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不動産売却の注意点
【第29回】2019年7月30日公開(2019年7月30日更新)
梶本幸治
梶本幸治

梶本幸治(かじもと・こうじ)氏:不動産売買の業界の裏の裏まで知りつくした不動産業専門コンサルタント。普段は売却を中心とする不動産梅者のコンサルティングを中心としていますが、こダイヤモンド不動産研究所では、売主の立場に立って、「不動産を売却するときの注意点」を解説します!

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「現金の買主」VS「住宅ローンの買主」
売主は、どちらに不動産を売った方がいい?

私が不動産売買仲介の営業担当だったころ、「現金で買うから、少し値段を下げてもらえないかな?」と買主様に言われたことがあります。その他にも、交渉順位が二番手になってしまった買主様から、「現金で買うから、一番手のお客さんを外して、私と契約してもらえないか」と言われたこともあります。このように「現金の買主」対「住宅ローンの買主」では、売主にとって有利なのはどちらなのでしょうか?

売却金額が同額の場合は
「現金の買主」と契約した方が安全

現金の買主と、住宅ローンの買主、どちらを優先する?

 結論から申し上げますと、「住宅ローンの買主」であっても"ローンを借りられることがほぼ確実な方"であれば、「現金の買主」と実質的には変わりはないため、「現金の買主」であろうが「住宅ローンの買主」であろうが、高く買ってくださる方を優先すればいいと思います。なお、ここでいう「ほぼ確実」とは、金融機関による事前審査をパスしている状態を指しています。

 しかし、「住宅ローンの買主」は住宅ローンを利用する以上、売買契約書には「ローン利用の特約」を付けることになります。そのため、買主のローンが金融機関により否決された場合は、受け取り済みの手付金を返還する義務が発生し、売買契約が白紙解約となりますのでご注意が必要です。

 従って、「現金の買主」と「住宅ローンの買主」の提示している金額が同額の場合は当然、「現金の買主」と契約した方が安全(有利)と言うことになります。

 では、次のような場合は、どうすれば良いのでしょうか?

「現金の買主」と「住宅ローンの買主」が
"競合"したときはどうする?

 3120万円で売りに出している不動産があるとします。

 まず、住宅ローンを利用する買主から「3000万円で買いたい」と意思表示があり、購入申込書(買付証明書)を受け取りました。(※ ちなみに、通常はローンの事前審査で内定が出ない限り、「交渉順位一番手」とはしないケースが多いのですが、買主の属性[勤務先や年収等]が良ければ、営業担当者がその方を一番手とするケースもございます)

 その後、同じく「3000万円で買いたい」という別の買主が現れ、この方が「現金で買いたい」と意思表示をしてきたとします。

 この場合、問答無用の無条件で「現金の買主」を一番手に繰り上げるのでしょうか?

 それとも、「現金の買主」が現れたにも関わらず、「住宅ローンの買主」が一番手である以上、「住宅ローンの買主」と契約することになるのでしょうか?

 その場合は、二番手の条件が、一番手よりも好条件の場合、一番手の買主様に対し「二番手の方と同じ条件まで上がっていただけますか?」と尋ね、一番手が二番手と同等の条件まで上がってきた場合はそのまま一番手と契約し、上がれなかった場合は二番手が一番手に繰り上がって契約する場合が一般的です。

 上記のケースで申し上げますと、一番手の買主に「二番手の買主が現金で買いたいと意思表示されましたが、あなたも現金をご用意いただけますか?」と尋ね、用意できれば一番手がそのまま契約、用意出来なければ二番手を繰り上げることになります。(用意出来ることは、ほとんどございませんが……)

 上記のケースでは、一番手も二番手も同じ金額(3000万円)を提示してきた設定にしましたが、一番手が住宅ローンの利用で提示金額3000万円、二番手が現金で提示金額3100万円の場合なら、一番手に「現金でお支払いいただき、3100万円まで金額も上げられますか?」と尋ねることになります。(※ 交渉順位の取り扱いに関しては、地域によって商慣習が異なるケースがあり、全ての不動産取引で上記のように取り扱われるわけではございません。筆者が一般的だと認識している商慣習をご紹介しました)

再建築不可物件は、
「住宅ローンの買主」には売却できない

 ここまで「現金の買主」と「住宅ローンの買主」では、売主にとって有利なのはどちらか、また、「現金の買主」と「住宅ローンの買主」が競合したときはどうすればいいのかについてご紹介して参りましたが、「絶対に現金の買主でないと契約できない」という物件もございます。

 それは、再建築が出来ない物件です。

 建築基準法43条に定める接道義務(建築物の敷地は、道路に2メートル以上接しなければならない)を満たしていない物件は再建築をする事ができません。そして、このような物件は「連棟申請」と呼ばれる違法建築で建築されていることが多く、住宅ローンの担保物件としては、ほとんどの金融機関が扱ってくれません。
【関連記事はこちら】>>「再建築が出来ない一戸建て」は売却できるの? 相場はどう考えればいいの?

 つまり、現金で買ってくださる買主が現れるまで売れない……ということになるのです。

 再建築不可物件は上記のような理由で流通性が低く、なかなか買主がみつかりません。

 ようやく買主が現れたとしても、それは不動産投資家であるケースが多く、「現金で買うから少し値段を下げてもらえないかな?」と言われてしまうかも知れません。

 ご覧いただいたように、売主が所有している物件の種別によっては、買主が住宅ローンを利用できない場合もあることを覚えておいてください。
【関連記事はこちら】>>「不動産売却の流れ」を総まとめ! 不動産を高値で売るための査定方法、費用、手続きの手順、注意点を徹底解説

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、おすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U無料査定はこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S無料査定はこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
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◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
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◆HowMaスマート不動産売却(一般媒介での一括査定)
対応物件の種類 マンション、戸建て(東京23区)
掲載する不動産会社数 10社(一般媒介) HowMaスマート不動産売却の公式サイトはこちら
サービス開始 2015年
運営会社 コラビット
紹介会社数 最大6社
【ポイント】不動産会社探しを支援してくれるサービスで、不動産を売却する際に、不動産会社と会わずに契約が可能。不動産会社との契約は一般媒介なので、不動産会社による違法な「囲い込み」も心配ない。
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◆いえカツLIFE(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル、区分所有ビル(1室)、店舗・工場・倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権、その他(共有持分についても査定・売却対象)
営業エリア 東京、千葉、神奈川、埼玉 いえカツLIFEの公式サイトはこちら
サービス開始 2012年
運営会社 株式会社 サムライ・アドウェイズ
(東京マザーズ上場「アドウェイズ」の子会社)
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
【ポイント】 再建築不可物件、借地権、底地権といった「訳あり物件」の査定にも対応している。共有持ち分でも相談に乗ってくれる査定サイトは少ないので、相談してみよう
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