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不動産を高値で売却する方法[2020年]
2020年2月6日公開(2020年2月6日更新)
ダイヤモンド不動産研究所
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土地(住宅地)の価格査定でプロも信頼する査定方法、
「住宅地価格査定マニュアル」を徹底解説!
住宅地を高額で売却するためのヒントを学ぼう!

「土地(住宅地)」の価格はどのように査定するのだろうか。信頼できる査定方法の1つに、「住宅地価格査定マニュアル」(公益財団法人 不動産流通推進センター作成)を利用する方法がある。本来「住宅地価格査定マニュアル」は不動産仲介会社(宅地建物取引業者)が利用するものだが、住宅地の売却を検討中の売主もその考え方を知ることで、査定金額に影響を与える条件の理解や、信用できる不動産仲介会社(宅地建物取引業者)か否かの見極めにも役立つだろう。詳しく解説するので、ぜひ参考にしてほしい。(フリージャーナリスト:福﨑剛)

「価格査定」は、不動産仲介会社の法律上の業務

 不動産売買の媒介契約を締結する際、「宅地建物取引業法」第34条の2では、不動産仲介会社(宅地建物取引業者)が媒介価格について意見を述べるときは「その根拠を明示しなければならない」と義務づけされている。つまり、価格査定は、納得できる根拠や理由に基づいた適正な市場価値を反映して算出していないといけないのである。

 この記事では、不動産の中でも「土地(住宅地)」の価格査定について解説していきたい。

 「土地・住宅地」の価格と聞いて、国土交通省が毎年発表する「路線価」を思い浮かべた人もいるかもしれない。しかし、路線価とは遺産相続や贈与の課税額を算出するための指標であり、実際の宅地(土地)取引の価格ではない。

 また、もう一つの指標とされる「地価公示価格」は、公共事業用地の取得価格の算定等に使われるもので、一般的な不動産取引の評価額に近いものの、土地の形状やその他の制約によっては、実際の取引市場価格とかけ離れることもある。 

「価格査定マニュアル」は、国交省の“お墨付き”

 では、宅地建物取引業者は、何を根拠にして査定価格を提示するのだろうか。信頼性がある査定方法の1つに、1981年(昭和56年)に作成された公益財団法人 不動産流通推進センター(旧:不動産流通近代化センター)の「価格査定マニュアル」に則った方法がある。

 「価格査定マニュアル」とは、建設省(現:国土交通省)委託調査「価格査定マニュアル策定委員会研究報告書」を元に策定されたもの。消費者に納得性の高い根拠を明示するための合理的手法として、宅地建物取引業者向けに作成された価格査定マニュアルだ。

 つまり、国交省“お墨付き”の信頼性の高い、査定方法といえる。

 ちなみに、価格査定マニュアルでは、不動産を以下のような方法で査定する。

・ 中古マンションや住宅地の価格査定……「比較方式」

 

・ 戸建て住宅の価格査定……宅地は「比較方式」、建物は「原価方式」

 住宅地は中古マンションと同じで、対象不動産と類似の不動産が実際に取引された価格をもとにして、対象不動産の価格を求める「比較方式」で評価する。これが価格査定で使われるポピュラーな方法である。

「住宅地価格査定マニュアル」の査定プロセス

 実際の価格査定業務の流れを簡単にまとめると、次のようになる。

●<査定プロセス(1)>
査定依頼のあった住宅地に関する情報の確認から始まる。査定地の所在、面積、現況がどうなっているのかを確認する。

●<査定プロセス(2)>
当該物件の近隣で同種の成約・売出事例があるかの検索をする。既存物件として流通した広告資料等の有無の確認をして、さらに査定地と事例地における接道状況や交通の便、近隣の状況についても、都市計画図などで確認する。

●<査定プロセス(3)>
現地調査。街路状況や画地の状況のほか、近隣の状況、水道やガスなど各種インフラ(供給処理施設)の目視調査。また、売主から可能な範囲でのヒアリング。

●<査定プロセス(4)>
査定プロセス(1)から(3)までの情報を価格査定システムへ入力する。以下のような各項目を評点に基づいて査定し、査定結果の帳票を印刷する。

