注文住宅を検討する際、「キッチンにはこだわりたい!」という方が多いのではないでしょうか? 最新のシステムキッチンを導入することも、好みのオリジナルキッチンをつくることもできるので、選択肢が多く迷ってしまいがちです。理想のキッチンを実現するために、まずはキッチンの種類や特徴を理解することから始めていきましょう! 今回は代表的な5種類のキッチンとそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
注文住宅のキッチン選びのポイントは、理想のライフスタイルをイメージすること
注文住宅で理想のキッチンをイメージする際、トレンドやデザインだけで決めるのではなく、まずは「どんな生活を送りたいのか?」を軸に考えていくとよいでしょう。
「家族と一緒に料理をしたい」「週末ホームパーティーを開いて、友人を招きたい」「ダイニングに大きなテーブルを置いて、家族みんなで食事を楽しみたい」など、料理や食事に関して大事にしたいことを明確にします。
そのうえで、部屋の広さにも適したキッチンレイアウトを検討すると、理想のキッチン像がはっきりしてきます。
ここでは、注文住宅で選べる主なキッチンとして、「アイランドキッチン」「ペニンシュラキッチン」「壁付けキッチン」「セパレートキッチン」「L字型キッチン」を紹介します。
それでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットなどを見ていきましょう!
アイランドキッチン
アイランドキッチンとは、キッチンの周囲が壁と接触せず、独立して配置されたキッチンのこと。その形態が島(アイランド)のようであることが、名前の由来になっています。
キッチンの前面が壁とは反対側を向いているこのタイプは、「対面(式)キッチン」とも呼ばれます。作業をしているとき、ダイニングやリビングに背を向けず、見渡せるのが特徴です。また、コンロやシンク、調理スペースが一列に収まっている「I(アイ)型」にも分類されます。
インテリア雑誌でも、存在感のあるアイランドキッチンを中心に据えた、おしゃれなLDKを目にする機会がありますね。とても人気のあるキッチンなので、憧れている方も多いかもしれません。
アイランドキッチンの相場価格は120万~180万円(工事費を除く)です。
ゆったり開放的! 家族と一緒に料理ができるのがメリット
アイランドキッチンのメリットのひとつは、リビングやダイニングの方向を向いているので、作業しながら子どもの様子を見たり、家族とコミュニケーションを取れることにあります。小さいお子さんがいる家庭では、ありがたいですよね。
また、キッチンの周囲に回遊できるスペースがあって、とても開放的。家族や子どもと一緒に料理をするなど、複数人の作業にも向いています。ホームパーティーが好きな方もアイランドキッチンを中心に、料理や食事を楽しむことができるでしょう。
デメリットは、レイアウト上、キッチンスペースを広く取る必要があるため、必然的にリビングダイニングのスペースが狭くなってしまうことです。また、キッチンの状態がオープンに見えてしまうので、常にきれいにしておく必要がありそうです。
ただ、キッチンの前面にカウンターを取り付ければ、見えなくすることも可能です。対面がいいけれどオープンな状態が気になる場合は、カウンター設置をおすすめします。
ペニンシュラキッチン
ペニンシュラキッチンは、キッチンの左右どちらかの側面が壁に接しているキッチンを指します。完全に独立した島(アイランド)と比べて、陸に接している半島(ペニンシュラ)のようであることから、この呼称が生まれました。
こちらも、アイランドキッチンと同様で、リビングダイニングが見渡せる「対面(式)キッチン」であるとともに、コンロ、シンク、調理スペースが一列に収まった「I型」のキッチンです。
アイランドキッチンを配置するほどのスペースはないけれど、対面にしたい、LDKをおしゃれな空間にしたい場合に適しています。
ペニンシュラキッチンの相場価格は90万~170万円(工事費を除く)です。
対面かつリビングダイニングを広くしたい場合におすすめ
ペニンシュラキッチンの魅力は、アイランドキッチンとほぼ重なりますが、片面が壁に接しているため、アイランドキッチンよりスペースを必要としません。その分、リビングダイニングが広くなるのがメリットといえるでしょう。
片面の壁が使えるので、調理器具を下げて収納したいときも便利ですね。アイランドキッチンのように回遊できるスペースは少なくなるので、複数人での調理は難しくなりますが、対面式の良さを十分に感じられるキッチンです。
壁付けキッチン
