「不動産価格査定書」の見方と注意点を解説!
業者が優秀かどうかは、「流通性比率」で分かる!

【第2回】2018年6月13日公開(2020年6月10日更新)
梶本幸治:株式会社レコ 取締役・コンサルティング本部長

家やマンションなどの不動産を売却する際、不動産会社が「価格査定書」をつくってくれますが、こちらを見れば不動産会社や営業担当者が優秀かどうかが分かります。今回は「価格査定書を見極めるための6つのチェック項目」を紹介しましょう。

 家やマンションなどの不動産を売却する際、一番気になるのが「いくらで売れるのか?」という点。

 不動産ポータルサイトで近所の物件がいくらで売りに出ているのか調べてみたり、路線価や公示地価といった公的な価格を調べても、実際に売れる価格はなかなか分かりません。

 そこで、不動産会社に依頼して所有不動産を査定してもらうことになります。

【関連記事はこちら!】
>>家を高値で売りたいのなら、絶対に知っておきたい「売主のためのレインズ活用法」! 売主が損しても分かりにくい仕組みなので注意を!

不動産会社が売主に書面で提示する「売れる価格」

 不動産価格査定書の見方をご紹介する前に、まずは「不動産査定」はそもそも何なのかご説明します。不動産査定は「その不動産が売れる価格」に関して、不動産取引の専門家である不動産会社が根拠を示して売り主に説明することを指します。

 時々、将来のために不動産査定を受けたいと仰るかたがいらっしゃいますが、これはあまり意味のないことです。実際に売りたいと思ったときに、不動産会社にお声かけされることをおすすめします。

 少し前置きが長くなってしまいましたが、ここから本題である「不動産価格査定書の見方」をご紹介して参ります。

 不動産価格査定書は特段、書式が決まっているものでは無く、各不動産会社によって内容はまちまちです。何十ページにも渡る価格査定書を作る不動産会社があれば、A4一枚だけの査定報告書を出してくる不動産会社もあります。

 以下に、「査定書の内容を見極める6つのチェック項目」をまとめてみましたので、是非ご参考になさって下さい 。

「査定書の内容を見極める6つのチェック項目」

【チェック項目1】査定価格を「○○○万円~○○○万円」といった感じで書いている査定書はアウト!
 確かに、不動産価格は「ピッタリ○○○万円」とは言いにくいものです。しかし、査定価格に幅がある場合は「査定価格:○○○万円」「売り出し時の提案価格:○○○万円」「チャレンジ価格(売り出し上限価格):○○○万円」など、売り主に分かりやすく提案すべきです。

【チェック項目2】物件に関するコメントや販売方法の説明が「テンプレート」な査定書はアウト!
 価格査定書に物件に関するコメントや、販売方法の説明を記載している不動産会社は少なくありませせん。しかし、このコメントや説明が多くの物件に通用する「テンプレート」である場合がございます。このような「手抜き会社」に大切な資産の売却を任せるわけには行きませんので、査定書のコメントから「テンプレート臭」を感じたときは、その不動産会社に販売を任せることは控えてください。

【チェック項目3】会社紹介や営業担当の紹介が少ない査定書はアウト!
 不動産価格査定書は単なる価格の提案書ではなく、販売計画書の側面も持っています。従って「その不動産会社がどのような会社なのか」や「担当してくれる営業はどんな人間なのか」が重要になります。査定書の中に数字ばかりを書き連ね、肝心な会社紹介や営業担当紹介が少ない不動産会社はあまりおすすめできません。

【チェック項目4】査定書の書体がバラバラでフォントも統一性がなく、色づかいも品が無い査定書はアウト!
 実際に販売活動が始まれば、不動産会社にチラシ(マイソク、販売図面ともいう)を作ってもらうことになります。また、ネットで物件情報を公開する際も、その営業担当が物件写真を撮りに行くことになります。つまり、美的感覚が極端に欠落した不動産会社や営業担当に当たってしまうと、これら集客ツールもセンスのないものになりがちです。あまりにも見づらい査定書を平気で提出してくる不動産会社は、センスがないと言わざるを得ません。

【チェック項目5】あまりにもページ数がすくない査定書はアウト!
 査定書は分かりやすさが大切ですので、ページ数が多いからと言って良い査定書とは言えません。しかし1ページ~5ページ程度の査定書しか用意して来ない不動産会社は論外です。その不動産会社の「やる気」が問われても仕方がないでしょう。せめて10ページ以上(添付資料を含む)の査定書を提示してくる不動産会社とお付き合いされるべきだと思います。