⓪ 「基本情報」の入力

① 「交通の便」の入力
② 「近隣の状況」の入力
③ 「環境」の入力

④ 「供給処理施設」の入力
⑤ 「街路状況」の入力
⑥ 「画地状況」の入力
⑦ 「その他画地状況」の入力

⑧ 「流通性比率等」の入力
​⑨  査定結果の帳票印刷

●<査定プロセス(5)>
売却価格提案書の作成。

住宅地の査定で最も重要なのは、
比較に適した「事例地」を選ぶこと

 上記の査定プロセスの中で最も重要なことは、査定プロセス(2)における「査定地と比較できる適切な事例地を選ぶこと」だろう。事例比較方式で査定するため、比較する事例地が適切でない場合は、査定結果は大きく変わる。

 比較できる適切な事例地を選ぶための条件は、次の4つになる。

(a) 取引時点が過去半年以内の物件(成約日が査定時点から半年以内の物件)

(b) 同品等(※)、同規模の事例地(品等:宅地としてのグレードのこと)

(c) 査定地と同一圏内の事例地

(d) 査定地と都市計画区域(市街化区域と市街化調整区域など)が同じ取引事例

 

(※同品等とは、鉄道の最寄り駅や中心街が同一で、同一方向であったり、バスまたは電車などの路線が同一方向、前面道路の幅員、周辺の街並み、街路の状況が類似し、用途地域が同一であったり価格水準に大きな格差がない場合を指す)

 査定してもらう場合、査定価格の根拠となる上記(a)〜(d)の条件をクリアしている内容かを確認しておく必要がある。

 査定の結果ばかりに注目しがちだが、(a)の「取引物件事例」が1年以上も前のものであれば最新の相場との差が広がり、そのまま比較するには信頼性は低くなる。

 また、(b)の「同品等の宅地」と比較しているかも重要である。宅地で比較すべき特徴は、広さや土地の形状以外にもたくさんある。(c)と(d)に関しても比較する以上は、この条件を満たしていることが査定の前提条件となるべきである。

 もしも(a)から(d)の条件が明示されていなかったり、どれかが欠けるような場合は、査定の信頼性が低くなる。簡易査定で(a)〜(d)の条件をないがしろにして査定するような不動産仲介会社は「信用できない」と言っていいだろう。

 なお、事例地(宅地)として好ましくないケースについても、参考までに箇条書きで挙げておこう。

・画地の形状が不整形な土地

・路地状敷地

・道路予定地などを含む土地

・地積過小、地積過大な土地

・高圧線下地

・地役権が設定されている土地、借地権および借地権の目的となっている土地(底地)

・貸家建付地(アパート、貸家などの敷地)……収益物件は、事例地として選定できない。

・区分所有建物の敷地

 こうした条件の土地を事例地として挙げていたら、査定内容に問題があると考えていいだろう。

事例地の単価を求め、査定地の価格を計算をする

 事例地の単価を求めるには、次のような計算でできる。例えば、事例地2,000万円の取引価格の宅地が200㎡だったとすれば、2,000万円÷200㎡=10万円/㎡(㎡単価10万円)ということになる。

 そこで、同じ条件の査定条件を満たしていた場合に、査定地が150㎡だったとしよう。すると、㎡単価10万円×150㎡=1,500万円の査定価格が算出されるのである。

 ただし、事例地と査定地の条件が同じということはほぼないので、取引時点と現在の相場との差異の補正を行う必要がある。そこで、比較する事例地と査定地に評点(「事例地評点」と「査定地評点」)をつけて計算するのが一般的になっている。

住宅地の査定価格の算出式

 評価の内容についてのチェック項目は、下記の一覧表にまとめておく。評価の項目は、前述の査定プロセス(4)で挙げた「①交通の便」「②近隣の状況」「③環境」「④供給処理施設」「⑤街路状況」「⑥画地の状況」「⑦その他画地の状況」に分かれる。

