産会社側も初めのうちは我慢して聞いていますが、ビジネスにならない話を延々と聞かされ、良かれと思って提案した内容が全否定されるうちに段々と馬鹿らしくなり「では、結構です。お引き取り下さい」となってしまいます。

田舎で不動産を売る3つのポイント

 それでは田舎で不動産を売る場合、どのようにすれば良いのでしょうか?

 私が考えるポイントを3つほど挙げておきます。

【田舎で不動産を売却するポイント①】
自分勝手な思い込みや、物件への過度な愛着を捨てる

 上記のような物件に関する逸話や、過去の金額等は忘れましょう。残酷なことを申し上げるようですが、あなたにとっては大切な不動産でも、買い主にとっては「不動産マーケットの中で沢山売りに出ている物件の1つ」でしかありません。ましてや不動産市場のトレンドは「都心回帰」ですので、田舎物件に関しては「買ってくれるだけで、引き取ってくれるだけで有り難い」というスタンスが必要です。

【田舎で不動産を売却するポイント②】
物件に最も近い不動産会社や、田舎暮らし専門の不動産会社に相談する

 田舎物件の売却を相談する場合、まずはその物件に一番近く場所で店舗を構えている不動産会社に連絡しましょう。地域密着型の不動産会社なら、その地域に合わせた売却方法を提案してくれるかも知れません。また、田舎暮らし専門の不動産会社をインターネットで調べ、その会社に相談することもお勧めです。「田舎の一戸建をリノベーションして住みたい」、「田舎の土地を購入して畑を作りたい」、「田舎の古民家を改装してカフェや雑貨店を営みたい」と考える方は、これら田舎暮らし専門の不動産会社に登録しているケースが多く、あなたの不動産を買いたいと思われる方がいらっしゃるかも知れません。

【田舎で不動産を売却するポイント③】
価格がつかないことと、価値が無いことを混同しない

 買い主が見つかったとしても、おそらく売り主の希望価格には程遠い金額を提示されると思います。その時に「ご先祖から引き継いだ土地が、こんな金額にしかならないのか……」や「50年前、子供の頃住んでいた愛着ある家をこんな二束三文の金額で手放すのか……」等と思わないで下さい。

 「ご先祖から引き継いだ土地」も「子供の頃住んでいた愛着ある家」も、それは充分に価値のあるものです。ただ現在の不動産マーケットにおいては、その「価値」を「価格」に反映できなかっただけなのです。

 高い値段が付けば価値があり、低い値段であれば価値が無いのではありません。あなたが不動産に対して持っておられる「気持ち」や「愛着」を売買金額の多寡で測るようなことはやめて下さい

 不動産に対する「気持ち」や「愛着」は、あなたの心の奥で大切に仕舞っておいて下さい。

利用する可能性がないなら、早々に売却を

 上記の通り、田舎で不動産を売る方法は都会とは大違いです。

 都会の不動産が値上がりしているからと言って、田舎の不動産も高く売れる訳ではありません

 将来的に利用する可能性があるなら「売らない」という選択肢もございますが、利用する可能性が無いのであれば、信頼できる不動産会社に相談のうえ、早々に売却される方が良いでしょう。

 あなたの大切な不動産が、素敵な買主様に出会えますことを祈っています。

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、おすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U無料査定はこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S無料査定はこちら
◆リビンマッチ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「リビンマッチ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
リビンマッチ無料査定はこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ無料査定はこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ無料査定はこちら
◆HowMaスマート不動産売却(一般媒介での一括査定)
対応物件の種類 マンション、戸建て(東京23区)
掲載する不動産会社数 10社(一般媒介) HowMaスマート不動産売却の公式サイトはこちら
サービス開始 2015年
運営会社 コラビット
紹介会社数 最大6社
【ポイント】不動産会社探しを支援してくれるサービスで、不動産を売却する際に、不動産会社と会わずに契約が可能。不動産会社との契約は一般媒介なので、不動産会社による違法な「囲い込み」も心配ない。
HowMaスマート不動産売却無料査定はこちら
◆いえカツLIFE(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル、区分所有ビル(1室)、店舗・工場・倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権、その他(共有持分についても査定・売却対象)
営業エリア 東京、千葉、神奈川、埼玉 いえカツLIFEの公式サイトはこちら
サービス開始 2012年
運営会社 株式会社 サムライ・アドウェイズ
(東京マザーズ上場「アドウェイズ」の子会社)
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
【ポイント】 再建築不可物件、借地権、底地権といった「訳あり物件」の査定にも対応している。共有持ち分でも相談に乗ってくれる査定サイトは少ないので、相談してみよう
いえカツLIFE無料査定はこちら
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