引越し前の荷造りのコツや手順、効率的な進め方を東大卒整理収納アドバイザーが伝授します【米田まりなさん連載】

引越し前の荷造りのコツや手順、効率的な進め方を東大卒整理収納アドバイザーが伝授します【米田まりなさん連載】
【第3回】2024年2月7日公開(2024年5月22日更新)
米田まりな:整理収納アドバイザー

引越しに向けて、部屋探しや引越し業者選定に大忙しな皆さま。「荷造りは段ボールが届いたら…」とのんびり構えがちですが、一夜漬けの荷造りでは新居もすぐに散らかってしまいます。理想の新生活実現のためには、早めのスタートがカギ。段階的に準備を進めて、効率的に荷造りを進めていきましょう。(整理収納アドバイザー・米田まりな)

「とりあえず詰めて、新居で片付けよう」はNG

 住宅の内見やモデルルーム見学で、新居をきれいに保つモチベーションが上がっている方が多いでしょう。「新居に移ってから、片付けを頑張ろう」と意気込んでいる方、その考えは甘いです! 引越し後ではなく、引越し前の段階から荷物の整理を済ませておくことが、新生活をうまくスタートさせるカギとなります。

 片付けは、持ち物を全部出して向き合う「整理」と、物の定位置を決める「収納」、出したら元に戻す「整頓」の3パートにより構成されます。このうち「整理」を引越し前に終わらせ、「収納」「整頓」を引越し後に新居で行うことで、片付いた新居を実現することができるのです。

荷造りを「整理」の時間にする

 引越しの荷造りのプロセスでは、自然と全ての荷物に手を触れることができるので、「整理」の時間にピッタリです。頭を使わずに、ただ目の前のものを箱に詰めているだけでは、荷造りは単なる移動作業に成り下がってしまいます。

 引越し後、新居でまた一から荷物と向き合う時間を取るのは二度手間ですし、段ボールが山積みのスペースの中でじっくり考えることは難しいでしょう。

 日々の生活や段ボールの回収期限にも追われ、そもそも整理の時間を取ること自体が現実的ではありません。荷解き以外にも、各種手続きや家具・家電の購入など、さまざまにやることがありますので、引越し前に「整理」を済ませておくことが肝心になります。

段ボールが届く「前」の部屋の整理がカギ

引越し会社から段ボールが届く前に部屋の整理を始める
段ボールが届く前から準備開始(出所:PIXTA)

 「それでは段ボールが届いたら、本気を出そう」と思った方、その考えもまだ甘いです!物の整理には、スペースと時間の余裕が必要です。そのため、家に段ボールが届く前から整理を始めることが重要です。

 引越しの荷物整理にあたって、部屋全体を2周すると、自分にとって必要なもの・不要なものを確実に捉えることができます。段ボールが届く前に1周、部屋全体の荷物と向き合っていきましょう。

物との向き合い方

 物と向き合う際、下記の3つの問いかけを行います。

・今の家で最後に使ったのはいつか?
・新居で次に使うのはいつか?
・使う予定がない場合、持っている理由はなぜか?

 「最近も使ったし、新居でもすぐ使う」という物は、そのままで構いません。「引越し後は、オフシーズンになるからしばらく使わない」「使用頻度が年に数回で、引越し後はしばらく使わない」というものは、カゴや衣装ケースなどにひとまとめにしておきましょう。家族暮らしの方は、誰の荷物か分からない物がないよう使用主を明確にして分けていきます。

使う予定のない物は?

 「使う予定がない」物について、持っている理由を細分化していきます。ここで気をつけたいのが「なんとなく捨てられない」「しがらみ・罪悪感があり手放せない」というもの。ネガティブな思い・迷いまで新居に運んでしまうことになるので、引越しを機にできる限り手放したいものです。

 とはいえ、迷ったものもすぐに捨てる必要はありません。「迷いボックス」として、カテゴリーを問わず1カ所にまとめておけばOKです。なんとなくもったいないというものは、この段階でフリマアプリに出品をしてみるのも手です。迷いボックス全体の写真を撮影し、友人や同僚に欲しいものがないか、尋ねてみるのもいいですね。

使用頻度の低いものから順に詰める

荷造りでは使用頻度の低いものから段ボールに詰めていく
適切な荷造りの進め方をマスターしよう(出所:PIXTA)

 段ボールが届いたら、いよいよ荷詰めを始めていきます。「洗面所」「キッチン」「衣類」など、カテゴリーごとに詰めがちなのですが、カテゴリー以上に意識したいのが「使用頻度」。

 荷物の定位置を新居で決める際、「使用頻度の高いものから順に定位置を与える」のが鉄則です。今の家での定位置と同じである必要はなく、新居での生活上で使いやすい位置に置くべきですよね。

 1周目の整理で、「しばらく使わない」と判断した荷物から段ボールに詰めていきましょう。例えば、シーズン外の衣類やシーズン外の家電・食器は、同じ段ボールに詰めてしまいます。

 段ボールの記入欄には、【母:夏の衣類・家電】【父:しばらく手に取らない蔵書】など、「持ち主+カテゴリ+次使う時期」の3点セットで記載しておくと分かりやすいでしょう。

理想的な荷造りの順番

段ボールへの荷造りの順番は、

【1】季節外/使用頻度が低いが、年に数回使うもの
【2】使わないが、思い入れのあるもの
【3】使用頻度高く使うもの
【4】手放すか迷っているもの(迷いボックス)

の順で進めるといいでしょう。

 作業の中で手放すか迷い始めたものがあれば、段ボールに詰めてしまわず「迷いボックス」に移して判断を保留します。迷いボックスの中身を最終判断するのは、引越しの直前で構いません。全体の荷物の量も見て、最後に判断するようにしましょう。