 基本の評点を100とし、それに「①交通の便」が良ければ加点、悪ければ減点などと計算して、その土地の評点を割り出すのだ。

評価の内容:査定不動産の土地の評点と事例地の評点を比較して算出
項目 査定地 事例地 評価の考え方
①交通の便 0.0 0.0 駅までの徒歩圏・バス便の利便性を評価
②近隣の状況 10.0 3.0 店舗・公共施設等への利便性、街並みを評価
③環境 2.5 3.0 騒音、振動、日照・採光、眺望・景観の良否を評価
④供給処理施設​ 0.0 0.0 排水施設、ガス施設の整備水準を評価
⑤街路状況​ 16.0 11.0 土地の方位、前面道路の幅員、街路の整備状況を評価
⑥画地の状況​ 0.0 -2.0 土地の間口、形状の良否を評価
⑦その他画地の状況​ 0.0 0.0 路地状敷地、崖地、都市契約予定地等の有無を評価
◆合計 128.5 115.0 100+①+②+③+④+⑤+⑥+⑦

 例えば上表のように、いま「査定地評点」が128.5、「事例地評点」が115.0だったとする。

 それぞれの項目から評点をつけて、各合計に+100をしたものが各評点となっている。

 この評点をもとに査定価格を算出するのである。それが、下記の式になる。

住宅地の査定価格の算出結果

 査定地の査定価格は、2,235万円となる。

 それぞれの項目(①交通の便、②近隣の状況、③環境、④供給処理施設、⑤街路状況、⑥画地の状況、⑦その他画地の状況)の評点の内訳や評価方法は、【参考】として記事の最後にまとめたのでチェックしてみてほしい。

(まとめ)
査定書を精査すると、不動産会社の営業姿勢が分かる!

 今回見てきた「住宅地価格査定マニュアル」の考え方を理解できれば、住宅地の売却の際に不動産仲介会社が作成してくれた「査定書」が誠実に作られているか、真面目に作られているかが分かるようになるだろう。

 確認すべきポイントは、「住宅地価格査定マニュアル」に準じた、精度の高い査定方法を使っているかどうか。査定価格は、法的には「合理的に説明」できればいいのだが、「住宅地価格査定マニュアル」は、国交省からも言及されている査定方法であり、信頼性が高い。(もちろん、類似の査定方法を用いても問題はない)

 また、比較する事例地について、「住宅地価格査定マニュアル」が定めた比較事例の条件をきちんとクリアしているかどうかもチェックしたい。比較事例を探すことは意外と大変な作業であり、適切とは言い難い比較事例を使っている査定書をよく見かける。いいかげんな事例を持ってくるような不動産仲介会社は、丁寧な仕事をしてくれない可能性が高い。特に、「1年以内の成約事例か」「同一地域または近隣の類似物件か」はチェックするようにしたい。

 なお、査定書は、各社各様のスタイルで作っており、1社の査定書だけを見ても、それがきちんと作られているかどうか、相場に近い価格なのかどうかは、なかなか見抜けないものだ。そのため住宅地の売却の際には、複数の不動産仲介会社に査定を依頼して査定書を見比べることで、査定精度の高さや、その不動産仲介会社や営業担当者の誠実さ・真面目さが見えてくるだろう。
【関連記事はこちら】>>不動産一括査定サイト&査定業者25社で比較! メリット・デメリット、掲載不動産会社、不動産の種類で評価しよう

【参考】住宅地の査定に必要な「7つの項目」の評価方法

 比較する事例地と査定地の各項目(①交通の便、②近隣の状況、③環境、④供給処理施設、⑤街路状況、⑥画地の状況、⑦その他画地の状況)を評価する方法について解説していこう。

●「①交通の便」「②近隣の状況」の評価方法

 「①交通の便」では、まず移動手段の有無、徒歩圏かバス圏かで評価する。

「①交通の便」の評価方法
入力項目 内容
主たる移動手段 対象地の主な移動手段が「鉄道・バス」か「自動車」かの選択
徒歩圏・バス圏 対象地が徒歩圏かバス圏かの選択(主たる移動手段に「鉄道・バス」を選択した場合)
徒歩分 徒歩分数の選択
バス分 バス分数の選択
バス停までの徒歩分 バス停までの徒歩分数の選択
バス運行頻度 バス便数の選択

 さらに徒歩分による評点も異なる。徒歩10分が標準とされ、それ以上かかるとなれば、1分ごとに「-1.2点」ずつマイナス評点が付く。なお、徒歩20分を超える場合は基本的にバス圏扱いになる。