【チェック項目6】流通性比率をいじって、査定価格を操作している査定書はアウト!
 タイトルにも書かせていただいた「流通性比率」ですが、あまり耳馴染みのない言葉だと思います。 流通性比率は、「流通性比率はその物件が売りやすいか、売りにくいかという流通性の度合いを示す比率です。1.00(100%)を基準に、マイナス15%からプラス10%の範囲内で売りやすければプラス、売りにくければマイナスとして評価します。(公益財団法人不動産流通推進センター「価格査定マニュアルによる戸建住宅の査定」より)」と定義されており、物件の売れやすさ、売れにくさを査定価格に反映させるための調整手法です。

 しかし、不動産実務の世界では、そもそもの趣旨と異なった使われ方が横行しています。 では、どのように流通性比率が使われているかをご紹介します。 営業担当者が査定価格を算出した際、「あっ!思っていたよりも査定価格が高くなったしまった」や「査定価格が低すぎる…、このままじゃ売主に提示できない」なんてことがたまにあります。

 このような場合、本来ならば、マーケットの動向を再度精査し、根拠のある査定価格を売り主に示すべきです。

 しかし、「マーケットの動向を再度精査」するには手間も時間もかかります。 そこで、売り主があまり聞いた事のない「流通性比率」を上げたり、下げたりして、査定価格の総額を営業担当者の思惑の範囲内に収めようとするのです。

 不動産会社から示された査定書の流通性比率に「1.00」以外の数字が入っている場合は、流通性比率の根拠を営業担当者に質問して下さい。

 その質問にご納得いただける場合は問題ないのですが、もしも、曖昧な回答であったり、あきらかにごまかす素振りが見えた場合は、その不動産会社に販売を任せないようにしましょう。

質問にしどろもどろになる営業マンはお引き取り願おう

 不動産の価格査定書には、なじみの薄い専門用語やたくさんの数字が踊っており、不動産営業担当者の説明も専門用語の解説や、査定の根拠となる数字の説明に終始しがちですが、そのようなところにばかり目が行ってしまっては、その不動産営業担当者が優秀か否かを見極めることはできません。

 不動産営業担当者が優秀か否かを見極めたければ、下記のチェック項目を基に質問をぶつけてみて下さい。

 質問をぶつけてみて、しどろもどろになるような不動産営業担当はバッサリ切り捨てていいでしょう。

 これが私の提案する「不動産価格査定書の見方と注意点」です。 信頼出来る本当のプロを見極め、ご自身の希望される形で不動産売却を進めて下さい。

【関連記事はこちら!】
>>不動産が売れないのは、不動産会社に問題がある? 「レインズに登録」「詳細な報告があるか」など、販売活動をチェックする4つのポイントを紹介

  • RSS最新記事

 

一括査定サイトと合わせて
利用したい査定サイト

 

◆SREリアルティ(旧ソニー不動産)売却査定
60秒で入力可能! 囲い込みのない不動産会社
特徴 ・両手仲介・囲い込みを行わない
・上場企業のソニーグループ関連会社が運営
・売却専門の担当者がマンツーマンで高値売却を追求
対応物件 マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、収益用不動産
対応エリア 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県
運営会社 SREホールディングス株式会社
>>SREリアルティの詳細記事はこちら
おすすめ不動産一括査定サイトはこちら

※不動産一括査定サイトとは、売却したい不動産の情報と個人情報を入力すれば、無料で複数社に査定依頼ができます。査定額を比較できるので売却相場が分かり、きちんと売却してくれる不動産会社を見つけやすくなる便利なサービスです。

◆SUUMO(スーモ)売却査定
SUUMO(スーモ)
 無料査定はこちら >>
 
特徴 圧倒的な知名度を誇るSUUMOによる一括査定サービス
・主要大手不動産会社から地元に強い不動産会社まで2000社以上が登録
対応物件 マンション、戸建て、土地
紹介会社数 10社(主要一括査定サイトで最多)※査定可能会社数は物件所在地によって異なります
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証プライム子会社)
>>SUUMO(スーモ)の詳細記事はこちら
◆リビンマッチ
特徴