早めに行いたい消耗品のストック点検

 引越しが決まったら、極力、買い物を控えることです。そのためにもまず、自宅にあるストック品の量を点検するようにしましょう。

点検1:食料品

荷造り前に冷蔵庫やパントリーの中身を点検して、ストック品を把握する
食材の総点検を(出所:PIXTA)

 まずは食べ物です。冷蔵庫・冷凍庫、パントリー、非常食など、総点検してみると思ったより多くの食材が自宅に眠っていることに気づくでしょう。

 冷蔵・冷凍品は今の家で食べ切るのがベストですし、非常用の水やインスタント食品も、引越し直前にある程度消費しておく方がスムーズに移動できます。調味料は使い切る、缶詰・乾物もなるべく食べ切れるよう早い段階から計画を立てましょう。

点検2:衛生用品・消耗品

衛生用品、消耗品などは、使い切るのを前提に
衛生用品は使い切るのを念頭に(出所:PIXTA)

 シャンプー・ボディーソープなど、衛生用品についても同じように「使い切る」のがベストです。

 ボディーソープが切れても石けんで代用する、ティッシュや歯ブラシなど職場でも使えるものは持っていくなど、新しいものを買うのを極力控えて消費スピードを速めます。 

 特に、ティッシュペーパー・トイレットペーパーは引越し時に大変かさばるため、計画的に消費しましょう。

 化粧品は未開封で3年、開封済みで半年〜1年が目安と言われます。サンプル品がたまっている場合は、引越し前後で使い切るようにしましょう。

点検3:衣類・タオル

 衣類・タオルには明確な使用期限は定められていませんが、肌につける下着やタオルは1年が買い替えの目安といわれます。新居で心機一転、新調するのもいいですね。

 シャツ・セーター類は、襟が伸びている、透けている、ひじがテカっている、ゴムが伸びているなど状態が悪くなっていないか点検しましょう。

引越し4週間前から活用したい収納グッズ・サービス

使っていない収納グッズやタンス・チェストなどの収納家具は新居でも使わない可能性が高い。思い切って処分を
手持ちの収納家具や収納グッズの見直しを(出所:PIXTA)

 引越し「前」の片付けが肝要とお伝えしましたが、引越しの前段階から収納グッズを買い込んでしまうのはおすすめできません。

 また、今の家で使いこなせなかった収納グッズやタンス・チェストなどの収納家具は、新居でも活用できない可能性が高いので、潔く手放すのがいいでしょう。

 一方、手元にあると重宝する収納グッズは賢く活用していきましょう。ジッパー付き袋は衛生品や調味料など液もれが気になる物のほか、ガジェットや文房具など細かな物の梱包にも活用できます。布団・衣類圧縮袋も引越し荷物のカサを減らすのに便利です。

新居の押し入れを機能的に使うには

 「引越し直後から、押し入れを機能的な状態にして使いたい」という場合は、奥行き・横幅のサイズをしっかりと測って、衣装ケースだけ購入してもいいですね。

 私自身の引越しの際は、アイリスオーヤマの引き出し型収納ケースを押し入れのサイズに合わせて3つ購入しました。引越し前に届いてしまうと移動に差し支えるので、ネット通販で注文し、引越し翌日に届くように指定します。それ以外の収納用品・家具は引越し後に購入するのがいいでしょう。

荷造り時に活用できるサービス

 大量の物と向きあう荷造りにおいて、買取、クリーニング、保管などのサービスは強い味方です。以下、いくつか紹介します。

買取サービス

 本や衣類など、フリマアプリで1点ずつ出品するのが煩雑な場合は、段ボールに詰めて送るタイプの買取サービスが大変便利です。

 「ブックオフ宅配買取」のようなサービスでは、段ボールに詰めて送ることで一気に本を手放すことができます。大型家具・家電は、地元の掲示板「ジモティー」で自宅周辺まで取りに来てもらうことで、楽に手放すことができますね。

クリーニング付き保管サービス

 季節外の衣類・布団は、引越し前にクリーニング付き保管サービスに預けてしまい、使う時に新居で受け取るのがスマートです。クリーニングしたい衣類が多い場合には、各クリーニング店が実施しているパックを利用するのもいいですし、保管とクリーニングを併用したい場合には宅配型収納サービスの利用も便利です。

 「サマリーポケット」では、季節家電やキャンプグッズと共に衣類を保管し、洗いたいものだけ選択してクリーニングに出すこともできます。

家具・家電のレンタルサービス

 家電・家具など、新居で思い切って新調したいと思っているものは、引越し前後で購入するより、レンタルサービスで時間を稼ぐのがおすすめです。

引越しでは、家具家電を買わずにまずはレンタルサービスで借りてみるのも手
レンタルサービスで家電を借りるのも手(出所:Rentio公式サイト)

 例えば、掃除機。私は引越し前に古い掃除機を手放し、引越し直後に家に届くようダスキンモップの利用を始めてみました。その後、レンタルサービス「Rentio」を使って、お掃除ロボットとの使用感を比較しています(最終的にお掃除ロボットに落ち着きました)。

 ただでさえ手続きや意思決定の多い引越し前後、大きな物を購入して後悔せず、レンタルサービスを使用して慎重に検討をしていきたいものですね。

 今回は理想の新居を実現するための荷造りの進め方や、おすすめのグッズ・サービスについてご紹介していきました。荷造りを制するものが新生活を制する。時間に余裕を持って、持ち物と向き合う時間を意識的に設けてくださいね。

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米田まりな

 不動産ディベロッパーで会社員として勤務しながら、副業で整理収納アドバイザーとして活動。本業・副業に加え、一橋大学大学院MBAに夜間コースで通学し、2022年に経営学修士号を取得。その後も宅地建物取引士を取得するなど次々と目標を達成してきた著者。

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