入力項目 基準 評点
徒歩圏/徒歩分 1分 +15.3
2分 +13.6
3分 +11.9
4分 +10.2
5分 +8.5
6分 +6.8
7分 +5.1
8分 +3.4
9分 +1.7
10分(標準) 0.0
11分 -1.2
12分 -2.4
13分 -3.6
14分 -4.8
15分 -6.0
16分 -7.2
17分 -8.4
18分 -9.6
19分 -10.8
20分 -12.0
20分超 -14.0

 最寄バス停から最寄駅、または中心街までのバス所要時間(分)を判定する場合、5分以内が標準で評点が標準となり、10分以内であれば「-5.0点」。その後は5分刻みで「-5.0点」ずつマイナス評点が付く。当該の宅地から最寄バス停までの時間も「分」で評価する。

入力項目 基準 評点
バス圏/バス分 5分以内(標準) 0.0
10分以内 -5.0
15分以内 -10.0
20分以内 -15.0
20分超 -20.0
バス圏/バス停まで徒歩分 1分 +4.0
2分 +3.0
3分 +2.0
4分 +1.0
5分(標準) 0.0
6分 -1.0
7分 -2.0
8分 -3.0
9分 -4.0
10分 -5.0
11分 -6.0
12分 -7.0
13分 -8.0
14分 -9.0
15分 -10.0
15分超 -15.0
バス圏/バス運行頻度 通勤時間帯で1時間に13便以上 +3.0
通勤時間帯で1時間に6便~12便(標準) 0.0
通勤時間帯で1時間に5便以下 -3.0

 また、「②近隣の状況」に関する評点は、下記の表の内容によって判断される。例えば「店舗が徒歩10分以内のところにあるか」「公共施設の利便性」などである。

「②近隣の状況」の評価方法
入力項目 内容
店舗への距離 店舗への徒歩分数の選択
公共施設利用の利便性 公共施設利用の利便性の優劣を選択
街並み 街並みの優劣を選択
近隣の利用の状況 近隣の利用の優劣を選択

●「③環境」「④供給処理施設」の評価方法

 「③環境」の判定については、チェックポイントが「騒音・振動」「日照・採光等」「眺望・景観」の3つに分かれる。ここでは「騒音・振動」「日照・採光等」について詳しくみていこう。

「騒音・振動」に関しては、トラブルにもなりやすい問題で、査定でも”目安となる基準”にもとづいて評価する。

「③環境」の評価方法
入力項目 基準 評点
騒音・振動 「なし(標準/50デシベル未満相当)」
日常生活で気になるような騒音・振動がほとんどない状態
0.0
「ややあり(50~55デシベル相当)」
日常生活で気になるような騒音・振動が、若干感じられる状態
-3.0
「あり(55~60デシベル相当)」
日常生活で気になるような騒音・振動が、ある程度感じられる状態
-5.0
「相当にあり(60~70デシベル相当)」
日常生活で気になるような騒音・振動が、強く感じられる状態
-7.0
「極端にあり(70デシベル超相当)」
幹線道路、鉄道の軌道敷等に隣接し、日常生活で気になるような騒音・振動が、極端に感じられる状態
-10.0
※生活音の目安:話し声(50~80デシベル)、車のアイドリング(65~75デシベル相当)、犬の鳴き声(90~100デシベル相当)

「日照・採光等」については、当該土地の周辺の様子から判断される。「優れる」から「極端に劣る」まで6段階で評点をつける。

入力項目 基準 評点
日照・採光等 「優れる」
周囲に建物・構造物がない場合や、高台の南傾斜ヒナ段上の造成地など、日照・採光に特に優れている
+5.0
「やや優れる」
南側に建物・構造物がほとんどなく、日照・採光に問題がない
+2.5
「普通(標準)」
南側に日照・採光を阻害する建物・構造物がない
0.0
「やや劣る」
周囲に建物・構造物があるため、日照・採光に問題がある
-5.0
「劣る」
周囲に建物・構造物があるため、建物の1階に相当する部分の日照が妨げられるなど、住宅地としての快適性が著しく阻害されている
-10.0
「極端に劣る」
周囲に建物・構造物があるため、建物の1階に相当する部分の日照が妨げられ、通風・乾湿も劣り、住宅地としての快適性が極端に阻害されている
-15.0

