「収益物件」「オーナーチェンジ物件」など、
賃貸中の不動産の売却に精通した不動産会社の探し方

【第26回】2019年6月4日公開(2020年6月10日更新)
梶本幸治

「人に貸している不動産(借家や駐車場等)を売却する」というのは、自分が住んでいる家や空き地(空き家)の売却と比べると、なかなかイメージしづらいかも知れません。しかし、実はそれはプロも同じ。不動産屋さんの中にも「賃貸中の物件を売ったことがない」という方が、わりとたくさんいらっしゃるのです。そこで今回は、「収益物件」や「オーナーチェンジ物件」とも呼ばれる賃貸中の不動産を売却するコツを詳しく解説します。

収益物件の買主候補! 不動産投資家の「購入基準」とは

収益物件、オーナーチェンジ物件など、賃貸中の不動産を売却する方法とは?

 賃貸中の不動産は一般的に「収益物件」や「オーナーチェンジ物件」と呼ばれ、主に不動産投資家が買主候補になります。不動産投資家の場合、居住用の不動産を購入される方とは異なる「購入基準」を持っています。

 収益物件の価値を計る購入基準の一つに「利回り」という考え方があり、年間賃料を物件価格で割ることで算出できます。具体的には、年間賃料100万円の物件を1000万円で売りに出せば、「100÷1000=0.1」で利回りは10%となります。

 この利回りという購入基準も、”物件の構造”や”築年数”、”所在地”などで「売れ筋の利回り(相場)」が異なりますので、不動産会社の「目利き」が重要になってくるのです。

 この中でも特に”物件の構造”と”築年数”は、買主が物件を購入する際に利用する銀行融資の額や、借入期間に大きな影響を与えるため、非常に重要です。

 例えば……

「都心部の駅近で、平成20年建築のRC物件か。RCで築10年強しか経っていないなら、銀行融資も期待できそうだ。利回りは6.5%でも売れそうだな」

「田舎の木造ハイツで、建築は……昭和55年! 古いなぁ……。銀行融資は期待できないし、今後の賃貸需要もあまり見込めないエリアだから、利回りは15%ほどに設定しないと買主は見つからないな」

 などといったように、物件の特徴を捉えながら、価格査定や販売計画の立案を行います。

 このように、収益物件独自の価格算出方法および収益物件市場の動向、そして買主となる不動産投資家の目線を熟知した不動産会社でないと、不動産投資家の心に刺さる提案ができず、売主の立場からすると「効果的な売却は期待できない」ということになります。

【関連記事はこちら】>>売りにくい「賃貸中マンション」の相場と売却の秘訣は? 入居者に購入してもらうなど、4つの鉄則を公開!

「収益物件の売却に強い不動産会社」を見極める方法

 最近は少なくなりましたが、少し昔、郊外で居住用物件ばかりを取り扱っている不動産会社から、ビックリするほどの高利回り収益物件が売りに出ることがありました。

 このようなことがなぜ起きたのか、時系列に沿って解説します。

●収益物件の所有者が、居住用物件ばかりを取り扱っている不動産会社に売却を相談する。

●収益物件の取り扱い経験がない不動産会社は、価格査定に悩む。

●悩んだ末、居住用物件の価格算出方法である「建物残存価値+土地価格」で査定する。

●この方法だと「建物が古い」「土地の敷地が狭い」物件の場合、査定価格が低くなる。

●低い査定価格と知らずにその価格で売りに出した場合……とんでもない高利回りとなる。

●あっという間に買主が決まって成約となるが、売主としては金銭的な不利益を被る結果に……。

 ここまで極端な例ではなくても、収益物件の取り扱いに慣れていない不動産会社に売却を依頼すると、思わぬ損をするかも知れませんね。

 では、収益物件の取り扱いに精通した不動産会社を探すには、どうすればいいのでしょうか。

 私がおすすめする方法は、収益物件専門のポータルサイトから探し出すというものです。

 「収益物件 購入」などのキーワードで検索すると、収益物件専門のサイトがたくさんヒットします。

 その中から気になるサイトを選び(収益物件専門サイトとしては「楽待(らくまち)」「健美家(けんびや)」「不動産投資☆連合隊」などが有名です)、あなたが所有している物件の所在地(都道府県名)でソートをかけてみましょう。

 多くの物件が掲載されていると思いますが、それらの物件を掲載している「取り扱い不動産会社」に注目して下さい。

 そして、あなたが所有している物件の所在地で多くの収益物件を掲載している「地元の不動産会社」に一度、相談されてはいかがでしょうか?

 収益物件を取り扱っている不動産会社の中には、事務所を東京に置きながら全国の物件を取り扱っている会社も数多く存在します。

 これらの会社が悪いわけでは決してございませんが、昨今の収益物件市場を騒がせている事件の影響からか、東京など都市部にオフィスを構える不動産会社の「地方の収益物件に対する販売力」は、少し落ちているようにも感じます。

 そうした背景からも、まずは、地域に精通していて収益物件の取り扱いにも慣れた地元の不動産会社に、売却の相談をされることをおすすめします。

 先ほども少し触れましたが、昨今の収益物件市場を騒がせている事件は、マーケットを大きく混乱させつつあるように感じます。右肩上がりで上昇を続けてきた収益物件の相場も、今後はどのような動きを見せるのか注視する必要があります。

 これからは収益物件が少し売れにくくなることも予想されますが、そんなマーケットだからこそ信頼できる不動産会社と一緒に、少しでも条件のいい成約を目指してください。

【関連記事はこちら】「家の売却にかかる税金」を、安くする方法は? 賃貸中の家や自宅など、不動産ごとに異なる控除など節税方法や、税金の計算式を紹介

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい

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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地
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サービス開始 2009年
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証一部子会社)
紹介会社数 最大10社
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
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運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟ビル
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サービス開始 2020年
運営会社 ウェブクルー
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 比較サイト運営歴20年以上の会社が運営しており、情報セキュリティマネジメントシステムの国際認証基準である「ISO27001」の認証を取得しているため信頼感がある。提携会社数は少ないが厳選されている。
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1600社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 2399社
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
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◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定は3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取り扱い物件がマンションしかない点。
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マンションナビに関する詳細記事はこちら
◆いえカツLIFE(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート、一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル、区分所有ビル(1室)、店舗、工場、倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権、その他(共有持分についても査定・売却対象)
掲載する不動産会社数 500社 いえカツLIFEの公式サイトはこちら
サービス開始 2012年
運営会社 サムライ・アドウェイズ(上場子会社)
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
【ポイント】再建築不可物件、借地権、底地権といった「訳あり物件」の査定にも対応している。共有持ち分でも相談に乗ってくれる査定サイトは少ないので、相談してみよう。
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一括査定サイトと合わせて利用したい査定サイトはこちら!
◆SRE不動産売却査定(不動産売却査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、その他
対応可能エリア 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県など 不動産査定サイト「SRE不動産売却」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 SREホールディングス株式会社
【ポイント】両手仲介・囲い込みを行わない。不動産ポータルサイトと不動産ネットワークシステムを活用した集客により早期売却を目指す。ソニーグループが運営しており信頼性がある。
SRE不動産売却はこちら
 
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