「現金の買主」VS「住宅ローンの買主」
売主は、どちらに不動産を売った方がいい?

【第29回】2019年7月30日公開(2021年2月26日更新)
梶本幸治:株式会社レコ 取締役・コンサルティング本部長

私が不動産売買仲介の営業担当だったころ、「現金で買うから、少し値段を下げてもらえないかな?」と買主様に言われたことがあります。その他にも、交渉順位が二番手になってしまった買主様から、「現金で買うから、一番手のお客さんを外して、私と契約してもらえないか」と言われたこともあります。このように「現金の買主」対「住宅ローンの買主」では、売主にとって有利なのはどちらなのでしょうか?

売却金額が同額の場合は
「現金の買主」と契約した方が安全

現金の買主と、住宅ローンの買主、どちらを優先する?

 結論から申し上げますと、「住宅ローンの買主」であっても"ローンを借りられることがほぼ確実な方"であれば、「現金の買主」と実質的には変わりはないため、「現金の買主」であろうが「住宅ローンの買主」であろうが、高く買ってくださる方を優先すればいいと思います。なお、ここでいう「ほぼ確実」とは、金融機関による事前審査をパスしている状態を指しています。

 しかし、「住宅ローンの買主」は住宅ローンを利用する以上、売買契約書には「ローン利用の特約」を付けることになります。そのため、買主のローンが金融機関により否決された場合は、受け取り済みの手付金を返還する義務が発生し、売買契約が白紙解約となりますのでご注意が必要です。

 従って、「現金の買主」と「住宅ローンの買主」の提示している金額が同額の場合は当然、「現金の買主」と契約した方が安全(有利)と言うことになります。

 では、次のような場合は、どうすれば良いのでしょうか?

「現金の買主」と「住宅ローンの買主」が
"競合"したときはどうする?

 3120万円で売りに出している不動産があるとします。

 まず、住宅ローンを利用する買主から「3000万円で買いたい」と意思表示があり、購入申込書(買付証明書)を受け取りました。(※ ちなみに、通常はローンの事前審査で内定が出ない限り、「交渉順位一番手」とはしないケースが多いのですが、買主の属性[勤務先や年収等]が良ければ、営業担当者がその方を一番手とするケースもございます)

 その後、同じく「3000万円で買いたい」という別の買主が現れ、この方が「現金で買いたい」と意思表示をしてきたとします。

 この場合、問答無用の無条件で「現金の買主」を一番手に繰り上げるのでしょうか?

 それとも、「現金の買主」が現れたにも関わらず、「住宅ローンの買主」が一番手である以上、「住宅ローンの買主」と契約することになるのでしょうか?

 その場合は、二番手の条件が、一番手よりも好条件の場合、一番手の買主様に対し「二番手の方と同じ条件まで上がっていただけますか?」と尋ね、一番手が二番手と同等の条件まで上がってきた場合はそのまま一番手と契約し、上がれなかった場合は二番手が一番手に繰り上がって契約する場合が一般的です。

 上記のケースで申し上げますと、一番手の買主に「二番手の買主が現金で買いたいと意思表示されましたが、あなたも現金をご用意いただけますか?」と尋ね、用意できれば一番手がそのまま契約、用意出来なければ二番手を繰り上げることになります。(用意出来ることは、ほとんどございませんが……)

 上記のケースでは、一番手も二番手も同じ金額(3000万円)を提示してきた設定にしましたが、一番手が住宅ローンの利用で提示金額3000万円、二番手が現金で提示金額3100万円の場合なら、一番手に「現金でお支払いいただき、3100万円まで金額も上げられますか?」と尋ねることになります。(※ 交渉順位の取り扱いに関しては、地域によって商慣習が異なるケースがあり、全ての不動産取引で上記のように取り扱われるわけではございません。筆者が一般的だと認識している商慣習をご紹介しました)

再建築不可物件は、
「住宅ローンの買主」には売却できない

 ここまで「現金の買主」と「住宅ローンの買主」では、売主にとって有利なのはどちらか、また、「現金の買主」と「住宅ローンの買主」が競合したときはどうすればいいのかについてご紹介して参りましたが、「絶対に現金の買主でないと契約できない」という物件もございます。

 それは、再建築が出来ない物件です。

 建築基準法43条に定める接道義務(建築物の敷地は、道路に2メートル以上接しなければならない)を満たしていない物件は再建築をする事ができません。そして、このような物件は「連棟申請」と呼ばれる違法建築で建築されていることが多く、住宅ローンの担保物件としては、ほとんどの金融機関が扱ってくれません。
【関連記事はこちら】>>「再建築が出来ない一戸建て」は売却できるの? 相場はどう考えればいいの?