 一方、「④供給処理施設」に関しては、「排水施設」「ガス施設」の項目を評価する。

「④供給処理施設」の評価方法
入力項目 基準 評点
排水施設 「公共下水・集中処理(標準)」
公共下水道が設置され、市町村により集中管理されている(合流式か、分流式による処理かは不問)
0.0
「浄化槽施設可」
浄化槽がすでに設置されている、もしくは設置可能である
-5.0
「浄化槽施設不可」
浄化槽施設が利用できない
-15.0
ガス施設 「引き込み済・引き込み容易(標準)」
ガス施設がすでに引き込んである、または引き込んでいないが通常の工事費程度の負担で引き込みが可能である
0.0
「引き込み不能(個別LPG)」
都市ガスの供給地域でない
-3.0

●「⑤街路状況」の評価方法

 宅地に関して、「⑤街路状況」は査定価格に大きく関わってくる。例えば「方位」だ。土地と方位の関係によって評点が変わる。

◆土地と方位の関係
A 「振れ角0度」 査定地・事例地が、振れ角0度(東西南北に対して平行)と判定した場合に選択
B 「振れ角45度」 査定地・事例地が、振れ角45度(東西南北に対して45度傾斜)と判定した場合に選択
A「振れ角0度」とB「振れ角45度」の場合の評点
写真を拡大 A「振れ角0度」とB「振れ角45度」の場合の評点

 次の評価のポイントは、前面道路の「幅員」。幅員の判定では、注意すべきことが3つある。

・ 道路の溝(U字溝かL字溝)がある場合は、現況を優先して幅員とすること

 

・ 2本以上の道路に接している場合は、日頃、主な出入り口として利用している道路の幅員を採用すること

 

・ 道路幅員が一定でない場合は、下の図のように幅員を決めること

 上記を参考に、査定する宅地と接する道路幅員が分かったら、以下のように判定する。さらに「路面の状況」「周辺街路の整備・配置」も、3段階で評点をつける。

「⑤街路状況」の評価方法
入力項目 基準 評点
幅員 6m以上 +5.0
5m以上~6m未満 +3.0
4m以上~5m未満(標準) 0.0
3m以上~4m未満(車進入可能)※ -5.0
3m未満(車進入不可)※ -10.0
路面の状況 「良い」
路面の凹凸などがなく、状態が良い
0.0
「悪い」
舗装後の経年変化で路面にひび割れなどの状態が現れている
-2.0
「未舗装」
舗装されていない状態
-4.0
周辺街路の整備・配置 「計画的で整然」
・周辺街路の平均的な幅員が6m以上、または歩道がある
・都道府県道等の幹線道路に直接つながっている
・区画整理地や造成地などのように、街路の配置が碁盤目状または放射状で規則的
・交通量も少なく、車(大型乗用車)の出入りが容易
+3.0
「ほぼ整然(標準)」
・周辺街路の平均的な幅員が4m以上
・幹線道路とのつながりがよく、行き止まりの道路がない
0.0
「計画性なく無秩序・行き止まり」
・周辺街路の平均的な幅員が4m未満
・行き止まりの街路が多く、幹線街路とのつながりが悪い
・街路は概して歪曲し、自然発生的で規則性がない
・一方通行が多く、迂回を要するなど乗用車の出入りが不便
-3.0
※いずれも建築基準法の道路に該当することが条件

 このほか「公道・私道の別」についての評価がされる。接面道路が私道の場合は、補修費などの負担がかかることもあり、公道に面している宅地に比べて評価が低くなることもある。そのため、公道か私道かを確認して評価する。

●「⑥画地の状況」の評価方法

 「⑥画地の状況」の評価は、「間口」と「形状」によって評価が変わる。特に不整形地は評点が大きく下がる。まずは「間口」から見ていこう。

 2本以上の道路に接する画地の場合は、日常的に出入口として利用できる間口を計測する。また、複数の道路を日常的に利用可能な際は、広い方の間口を計測する。

「⑥画地の状況」の評価方法
入力項目 基準 評点
間口 9m以上(標準) 0.0
8m以上~9m未満 -2.0
7m以上~8m未満 -2.5
6m以上~7m未満 -3.0
5m以上~6m未満 -3.5
4m以上~5m未満 -4.0
3m以上~4m未満 -5.0
2m以上~3m未満 -8.0
私道行き止まり画地の場合 -5.0

