「再建築が出来ない一戸建て」は売却できるの?
相場はどう考えればいいの?

【第19回】2019年2月15日公開(2021年5月11日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

「再建築できない一戸建て」があるのをご存知ですか?悪徳分譲業者が手っ取り早く分譲するためにつくった違法建築物で、じつはこれが山のように売り出されています。再建築不可物件の相場はなく、二束三文で叩き売るしかないと思われるかもしれませんが、「賃貸用物件」として売りに出せば、意外と高く売れる可能性があるのです。

建築基準法で定められた道路に2m以上接道していないと違法

 家を購入する時、マンションにしようか一戸建てにしようか迷いますよね。

そして、一戸建てを勧める方の意見としてよく聞くのが「一戸建てなら建物が古くなっても土地がある。建物の価値が0円になっても土地には価値がある」というものです。

 確かに一戸建てなら建物が古くなっても「建付け地(古家付き土地)」としての販売が可能です。「建付け地(古家付き土地)」の買い主様は建物を解体し、自身の気にいったお家を新築されます。

 しかし、「再建築が出来ない一戸建て」がある事をご存知ですか。

 再建築が出来ない理由は様々ですが、もっともポピュラーな事例として「建築基準法で定められた道路に接道していない」という理由が挙げられます。

 「建築基準法で定められた道路に接道していないってどういう意味?」と疑問に感じられたと思いますので、ここで簡単にご説明致します。

 建築基準法43条には次のように定められています。

建築基準法43条
建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。

 つまり、建築基準法で「これは道路ですよ」と認められている道路に、間口が2m以上接道していない土地には建物を建ててはいけませんという決まりです。

そして、建築基準法42条では、「道路」について、次のように定義しています。

建築基準法第42条
「道路」とは、次の各号の一に該当する幅員4m以上のもの

 しかし、上記の決まり(接道義務)を満たしていない一戸建てが多数存在するのです。

手っ取り早く分譲を行うために悪徳業者が量産する

 どうして上記の決まりを満たしていない一戸建てが建築出来たのかを説明します。

 街を歩いていると4mくらいの道幅の道路に左右3軒づつ、計6区画ほどのミニ住宅地を目にする事がありますよね。この場合「4mくらいの道幅の道路」を建築基準法の要件を満たした道路にしなければ、ミニ住宅地を作る事は出来ません。

 しかし、悪徳分譲業者は建築基準法上の要件を満たす為の手間暇を省き、手っ取り早く分譲を行うために左右3軒づつ、計6軒の一戸建てを、【左右1棟づつ、2軒の連棟住宅(3戸1の長屋住宅)】として建築確認申請を行い、申請が通った後、連棟住宅(3戸1の長屋住宅)の予定であった建物を、一軒一軒独立した「一戸建て」として建築してしまいます。

 この方法なら「4mくらいの道幅の道路」が建築基準法の要件を満たさずとも、既存の道路を接道道路として建築確認を通す事が可能になります。しかし、このような場合は奥の2軒(合計4軒)は建築基準法上の道路に接道せず、再建築不可物件となってしまいます(道路に面しているオモテの2軒も、再建築が許されない場合がございます)。

 専門的すぎて少し分かりにくかったかもしれませんが、このような物件を「連棟申請による再建築不可物件」と呼び、不動産市場には再建築不可中古一戸建てが山のように売りに出されています。
【関連記事はこちら】>> 「権利未登記」「違法建築」「境界未確定」など"不動産の売却"でよくあるトラブルの解決法とは?

不動産投資家なら高く買ってくれる可能性あり

 では、あなたのご自宅がもし「連棟申請による再建築不可物件」だった場合、どのように販売すれば良いのでしょうか?

 再建築不可物件は、一戸建ての魅力の一つ「一戸建てなら建物が古くなっても土地がある。建物の価値が0円になっても土地には価値がある」を満たす事が出来ません。

 また、再建築不可物件は銀行の住宅ローンを通らない為、「現金の買い主様」しか相手にする事が出来ません。

 つまり、「マイホームを探している」買い主様は再建築不可物件を選んで下さらない可能性が高く、このような買い主様にご購入頂こうとすると、二束三文の価格でタタキ売るしか道は無いかも知れません。

 しかし、マイホームを探している買い主様よりも、高く買って下さる可能性が高い方々がいらっしゃいます。

 その方々とは、「不動産投資家」です。

 再建築不可物件を「賃貸用物件」として売りに出せば、不動産投資家の目に留まるかも知れないのです。

駅近の好立地なら15~20%の利回りが期待できる

 「一戸建てを売る」場合には、再建築が出来ないという点は致命的な短所になり、高値での売却は望むべくもありません。

 しかし「一戸建てを貸す」場合には、再建築が出来ようと出来まいと、立地さえ良ければ高値の家賃で賃借人を募集出来る可能性があります。

 つまり「住む為の不動産」を探している方には何の魅力も感じて頂けない再建築不可物件も、「貸す為の不動産」を探している方からすれば「高い家賃で貸せる上に、再建築可能物件よりも安く買える」再建築不可物件は魅力的に映るでしょう。

 このような売り方をする場合も、実際に賃借人が入居済みである必要はございません。周辺の家賃相場から想定賃料を算出し、「月額家賃が○○万円取れるであろう物件」として売りに出す事が出来るのです。

 実際、不動産投資物件を扱っている「収益物件ポータルサイト」の多くは、想定賃料で利回り(年間想定家賃合計÷販売価格で算出する投資利回りで、投資物件を検討する指標として最も一般的な指標)を表示する事が認められています。

 駅から近い等の好立地であれば「利回り15%~20%」ほど(つまりそれなりに割安で売るということ)で即売却出来る可能性が高く、売り急いでいないのであれば「利回り10%」程度から販売をスタートしても面白いでしょう。

 あでは、再建築ができない一戸建ての相場はどのくらいでしょうっか。通常の再建築可能な中古一戸建てが利回り5〜10%ほどと考えれば、再建築ができない一戸建ての相場は、半額程度で売れれば御の字と考えていいでしょう。

投資物件に精通した不動産会社を選ぶ

 このような売り方をする際に、最も重要なのは「投資物件(収益物件)の取り扱いに慣れた不動産会社」に売却を依頼する事です。

 投資物件に慣れた不動産会社を探す場合は、先程ご紹介した「収益不動産ポータルサイト」へアクセスし、小規模の一戸建て投資物件を掲載している不動産会社の中で、あなたが所有している不動産の近くで事務所を構えている不動産会社に相談してみては如何でしょう。

 居住用物件の取引しか経験が無く、不動産投資家への提案方法を知らない不動産会社は沢山あります。そのような不動産会社に売却を依頼してしまうと「投資家に売ろう」という発想が生まれず、「再建築不可物件は二束三文で売れても仕方ない」と考える事でしょう。

 売り主としては大損です。

 あなたのご所有不動産が「再建築不可物件」である事が判明した場合は、居住用物件にも投資物件にも精通した不動産会社に相談される事をお勧めします。
【不動産会社への無料一括相談&査定に関する記事はこちら】>> 不動産一括査定サイト&査定業者25社で比較! メリット・デメリット、掲載不動産会社、不動産の種類で評価しよう

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サービス開始 2014年
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