壁付けキッチンは、キッチンの前面が壁にくっついているタイプです。日本では昔から取り入れられている最もスタンダードなレイアウトで、「背面キッチン」や「ウォール型キッチン」とも呼ばれています。
壁付けキッチンの相場価格は50万~150万円(工事費を除く)です。
メリットは、リビングダイニングが広く使えること
壁付けキッチンのメリットは、何といってもスペースを取らずに効率的な配置ができること。そのため、広々としたリビングダイニングが実現できます。
キッチンよりも、リビングダイニングをメインに考えたい場合には、壁付けタイプを検討するといいですね。大きめのダイニングテーブルを置いて、家族みんなで食卓を囲みたいという理想もかないやすくなります。
また、リビングダイニングと背を向けているため、料理や洗い物などの作業に集中できるのも利点。ささっと時短で家事をしたい方にもおすすめのレイアウトです。
ただ、背を向けているため、家族の様子が目に入ってこず、小さいお子さんがいる場合は少し注意が必要かもしれません。また、一人なら問題ないものの、二人以上だと、ぶつかりやすくなる動線のため、複数で料理を作るのには、あまり向いていません。
セパレートキッチン
セパレートキッチンは、コンロとシンクが別で、2列に配置されたレイアウトです。コンロ・シンク・調理スペースが一列に収まっている「I型」との対照で、「Ⅱ列型」とも呼ばれます。
コンロは壁付けで、シンクはアイランド型なのが一般的です。海外のインテリアではよく見られるこのセパレートキッチン。非常におしゃれな雰囲気をつくることができるキッチンとして、最近注目を集めています。
セパレートキッチンの相場価格は120万~250万円(工事費を除く)です。
おしゃれだけでなく家事効率の良さもメリット
セパレートキッチンの魅力は、そのおしゃれさだけにとどまりません。実は、ほかのキッチンタイプと比べて、家事効率が上がるレイアウトなのです。「I型」でのシンク・コンロ間の横の移動と比べて、前後の動線になる「Ⅱ列型」の方が移動距離が短く、料理時間が短縮できるという実験結果も出ています。
また、キッチン台が2列になっている分、作業スペースが広々と使えるのも利点。料理好きな方、料理の品数やボリュームが多い方、複数の人たちで料理を楽しみたい方には、ピッタリです。収納スペースも増やせるので、お片付けが楽々なのもいいですね。
一方、デメリットは、かなりの配置スペースを要すること。部屋の広さによっては、導入が難しくなるキッチンと言わざるを得ないでしょう。ですが、工夫次第でデメリットもカバーできます。
たとえば、シンク台を広くして、一部をダイニングテーブルにしたり、逆にシンク台をコンパクトに設計して、横にダイニングテーブルを置けば、効率的なレイアウトが可能です。
L型キッチン
最後にご紹介するのは、L型キッチンです。その名の通り、L字型が特徴のレイアウトです。コンロとシンクでそれぞれ分かれていて、壁付けと対面式の2種類があります。
L型キッチンの相場価格は80万~150万円(工事費を除く)です。
キッチンと食卓の空間を一体にできるのがメリット
L型キッチンのメリットは、セパレートキッチンと同様に、効率的な動線であることです。コンロとシンクの距離を近くに設計できるので、水を鍋に入れて火にかける、ゆで上がったものを水にさらすなどの調理作業がやりやすいのが特徴。スペースも広くなる分、2人以上で役割分担して作業できるのも魅力ですね。
セパレートキッチンと比較して、それほど配置スペースを必要としないのもメリットといえるでしょう。壁付けならば、L字に合わせてダイニングテーブルを置けますし、キッチンと食卓が一体となった空間がつくれます。
ただ、L型キッチンのコーナー部分はデッドスペースになりやすいので注意が必要です。有効活用できるように、電子ケトルや調理器具などあらかじめ置く物を決めておくとよいでしょう。
注文住宅で選べる主なキッチンの種類一覧
キッチンの種類別に特徴やメリット・デメリットを紹介しました。それぞれをまとめたものが以下の表です。
なお、キッチンの相場価格は工事費を除く本体価格で、メーカーやキッチンのグレードによって大きく異なります。また、キッチンの取付工事費用は、工事内容によりますが15万~30万円ほどとなっています。
実際にキッチンを選ぶ際は、各設備メーカーのショールームで実物を見て決めることがほとんどです。大手メーカーのショールームとしては、「LIXIL」「TOTO」「パナソニック」などがあります。
それぞれの特徴を頭に入れて、理想のキッチン・注文住宅づくりの参考にしてください。
【関連記事はこちら】>>注文住宅を建てるハウスメーカー・工務店、28社のおすすめポイントや特徴を解説!
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