 間口の標準は9mとされているので、それより狭い間口の場合は評点が下がる。また、私道行き止まりの画地の場合、評価を下げるケースがある。間口2m未満の土地に関しては査定対象外としている。基本的に再建築不可となることが多いからだ。

 次に「形状」だが、不整形な土地は建物を建てにくく、市場ニーズが少ないこともあり、査定価格が低くなりやすい。また形状だけでなく、間口と奥行きのバランスや面積の大小などの要素も加味して評価する必要がある。目安になる土地の形状と評点は以下の通りだ。

入力項目 基準 評点
形状 「整形(標準)」
間口と奥行きのバランスがとれた長方形または正方形の土地
0.0
「やや不整形」 -5.0
「不整形」 -10.0
「相当に不整形」 -20.0
「極端に不整形」 -30.0

 このように不整形な土地であるほど評点が低くなる。ほかの項目に比べて、査定時の重要度が高いといえる。

●「⑦その他画地の状況」の評価方法

 不整形以外に独自の評価をする必要があるのが、次の5種類の画地についてだ。

・路地状敷地
・崖地、法地
・都市計画道路予定地
・高圧線下地
・前面道路との高低差がある画地

 では、順に説明していこう。

<「路地状敷地」の判定・評価>

 「路地状敷地」とは、いわゆる旗竿形状の土地のこと。「敷延」「延敷」「専通」などともいう。

 判定する際には、路地状敷地を下図のように2つの部分に分け、路地状部分の面積と奥行、間口を計測して評価する。(評点は後述)

  また、以下のような場合も「路地状敷地」に該当する。

角地、二方路等の路地状敷地

 しかし、建築基準法や地方公共団体の条例に定める「敷地等と道路の関係」の規定に抵触する土地は、「路地状敷地」とは評価しない。

 次のような土地の場合も、路地状敷地には該当しないため、この項目では評価しない。

 では「路地状敷地」に該当する場合の評点は、どのようにつければいいのだろうか。

 住宅地価格査定マニュアルでは、有効宅地部分と路地状部分の奥行き(m)と間口(m)を計測、面積(㎡)を算出し、上の式に当てはめた答えを評点としている。

<崖地・法地の判定・評価>

崖地、法地の斜度と高さの目安

 査定地・事例地が崖地・法地を含む場合、利用可能か不可能かの判定が必要になり、その判定によって評価は変わる。

 具体的には、斜度が15度以下の場合は「利用可能」だが、斜度が15度を超える場合は「利用不可能」となる。

 斜度の計測が難しい場合は、「斜面長」と「高さ」を計測することで、下の表からおおまかな斜度を知ることができる。

高さ:H(m) 斜面長:H(m)
1.0 3.9 2.0 1.4 1.2
2.0 7.7 4.0 2.8 2.3
3.0 11.6 6.0 4.2 3.5
4.0 15.5 8.0 5.7 4.6
5.0 19.3 10.0 7.1 5.8
斜度 15度 30度 45度 60度

 崖地、法地の評点は以下の通りだ。

基準 敷地全体に占める崖地、法地面積の割合 評点
崖地、法地を
利用可能(斜度15度以下)
10%以下 0.0
10%超~20%以下 -5.0
20%超~30%以下 -10.0
30%超~40%以下 -15.0
40%超~50%以下 -20.0
利用不可能(斜度15度超) 崖地、法地部分の傾斜の方位などを調査し、
下図の式に当てはめて評点を算出する。
崖地・法地が利用不可能な場合の評点の計算式
写真を拡大 崖地・法地が利用不可能な場合の評点の計算式

<都市計画道路予定地の判定・評価>

 査定地が「都市計画道路予定地」に含まれるか否かを確認する。もしも一部でも「都市計画道路予定地」になっていれば、建築物の制限がかかり、査定にも大きく影響する。

 原則禁止となるのが、次の2つ。

・3階以上または地階を有する建築物

・屋根、柱、床、壁などの主要構造部が、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの建築物

 都市計画道路予定地の評点は以下の通りだ。

基準 評点
「影響なし(標準)」
査定地に、都市計画道路予定地が含まれていない
0.0
「やや影響あり」
都市計画道路予定地に含まれている部分は、査定地のごく一部である
-2.5
「影響あり」
査定地の一部が、都市計画道路予定地に含まれていて、その影響がある
-5.0