 つまり、現金で買ってくださる買主が現れるまで売れない……ということになるのです。

 再建築不可物件は上記のような理由で流通性が低く、なかなか買主がみつかりません。

 ようやく買主が現れたとしても、それは不動産投資家であるケースが多く、「現金で買うから少し値段を下げてもらえないかな?」と言われてしまうかも知れません。

 ご覧いただいたように、売主が所有している物件の種別によっては、買主が住宅ローンを利用できない場合もあることを覚えておいてください。
【関連記事はこちら】>>「不動産売却の流れ」を総まとめ! 不動産を高値で売るための査定方法、費用、手続きの手順、注意点を徹底解説

  • RSS最新記事

<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を一度入力すれば、複数社から査定してもらうことができる。査定額を比較できるので、不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

↓おすすめ不動産一括査定サイトはこちら↓
◆SUUMO(スーモ)売却査定
特徴 圧倒的な知名度を誇るSUUMOによる一括査定サービス
・主要大手不動産会社から地元に強い不動産会社まで2000社以上が登録
対応物件 マンション、戸建て、土地
紹介会社数 10社(主要一括査定サイトで最多)※査定可能会社数は物件所在地によって異なります
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証プライム子会社)
>>SUUMO(スーモ)の詳細記事はこちら
SUUMO(スーモ)無料査定はこちら >>
◆HOME4U(ホームフォーユー)
特徴 悪質な不動産会社はパトロールにより排除している
・20年以上の運営歴があり信頼性が高い
・1800社の登録会社から最大6社の査定が無料で受け取れる
対応物件 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
紹介会社数 最大6社
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証プライム子会社)
>>HOME4Uの詳細記事はこちら
HOME4U無料査定はこちら >>
◆マンションナビ
特徴

マンションの売却に特化
900社以上の不動産会社と提携

対応物件 マンション
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
運営会社 マンションリサーチ
>>マンションナビの詳細記事はこちら
マンションナビ無料査定はこちら >>
◆いえカツLIFE
特徴

・対応可能な不動産の種類がトップクラス

共有持ち分でも相談可能
訳あり物件(再建築不可物件、借地権、底地権など)の査定も対応

対応物件 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・マンション・ビル、投資マンション、区分所有ビル(1室)、店舗、工場、倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
運営会社 サムライ・アドウェイズ(上場子会社)
>>いえカツLIFEの詳細記事はこちら
いえカツLIFE無料査定はこちら >>
◆ズバット不動産売却
特徴 厳選した不動産会社のみと提携
比較サイト運営歴20年以上の会社が運営
・情報セキュリティマネジメントシステムの国際認証基準である「ISO27001」の認証を取得しており安心感あり
対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟ビル
紹介会社数 最大6社
運営会社 ウェブクルー
ズバット不動産売却無料査定はこちら >>
◆イエウール
特徴

掲載企業一覧を掲載、各社のアピールポイントも閲覧可能
2000社以上の不動産会社と提携
・対応可能な不動産の種類が多い

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
紹介会社数 最大6社
運営会社 Speee
>>イエウールの詳細記事はこちら
イエウール無料査定はこちら >>
◆LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)
特徴

日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営
2400社以上の不動産会社と提携
匿名査定も可能で安心

対応物件 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
紹介会社数 最大6社
運営会社 LIFULL(東証プライム)
>>LIFULL HOME'Sの詳細記事はこちら
LIFULL HOME'S無料査定はこちら >>

 

一括査定サイトと合わせて
利用したい査定サイト

◆ソニーグループの「SRE不動産」売却査定
特徴 ・両手仲介・囲い込みを行わない
・上場企業のソニーグループが運営
・売却専門の担当者がマンツーマンで高値売却を追求
対応物件 マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、収益用不動産
対応エリア 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県
運営会社 SREホールディングス株式会社(ソニーグループ)
>>SRE不動産の詳細記事はこちら
60秒で簡単入力!「囲い込み」を行わない不動産会社
 
TOP