・マンション、戸建、土地のほか、工場、倉庫、農地の査定にも対応可能

1700社の不動産会社と提携

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
運営会社 リビン・テクノロジーズ(東証グロース上場企業)

◆すまいValue
不動産一括査定サイトのすまいValue
簡単60秒入力、大手6社に査定依頼できる!
特徴 大手不動産会社6社が運営する一括査定サイト
対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、一棟ビル
対応エリア 北海道、宮城、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、愛知、岐阜、三重、大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山、岡山、広島、福岡、佐賀
運営会社 大手不動産会社6社(東急不動産、住友不動産販売、三井のリハウス、三菱地所の住まいリレー、野村の仲介+、小田急不動産)
>>すまいvalueの詳細記事はこちら
◆マンションナビ
マンションナビ
 無料査定はこちら >>
 
特徴

マンションの売却に特化
・マンションを賃貸に出したい人の賃料査定にも対応
900社以上の不動産会社と提携

対応物件 マンション
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
運営会社 マンションリサーチ
>>マンションナビの詳細記事はこちら
◆HOME4U(ホームフォーユー)
HOME4U
 無料査定はこちら >>
 
特徴 悪質な不動産会社はパトロールにより排除している
・20年以上の運営歴があり信頼性が高い
・1800社の登録会社から最大6社の査定が無料で受け取れる
対応物件 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
紹介会社数 最大6社
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証プライム子会社)
>>HOME4Uの詳細記事はこちら
◆いえカツLIFE
いえカツLIFE
 無料査定はこちら >>
 
特徴

・対応可能な不動産の種類がトップクラス
共有持ち分でも相談可能
訳あり物件(再建築不可物件、借地権、底地権など)の査定も対応可能

対応物件 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・マンション・ビル、投資マンション、区分所有ビル(1室)、店舗、工場、倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
運営会社 サムライ・アドウェイズ(上場子会社)
>>いえカツLIFEの詳細記事はこちら
◆おうちクラベル
おうちクラベル
 無料査定はこちら >>
 
特徴

・AI査定で、査定依頼後すぐに結果が分かる
・SREホールディングスが運営する一括査定サイト

対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート
紹介会社数 最大15社
運営会社 SREホールディングス株式会社(東証プライム上場企業)
>>おうちクラベルの詳細記事はこちら
◆イエウール
イエウール
 無料査定はこちら >>
 
特徴

掲載企業一覧を掲載、各社のアピールポイントも閲覧可能
2000社以上の不動産会社と提携
・対応可能な不動産の種類が多い

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
紹介会社数 最大6社
運営会社 Speee
>>イエウールの詳細記事はこちら
◆LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)
LIFULL HOME'S
 無料査定はこちら >>
 
特徴

日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営
2400社以上の不動産会社と提携
匿名査定も可能で安心

対応物件 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
紹介会社数 最大6社
運営会社 LIFULL(東証プライム)
>>LIFULL HOME'Sの詳細記事はこちら

 

不動産一括査定サイトを比較
評価・評判を実際に一括査定して検証!

サイトロゴ suumo売却査定 home4u マンションナビ おうちクラベル イエウール ライフルホームズ リビンマッチ いえカツLIFE HowMa RE-Guide マイスミEX イエイ すまいValue
サイト名 suumo売却査定 HOME4U マンションナビ おうちクラベル イエウール ライフルホームズ リビンマッチ いえカツLIFE HowMa RE-Guide マイスミEX イエイ すまいValue
提携社数 2000以上 1800以上 2500 不明 1900以上 3691以上 1700以上 500以上 6400以上 29 800以上 1700以上 6
最大紹介社数 10
※物件所在地によって異なる
9 6 6 6 6 6 6 6 6 10 7 6
主な対応物件 マンション、戸建て、土地 マンション、戸建て、土地 マンション マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地 マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など
対応エリア 全国 全国 全国 全国 全国 全国 全国 東京、千葉、神奈川、埼玉 全国 全国 全国 全国 全国
記事を読む 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら 評判や査定内容の検証はこちら

【不動産仲介会社の評判を徹底調査!】
・「SREリアルティ(旧ソニー不動産)」の評判
・「三井のリハウス」の評判
・「住友不動産販売」の評判
・「東急リバブル」の評判
・「野村の仲介+」の評判
・「明和地所」の評判
・「京王不動産」の評判
・「オークラヤ住宅」の評判
・「小田急不動産」の評判

TOP