「影響大」
査定地の大部分が、都市計画道路予定地に含まれている

-10.0

<高圧線下地の判定・評価>

 高圧線下地とは、電圧が7,000Vを超える特別高圧架空電線下の土地を指す。高圧線の使用電圧が170,000Vを超える場合、高圧線下地には建築物の建築はできないなど、いくつか注意する点がある。

 評点を算出する際に必要な「原価率」は、以下について調査した後、

・高圧鉄塔との査定地・事例地の距離
・高圧線の使用電圧

・離隔距離

(使用電圧が35,000V以下の場合……3m、使用電圧が35,000V〜170,000V以下の場合……3m+(35,000Vを超えた分につき10,000Vごと[端数切上]に0.15mに換算した値)【例】使用電圧66,000Vの場合……3m+(4×0.15m)=3.6m

・高圧線と査定地・事例地との平面的な位置関係

・高圧線下地の面積

 下記を参考にして設定する。

減価率 条件
-10~-50 「高圧線の使用電圧が170,000V 以下の場合」
高圧鉄塔との接近状態、不快音の発生状況などのほかに、高圧線との離隔距離を把握し、有効(高度)利用の阻害度を調査し、減価率「-10~-50」と評価する。
-51~-80 「高圧線の使用電圧が170,000Vを超える場合で、残地に建築可能な場合」
高圧線下地を含むが、残った部分に建築可能な場合、高圧線下地部分について、減価率「-51~-80」と評価する。
評価不可 「高圧線の使用電圧が170,000Vを超える場合で残地も建築不可能の場合」
高圧線の使用電圧が170,000V を超える場合で、高圧線下地が査定地・事例地の大半を占め、残地にも建築ができない場合、査定不可能と判断する。

 高圧線下地の評点の計算式は以下の通りだ。

高圧線下地の評点の計算式
写真を拡大 減価率に加え、高圧線下地部分の面積を計測し、評価する。

<前面道路との高低差がある画地の判定・評価>

 最後は、前面道路との高低差による敷地利用の不便さを、調査して判定する項目。

 日常的に使用している出入口と道路との高低差がない場合は、この評価は行わない。高低差がある場合は、大きく3段階で評価する。

基準 評点
「支障なし(標準)」
前面道路と等高、またはほぼ等高である場合
0.0
「やや利便性に劣る」
前面道路との高低差があり、出入りに階段やスロープを利用、または設置する必要がある
-3.0
「利便性に劣る」
前面道路と著しい高低差があり、出入りに階段やスロープを利用、または設置する必要がある
-5.0

 以上が、住宅地の査定に必要な「7つの項目」の評価方法だ。不動産売買時の参考にしてほしい。

【注目の記事はこちら】
【査定相場を知るのに便利な、一括査定サイト&業者"25社"を比較
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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

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■相場を知るのに、おすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
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◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S無料査定はこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
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◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
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◆HowMaスマート不動産売却(一般媒介での一括査定)
対応物件の種類 マンション、戸建て(東京23区)
掲載する不動産会社数 10社(一般媒介) HowMaスマート不動産売却の公式サイトはこちら
サービス開始 2015年
運営会社 コラビット
紹介会社数 最大6社
【ポイント】不動産会社探しを支援してくれるサービスで、不動産を売却する際に、不動産会社と会わずに契約が可能。不動産会社との契約は一般媒介なので、不動産会社による違法な「囲い込み」も心配ない。
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◆いえカツLIFE(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル、区分所有ビル(1室)、店舗・工場・倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権、その他(共有持分についても査定・売却対象)
営業エリア 東京、千葉、神奈川、埼玉 いえカツLIFEの公式サイトはこちら
サービス開始 2012年
運営会社 株式会社 サムライ・アドウェイズ(東京マザーズ上場「アドウェイズ」の子会社)
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
【ポイント】 再建築不可物件、借地権、底地権といった「訳あり物件」の査定にも対応している。共有持ち分でも相談に乗ってくれる査定サイトは少ないので、相談してみよう
いえカツLIFE無料査定はこちら
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